シュートボクシング 6.15 後楽園ホール(レポ):海人、GLORY王座再挑戦目指す一戦は元GLORYランカーのハンバリアンを2R KO。山田虎矢太、初黒星からの再起戦は森岡悠樹を1R KO
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SHOOT BOXING 2024 act.3
2024年6月15日(土)東京・後楽園ホール
レポート:井原芳徳
海人、GLORY王座再挑戦目指す一戦は元GLORYランカーを2R KO
第9試合 メインイベント スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
○海人(TEAM F.O.D/SB世界スーパーウェルター級(70kg)王者、KNOCK OUT-BLACK同級王者、RISEミドル級(70kg)王者、元SB日本スーパーライト級(65kg)王者)
×アルマン・ハンバリアン[Arman Hambaryan](アルメニア/元GLORYライト級9位&元ISKA世界ライトミドル級(72.5kg)王者)
2R 2’47” TKO (レフェリーがストップ:左フック)
海人は昨年3月にRISEミドル級王座、6月にSB世界スーパーウェルター級王座と、一気に2本のベルトを獲得すると、8月にオランダでのGLORYに乗り込み、ティジャニ・ベスタティのGLORYライト級王座に挑戦したが、5Rともポイントを取られ完敗に終わり、連勝が18でストップした。11月のSBでの再起戦でマサロ・グランダーを、12月のRISEではジェームズ・コンデを、いずれも1R KO。今年2月のSBでは元ONE&ルンピニー王者・ペットモラコットに4R(3R+延長1R)判定負けした。4月に海人がSB世界王座を懸けて再戦し5R判定勝ちでリベンジを果たした。
海人は再びGLORY王座を目指すため、GLORY推薦の選手と対戦することになった。ハンバリアンは初来日で戦績69戦58勝(27KO)9敗2分。昨年2月にGLORYに初参戦しソリン・カリニュークに判定勝ち。12月にはエンリコ・ケールに3R TKO負けしている。
1R、ハンバリアンは左の前手を突きつつ、右ロー、右ストレートをヒットする。海人も左ジャブを出しつつ、左のミドル、三日月蹴り、インローを返す。中盤、海人が右のカーフキックを随所で当てるように。ハンバリアンが右ローを当てれば、すぐさま海人は左ボディをお返しする。終盤、海人はノーモーションの右ストレート、カウンターの左フックもヒット。するとハンバリアンも前に出て右ストレートをお返しし、スリリングな展開に。海人若干優勢ではあるが、ハンバリアンも攻撃を返しており、まだ分からない状態だ。記者採点はイーブン。オープンスコアリングのジャッジは1名が海人につけるが、2名はイーブンとする。
2R、開始から海人はギアを上げ、左三日月蹴り、右カーフを当てる。ハンバリアンも右テンカオや左ミドルを返す。中盤、ハンバリアンがパンチを連打すると、海人はしっかりブロックしてから、左右のボディをお返しし、首相撲からの膝蹴りを連打する。このあたりはペットモラコットとの連戦でスキルアップした印象だ。とはいえ、まだハンバリアンはひるまず、左ボディ、右ローをお返し。海人がパンチを振っても、ハンバリアンは組んで膝を当て、海人を削りにかかる。終盤、海人は少し口が開き、首相撲のブレイク後に両腕をダランとさせ、消耗しているようにも見えたが、ここから一気に仕留めることに。前に詰めて来たハンバリアンに対し、近距離から海人は左の三日月蹴りをヒットする。ハンバリアンも負けじとパンチを振るい、右ストレートを当てるが、海人はそこからの打合いの展開で、カウンターで左フックをクリーンヒットする。海人もカウンターで左を頬あたりにもらったが、アゴにもらったハンバリアンは腰から崩れ落ち、伸びたまま立てず、和田レフェリーがストップし、海人のKO勝ちとなった。
