Breakthrough Combat 10.30 東京(レポ):吉野光&風我、ナラントンガラグ氏の弟子のモンゴル勢と好勝負も判定負け。森戸新士、泉武志を三角で仕留めProgressグラップリング暫定王座防衛
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Breakthrough Combat 01
2024年10月30日(水)東京都内・非公開会場
レポート&写真:井原芳徳
DEEPを主戦場とする長谷川賢がプロデュースする配信特化型のMMA&グラップリング大会「Breakthrough Combat(ブレイクスルー・コンバット)」が10月30日に東京都内で初開催された。大会の模様は同じく長谷川がプロデュースしているザ・ワンTVのYouTubeチャンネルを通じて生中継された。
長谷川は、ビッグイベントを目指すも「どのようにステップアップを果たすのかが分からない。行き着くまでの筋道が見えない。目の前を断崖絶壁に阻まれ、その先に進むことができない選手たちがいます」と現状を捉え、「彼らが現状を突き抜け、閉塞感を打ち破るための戦いの機会を提供したい。最強を目指すためのルートを進むのに欠かせないビーコンサインの役割を果たしたい」と考え、このBreakthrough Combatをスタートしたと、旗揚げ発表のプレスリリースで説明していた。
旗揚げ大会で行われたのはMMA 3試合、グラップリング 3試合の全6試合。長谷川はGLADIATORで行われているグラップリングマッチの「Progress(プログレス)」もプロデュースしているが、グラップリングは3試合ともProgressのルールの試合で、Progress暫定ウェルター級王者の森戸新士が、DEEPに参戦中の泉武志を相手に防衛戦を行った。MMAの試合にはGLADIATORで活躍しているオトゴンバートル・ボルドバートルが出場し、DEEPを主戦場とする風我と対戦した。
大会にはザ・ワンTVでも取り扱っている修斗(サステイン)・DEEP・GLADIATORが選手派遣に協力し、3プロモーションの首脳陣も場内で試合を見守った。長谷川によると今後は年3~4回のペースで開催予定だといい、長谷川は「選手を縛らないんで、この大会で活躍した選手はどんどん上に行って欲しい」と話している。
大会の開会式では、オトゴンバートルらモンゴル勢の今大会とGLADIATORへの派遣に尽力するも、8月に急逝した荒井順一氏の追悼セレモニーが行われた。今大会ではモンゴルからの2選手が猛威を振るうことになる。
吉野光&風我、ナラントンガラグ氏の弟子のモンゴル勢と好勝負も判定負け
第6試合 MMA バンタム級 5分3R
×吉野 光(フリー)
○シンバートル・バットエルデネ[Shinebaatar Bat-Erdene](モンゴル/シャンダスMMA)
判定0-3 (28-29/27-30/28-29)
吉野はここ2年、中東でのUAEウォリアーズで3戦し1勝2敗。日本での試合は22年2月のRIZINでの遠藤大翼戦以来となる。
シンバートルは22歳。キック、コンバットサンボ、シュートボクシング、散打のモンゴルでのアマ大会で優勝や準優勝の好成績を残してきた選手。プロMMAは2戦2勝と浅いが、元ONEフェザー級王者でかつてK-1 MAXでも活躍したジャダンバ・ナラントンガラグ氏の元でのトレーニングの成果を発揮する。モンゴル勢のセコンドにはナラントンガラグ氏がつく。
1R、吉野がタックルでテイクダウンを奪うと、シンバートルは下からギロチンを狙うが、吉野は外す。スタンドに戻り、吉野がタックルがまたもタックルで倒すが、シンバートルはスタンドに戻す。シンバートルも終盤にタックルから抱え上げて倒し、金網際で押さえる。最後、スタンドに戻り、パンチの打ち合いで両者ヒットし、スリリングな展開に。記者採点は迷ったが優位な時間の長かった吉野。ジャッジも割れた模様だ。
2R、吉野がテイクダウンを先取するが、シンバートルが返し、さらに吉野も返して上になる、一進一退の展開に。中盤、シンバートルが袈裟で押さえ、肘を連打し印象を作る。終盤もシンバートルが抱え上げて倒すなどしてテイクダウンを繰り返し、主導権を維持する。記者採点はシンバートル。
3R、シンバートルがタックルを仕掛けるが、吉野は耐え、逆に脇を差してテイクダウンを奪い返す。だがこれもシンバートルが返し、金網際の攻防を制し、上から押さえ続ける。吉野は金網を背にして細かく鉄槌を当てるが、威力は軽い。最後、吉野は立つが、シンバートルが右フックを当て、吉野はその先に持ち込めず終了する。記者採点はシンバートル。合計28-29でシンバートル。ジャッジ3者もシンバートルを支持し、シンバートルが判定勝ちした。
第4試合 MMA 58kg契約 5分3R
×風我(K-Clann)
○オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル/シャンダスMMA)
