シュートボクシング 12.26 TDCホール(レポ):海人、GLORY元3位ビレットから2ダウン奪うも右拳痛め倒しきれず判定勝ち。吉成名高、OFGムエタイ初戦は1R KO勝ち。笠原弘希、ONE出場タイ人選手に肘で切られ延長判定負け。奥山貴大、MMA初戦で白川ダーク陸斗に1R腕十字一本勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!
-SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT- GROUND ZERO TOKYO 2024
2024年12月26日(木)TOKYO DOME CITY HALL
レポート&写真:井原芳徳
GROUND ZERO(グラウンドゼロ)はシュートボクシング(SB)が2年に1度、年末に開催することが恒例だったビッグイベント。コロナ禍を経て2019年12月以来、5年ぶりに開催される。SBルール以外の多様なルールの試合が組まれることが特徴で、オープンフィンガーグローブ(OFG)着用のムエタイ、RIZIN MMA、RISE、KNOCK OUTのルールの試合も今回組まれた。
海人、GLORY元3位ビレットから2ダウン奪うも右拳痛め倒しきれず判定勝ち
第11試合 メインイベント スーパーウェルター級(70kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(無制限延長R)
○海人(TEAM F.O.D/SB世界スーパーウェルター級(70kg)王者、KNOCK OUT-BLACK同級王者、RISEミドル級(70kg)王者、元SB日本スーパーライト級(65kg)王者)
×ゲリック・ビレット[Guerric Billet](フランス/元GLORYライト級3位、WAKO-PRO世界ミドル級(75kg)王者)
判定3-0 (若林29-26/神谷30-26/竹村30-25)
海人は27歳。昨年8月のGLORYオランダ大会でティジャニ・ベスタティのGLORYライト級王座に挑戦したが判定負けし連勝が18でストップ。その後、マサロ・グランダー、ジェームズ・コンデを1R KO。今年2月のSBでは元ONE&ルンピニー王者・ペットモラコットに延長判定負けしたが、4月に海人がSB世界王座を懸けて再戦し判定勝ちでリベンジした。海人は再びGLORY王座を目指し、6月に元GLORYライト級9位のアルマン・ハンバリアンを2R左フックでKO。8月に元同級6位のドラゴミール・ペトロフを2R KO。10月に元同級王者のダビッド・キリアに判定勝ち。12月の今大会では元1位のエンリコ・ケールとの試合が計画されたが実現せず、コンデとキリアに勝っているモハメド・ブタザとの一戦が組まれた。だがブタザが負傷欠場し、元GLORY 3位のビレットとの試合が組まれた。
ビレットは36戦29勝(4KO)6敗1分、GLORYでは11戦5勝(1KO)5敗1敗の28歳。昨年11月、後にKrush王者となる小田尋久に判定勝ちしWAKO-PRO世界ミドル級(75kg)王座を獲得。その後5連勝し、9月のGLORYクロアチア大会では地元選手にカーフキックを効かされ3R KO負け。11月30日にアゼルバイジャン人の選手に5R判定勝ちしWAKO-PRO王座初防衛し、1か月間隔で初の日本での試合に臨む。
SB協会の緒形健一代表は「海人のベスタティの挑戦につきましては、来年の夏ぐらいまでにオランダで調整をしています」と会見でコメントしており、今回も勝って来年の大一番に向け弾みをつけたいところだ。
試合は海人が勝ったものの、途中のアクシデントで倒しきれない形に。1R、海人は開始すぐから右カーフ、左ボディを当てる。ビレットも素早いパンチと右カーフを返す。すると中盤、海人が左三日月蹴りを効かせ、またも左の三日月を当ててダウンを奪う。海人はさらに左ボディでもダウンを奪い圧倒する。ジャッジ3者とも10-6で海人につける。
2R、海人は右カーフを増やし、左ボディ、ミドル等も絡め、手数では上回るが、途中右拳を痛め、1Rよりも攻撃が減ってしまう。だがビレットはひるまず、随所で右ストレートを返し、1Rよりも元気になっている。記者採点はイーブン。ジャッジ2者がイーブン、1者が海人につける。