マイクを持った海人は「倒すことを意識し過ぎて力んじゃったんですけど、しっかり倒して、GLORYのベルトに少し近づいたのかなと思います。まだまだ僕は止まらないので、確実に絶対にGLORYのベルトを(獲り)ベスタティにリベンジするので、これからも皆さん、力をください」とアピールした。
山田虎矢太、初黒星からの再起戦は森岡悠樹を1R KO
第8試合 オープンフィンガーグローブマッチ 56.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○山田虎矢太(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級(55kg)王者、RISEバンタム級(55kg)7位)
×森岡悠樹(北流会君津ジム/スック・ワンキントーン・スーパーバンタム級王者)
1R 1’48” TKO (レフェリーストップ:右ストレート)
山田ツインズの弟・虎矢太は21歳。昨年2月、植山征紀にKO勝ちしSB日本スーパーバンタム級王座を獲得。その後も6月・9月・11月とSBのリングで韓国とタイの選手を下し13戦13勝(9KO)としたが、今年3月のRISEでは大森隆之介に1R KO負けし、14戦目で初黒星を喫した。
森岡は27戦15勝(9KO)10敗2分の30歳。ムエタイ大会のスック・ワンキントーンで昨年スーパーバンタム級王者となり、KNOCK OUTにも並行参戦している。5月10日のONE Friday Fights 62でONEに初参戦し、イラン人選手に開始早々ダウンを奪われるも、右ストレートでダウンを奪い返し1R KO勝ちしている。今回初のSBだが、OFGマッチはONEで経験済で、虎矢太はOFG初挑戦となる。
試合は短時間決着に。1R、距離を取っての蹴りの応酬から始まり、森岡が左ボディを随所で放つようになると、中盤にはさらにワンツーで左ストレートも当てる。虎矢太は少し下がったが、森岡が右ストレートで突進してくると、カウンターで右フックを当てる。森岡がのけぞると、虎矢太はチャンスを逃さず前に出て左右のパンチを振るい、右フックでまたも森岡をひるませる。森岡はロープにもつれ、ダウンこそ免れたものの、ダメージを負っている。それでも森岡はパンチを振うが、虎矢太はカウンターで左フックを当てて倒し、ダウンを奪う。森岡は立ったものの、虎矢太が前に出ると、右ストレートを2連打して再びダウンを奪ったところで、北尻レフェリーがストップした。
勝った虎矢太はセコンドについた兄の彪太朗と抱き合ったが、彪太朗は左腕を吊っており、来週23日のKNOCK OUT代々木大会での龍聖戦を前に気になる状態だった。
虎矢太はマイクを持ち「森岡選手、対戦してくれてありがとうございます。ONEでも活躍してて、強い選手とわかっていたので、勝ててうれしいです。前回RISEで不甲斐ない結果で、自信が無くなって、いつもの試合前と違う緊張感で、正直ビクビクしていたんですけど、リングに入場して、皆さんの顔を見て、たくさんの声援をいただけて、全部吹っ切れて、楽しく戦うことができました。皆様いつもありがとうございます。前回の負けを経て強くなっています。これからもっと活躍して、シュートボクシングをもっとたくさんの人に知ってもらえるように頑張るのでこれからも応援お願いします」とアピールした。
第7試合 スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
○都木航佑[たかぎ こうすけ](キャピタルレイズ fighting GlaNz/SB日本ウェルター級(67.5kg)1位、元KROSS×OVER KICK -67.5kg王者)
×ヨークディーゼル・ルーチヤァオメーサイトン(タイ)
2R 1’08” TKO (レフェリーストップ:ボディへの左膝蹴り)
※ヨークディーゼルは計量1.1kgオーバーし減点2、ファイトマネー50%減額
