シュートボクシング 10.13 後楽園ホール(レポ):海人、元GLORY王者キリアに判定勝ちし「次はベスタティと」。笠原弘希、ONE敗戦から再起戦で1R KO勝ち。山田虎矢太、フェザー級初戦は内藤凌太に判定勝ち。山田彪太朗、指の怪我からの復帰戦は1R KO勝ち
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SHOOT BOXING 2024 act.5
2024年10月13日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
海人、元GLORY王者キリアに判定勝ち「次はベスタティとやりたい」
第10試合 メインイベント 71kg契約 3分3R(無制限延長R)
○海人(TEAM F.O.D/SB世界スーパーウェルター級(70kg)王者、KNOCK OUT-BLACK同級王者、RISEミドル級(70kg)王者、元SB日本スーパーライト級(65kg)王者)
×ダビッド・キリア[Davit Kiria](ジョージア/チーム・キリア/元GLORYライト級(70kg)王者、クンルンファイト-70kgトーナメント2019優勝)
判定3-0 (若林30-28/津山30-29/大村30-28)
海人は27歳。昨年8月、GLORYオランダ大会で、ティジャニ・ベスタティのGLORYライト級王座に挑戦したが、5Rともポイントを取られ完敗に終わり、連勝が18でストップした。その後、マサロ・グランダー、ジェームズ・コンデを1R KO。今年2月のSBでは元ONE&ルンピニー王者・ペットモラコットに延長判定負けしたが、4月に海人がSB世界王座を懸けて再戦し判定勝ちでリベンジした。海人は再びGLORY王座を目指し、6月に元GLORYライト級9位のアルマン・ハンバリアンを2R左フックでKO。8月に元GLORYライト級6位のドラゴミール・ペトロフを2R KOしている。
キリアは36歳。フルコンタクト空手をベースとし、キック転向後、14年3月にアンディ・リスティをKOして初代GLORYライト級王者に。19年には中国のクンルンファイトの-70kgトーナメントで優勝。21年からのONEでのフェザー級GPではエンリコ・ケールを下すが、シッティチャイに準決勝で敗れる。昨年8月のONEでタワンチャイにミドルキックで、今年1月の中国WLFでオウヤン・フェンにカーフキックでTKO負け。最近では6月のOktagonローマ大会でタラス・ナチュクに判定勝ちしている。長年70kgの上位戦線で戦ってきた選手で、今回初めて日本で戦う。
1R、キリアは開始すぐから圧力を強め、右フック等のパンチを連打する。海人はブロックして防御を続ける。すると中盤、海人は首相撲でキリアを捕まえ、顔面に右膝蹴りを当て、キリアをひるませ、前に出てラッシュで追い詰める。その後も海人は右カーフ、左三日月、ボディフックで攻め続け、主導権を維持する。だがキリアもこれまで同様に右フックを当てつつ、顔面狙いの左前蹴りも当て、場内を沸かせる。記者採点もジャッジ3者も海人。
2R、キリアは前に出続け、パンチを振るい、そこから押し込む展開を繰り返す。海人は強打はもらわずある程度ブロックしているが、キリアの圧力の前に少しずつ疲れてきている様子。途中もらった膝のローブローが影響している可能性はある。海人も右ロー、カーフ、左三日月蹴り、膝蹴り等を当て続け、ヒットでは上だが、なかなかキリアをひるませて勢いを弱めることができない。記者採点は海人。ジャッジは2者が海人につける。
3R、キリアは前に出続け、右フックを随所で強打し、場内をどよめかせる。海人は押されるとクリンチで休む場面が増える。終盤、海人も左ミドル、三日月を連打して巻き返すが、その先の攻めが乏しく、クリンチで休む場面が多いまま終了する。記者採点はキリア。合計29-28で海人。ジャッジ3者とも3Rのキリアにはつけず、1~2点差で海人の判定勝ちとなった。
マイクを持った海人は「絶対に倒しそうと思ったんですけど、判定で反省しています。でもキリア選手に勝ったので次はベスタティとやりたいです。もっと強くなって帰ってくるので応援してください」とアピールした。
笠原弘希、ONEでの敗戦からの再起戦は1R KO勝ち
第9試合 セミファイナル オープンフィンガーグローブマッチ スーパーライト級(65kg) 3分3R(無制限延長R)
○笠原弘希(シーザージム/SB日本ライト級(62.5kg)王者、元同スーパーフェザー級(60kg)&フェザー級(57.5kg)王者)
×長谷川祐也(TEAM FOREST)
1R 0’55” KO (3ダウン:左ハイキック)