3R、海人は右カーフ、左ボディ、右ストレート等を当てるが、ビレットはひるまない。ビレットはパンチを連打し、海人はある程度ブロックできているが、終了間際には左フックをもらってしまう。記者採点はイーブン。ジャッジ1者はビレットにつける。海人が差をキープして判定勝ちしたが、倒しきれなかったため笑顔は無かった。
マイクを持った海人は「倒しきれなくて不甲斐ないです。でも、俺ならできる、70kg最強なれると確信しました。2025年、僕だけじゃなく日本の格闘家みんな活躍する年になると思います。そのためにも皆さんの支えが力になります。僕だけじゃなく日本の格闘家を応援してください。2025年もよいお年をお迎えください」とアピールした。
バックステージでのインタビューに、海人は右拳を冷やしながら登場し「2R始まってすぐぐらいに(右拳を)痛めました。1R目から痛いなって思い始めて、たぶんラッシュの時にデコか頭を殴っちゃって。2Rにクロスで頭に行ってしまった時にヤバいなって。途中から(右拳の)感覚が無かったです。テンパってしまいました。元々右の拳を折っているんですけど、それを放置したまま治って、変な形でくっついちゃって、それがまた再発したのかなと思います」と説明した。(海人の今後について等の談話は別記事に掲載しています)
笠原弘希、ONE出場タイ人選手に肘で切られ延長判定負け
第10試合 オープンフィンガーグローブマッチ(肘有り) スーパーライト級(65kg) 3分3R(無制限延長R)
×笠原弘希(シーザージム/SB日本ライト級(62.5kg)王者、元同スーパーフェザー級(60kg)&フェザー級(57.5kg)王者)
○ジャック・ジャックムエタイ[Jack Jack Muaythai](タイ)
4R 判定0-3 (木村9-10/若林9-10/津山9-10)
3R 判定0-1 (木村29-30/津山29-29/若林29-29)
笠原三兄弟の長男・弘希は25歳。19年に内藤大樹に、21年に重森陽太に勝利し、22年12月にはRISEでチャド・コリンズに判定負け。昨年2月のSBでは、RWSライト級リーグ優勝者のラムナムムーンレックと対戦し、3回の延長の末にシュートポイントで差をつけ判定勝ちした。昨年4月からSBで始まったオープンフィンガーグローブ(OFG)着用の試合で3試合とも勝利し、11月にはスーパーボールを1R左フックでKO。今年2月にONE Friday Fightsに初参戦したが、ワラポンに判定負け。10月のSBでの再起戦はスーパーライト級(65kg)でのOFGマッチとなり、長谷川祐也を55秒でKOした。今回の相手、ジャックはONE Friday Fightsで3戦タイ人と戦い2勝(2KO)1敗の選手だ。
1R、弘希がサウスポーのジャックにプレッシャーをかけ続ける。弘希は左右のローを当て続けるが慎重だ。ジャックは組んでの膝、右ハイ、左ミドルを当てる。弘希は最後にパンチと膝をまとめ、やや印象を作って終える。記者採点はイーブン。2者は弘希につけ、ジャッジ1者はイーブンとする。
2R、弘希は変わらず前に出て、左ミドルやローを当てるが、なかなか連打をまとめられない。ジャックは左ミドル、ハイ、膝を度々当て、終盤は蹴り数で上回る状態となるが、はっきりダメージを与えるほどにはならない。記者採点はイーブン。ジャッジ3者もイーブンとする。ONEならジャックだろう。
3R、弘希は右ミドル等を当てるが、なかなか追い詰められない。ジャックもコツコツ左ミドル、膝を当て、蹴り足をつかんで崩しも絡め、終盤には右肘で弘希の左目の下をカットし、弘希はドクターチェックを受ける。記者採点もジャッジ3者もジャック。合計29-30でジャック。ジャッジ1者も同じ採点だが、2者はイーブンで延長へ。
4R、ジャックは変わらず膝、ミドルを当て、肘も絡め、終盤には回転肘も放つ。強打は乏しいものの、手数では上回る。弘希は前に出るが攻撃が減ってしまい印象が悪い。記者採点はジャック。ジャッジ3者もジャックにつけ、ジャックが延長判定勝ちした。
山田彪太朗・山田虎矢太がタイ勢に勝利
第9試合 58kg契約 3分3R(無制限延長R)
○山田彪太朗(シーザージム/SB日本フェザー級(57.5kg)王者)
×カオムーカイ・ペットシームー(タイ)
判定3-0 (木村28-26/津山28-26/若林28-26)
