RISE 3.17 東京体育館(レポ/1-3):大森隆之介、13戦全勝のSB王者・山田虎矢太を1R右バックハンドブローでKO。那須川龍心、フライ級上位の松本天志に判定勝ち。BreakingDownで活躍のYURAが勝利
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2024年3月17日(日)東京体育館
レポート&写真:井原芳徳
(3ページに分けてレポートを掲載しています/中盤のK-1との対抗戦・志朗×田丸等の終盤戦)
大森隆之介、SB王者・山田虎矢太を1R右バックハンドブローでKO
第6試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×山田虎矢太(シーザージム/8位、シュートボクシング日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
○大森隆之介(EX ARES/4位)
1R 2’16” KO (右バックハンドブロー)
シュートボクシング(SB)の総本山・シーザージムに所属する山田ツインズの弟・虎矢太は21歳。昨年2月、植山征紀にKO勝ちしSB日本スーパーバンタム級王座を獲得。その後も6月・9月・11月とSBのリングで韓国とタイの選手を下し13戦13勝(9KO)としている。RISEには22年12月の両国大会で有井渚海をKOして以来の登場となる。2月にはFight&Life誌でのインタビューで那須川天心が注目選手として虎矢太の名前を挙げ話題を呼んでいた。
大森は大阪在住、9戦7勝2敗(5KO)の24歳。22年は良星、京谷祐希をKOしたが、12月に加藤有吾に判定負けし、怪我の影響でそれから1年3か月ぶりに復帰する。
試合は大森が下馬評を見事覆すことに。1R、長身の大森が、ステップや細かいフェイントをかけながら距離を保ちつつ、左ボディをヒットする。さらに大森はワンツーで右ストレートを当てて虎矢太をひるませる。その後も大森は右ストレート、フックを自在に当てると、終盤、右のバックハンドブローをクリーンヒットする。虎矢太は意識が飛んだまま動けず、大森のKO勝ちとなった。虎矢太は意識が戻ったものの、担架で運ばれて退場した
大森は「帰ってきました。加藤君に負けてずっと1年間出れなくて、ホンマに長くてキツくて、その間にジムのみんなが成長して、置いてけぼりにされていると感じていました。こうやって戻って来れて良かったです。うちの大将(=門口佳祐)が20日(のK-1で)、フェザー級の統一戦をします。絶対勝ってくれるんで、RISEのみんなで応援しましょう」とアピールした。
那須川龍心、フライ級上位の松本天志に判定勝ち
第5試合 フライ級(51.5kg) 3分3R(延長1R)
×松本天志(TARGET SHIBUYA/2位、RISE NEW WARRIORSフライ級トーナメント2023優勝)※HAWK GYMから所属変更
○那須川龍心[りゅうじん](TEAM TEPPEN/4位)
判定0-3 (小川29-30/秋谷28-30/大沢28-30)
松本は10戦8勝(4KO)2敗の19歳。昨年2月のRISE NEW WARRIORSフライ級トーナメントでは空龍と塚本望夢を下し優勝。10月の第2代RISEフライ級王者決定戦では数島大陸に判定負けした。今回から故郷の石川を離れ、東京のTARGET SHIBUYAの所属となる。
那須川天心の弟・龍心は17歳。22年4月に高校進学と共にプロデビューし9戦7勝(2KO)2敗。昨年は2月のNEW WARRIORSフライ級トーナメント一回戦で塚本に判定負けしたが、6月に相沢晟に、8月にJINに判定勝ちし、12月の両国大会では龍太郎に3R TKO勝ち。大晦日のRIZINではMMAに初挑戦し、シン・ジョンミンに2R TKO勝ちした。
1R、松本がサウスポー、龍心がオーソドックで構え、前手のフェイントをかけ合いながら、お互いインローを当てる。攻撃が少ない状態が続き、終盤、龍心が右フックを強打し少し印象を作ったが、その先にはつなげられず、松本もインローを返し挽回する。記者採点はイーブンだが龍心につく可能性はある。
2R、龍心が右ストレートを当てると、松本は鼻血を出すように。龍心はさらに右テンカオ、ミドルも絡め、パンチを随所で当てやや優位に進める。松本も左ミドル、ストレートを返す場面もあるが、ヒット数では差が開く。記者採点は龍心。
3R、松本は挽回を狙い、序盤から回転技を多用し、中盤からはバックスピンキック、左ミドルのヒットを増やす。龍心は攻撃が減りやや印象を悪くする。記者採点は僅差だが松本。合計29-29でイーブン。ジャッジは3者とも龍心を支持し、龍心が判定勝ちした。