笠原三兄弟の長男・弘希は25歳。19年に内藤大樹に、21年に重森陽太に勝利し、22年12月にはRISEでチャド・コリンズに判定負け。昨年2月のSBでは、RWSライト級リーグ優勝者のラムナムムーンレックと対戦し、3回の延長の末にシュートポイントで差をつけ判定勝ちした。昨年4月からSBで始まったオープンフィンガーグローブ(OFG)着用の試合で3試合とも勝利し、11月にはスーパーボールを1R左フックでKO。今年2月にONE Friday Fightsに初参戦したが、ワラポンに判定負けし、それから8か月ぶりの試合は1階級上のスーパーライト級でOFGマッチが組まれた。
長谷川は9戦3勝(2KO)5敗1分の33歳。最近では3月の大森大会で野口貴大に2R TKO勝ちし、4月の静岡KICKで市川一輝に1R KO負けしている。
1R、前に出てきた弘希に対し、長谷川はパンチでの打ち合いに応じるが、弘希が右フックを当てて下がらせると、首相撲から胸に左膝蹴りを当てててダウンを奪う。その後も打ち合いが続き、弘希が左フックで再びダウンを奪うと、最後はダメージの溜まっている長谷川に、弘希が左ハイを当てて3ダウン目を奪いKO勝ちした。
再起戦でKO勝ちした弘希はマイクを持ち「今まで甘かったです。この試合から笠原弘希という男を爆発させます。もう絶対誰にも負けません」と宣言した。
山田虎矢太、フェザー級初戦は内藤凌太に判定勝ち
第8試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(無制限延長R)
○山田虎矢太(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
×内藤凌太(BELLWOOD FIGHT TEAM/SB日本フェザー級3位、元DEEP☆KICK -55kg王者)
判定3-0 (大村30-27/木村30-27/津山30-27)
山田ツインズの弟・虎矢太は昨年2月、植山征紀にKO勝ちしSB日本スーパーバンタム級王座を獲得。その後も6月・9月・11月とSBのリングで韓国とタイの選手を下したが、今年3月のRISEで大森隆之介に1R KO負けし、プロ14戦目で初黒星を喫した。6月のSBでの再起戦ではスック・ワンキントーン・スーパーバンタム級王者の森岡悠樹とOFG着用・56.5kg契約で戦い1R右ストレートでTKO勝ち。今回から57.5kgのフェザー級に階級を上げる。
内藤三兄弟の長男・凌太は21年9月に虎矢太と対戦し判定負けしている。今年3月の大森大会で土井涼雅に判定勝ちし、連敗を3でストップした後は3連勝中。4月大会では山浦俊一に判定勝ち。8月大会では韓国のMMA選手・ウー・ジウォンに判定勝ち。OFGマッチが続いたが、今回は通常グローブで戦う。
1R、虎矢太がプレッシャーをかけ続け、パンチ主体で積極的に攻めていると、終盤、凌太の右ミドルのタイミングで右ストレートを当ててひるませる。そこから虎矢太はパンチを当て続け、コーナーに詰めての右ストレートの連打でダウンを奪う。序盤にバッティングで虎矢太は額を切り出血したが傷は浅い様子だ。
2R、変わらずプレッシャーをかける虎矢太に対し、凌太が右カーフを当て続けていると、虎矢太の左足が少し流れる。だがまたも中盤過ぎに虎矢太が右ストレートを効かせると、コーナーに詰め、パンチを当て続けて凌太を追い詰める。だが1Rほどの勢いはなく、ダウンは奪えない。記者採点は虎矢太。
すると3R、凌太は前に出続け、コーナーを背負わなくなり、パンチの攻防でも左右のフックを随所で的確に当てて挽回する。虎矢太はひるまないものの、自分のヒットが減ってしまう。記者採点は凌太。合計29-27で虎矢太。ジャッジ3者も虎矢太を支持し、虎矢太が判定勝ちした。
マイクを持った虎矢太は「フェザー級に上げて力が入ってしまいました。内藤選手と戦ったことがあって、強敵だとわかっていて力が入ってしまいました。フェザー級に上げて、兄に挑戦するつもりはないんですけど、山田ツインズでフェザー級を盛り上げます」と話した。
山田彪太朗、指の怪我からの復帰戦は1R KO勝ち
第7試合 58.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○山田彪太朗(シーザージム/SB日本フェザー級(57.5kg)王者)
×一仁(真樹ジムAICHI/元MA日本&J-NETWORKフェザー級王者)
1R 1’18” KO (左ストレート)
山田ツインズの兄・彪太朗は、22年12月のRISEで門口佳佑に判定負けしたが、昨年4月のSB日本フェザー級タイトルマッチで川上叶に判定勝ちしてから5連勝中。タイ人相手に3勝し、今年4月に栗秋祥梧に判定勝ちした。6月のKNOCK OUT代々木第二大会で龍聖と戦う予定だったが、学校の給食作りの仕事の際に左手の指を怪我し全治1か月と診断されたため欠場していた。
SB初参戦の一仁は44戦24勝(7KO)17敗3分の34歳。J-NETWORKとMAキックで王座獲得実績があり、最近では4月のHEAT名古屋大会で大我に判定勝ちし、6月のムエタイスーパーファイト名古屋大会でオートー・ノーナクシンに3R肘でTKO負けしている。
