DEEP 11.4 後楽園ホール(レポ):神龍誠、KENTAのパンチに苦しむも判定勝ちしRIZIN大晦日出場希望。ケイト・ロータスが2R一本勝ち「大晦日、空いてます」。木村琉音、平本蓮の弟・丈に1R腕十字で一本勝ち
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2024年11月4日(月/祝)東京・後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
神龍誠、KENTAのパンチに苦しむも判定勝ちしRIZIN大晦日出場希望
第8試合 フライ級(ノンタイトル戦) 5分3R
○神龍 誠(神龍ワールドジム/元DEEP&CFFCフライ級王者)
×KENTA(K-Clann)
判定2-1 (柴田28-29/橋本29-27/福田29-28)
日本フライ級のトップ選手・神龍が22年5月の王座統一戦で藤田大和に一本勝ちして以来2年半ぶりにDEEPに参戦した。
神龍は24歳。昨年大晦日のRIZIN初代フライ級王座決定戦で堀口恭司に2R裸絞めで一本負け。今年3月にDEEPフライ級王座を返上。4月のRIZIN有明大会でイ・ジョンヒョンに1R肩固めで一本勝ち。7月の超RIZIN.3で元同門の先輩・扇久保博正と対戦し、お互い攻めあぐねる展開の末に判定負けした。このタイミングでDEEPに上がるのは、大晦日のRIZIN出場へのアピールも考えてのものだろう。最近では12月のUFCデビューを控える朝倉海とも練習している。
KENTAは34歳。柔道で全日本選手権ベスト16の実績があり、31歳だった22年3月にMMAプロデビュー。昨年、松岡疾人、杉山廣平、安谷屋智弘に判定勝ちし6連勝の快進撃を続け、今年5月、村元友太郎に判定2-1で惜敗したが、9月16日のDEEPで渡部修斗に1Rニンジャチョークで一本勝ち。今回、神龍戦に抜てきされた。
試合は神龍がピンチを乗り越え、手堅い試合運びで勝利をものにすることに。1R、神龍が開始すぐから右の飛び膝蹴りを当て、そのままKENTAを倒して上になる。神龍はしばらくトップキープしてから立ち上がると、ギロチンチョークを仕掛けるが、すっぽ抜けて落ちてしまい、逆にKENTAが神龍にギロチンを仕掛け返し、場内を沸かせる。だがこれも極まりは浅く、神龍が金網際でハーフで押さえ続ける。終盤、神龍はパスガードを狙いつつ、アームロックを狙う。足の取り合いとなった後、神龍は立つと、ルールで許されるサッカーボールキックを当ててから、パウンドで追い詰めるが時間切れに。記者採点は神龍。
2R、KENTAが序盤から右フックを振い、押すような形ながらも倒すと、パウンドで追い詰め、神龍に立たれてからも右フックを当ててひるませ、さらに追い詰める。中盤、耐えた神龍は上になって押さえて難を逃れ、そのまま最後までトップキープして終わる。記者採点はKENTA。
3R、開始すぐから神龍はタックルで倒し、金網際でトップキープする。中盤からケージの内側に向くが、神龍がトップキープする状態は変わらない。神龍はスペースを作って時折鉄槌と肘を当てる。KENTAは背中をつけ続け、反撃できないまま終わる。記者採点は神龍。合計29-28で神龍。ジャッジは意外にも割れたが、2者が神龍を支持し、神龍が判定勝ちした。
マイクを持った神龍は「復帰戦でいうことで硬くなってしまいました。試合楽しみにしていた人、申し訳ありません。こんな内容で言うのもアレなんですけど、復帰戦勝ったんで、次は絶好調な神龍誠を見せられると思うので、笹原さん、榊原(信行 RIZIN CEO)さんに『大晦日お願いします』とお伝えください」と、ケージサイドのVIP席にいた笹原圭一・RIZIN広報にアピールした。
