ROMAN 10.14 東京(レポ):渡慶次幸平、新大会でのバーリトゥード戦でUFC出場のチョープを115秒KO「MMA界でくすぶっていて突き抜けたい人は第2回に出てください」。NAOYOSHI CEO「あの日絶たれた世界線をもう一度探しに行く旅をしたい」
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でらゲーPresents ROMAN ONE
2024年10月14日(月/祝)東京・無観客配信大会
レポート:井原芳徳 写真提供:ROMAN
ブラジリアン柔術家のNAOYOSHI(渡辺直由)氏がCEO、中井祐樹氏が名誉顧問を務める「ROMAN(ローマン)」の旗揚げ大会「ROMAN ONE」が10月14日(月/祝)に東京都内のジムのケージで行われた。観客は入れず、YoutubeのROMANチャンネルを通じて日英両言語の実況解説付きで生配信された。
NAOYOSHI CEO「あの日絶たれた世界線をもう一度探しに行く旅をしたい」
ROMANは世界標準のMMA・柔術とは異なるルールを採用するのが特徴。MMAのルーツにあたるバーリトゥード(ポルトガル語で「なんでもあり」という意味。時間無制限、素手。頭突き、金的あり)、道着着用のMMA、独自ルールの柔術(ポイント無しでヒールフック・スラム等解禁)が組まれた。ルール詳細はROMAN公式サイト参照。
NAOYOSHI CEOは開会の挨拶で「昔は道着の人と裸の人が総合格闘技で対戦していたこともありました。ちょっとしたボタンのかけ違いがあったら、パラレルワールドで、道着MMAが裸のMMAと同じぐらい世界に広まっていた可能性があるのではと昔から思っていました。柔術もブラジルでおそらく50~60年の歴史があると思うんですけど、ヒールフックやスラミングが解禁された柔術が見たいと思っていました。それと、約30年前の出現から間もなくして表舞台から姿を消したバーリトゥードを復活させたいと思い、約1年前から動いていました」「これを大きな流れとして、日本から世界に広げて行きたいです。あの日、絶たれてしまった世界線をもう一度みんなで探しに行く旅をしたいと思って、同志たちに声をかけて、素晴らしい理念を持った人間が今日ここに集ってくれました」と、旗揚げの経緯やビジョン等を語った。
渡慶次幸平、新大会でのバーリトゥード戦でUFC出場のチョープを115秒KO「MMA界でくすぶっていて突き抜けたい人は第2回に出てください」
第12試合 R.O.M.A.Rules(バーリトゥード) 74.8kg契約 時間無制限
×ウィル・チョープ(米国/Will The Kill Team)
○渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺)
1’55” TKO (レフェリーストップ:右フック→グラウンドパンチ)
バーリトゥードは2試合組まれ、いずれも素手の顔面パンチによる短時間決着となった。チョープは14年、UFCでマックス・ホロウェイと戦い2R TKO負け。その後はパンクラス、修斗、GLADIATOR等に上がり、ベアナックルボクシングやラウェイといった素手での戦いにも挑戦していた。渡慶次も元はMMA選手だがラウェイで活躍し、近年はRIZINにも出場している。両者とも素手での戦いの免疫はついている。
試合は渡慶次がサウスポーで構えてプレッシャーをかけ、長身のチョープを金網際に詰め、両者見合う状態が続く。チョープが右ミドルを当てると、渡慶次は蹴り足をつかむが、すぐにチョープは足を引き抜いて離れる。渡慶次は左インカーフキックを時折当てる。
ルールがルールだけに、両者探りながらの攻防がしばらく続きそうなムードだったが、試合はいきなりフィニッシュが訪れる。1分半を過ぎ、ようやくチョープが前に出て来たが、渡慶次は金網際まで下がってから、左右のフックをアゴに連打すると、チョープは崩れ落ち、渡慶次がパウンドを連打したところでレフェリーがストップした。
無傷で完勝した渡慶次はマイクを持ち「怖いもんはウチの嫁だけなんですよね。この一戦が決まって、より死を一日一日意識しました。素手で殴られたらどうなるんだろうなっていう中で、怖さだけが出てこなくて、漫画の刃牙じゃないけど、道を究めたなあって感じました」と勝利の感想を述べた。
続けて渡慶次は「中井祐樹の系譜を受け継いでいるパラエストラ吉祥寺の僕は(柔術)茶帯で(今日は)見ての通り打撃しかしていないんですが、あんだけ組技が強い選手にいかにして勝つかというところが、柔術でありバーリトゥードであり格闘技だと思うので、うちのジムで初めてバーリトゥード(の成績)で帯を認めてもらおうと思ったのでした。試合前に(セコンドの)高谷(聡)さんに四つで組み負けて(チョープに)組まれたらヤベえなって思ったんですけど、うちの鈴木千裕がよく言っている『殺す気で殴れ』ってのを実践したら、うまいことできました。今日の試合を見て、保留でもいいですので、どうでしょうか」と話し、高谷氏に柔術黒帯認定を求めた。
高谷氏は「私は柔術専門で、今日はセコンドで何も言わずに終わったんですが、バーリトゥードの強さは柔術の強さだと思っているんで、狭義の柔術は盛んですが、僕としては黒帯内定ということにしたいと思います」と答え、渡慶次は「どうも、柔術黒帯の渡慶次幸平です」と早速名乗って周囲を笑わせた。