試合は彪太朗の完勝に。1R、序盤から彪太朗が左のジャブ、フック、ボディ、ミドル等を自在に当て続け、次第に後退させると、左右のパンチの連打で追い詰め、最後は左ストレートでマットに沈めた。
マイクを持った彪太朗は「6月にKNOCK OUTで試合が決まっていたんですけど、自分の怪我で欠場してしまい申し訳ありませんでした。急なオファーで上がってくれた一仁選手ありがとうございました。再び世界最強に向かって戦っていきます」と話し、「12月26日のSBのビッグイベント、オファー待っています。クリスマスの予定ないんで」とアピールし、観客を笑わせた。
スーパーウェルター級戦線は都木航佑とRYOTAROが勝利
第6試合 スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
○都木航佑[たかぎ こうすけ](キャピタルレイズ fighting GlaNz/SB日本スーパーウェルター級1位、元KROSS×OVER KICK -67.5kg王者)
×風間大輝(橋本道場/SB日本スーパーウェルター級4位)
2R 0’01” TKO (ドクターストップ:左肩の負傷)
1R、都木が右のカーフを当て続けていると、風間はバランスを崩しがちになり、都木がパンチや膝含め手数で差をつける。すると2R、開始すぐに風間の左肩のドクターチェックが入り、脱臼していたためストップがかかり、都木のTKO勝ちという扱いになった。1R途中の投げの展開で痛めた模様だ。
第5試合 スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
○RYOTARO(龍生塾/SB日本スーパーウェルター級2位)
×竜也[たつや](CRISS-CROSS/SB日本ウェルター級(67.5kg)1位)
判定3-0 (30-28/30-27/30-27)
1R、竜也が前に出続け、右ストレートを随所で当てて主導権を握るが、終盤、竜也の右ストレートに合わせて、RYOTAROが左フックを当ててダウンを奪う。2Rはお互いパンチを当て、ほぼ互角の展開に。3R、竜也が随所で右ストレートをクリーンヒットをして巻き返すが、RYOTAROもパンチを返し、逆転を許さず判定勝ちした。
第4試合 59kg契約 3分3R(無制限延長R)
―植山征紀(ONE LIFE/SB日本スーパーバンタム級(55kg)1位・元王者)※龍生塾ファントム道場から所属変更
―土井涼雅(グラップリングシュートボクサーズ多治見/SB日本フェザー級(57.5kg)5位)
中止 (植山が減量中に倒れ、病院に搬送されたため)
第3試合 63kg契約 3分3R(無制限延長R)
×ポッシブルK(K’GROWTH/SB日本ライト級(62.5)1位)
○成尾拓輝[ひろき](究道会館/HOOST CUP日本ライト級(60kg)王者)
判定0-3 (25-29/25-29/25-29)
1R、サウスポーのポッシブルKに対し、成尾が開始すぐから右ストレート、ミドルのラッシュを仕掛けて追い詰める。中盤、バッティングで成尾はダメージを負ったが、再開後も成尾がパンチラッシュでポッシブルKを苦しめる。
2RもポッシブルKがパンチで攻め続け、ダウン寸前まで度々追い詰める。中盤、ポッシブルKがバッティングで右まぶたをカットしたため竹村レフェリーがドクターチェックを要請するが、傷は浅く再開する。これで少しポッシブルKは回復し、前に出るが、バッティングとなってしまい、またも成尾がダメージを負い、一時中断する。ポッシブルKには減点1が科される。再開するが、成尾はバッティングのダメージの影響で勢いが落ち、逆にポッシブルKが回復し、五分に近い状態に戻ってしまう。
3R、成尾は回復を兼ねて距離を取り、左フックを当てていると、これが効果があり、ポッシブルKはダウンする。終盤、ポッシブルKも首投げで1ポイントを獲得したが、逆転にはつなげられず、成尾が判定勝ちした。
第2試合 オープンフィンガーグローブマッチ ヘビー級(80kg以上) 3分3R(無制限延長R)
×遊笑[ゆうや](Y’s glow/MA日本ヘビー級王者、元J-NETWORKヘビー級1位)
○ブランドン・ハシモト(ペルー/JAWS WEST)
2R 1’19” KO (パンチ連打)
第1試合 51.5kg契約 2分3R(延長1R)
○片山 魁[かい](TEAM FOREST)
×有川翔太(WARRIOR GYM)
3R 2’59” KO (左ハイキック)
片山は16歳でプロデビュー戦。サウスポーからの左ミドル、ハイ、ストレートで有川を圧倒し、2Rには首投げでシュートポイント1を獲得する。3Rには終盤に右ハイでダウンを奪い、さらに左ハイを当ててKOした。