RISE 2.23 後楽園ホール(レポ):数島大陸、タイ・ペッティンディーからの刺客に手を焼くも延長判定勝ち。安本晴翔、梅井泰成に判定勝ち。長谷川海翔、サンチャイを3R KO
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RISE 176
2024年2月23日(金/祝)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
数島大陸、タイ・ペッティンディーからの刺客に手を焼くも延長判定勝ち
第13試合 メインイベント 52kg契約 3分3R(延長1R)
○数島大陸[りく](及川道場/RISEフライ級(51.5kg)王者)
×クンスック・ペッティンディーアカデミー[Kunsuk](タイ/ペッティンディーアカデミー/True4Uスーパーフライ級3位)
4R 判定3-0 (長瀬10-8/佐藤10-8/豊永10-8)
3R 判定1-0 (長瀬30-29/佐藤29-29/豊永30-30)
数島は15戦11勝(6KO)2分2敗の21歳。22年10月、RISEフライ級初代王者決定戦で田丸辰に判定負け。その後は昨年2月にPRANDAM BRAVELYをKOし、7月に松岡宏宜に判定勝ちする。田丸が階級アップのため王座を返上し、10月に行われた第2代王者決定戦で、数島は松本天志に判定勝ちし王者となった。
クンスックはムエタイ戦績89戦60勝27敗2分の22歳。タイのテレビ局・True4Uのスタジオマッチのランカーだ。構えはサウスポー。ペッティンディーアカデミーからは昨年クマンドーイらがRISEに参戦し猛威を振るっている上、RISEルールへの適応力が高いため、クンスックも数島にとって脅威となりそうだ。
1R、数島がサウスポーで構えて前に出続け、クンスックがオーソドックスで回る構図が続く。数島は左ミドルや三日月を当てつつ、中盤から左右のボディブローと顔面につなぐパンチのヒットを増やすが、クンスックも右ミドル、テンカオを返し続け、はっきりした差はつけさせない。記者採点はイーブンだが数島につく可能性はある。
2Rも同じような構図で、数島は蹴りは当てるものの、ボディ打ちにつなげる場面が減る。逆にクンスックは右ミドル、膝を増やし、最後は右ローを連打し、若干優位で終える。記者採点は僅差だがクンスック。
3R、数島は圧力を強め、パンチを必死に振るう。クンスックはクリンチが増え、中盤過ぎに秋谷レフェリーから注意を受け、終盤には警告を受ける。最後、数島が右ストレートを強打して終える。記者採点は僅差だが数島。合計29-29でイーブン。ジャッジは1者が数島を支持したが、2者がイーブンで延長へ。
延長R、数島は前に出続け、パンチを振るう。クンスックはクリンチが続き、秋谷レフェリーからイエローカード減点1が宣告される。数島は最後、左フックをクリーンヒットするが、倒せず終了する。記者採点は10-8で数島。ジャッジ3者も同じ採点で、数島が判定勝ちした。
マイクを持った数島は「RISE王者として強いところを見せたかったんですけど、まだまだなんで一からやり直します。これからRISE王者としてもっと強くなって上を目指します」とアピールし、最後は恒例の「キックボクサーな泣かないぜ」の掛け声で締めくくった。
安本晴翔、梅井泰成に判定勝ち
第12試合 セミファイナル フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×梅井泰成(Mouton/2位、元王者)
○安本晴翔[はると](橋本道場/4位、WPMF世界・WBCムエタイ日本フェザー級王者、元KNOCK OUT-REDフェザー級王者、元INNOVATIONスーパーバンタム級王者、元REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者)
判定0-2 (秋谷29-30/佐藤29-29/長瀬28-30)
梅井は22年8月、門口佳佑に判定負けしRISEフェザー級王座から陥落。昨年2月の再起戦でも魁斗に判定負けし、10月の試合も開始早々のウォームの蹴りがローブローとなり、ダメージは大きくドクターストップがかかりノーコンテストと、悔しい状況が続いている。
安本は22年12月のRISE&SB両国大会でSBルールで川上叶と対戦し延長判定負け。昨年3月のK-1では斗麗に判定勝ち。5月には肘有り5Rで2階級上の髙橋聖人に判定勝ち。8月のRISE大阪大会では魁斗と対戦するが、終了間際に右フックをもらってダウンし逆転判定負けした。11月大会では澤谷大樹に判定勝ちしている。
1R、梅井がサウスポー、安本がオーソドックスで構え、お互い蹴り主体の攻防が続く。なかなか均衡が崩れなかったが、終了間際、安本が右のフック、三日月蹴りを立て続けに当て、やや優位で終える。記者採点は安本だがイーブンもありうる。
2R、安本の右インローがローブローとなり一時中断する。1Rも同様の場面があり、梅井は苦しそうだ。再開後、梅井も左インローを随所で当てるが、安本はひるまず、右ミドルを強打し続け、右テンカオ、フックも絡め若干優位の状態をキープする。記者採点は安本。
3R、後の無い梅井は左フック、ミドルの手数を上げるが、安本も随所で右のミドル、テンカオを返すと、梅井の攻撃が少しずつ減り、逆転には持ち込めず終了する。記者採点はイーブン。合計28-30で安本。ジャッジ1者は意外にもイーブンとしたが、2者は安本を支持し、安本が判定勝ちした。マイクを持った安本は「タイトルマッチやらせてください」とアピールした。