判定0-3 (27-30/28-29/27-30)
1R、序盤に風我がタックルから押し込み、オトゴンバートルは投げで風我を倒すが、すぐにスタンドに戻る。その後は打撃戦が続き、オトゴンバートルが左右のミドルやハイを積極的に放ち優位に進める。風我もサウスポーに時折切り替えながら、左ストレートやミドルを返すが、やや後手で手数が少ない。記者採点はオトゴンバートル。
2R、オトゴンバートルが圧をかけ、右フック等のパンチを振り回すと、風我がスリップし、オトゴンバートルがパウンドで追撃しようとする。風我は下から三角絞めを狙って対処し、オトゴンバートルはスタンドに戻す。オトゴンバートルは風我のタックルを切り続け、左右のミドル等の打撃を随所で当て、主導権を維持する。記者採点はオトゴンバートル。
3Rもオトゴンバートルがタックルでテイクダウンを奪い、打撃でもミドル等で優位をキープする。記者採点はオトゴンバートル。合計27-30でオトゴンバートル。ジャッジ3者もオトゴンバートルを支持し、オトゴンバートルが判定勝ちした。
第2試合 MMA フライ級 5分3R
×久保健太(GSB多治見&ASHURA)
○チョ・ジュンゴン[Cho JoonGun](韓国/The Gym Lab)
判定0-3 (27-30/28-29/28-29)
1R、ジュンゴンがオーソドックス主体で度々スイッチを織り交ぜ、左ミドル、ハイ、フック、右カーフを的確に当て続ける。久保も時折ミドルを返すが、攻撃が少ない。記者採点はジュンゴン。
2Rもジュンゴンが打撃で主導権を維持する。左ミドル、右カーフを自在にヒット。終盤には久保が左まぶたをカットする。記者採点はジュンゴン。
3R、ジュンゴンが胴タックル一発でテイクダウンを奪う。1分ほどでスタンドに戻るが、ジュンゴンが打撃で優位をキープする。終盤、久保も右フックを当ててジュンゴンを下がらせる場面を作るが、最後はジュンゴンがタックルで倒し、パウンドを当て、立って足を蹴って終了する。記者採点はジュンゴン。合計27-30でジュンゴン。ジャッジ3者ともジュンゴンを支持し、ジュンゴンが判定勝ちした。
森戸新士、泉武志を三角で仕留めProgressグラップリング暫定王座防衛
第5試合 グラップリング Progress暫定ウェルター級チャンピオンシップ 5分3R
○森戸新士(Leos&藤田柔術/暫定王者)
×泉 武志(FIGHTER’S FLOW/挑戦者)
1R 2’38” 三角絞め
※森戸が防衛
柔術の強豪・森戸と、レスリングの強豪でDEEPで活躍する泉によるグラップリング戦。Progressルールはポイント制だ。1R、開始すぐから泉が森戸の首を抱え森戸を崩して倒す。森戸は座ったまま、立った泉を追いかける。これが引き込み扱いとなり、泉に2ポイントが入る。森戸はポイントを取らせても下からのサブミッションを狙う戦略で、これが成功することに。泉は1分半近く、グラウンドに付き合わず、立った状態で距離を取り続けていたが、森戸は座ったまま近づいて泉の足をつかんで、泉を両足のガードの中に入れる。さらに森戸は足を登らせ、腕十字を仕掛け、最後は三角絞めで捕まえてガッチリ極めてタップを奪った。今大会ただ一人、フィニッシュ勝利した森戸は、今大会最多の70万円のボーナスを獲得している。
第3試合 グラップリング Progress 72kg契約 5分2R
○中原由貴(マッハ道場&MAJESTIC)
×中川晧貴(reliable)
ポイント2-1
1R、中原が序盤からタックルを仕掛けてテイクダウンを狙い、その後も押し込んでテイクダウンを狙い続ける。終盤、中原が倒し、中川が座って金網際で背中をつける状態まで持ち込むが、背中をつけさせることはできず、テイクダウンのポイントは入らない。とはいえ中原優勢をしっかり印象付ける攻撃に。
2R、序盤から中原がタックルで倒し、今度は金網ではなくマットに背中をつけさせることに成功し、2ポイントを奪う。中原はトップキープし、ハーフと行き来してコントロールする。最後、中川が立ち、エスケープの1ポイントを奪い返すが、すぐに終了。中原がポイント2-1で勝利した。
第1試合 グラップリング Progress ミドル級 5分2R
○有松息吹(藤田柔術)
×林 源平(和術慧舟會IggyHandsGym)
ポイント2-0
1R、有松が終始前に出て、林を何度も金網際に詰め、右腕で脇をさしたり首を抱えたりしながらテイクダウンを狙う。林は防御し続けていたが、残り30秒、有松がテイクダウンを奪い2ポイントを先取する。そのまま有松が押さえて終わる。
2Rも同様の攻防が続き、有松が主導権を握り続ける。終盤、有松が林を倒すが、背中をつけさせることはできず、がぶった状態で終わり、ポイントにはならない。スタンドに戻り、林も必死に前に出るが、逆転のポイントを奪えず終了。有松がポイント差で勝利した。