都木は新極真会出身で、キックではKROSS×OVER、RISE、Bigbangに参戦後、昨年9月にSBに初参戦し村田義光に判定勝ちし、今年2月の2戦目もRYOTAROに判定勝ち。4月には所属ジムがSB協会に加盟し、都木は本格的にSBのタイトルを狙うことになる。
1R、ヨークディーゼルが左右のストレートで前に出るが、都木はヨークディーゼルに組み付いて首を抱えてから投げ、シュートポイント1を早速奪う。都木はスイッチも織り交ぜ、左インローを随所で当てるが、打撃ではまだ差が小さい。
2R、お互いパンチと蹴りを当ててから、首相撲になるシチュエーションが増える。都木が左ボディを当ててから組み付き、左右の膝を立て続けに当てると、まだ当たりは浅いようにも見えたが、ヨークディーゼルはうつぶせでダウンし、そのまま立ち上がれず、都木のKO勝ちとなった。
第6試合 オープンフィンガーグローブマッチ 肘有り スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(無制限延長R)
×アリ・ザ・シーザー(イラン/クンルンファイト61kgトーナメント2023優勝)
○笹木一磨(理心塾/PKF達人 日本バンタム級(58.5kg)王者、NJKFフェザー級3位)
3R 0’58” TKO (ドクターストップ:左肘打ちによる額のカット)
SB初参戦同士の一戦。アリは初来日。90年代のSBのエース・吉鷹弘氏とも拳を交えたファルシャード・マレキ率いるSBイラン支部推薦で、SB協会のシーザー武志会長に由来する「シーザー」というリングネームがつけられた。アマチュアムエタイで試合を重ね、昨年、中国のクンルンファイトの8選手参加の61kgトーナメントで優勝。今年4月には米国のカラテコンバットに参戦し、パウンドでKO勝ちしている。公式プロフィールの戦績は7戦6勝1敗、32歳。
笹木はNJKFの上位ランカーとしても活躍しつつ、所属する大阪の理心塾が主催するPRO-KARATEDO達人でも活躍し、昨年11月大会ではHAYATOに判定勝ちしPKF達人日本バンタム級(58.5kg)王者となっている。
カラテコンバットも達人も、キックボクシングをベースとしつつ、OFGを着用し、空手着のズボンのようなコスチュームを履き、投げ技や倒れた相手への短時間の打撃も認められる点で共通する。SBのOFGルールはパウンドは無いが似た点が多いといえよう。
1R、アリがオーソドックス、笹木がサウスポーで構え、離れてのパンチや蹴りの攻防ではまだ差は小さいが、組めばアリがパワー差を活かしてコントロールし、膝蹴りを度々当て、やや優位に進める。
2Rも基本的に同じ構図で、笹木はなかなかペースをつかめない。だが笹木はひるまず対応し、随所で左ストレートやミドルを返し、アリにもダメージを与える。
すると3R、笹木は開始すぐから前に出てパンチを振う。アリのクリンチに寸断されても、ブレイクがかかれば、笹木はすぐに前に出ると、左の肘打ちをアリの額にヒットする。するとアリは顔面から大量に出血し、平レフェリーはブレイクしてドクターチェックを要請する。だがアリのセコンドがリングに入る反則を犯し、アリの額の出血をタオルで拭く。通常ならこの時点でアリの負けとなりそうだが、レフェリーはアリにレッドカードを提示するだけに留める。その後、ドクターもストップし、「ドクターストップによるTKO」とアナウンスされ、笹木の勝利となった。
なお、この試合後の休憩時間明けの「シーザータイム」に、笹木の所属先のNJKFの大会プロデューサーでもある武田幸三氏が登場した。武田氏が「会長、K-1で戦った緒形を呼びたいです。緒形!」と叫ぶと、現在SB協会の代表を務める緒形健一氏もリングに入った。武田氏は「ぜひ全面対抗でもいいですし、魂の戦いをできればなと思っています」と笑顔で緒形氏に話しかけ、緒形氏も「格闘技界を一緒に盛り上げるため、交流して盛り上げましょう」と呼応した。