バックステージでのインタビューで神龍は「水抜き直前で大風邪をひきました。そこまでの仕上がりは問題なかったんですけど」と話し、試合前のコンディショニングで難があったことを明かした。試合展開について「1がうまく行き過ぎたんですけど、スタミナが切れました。2はバランスを崩しただけです。2でスタミナを戻しました。印象が悪いと思って、3で取り返しました」と振り返り、大晦日のRIZINで戦いたい相手については「強い外国人選手がいいです。(9月に)新井(丈)選手に勝った(エンカジムーロ・)ズールー選手も空いていると思いますし」とコメントしている。
酒井リョウ、長谷川賢戦はテクニカル判定で勝利
第7試合 メガトン級(体重無差別) 5分3R
×長谷川賢(HASEGAWAサーカス団/元DEEPメガトン級王者)※フリーから所属変更
○酒井リョウ(レンジャージム/元DEEPメガトン級暫定王者)
2R 3’12” テクニカル判定0-2 (橋本18-20/植松19-19/豊永18-20)
長谷川は19年3月のONEでのアウンランサンに敗れた後、5年半のブランクを経て、8月のDEEPサマーフェスティバルで復帰し、屋外の雨で滑る試合場の中、SAINTを寝技主体で攻め判定勝ちしている。今回の試合5日前には、自主興行のBreakthrough Combatを開催したばかりだ。
酒井は22年11月のメガトン級暫定王者決定戦で赤沢幸典に1R TKO勝ち。昨年7月に水野竜也に1R TKO勝ちし初防衛した。9月のBLACK COMBATとの対抗戦では、ヤン・へジュンに1R腕十字で一本負け。今年3月、正規王者・ロッキー・マルティネスとの王座統一戦では判定負けしたが、最終3R目にマルティネスをパウンドとサッカーボールキックで追い詰めた。
1R、長谷川がサウスポー、酒井がオーソドックスで構えてのパンチの攻防で、酒井が左右のフックを当てて長谷川を2度倒し攻勢を印象付ける。長谷川はすぐ立つ等して、ダメージは小さいが、酒井を追い詰める場面を作れない。
2R、酒井がローを絡めつつパンチも当て、主導権をキープする。長谷川はしんどそうだが、酒井も次第に体力を消耗する。すると中盤、長谷川が右のジャブを当てて酒井をダウンさせる。長谷川が背後からパウンドを連打するが、途中から鉄槌と肘が後頭部に連続で当たる反則となり、酒井が「後頭部だよ」と抗議し、回復のため一時中断する。ドクターチェックも入ると、酒井のダメージにより続行不能と判断され終了に。テクニカル判定扱いとなり、この時点までの内容で判定が行われると、1者はイーブンだったが、2者は酒井を支持し、酒井の判定勝ちとなった。
ケイト・ロータスが2R一本勝ち「大晦日、空いてます」
第6試合 DEEP JEWELS 50kg契約 5分3R
○ケイト・ロータス(フリー)
×月井隼南[じゅんな](FIGHTER’S FLOW)
2R 4’01” 裸絞め
ロータスは26歳。20年12月にデビューし、当初は長野美香、須田萌里らに敗れたが、着実に力をつけ今年3月のDEEP JEWELSでは桐生裕子に1R TKO勝ち。7月の超RIZIN.3ではRENAの相手に抜てきされるも2R TKO負けした。
月井は33歳。伝統派空手で2022年ワールドゲームズ優勝実績があり、8月のDEEP台場大会でMMAプロデビューし、キックボクサーの坂本瑠華に1R裸絞めで一本勝ちした。
試合はロータスがプロ2戦目の月井とのレベル差を見せつけることに。1R、サウスポーで見合う状態が長時間続く中で、ロータスがタックルを仕掛け、押し込んで首相撲から左膝を連打し印象を作る。見合う状態に戻り、最後、ロータスがテイクダウンを奪うと、マウントからパウントを当て、バックを取って終える。