山田ツインズの兄・彪太朗は21歳。22年12月のRISEで門口佳佑に判定負けしたが、昨年4月のSB日本フェザー級タイトルマッチで川上叶に判定勝ちしてから6連勝中。タイ人相手に3勝し、今年4月に栗秋祥梧に判定勝ち。6月のKNOCK OUT代々木第二大会で龍聖と戦う予定だったが、学校の給食作りの仕事の際に左手の指を怪我し全治1か月と診断されたため欠場。10月のSBでは一仁を1R KOした。今回、対戦相手のタイ人が2度変わり、大会前々日にカオムーカイが相手になることが発表された。
彪太朗のセコンドには練習仲間でもある花岡竜もつく。1R、彪太朗は開始すぐから右ロー、左ボディを利かせ、右の三日月蹴りで動きを止めると、顔面への右膝蹴りでダウンを奪う。さらに彪太朗はパンチと膝を当て続け、左フックでダウンを奪う。その後も彪太朗が攻め続けるが3ダウン目は奪えない。ジャッジは3者とも10-6で虎矢太につける。
すると2R、カオムーカイは首相撲からの膝蹴りを当て続けて挽回する。彪太朗は首相撲に対応できず、1Rの攻め疲れもあってか勢いが落ちる。終盤にはカオムーカイがカウンターの右ストレートでダウンを奪い返し、試合をわからなくする。
3R、彪太朗はパンチを当てるが、1Rのようなパワフルさとスピードはない。カオムーカイも組んで膝を当て、左ミドルも当てるが、逆転につなげるほどの攻撃は出せず終了。彪太朗がポイント差を守り切り判定勝ちしたが、苦戦のため笑顔は無かった。
彪太朗は「2日前のオファーなのに受けてくれたカオムーカイ選手ありがとうございます。強かった」と話して苦笑した。
第8試合 58kg契約 3分3R(無制限延長R)
○山田虎矢太(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
×シッティチャイ・ソーデッチャパン[Sitthichai Sor.dechapan](タイ)
1R 2’31” TKO (3ダウン:右ストレート)
山田ツインズの弟・虎矢太は21歳。昨年2月、植山征紀にKO勝ちしSB日本スーパーバンタム級王座を獲得。その後も6月・9月・11月とSBのリングで韓国とタイの選手を下したが、今年3月のRISEで大森隆之介に1R KO負けし、プロ14戦目で初黒星を喫した。6月のSBでの再起戦ではの森岡悠樹とOFG着用・56.5kg契約で戦い1R右ストレートでTKO勝ち。10月のSBで57.5kgのフェザー級に階級を上げ、同級3位の内藤凌太に判定勝ち。今回は58kg契約で戦う。
シッティチャイは20歳。ONE Friday Fightsに今年1月に1度だけ参戦し、タイ人選手に2R TKO負けしている
虎矢太のセコンドにも花岡竜もつく。1R、虎矢太は開始すぐから左ボディ、ミドル等を効かせ、パンチを何発も当てて追い詰め、右ストレートでダウンを奪う。虎矢太はボディと顔面にパンチを当て続け、右膝蹴りを連打し再びダウンを奪う。シッティチャイのダメージは大きく、最後は虎矢太がシッティチャイをコーナーに詰め、右ストレートを連打し3ダウン目を奪い快勝した。
マイクを持った虎矢太は「今年初めて負けて、負けから始まりましたが、皆さんのおかげでKOで締めくくることができました」と喜びを語った。
吉成名高、OFGムエタイ初戦は1R KO勝ち
第7試合 ムエタイ(オープンフィンガーグローブ着用) スーパーフライ級(52.16kg) 3分3R
○吉成名高(エイワスポーツジム/ラジャダムナン認定スーパーフライ級王者・元フライ級&ミニフライ級王者、プロムエタイ協会・WPMF世界・BOMフライ級王者、WBCムエタイ・ダイヤモンド・スーパーフライ級王者、同ナイカノムトム・スーパーバンタム級王者、元ルンピニー・LPNJ・WMC・WBC・IBFムエタイ世界ミニフライ級王者)
×バックチョー・シックンナ(タイ)
1R 2’57” TKO (左飛び膝蹴り)