第5試合 オープンフィンガーグローブマッチ スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
○RYOTARO(龍生塾/SB日本スーパーウェルター級1位)
×岸本篤史(BRAVE/GRACHANライト級(70.3kg)3位)
3R 2’04” TKO (3ダウン:左ハイキック)
前回の4月大会に続いてMMA大会・GRACHAN(グラチャン)」との対抗戦が組まれた。岸本は34歳でSB初参戦。高校からボクシングを始め、インターハイ3位、国体準優勝の実績がある。昨年5月のRIZINではビクター・コレスニックに2R TKO負け。3月のGRACHANでは芳賀ビラル海に判定負けしている。RYOTAROは2月のSBで都木航佑に判定負けしてからの再起戦となる。
1R、岸本がサウスポーで構え、中盤に左ストレートを2連続で当てダウンを奪う。だが岸本が再び左フックを振うと、RYOTAROがカウンターで左フックを合わせ、岸本がフラつき、RYOTAROがその後もパンチを当て、攻勢になって終わる。その途中、岸本に右目に指が入ったようで、インターバル中に岸本は痛そうにまばたきを繰り返すが、ドクターチェックは入らない。
2R、RYOTAROは随所で顔面とボディにパンチを当て、前蹴りや三日月蹴りも絡める。岸本はダメージと疲れが相まって、MMA式の腰から下へのタックルで防御する頻度が上がる。
3R、開始早々にRYOTAROが右ストレートを当てると、岸本が防御も兼ねてタックルを仕掛けて片膝立ちになったことが悪印象となり、茂木レフェリーはダウンを宣告する。その後、RYOTAROが右ストレートを当ててからパンチの連打で詰め、左ストレートを当てて倒し、岸本がすぐ立たなかったが、これはレフェリーはダウンとみなさない。さらにRYOTAROがボディへの前蹴りから左フックを当て、岸本を押し倒すと、これはレフェリーがダウンを宣告する。その後もRYOTAROがパンチを当てて岸本をコーナーまで下がらせ、左ハイを岸本の腕のガードの上からではあるが当てて倒し、3ダウン目を奪いTKO勝ちした。
第4試合 オープンフィンガーグローブマッチ ヘビー級 3分3R(無制限延長R)
×坂本優起(シーザージム/SB日本ヘビー級3位、元SB日本スーパーウェルター級(70kg)王者)
○ステファン“スマッシュ”(フランス/チーム怪獣キラー/GRACHAN無差別級5位)
2R 1’39” TKO (ドクターストップ:パンチによる左まぶたの負傷)
第3試合 オープンフィンガーグローブマッチ スーパーライト級(65kg) 3分3R(無制限延長R)
○有馬伶弍(龍生塾)
×樋沼朝光(RIKIGYM)
2R 2’04” TKO (ドクターストップ:パンチによる左右のまぶたのカット)
第2試合 女子46kg契約 3分3R(無制限延長R)
○風羽[ふう](龍生塾ファントム道場)
×MIYU(DFC Team LEOS)
判定3-0 (30-29/30-29/30-28)
第1試合 オープンフィンガーグローブマッチ 62kg契約 3分3R(無制限延長R)
○野口貴大(シーザージム新小岩)
×関根 累(roots)
2R 3’00” TKO (レフェリーストップ:左ストレート)
オープニングマッチ第3試合 54kg契約 3分3R(無制限延長R)
×野元清史(龍生塾)
○獅子丸(ONE LINK)
判定0-3 (28-30/27-30/28-30)
オープニングマッチ第2試合 女子53.5kg契約 2分3R(延長1R)
○小桐冬華(TEAM FOREST)
×松田沙和奈(拳之会)
1R 1’53” TKO (レフェリーストップ:顔面への左前蹴り)
オープニングマッチ第1試合 2分3R(延長1R)
○和田修虎(橋本道場)
×アン・ジョンホ(韓国)
判定3-0 (30-27/30-27/29-27)