2R、ロータスが開始すぐから月井を押し込み、左膝蹴りをクリーンヒットし、テイクダウンを奪う。ロータスがマウントからパンチを当て、バックから裸絞めを狙い、その両方の動きを行き来し続けて圧倒すると、終盤、裸絞めを極めタップを奪った。
マイクを持ったロータスは「まだ負け越しで、デカい口叩くなと言われることが多いんですけど、大晦日、空いてます」とアピールし、RIZINの大晦日大会への出場を希望した。バックステージでは「MMA 2戦目の相手に勝って大喜びしている場合じゃないんで、明日から大晦日に向けて練習します」と話し、戦いたい相手については「用意された選手、目の前の選手を倒したいだけです」と話した。
ANIMAL☆KOJI、SAINTに1R TKO勝ち
第5試合 ライトヘビー級 5分2R
○ANIMAL☆KOJI(HI ROLLERS ENTERTAINMENT/HASEGAWAサーカス団)
×SAINT(米国/Y&K MMA ACADEMY)
1R 4’29” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
ANIMALは柔道で東海学生柔道大会準優勝の実績があり、15年にMMAデビューし、DEEPフューチャーキングトーナメント2017ミドル級で優勝。クンルンファイト、ONEのトライアウトを経て、20年から3年、K-1 GROUPを主戦場とし7戦3勝4敗。昨年10月のRIZIN名古屋大会でMMAに復帰し、イゴール・タナベに1R三角絞めで一本負け。今年5月に5年半ぶりにDEEPに出場したが、水野竜也に判定負けしている。
SAINTはDEEPで酒井リョウ、誠悟に連勝し、RIZINでスダリオ剛に敗れ、昨年11月のDEEPで水野竜也に2R TKO負け。8月のDEEPサマーフェスティバルでの長谷川賢戦で判定負けしたが、雨でマットが濡れ、得意の打撃を思うように出せない試合を余儀なくされていた。
1R、ANIMALがプレッシャーをかけ、パンチの交錯する場面でも的確に当て、やや優位に進める。中盤過ぎにはANIMALが柔道仕込みの払い腰で倒すと、SAINTの下からの蹴り上げをかわしつつ、右のパウンドをクリーンヒット。これでSAINTがひるむと、ANIMALはパウンドをまとめて追い打ちをかけてTKO勝ちした。
木村琉音、平本蓮の弟・丈に1R腕十字で一本勝ち
第4試合 フライ級 5分2R
○木村琉音[りお](K-Clann)
×平本 丈(剛毅會)
1R 2’22” 腕ひしぎ十字固め
木村は極真空手をベースとし、23年3月のDEEPフューチャーキングトーナメント・バンタム級で優勝。今年7月のDEEPでプロMMAデビューし、斎藤璃貴に2Rとも寝技で攻め込まれ判定負けしている。
平本蓮の弟・丈は5歳からキックを習い、ABEMAの「格闘DREAMERS」にも参加した。昨年3月のGLADIATOR大阪大会でのアマMMAの試合飴山聖也に1R KO負け。昨年大晦日のRIZINでプロデビューし、YUSHIに判定勝ちし、約10カ月ぶりの試合となる。丈のDEEP参戦について、蓮はXの投稿で「RIZINからもありがたく沢山のオファー頂いてましたがしっかりDEEPから積み上げたいと丈本人の気持ちです」と説明していた。
1R、サウスポーの丈に対し、木村がプレッシャーをかけて金網に詰めるが、丈が左右のパンチを振ってから、胴タックルを仕掛けてテイクダウンを奪い、サイドポジションで押さえる。7月のデビュー戦で寝技で苦しんだ木村を、丈は寝技で攻略したかったようだが、これが裏目に。木村はあっさりとガードの中に丈を入れると、すぐさま足を登らせ、腕十字を仕掛ける。しばらく丈は防御していたが、最後は腕が伸びきったところでレフェリーがストップした。
近藤有己、毛利昭彦とのアラフィフ対決で判定勝ち
第3試合 73kg契約 5分2R
○近藤有己(パンクラスイズム横浜/元パンクラス・ミドル級・ライトヘビー級・無差別級王者)