さらに渡慶次は「今回綺麗に終わったんで、またやるでしょう。僕は出ないんで。誰かもっと激しく戦える、今、MMA界でくすぶっている人、突き抜けたい人は、第2回大会に出てください」と呼びかけ「打撃ありはもう辞めて、後進を指導します。ジムの強くてわがままなチャンピオンのサポートだったり、クロスポイントの山口元気代表と共にもっと盛り上げます」等と、長時間のアピールを繰り広げた。
第11試合 R.O.M.A.Rules(バーリトゥード) 体重無差別 時間無制限
○ゲイ・ババカール[Gaye Babacar](セネガル)
×水口清吾[誠吾](AACC)
1R 0’18” TKO (レフェリーストップ:右アッパー→グラウンドパンチ)
道着着用MMA、松本大輔×清水俊一は互いにルール活用もドロー
第10試合 ROMAN COMBAT(道着着用MMA) 65.8kg契約 5分2R
△松本大輔(X-TREME EBINA)
△清水俊一(宇留野道場)
判定
ROMAN COMBATは道着着用だが、それ以外は世界標準のMMAルールに準じた形で争われる。松本と清水の試合は結果はドローだが、ルールの持ち味の出る攻防となる。
1R、松本がサウスポーで構えて左ミドルを当てるが、清水は蹴り足をつかんで倒して上になる。道着着用のため清水はつかみやすそうだ。清水は右のパウンドを連打する場面もあるが、松本は下から袖をつかんでコントロールし、強打は許さない。お互い袖をつかみ合い、膠着状態が続く。終盤、下から松本が顔面を蹴り上げる反則を犯し、一時中断する。スタンドから再開し、またも松本が左ミドルを当てると、清水はつかんで倒す。清水はハーフガードで押さえ、松本はアームロックを狙う。清水は防御しつつその隙にパスガードし、腕十字を仕掛けてクラッチを切るが、松本は対処し、スタンドに戻す。最後、松本が右のパンチを振うと、清水はかわして組み付いて倒す。松本は下から足関を狙うが、すぐ時間切れに。記者採点はパウンドと腕十字でチャンスを作った清水。
2R、清水が右フックを振って前に出ると、今度は松本が組んで倒し、バックを狙うが、清水はバックを取らせず、すぐさま足を取って膝十字を狙う。だが松本は防御して上体を起こし、パウンドを連打して好印象を作る。松本はパスガードし、ニーオンザベリー、マウントと移行し、清水がブリッジしても上で押さえ続ける。松本は右腕で襟をつかみつつ左のパウンドを当てる。終盤、清水は上を取り返すが、引き続き松本は袖をつかんで清水をコントロールし、下からパンチを当てる。清水は振りほどいてパウンドを連打するが、当たりが浅く、最後は松本が足関を狙って終える。記者採点は僅差だが松本。合計19-19でイーブン。ジャッジが分かれたかはアナウンスされなかったが、ドローとなった。
第9試合 ROMAN COMBAT(道着着用MMA) 80.0kg契約 5分2R
×チアゴ・トサワ(Impacto Japan BJJ)
○西村 刀(IMPACT)
1R 1’28” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第8試合 ROMAN COMBAT(道着着用MMA) 65.0kg契約 5分2R
×溝口博章(CARPE DIEM福岡)
○村山大介(マスタージャパン)
1R 3’44” 腕ひしぎ十字固め
第7試合 ROMAN COMBAT(道着着用MMA) 71.5kg契約 5分2R
○柿原昇汰(MMA RANGERS GYM)
×深澤 新(フリー)
判定3-0
第6試合 ROMAN COMBAT(道着着用MMA) 61.2kg契約 5分2R
○小松凌介(吉本興業)
×大西真矢(リバーサルジム新宿 Me,We)
1R 1’15” 十字絞め
第5試合 ROMAN COMBAT(道着着用MMA) 102.1kg契約 5分2R
○関澤寿和(ねわざワールド蓮田)
×土屋茂樹(和術慧舟會福岡若杉道場)
1R 2’04” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
ポイント無しのROMAN柔術で大浦マイケが一本勝ち
第4試合 ROMAN JIUJITSU(ROMAN柔術) 78.5kg契約 7分
△森戸新士(LEOS/藤田柔術)
△柳井夢翔(リバーサルジム新宿Me,We)
判定0-0
ROMAN柔術はポジショニング等でポイントが入らないため、一本狙いの試合中心となる。柳井から引き込み、足の取り合い主体の攻防となるが、どちらも極めさせないまま終了。ジャッジの判定に委ねられたが、3者ともドローとした。
第3試合 ROMAN JIUJITSU(ROMAN柔術) 74.8kg契約 7分
○大浦マイケ(IGLOO)
×寒河江寿泰(寿柔術)
3’40” 十字絞め
通常とは違う、相手に触らず座ってもいいルールを活用し、寒河江は最初から座り込み、下からの戦いを選択する。上になった大浦はすぐにパスガードしたが、寒河江はそのタイミングを狙って足をつかんで膝十字とヒールフックを狙う。だが大浦は脱出し、再び上になると、今度はサイドで押さえる。大浦は一旦立ち、再びサイドを取ってから、金網際でマウントポジションを奪う。寒河江はブリッジを繰り返すが脱出できず、大浦が腕をクロスして道着の襟で首を絞める十字絞めを極め、タップを奪った。
第2試合 ROMAN JIUJITSU(ROMAN柔術) 61.2kg契約 7分
○江木伸成(LEOS)
×鍵山士門(QUIP)
3’23” アームロック
第1試合 ROMAN JIUJITSU(ROMAN柔術) 60.25kg契約 7分
×橋本真吾(ALMA FIGHT GYM HOMIES SHIMAZILIANS)
○渡部修斗(FIGHT LYNX)
判定0-3