名高は23歳。昨年12月のタイでのRWSで2R KO勝ちしラジャダムナン認定スーパーフライ級暫定王者となる。RWS初の日本大会となる今年2月の後楽園大会ではプレーオプラーオに判定勝ちし正規王者となり、3階級制覇を達成した。4月のRWS千葉大会ではケビン・マルティネスに判定勝ち。7月のRWS千葉大会ではジョムホートに判定勝ちしラジャ王座の初防衛に成功。8月のBOMではペットアヌワットに2R KO勝ち。10月のBOMでカンボジア人のボーンに3R KO勝ち。12月1日のRWS横浜大会ではペットヌンに判定勝ちしラジャ王座の2度目の防衛を果たし、連勝を34に伸ばした。試合後のマイクで名高は「今年の試合はたぶんこれで終わりになると思うんですけど、来年は自分が大きく変化する年になると思う」と話していたが、年内最後にSBのリングで初のOFGムエタイの試合が組まれた。
1R、名高はサウスポーでプレッシャーをかけ、開始すぐから左ミドルを強打すると、場内はどよめく。その後も名高は左ミドル、ストレート、ボディ等を当て主導権を握る。途中、ロープを背にしたバックチョーが右ストレートを放ち、名高の顔面をかすめるが、単発止まりで、名高ペースは変わらない。
終盤も名高が左ミドル、ハイ等で攻め続けると、ロープ際に詰め、右の前手でのフックでダウンを奪う。残り時間が少なかったが、名高は再びロープ際に詰め、左飛び膝蹴りを顔面に当てて再びダウンを奪うと、ダメージが大きく、北尻レフェリーがカウント中にストップした。
ラジャのベルトを巻きマイクを持った名高は「防衛戦から3週間しかなく不安もあったんですけど、応援してくださる皆さんのおかげでいい結果が出せました。ありがとうございます。初めてのOFG、スリリングで楽しかったです。来年、変化の年になると思うので注目してください」と話した。
笠原友希、RISE 61.5kgトーナメント前哨戦でGUMPに判定勝ち
第6試合 RISEルール 61.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○笠原友希(シーザージム/SB日本スーパーフェザー級(60kg)王者、元同フェザー級(57.5kg)王者)
×GUMP[ガンプ](TEAM TEPPEN/RISEスーパーフェザー級(60kg)7位、DEEP☆KICK -60kg王者)
判定3-0 (神谷29-28/北尻29-27/長瀬30-27)
笠原三兄弟の次男・友希は23歳。SB 2階級を制し、4月のタイ・ルンピニースタジアムでのONE Friday Fightsに初参戦すると、ペットシーモック・PKセンチャイに1R KO勝ち。8月のSB後楽園大会ではペットモラコット・スーパーボンジム(元ルンピニースタジアム4階級王者)に1R KO勝ちし8連勝・5連続KO勝ちの快進撃を続けていた。だが10月25日のONE Friday Fightsではソンラックに2ダウンを奪われ判定負けした。
GUMPは大阪出身の21歳。戦績18戦14勝(3KO)3敗1分。昨年6月、戸井田大輝戦でRISEフェザー級(57.5kg)リミットをオーバーし試合も引き分けたが、その後、TEPPENに加入したのを機に、濱田祐生からGUMPにリングネームを改め、スーパーフェザー級に階級アップしてからは7連勝中。今年8月のDEEP☆KICKでは澤谷大樹を右三日月蹴りで2R KOし、DEEP☆KICK -60kg王座を獲得。11月23日のRISEではスーパーフェザー級7位の岩郷泰成を1Rから圧倒し、2Rに左ハイでKOすると「来年(61.5kg)トーナメント出たいんですよ。そのためにも強い奴もう一発お願いします」とアピールし、早速SBのリングで同トーナメントに向けての強豪との査定試合が用意された。
1R、比較的近い距離の攻防だが、友希はサウスポーからの左ミドル、インロー、GUMPは右ロー、三日月蹴り等を当て、蹴り主体の削り合いとなり、まだ均衡は崩れない。記者採点はイーブン。ジャッジは2者が友希につけ、1者はイーブンとする。
2Rも蹴り主体の攻防だが、GUMPのローが効いてきたか?友希は組みが増え、和田レフェリーから繰り返し注意を受け警告が出され少し印象を悪くする。記者採点はイーブンだがGUMPにつく可能性もある。ジャッジは1者がイーブンとし、2者がGUMPにつける。
3R、友希は左ミドル、ローを当て続けると、GUMPも右ハイを返したが、直後に右ミドルを放ったタイミングで、友希が左フックを当てて効かせ、パンチをまとめて倒してダウンを奪う。その後もGUMPも必死に反撃を試みるが反撃ならず、友希が判定勝ちした。
MMAデビュー戦の奥山貴大、白川ダーク陸斗に1R腕十字で一本勝ち
第5試合 RIZIN MMAルール フェザー級(66kg) 5分3R