×毛利昭彦(毛利道場)
判定3-0 (福田○19-19/橋本○19-19/柴田○19-19)
近藤は49歳。パンクラスで2010年までに3階級で王座を獲得。19年以降は年1~2試合ペースながらも戦い続け、昨年7月に佐藤豪則に判定負け。12月に美木航に判定負けし2連敗中だ。今回は今年初の試合となる。旗揚げ当時のDEEPで2度戦ったことがあり、01年8月の第2回大会でパウロ・フィリョに判定負けし、02年3月の4th IMPACTでメキシコ人プロレスラーのキック・ボクサーに1R腕十字で一本勝ちしている。
毛利は近藤より1学年上の49歳。19年12月のDEEPで小見川道大にTKO負けして以降、ブランクが続いたが、22年12月の修斗TORAO山口大会で宮崎“師範代”清孝の引退試合の相手を務め2R肩固めで勝利。昨年9月の修斗後楽園大会ではメイヘム和也に判定勝ち。12月の修斗山口大会では児山佳宏に判定負けしている。今回は体重を上げての戦いとなる。
近藤はゼロ年代に使用していたエンヤの「Book of days」をテーマに入場する。これはDEEPの佐伯繁プロデューサーのリクエストだという。1R、近藤がサウスポーで構え、序盤から左ストレートを炸裂させ、毛利をひるませる。中盤以降も近藤がプレッシャーをかけ続ける。近藤も被弾するが、近藤のパンチのヒットが上回る状態が続く。
2Rも近藤が前に出て、お互いパンチを当て、近藤の手数が上だが、終盤に毛利も右の強打で印象を作る。最後、近藤の蹴り足を毛利がつかんで倒し、バックを奪って裸絞めを狙い、いい形で終える。毛利が2Rに反撃したことで、ポイントはイーブンとなったが、トータルマスト判定では攻める時間の長かった近藤をジャッジ3者とも支持し、近藤が判定勝ちした。
第2試合 68kg契約 5分2R
×太田将吾(NEX-SPORTS)
○水野新太[あらた](フリー)
判定0-3 (18-20/18-20/18-20)
水野は4戦全勝の21歳。昨年2月のDEEPフューチャーキングトーナメントで準優勝し、NEXUSでプロデビューし3勝後、今年9月のDEEPで石塚一にKO勝ちしている。セコンドには共に練習する石司晃一がつく。
1R、水野がサウスポーから左ストレートを効かせてひるませ、バックを奪って印象を作る。終盤も水野が組んで押し込んでテイクダウンを狙い続け主導権を維持する。
2Rも水野が左ストレートを効かせ、バックを奪い、立たれても押し込み、最後もバックを奪い主導権を維持し判定勝ちした。
第1試合 68kg契約 5分2R
○ケンヤスキー(THE BLACK BELT JAPAN 沖縄)
×立成洋太(THE BLACK BELT JAPAN 千葉)
2R 1’27” TKO (レフェリーストップ:左フック)
1R、ケンヤスキーがサウスポーからの左ミドルを効かせてから、左フックでダウンを奪い、パンチラッシュで追い詰める場面を作る。2R、ケンヤスキーがまたも左テンカオをボディに効かせると、腹を押さえ痛そうにした立成に対して左ミドルを当てて下がらせる。金網に詰めて左フックをクリーンヒットしてダウンさせ、パウンドで追撃したところでレフェリーがストップした。。
オープニングファイト第2試合 アマチュアSルール フェザー級 3分2R
○赤田プレイボイ功輝(コウキ会)※赤田功輝 改め。RAIGHTから所属変更
×鳥次亜流[とりつぎ ありゅう](ROOM)
1R 1’42” TKO (レフェリーストップ:左フック→グラウンドパンチ)
オープニングファイト第1試合 アマチュアSルール フェザー級 3分2R
○鈴木大晟[たいせい](パラエストラ八王子)
×有馬雄生(JAPAN TOP TEAM)
判定3-0 (20-18/20-18/20-18)