龍心は「下馬評が不利でムカついていたんで、勝ててうれしいです。6月のエディオンアリーナ大阪大会で塚本選手とどうですかね?敵地で塚本選手にやり返します。挑戦者決定戦としてやりましょう」とアピールした。試合後はリングサイドで観戦していた兄の天心の祝福を受けた。
ジャルンスック、RISE 2戦目は加藤有吾に判定勝ち
第4試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×加藤有吾(RIKIX/3位、WMC日本スーパーバンタム級王者)
○ジャルンスック・ブーンラナームエタイ(タイ/ブーンラナームエタイジム/True4uバンタム級王者)
判定0-3 (長瀬29-30/大沢28-30/秋谷28-30)
加藤は22年8月にRISEに初参戦以降、翔磨、大森隆之介、京谷祐希、鷹介相手に4連勝し、昨年8月の大田大会でのバンタム級王座次期挑戦者決定戦では大﨑孔稀に判定負け。12月の後楽園大会では有井渚海に判定勝ちした。
ジャルンスックは54戦44勝7敗3分の17歳。12月の両国大会でRISEに初参戦したが、RISEルールにアジャストし、大﨑一貴相手に延長に持ち込むも判定負けした。
1R、加藤は右のロー、ボディストレートをサウスポーのジャルンスックに当てるが、ジャルンスックは左ミドル主体で右ミドルも絡めてじわじわと攻撃を増やし、若干優位に進める。記者採点はイーブン。
2R、ジャルンスックは変わらず左ミドルを当てつつ、両腕ブロックで前に出つつ、パンチも絡める。加藤も右のフック、ロー、三日月等を返し、はっきりした差はつけさせない。記者採点はイーブン。
3R、ジャルンスックは組んで膝を当ててから、離して右フックを当てる場面を増やす。ジャルンスックは右ミドルも絡めて攻め続け、加藤はほとんど攻撃を返せず終わってしまう。記者採点はジャルンスック。合計29-30でジャルンスック。ジャッジ3者もジャルンスックを1~2点差で支持し、ジャルンスックが判定勝ちした。加藤はバンタム級3位のため、ジャルンスックはこれで上位入りが確実となった。
BreakingDownで活躍のYURA、スーパーライト級ランカーのKENTAに判定勝ち
第3試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×KENTA(HAYATO GYM/8位、元DEEP☆KICK -63kg王者)
○YURA[ゆうら](ダイアタイガージム/ミドル級(70kg)15位、元RKS&ジャパンカップキック・ウェルター級王者)
判定0-3 (秋谷28-29/長瀬28-29/大沢28-29)
KENTAは宮崎県出身の31歳。18年からRISEに上がり続け、昨年は3月に安彦考真、4月に山畑雄摩に判定勝ちしたが、8月に麻火佑太郎に判定負けした。
YURAも宮崎県出身の20歳。小学生の時に空手を始め、16歳でキックデビューし12戦12勝(5KO)。21年のK-1甲子園 -65kg級で準優勝(本名の甲野裕瀬で出場)。12月の福岡大会でRISEに初参戦すると、ねぎ魔神に判定勝ちし、RISEのミドル級のランキング15位に入った。昨年5月のBreakingDownではベストKO賞を受賞し、2月18日のBreakingDownでは朝倉未来の弟子の西谷大成をKOしている。
1R、YURAが圧力をかけ続けるが、KENTAは回って距離を取りつつ、左ミドルを的確に当て続ける。KENTAがやや優位だが、まだ差は小さい。記者採点はイーブン。
2R、KENTAは左ミドルを当て続け、YURAの右腕は赤くなってきたが、中盤、YURAが右フックを効かせると、パンチの連打で棒立ちさせ、スタンディングダウンを奪う。その後もYURAがパンチ主体で優位に進める。記者採点は10-8でYURA。
3R、後の無いKENTAだが、変わらず左ミドル、ロー主体の攻めを続ける。終盤、ようやくKENTAがパンチ主体に切り替え、やや優位で終えるが、倒せず終了する。記者採点はKENTA。合計28-29でYURA。ジャッジ3者もYUTAを同じ採点で支持し、YURAが判定勝ちした。
松下武蔵が伊東龍也との接戦制す
第2試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○松下武蔵(GOD SIDE GYM/10位)
×伊東龍也(HAYATO GYM/13位、Stand up King of Rookie 2022 -55kg級優勝)