×白川ダーク陸斗(JAPAN TOP TEAM)
○奥山貴大(NEX SPORTS/GSB/SB日本ウェルター級(67.5kg)王者)
1R 1’15” 腕ひしぎ十字固め
SBのGROUND ZEROシリーズでは過去にもMMAの試合が頻繁に行われており、RIZINでもRENAと鈴木博昭がMMAに挑戦しているが、今回、RIZINの協力により、RIZINの選手とSBの選手によるMMAの試合が組まれた。競技運営もRIZINと同じくJMOCが担当する。
白川は33歳。THE OUTSIDERで知名度を上げ、15年のMMAデビュー後はDEEPを主戦場とし、20年からRIZINにも並行参戦。めまい症により2年のブランクを経て昨年9月の復帰戦では中原由貴に判定負け。今年2月のRIZIN佐賀大会では1階級上のライト級(71kg)で矢地祐介と対戦し一本負け。7月のDEEPではフェザー級で中村大介に判定勝ちした。11月17日のRIZIN名古屋大会ではバンタム級(61kg)に階級を下げ、マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)と戦ったが、レスリングの展開で手を焼き判定負けしていた。
MMA初挑戦の奥山は30歳。立ち技戦績24戦17勝(6KO)7敗。6月の地元愛知でのSBではイモト・ボルケーノを相手に判定勝ちしSB日本ウェルター級王座を初防衛したが、この一戦はOFGを着用して行われていた。最近では9月のNJKFでの肘有りキックの試合でNJKFウェルター級王者の亜維二に判定負けしている。
試合は意外な決着に。1R、白川がタックルを仕掛けると、奥山は切る。白川はロープに押し込み、足をかけて倒そうとするが、奥山は耐えて潰すと、白川は背中を向けてしまい、奥山がバックを取る。奥山は前に落とされそうになるが、そこからまさかの腕十字を狙うと、これがしっかり入ることに。奥山は白川を寝かせてから腕を極めタップを奪うと、場内はどよめいた。
マイクを持った奥山は「今回、白川選手、試合出てくれてありがとうございます。MMA、どうですか?いい試合見れましたね。MMAファイターとしてはまだまだだと思うんで、これから上目指して頑張っていくんで、応援・注目をお願いします」とアピールした。大会後にはシーザー武志・SB協会会長も、大会のMVPとして奥山を選び、RIZINに推薦したいかと聞かれると「いいね」と答え乗り気だった。
KNOCK OUT-BLACKルール 19歳の柿﨑瑠、SB王者・佐藤執斗に3R TKO勝ち
第4試合 KNOCK OUT-BLACKルール(肘無し・ワンキャッチワンアタック) 53kg契約 3分3R(延長1R)
×佐藤執斗(グラップリングシュートボクサーズ/SB日本バンタム級(52.5kg)王者、MAX FCスーパーバンタム級王者)
○柿﨑 瑠[るい](クロスポイント大泉)
3R 1’58” TKO (3ダウン:右膝蹴り)
佐藤は6連勝後、今年3月と5月にONE Friday Fightsに乗り込んだがタイ人選手にKO負け。7月には韓国のMAX FCでパク・ジョンウに判定勝ちしMAX FCスーパーバンタム級王座を獲得している。KNOCK OUTから参戦する柿﨑は9戦9勝(4KO)無敗の19歳の新鋭だ。
1R、佐藤が序盤、左右の前蹴り、ミドル等の蹴り主体で先手を取る。だが中盤過ぎから柿﨑がプレッシャーをかけ、パンチのヒットを増やして巻き返す。記者採点はイーブン。
2R、柿﨑が序盤から佐藤をロープに詰め、左ボディ、ミドルを効かせつつ、顔面へのパンチ、バックスピンキック等を度々当て、ダウン寸前まで追い詰める。記者採点は柿﨑。
3R、柿﨑は開始すぐから右フックでダウンを奪う。柿﨑はさらにパンチを当て続け、右ストレートでまたもダウンを奪う。佐藤のダメージは大きく、コーナーに詰め、パンチと膝を当て続けて佐藤を棒立ちにさせ、右膝蹴りに繋げたところで秋谷レフェリーがストップした。
第3試合 女子44.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○MISAKI(TEAM FOREST/SB日本女子アトム級(45kg)王者、元J-GIRLSミニフライ級王者)
×撫子(GRABS/ミネルヴァ・ペーパー級(43.09kg)1位、元ミネルヴァ・ピン級(45.36kg)王者)