4R 判定2-0 (大沢10-10/豊永10-9/長瀬10-9)
3R 判定1-1 (大沢29-30/豊永30-29/29-29)
松下は11戦8勝(3KO)2敗1分の18歳。RISE、スック・ワンキントーン、Bigbang等、様々な大会に上がり、KNOCK OUTで昨年3月に古木誠也を、6月に小倉尚也を1R KO。TRY HARD GYM出身でWIVERNを経てGOD SIDE GYMに移籍したのをきっかけに、昨年10月に2年ぶりにRISEに上がると、彪司に判定勝ち。12月の両国大会ではKrushバンタム級王者・池田幸司の相手に抜てきされ、敗れたものの判定0-2の接戦を繰り広げた。
松下は同級9位の有井渚海と戦う予定だったが、有井が体調不良により欠場し、伊東が出場した。伊東は6戦6勝(3KO)の28歳、2月23日の後楽園大会で松永隆に3R TKO勝ちしたばかりで、3週間間隔で注目株の松下との試合に臨む。
1R、松下がオーソドックス、伊東がサウスポーで構え、お互いミドル、三日月を蹴るが、まだ攻撃が少なく、均衡が崩れない。記者採点はイーブン。
2R、クリンチが増えたが、終盤、松下が右のバックスピンキックで伊東を吹き飛ばし、右テンカオを当て、最後は胴廻し回転蹴りも当て、やや優位で終える。記者採点はイーブンだが松下につけるか迷った。
3R、松下が右のフック、ボディ、テンカオ等で積極的に攻めて、やや優位な状態で終える。記者採点は松下。合計30-29で松下。ジャッジは三者三様で延長へ。
延長R、お互い疲れが溜まっている中で、松下が前に出て右フックを当てる場面もあるが、連打につながらない。終盤、伊東が下がりながらも、左テンカオ、ストレートを的確に当て、若干優位で終える。記者採点はイーブン。ジャッジは積極性で上回った松下を2者が支持し、松下が判定勝ちした。
大﨑孔稀が急きょエキシビションマッチ登場
スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×山科直史(極真会館/11位)
○横山典雄(不死鳥道場/元聖域統一ライト級王者)
不戦勝 (山科が計量欠席、横山が計量クリアのため)
第1試合 エキシビションマッチ 2分2R
―大﨑孔稀(OISHI GYM/RISEバンタム級(55kg)王者)
―横山典雄(不死鳥道場/元聖域ライト級統一王者)
勝敗無し
山科はキック8戦7勝(4KO)1敗。昨年6月から3連勝中で、12月の両国国技館大会のオープニングファイトでは近藤大晟を3R右フックでKOしたことが評価され、引き続きRISEの大箱興行で試合が組まれた。
横山は新潟の不死鳥道場に所属し、宮城で開催されている聖域(サンクチュアリ)の王者だったが、17年に一度引退した。昨年12月のNKB後楽園大会で6年ぶりに復帰し、NKBライト級5位の蘭賀大介からダウンを奪い5R判定勝ちしている。今回がRISE初参戦だ。
しかし前日計量に山科が姿を現さず、横山は不戦勝に。兄・大﨑一貴のセコンドのために名古屋から上京していたRISEバンタム級王者・大﨑孔稀が急きょ、横山とのエキシの相手になった。
エキシは現役王者の孔稀が左ミドルを度々当て、1R終了間際には左ボディでダウンを奪うなど、横山を圧倒する。横山も必死に声をあげながら打ち合った。
なお、大会後のRISEの伊藤代表の話によると、山科は大会前日の夜中に無事が確認されたが、詳細については山科サイドからの報告を待つ状況だという。
オープニングファイト第3試合 ライト級(63kg) 3分3R
○TAKU(TARGET/Stand up King of Rookie 2023 -63kg優勝)
×武 裕太(誠真会館所沢道場)
1R 2’10” KO
オープニングファイト第2試合 女子ミニフライ級(49kg) 3分3R
○登島優音[としま ゆん](NEXT LEVEL渋谷)
×紗彩[さあや](ドージョー☆シャカリキ)
判定2-0 (29-29/30-29/29-28)
オープニングファイト第1試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R
○所 風雅(Refre’K)
×奥村将真(TEAM TEPPEN/東アジアユース競技大会2023ボクシング男子60kg級優勝)
判定2-0 (30-29/29-29/30-29)
RISE 3.17 東京体育館(レポ/2-3):対抗戦はK-1勢が3勝2敗。与座優貴、中村寛に3R KO勝ちも不完全決着「もう一回やってもいい」。金子晃大、鈴木真彦から2ダウン奪い2年越しリベンジ