判定3-0 (津山30-27/木村30-27/吉田30-27)
MISAKIは昨年11月のK-1との対抗戦でチャン・リーに勝利するなど3連勝していたが、6月のムエタイスーパーファイト名古屋大会ではムエタイルールに初挑戦し強豪モンクットペットに敗れた。撫子はSB初参戦で、ミネルヴァの最軽量クラスの主力の一人だ。
MISAKIのセコンドには婚約発表したばかりの大﨑一貴がつく。1R、MISAKIが左ボディ、フック、右カーフを度々当て、打撃で主導権をキープしつつ、中盤には首投げでシュートポイント1を奪う。
2RもMISAKIが撫子を詰めて左ボディ、顔面へのパンチ、左ミドル、膝等を当て続けて圧倒する。3RもMISAKIがパンチと蹴りを当て続け、首投げも絡めて主導権を維持し判定勝ちした。
第2試合 61kg契約 3分3R(無制限延長R)
○手塚翔太(Sublime guys・GONG-GYM坂戸/SB日本フェザー級(57.5kg)1位、香港Energy Fightインターナショナル・スーパーフェザー級王者)
×成尾拓輝(究道会館/HOOST CUP日本ライト級(60kg)王者)
3R 2’13” フロントチョーク
手塚は2月にミハエル・レイズに勝利して以来のSBで、試合は6月以来で6連勝中。成尾は10月のSB初戦でSB日本ライト級1位のポッシブルKに判定勝ち。11月のONE Friday Fights初戦では計4度のダウンを奪ってKO勝ちし35万バーツ(約150万円)のボーナスも獲得し5連勝中だ。
1R、手塚が右ロー、成尾が右ミドルを当てる場面が少し印象に残るが、お互いまだ強打は乏しく差はない。
2R、手塚が左ボディを効かせると、首投げでシュートポイント1を奪う。その後もパンチと膝を当て優位を維持する。
3R、成尾はローのダメージもあって力が入りきらなくなり、手塚がフロントチョークを極めタップを奪った。
第1試合 スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
○都木航佑[たかぎ こうすけ](キャピタルレイズ fighting GlaNz/SB日本スーパーウェルター級(70kg)1位、元KROSS×OVER KICK -67.5kg王者)
×ピラポン・ノーナクシン[Peerapong Nornaksin](タイ/ノーナクシンジム)
判定3-0 (木村30-27/吉田30-27/津山30-27)
都木は10月大会で風間大輝に2R TKO勝ちし5連勝中。現在のSB日本スーパーウェルター級王座は空位で、来年の獲得に向けて連勝を重ねたいところ。
ピラポンはSB初参戦。9月にジャパンキック・ウェルター級王者の政斗との67kg契約戦で肘で切り裂き3R TKO勝ち。11月のムエタイオープンでは65kg契約でホンダ・イゴールを肘で切り裂き判定勝ちしている。今回は1~2階級上での試合となる。
1R、都木がプレッシャーをかけ、右ミドル、ストレートを当てる場面もあるが、ピラポンのムエタイのリズムを前にやや攻めにくそう。ピラポンも左ミドルを時折当てるがまだ攻撃が少ない。
2R、都木が変わらずプレッシャーをかけ、コーナー際まで下がらせてから、左テンカオを当てると効き目を発揮する。都木は組んで膝を当て続け、終了間際に顔面への膝蹴りを当てダウンを奪う。
3Rも都木がピラポンをロープ際に詰め続けてパンチと膝を度々当て、主導権を維持指定判定勝ちした。
オープニングファイト第2試合 スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(無制限延長R)
○笠原直希(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級(55kg)1位)
×庄司理玖斗[りくと](拳乃会/NJKFスーパーバンタム級6位)
判定3-0 (吉田30-28/木村30-28/津山30-27)
オープニングファイト第1試合 51.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○片山 魁[かいと](TEAM FOREST)
×和田修虎(橋本道場)
判定3-0 (吉田30-29/津山30-28/木村30-27)