長谷川海翔、サンチャイを3R KO
第11試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R(延長1R)
○長谷川海翔(誠剛館/3位、DEEP☆KICK -53kg王者)
×サンチャイ・TEPPEN GYM(タイ/TEAM TEPPEN/元ラジャダムナン認定ミニマム級王者)
3R 2’31” KO (左飛び膝蹴り)
長谷川は13戦11勝(10KO)1敗1無効試合の18歳。大阪でのDEEP☆KICKで王者となると、22年10月からRISEに参戦し、黒田直也、翼をKO。昨年11月のRISE NEW WARRIORS スーパーフライ級トーナメントでは準決勝でHIROYUKIをに飛び膝蹴りでKOし、インパクトを残したが、決勝では政所仁に3Rにダウンを奪われ判定負けし、プロ初黒星を喫した。
サンチャイは元ラジャダムナン王者で、TEPPEN GYMでトレーナーを務める35歳。肘有りルールで大﨑孔稀、石井一成、花岡竜に敗れ、RISEでも大﨑一貴に敗れているが、シュートボクシングでは佐藤執斗と1勝1敗で、昨年11月のKNOCK OUTではOFG着用の肘有りルールで乙津陸に判定勝ちしている。
1R、長谷川がサウスポーで前に出続け、左ミドルを当てるが、連打にはつながらず、パンチを含めて空振りも多い。サンチャイに左ミドルを捕まれる場面もあるが、長谷川はそのまま回ってバックハンドブローを当て、少しサンチャイをフラつかせる。だがその先には持ち込めず、サンチャイも随所で右ミドルを返し、大差をつけさせない。記者採点はイーブン。
2Rも同様で、サンチャイの右ミドルや目の良さに手を焼く長谷川だが、左ミドル、三日月、インロー等を随所で当て、終盤はコーナーを長時間背負わせ、手数ではある程度差をつけて終える。記者採点は長谷川。
3R、疲れて来たサンチャイはクリンチが増え、豊永レフェリーから注意の累積で警告を受ける。長谷川はしつこく前に出て、左ミドル、ローを当てつつ、左ストレートを連打し、サンチャイを下がらせる。そこで長谷川はパンチに固執せず、左インローを当てると、サンチャイは後ろに倒れてダウンする。サンチャイはなんとか立ち上がるが苦しそうで、最後は長谷川がロー、パンチのラッシュからの左飛び膝でマットに沈めた。
マイクを持った長谷川は「大きな大会に出たことがないんで、6月の大阪大会で、3月の花岡(竜)選手と池田(幸司)選手の勝者とやらせてほしいです」とアピールした。
塚本望夢、JINに手を焼くも判定勝ち。数島との王座戦希望
第10試合 フライ級(51.5kg) 3分3R(延長1R)
○塚本望夢[もうむ](team Bonds/2位、元DEEP☆KICK -51kg王者)
×JIN(楠誠会館/MA日本&ジャパンカップキックボクシング・バンタム級王者)
判定3-0 (豊永29-28/佐藤30-28/大沢30-27)
塚本は兵庫出身、13戦10勝(3KO)3敗の18歳。22年4月に数島に判定負けし、昨年2月に松本にKO負けしているが、7月の大阪大会で山川敏弘を1R KOし、数島がフライ級王者になった10月大会では酒井柚樹に判定勝ちした。
JINは大阪出身、12戦8勝(2KO)4敗の17歳。3月で18歳になる。昨年8月にRISEに初参戦し那須川龍心に判定負けしている。
1R、塚本がパンチの打ち合いの展開で、的確に左フック、ボディを当てる。塚本はスイッチも織り交ぜつつ、ミドルやハイも絡め、優位をキープすると、終盤にパンチの連打から右フックでダウンを奪う。記者採点は10-8で塚本。
だが2R、打ち合いの展開で、JINの左フックが合うようになり、立て続けに命中すると、塚本はステップで距離を取る時間が増える。記者採点はJIN。
3R、変わらずJINが前に出て、序盤の打ち合いで右フックをクリーンヒット。だが塚本はステップで追撃を封じ、中盤過ぎにはパンチを返し、最後はステップでかわしてJINの反撃を封じて終える。記者採点はイーブン。合計29-27で塚本。ジャッジ3者も塚本を支持し、塚本が判定勝ちした。
マイクを持った塚本は「次、大阪でタイトルマッチお願いします。数島選手、アンサーお願いします」とアピールした。
空龍改め末國龍汰、麗也に延長判定勝ち
第9試合 フライ級(51.5kg) 3分3R(延長1R)
○末國龍汰[すえくに りゅうた](フリー/3位)※空龍(くうりゅう)改め。空修会館から所属変更
×麗也(team AKATSUKI/元ISKAインターコンチネンタル&新日本フライ級王者)※治政館から所属変更
4R 判定3-0 (長瀬10-9/豊永10-9/佐藤10-9)
3R 判定1-0 (豊永30-29/長瀬29-29/佐藤29-29)
末國は広島出身の19歳で戦績14戦8勝(3KO)4敗1分1無効試合。21年9月のKNOCK OUTでは花岡竜に判定負け。22年1月のRISE初戦で数島に判定勝ちしたが、3月のDEEP☆KICKで塚本に判定負け。12月のBOMでは吉成名高とムエタイルールで戦い5R判定負けした。昨年2月のRISE NEW WARRIORSフライ級トーナメントでは優勝者の松本天志に一回戦で判定負け。その後上京し、志朗の所属する大宮のBeWellジムを練習拠点にし、約1年ぶりの試合で本名で再始動する。
麗也は28戦17勝(6KO)5敗6分の28歳。かつては志朗と同門で、19年9月に風音に3R KO負けして以来4年半ぶりにRISEに出場する。その試合で引退したが、21年2月のNO KICK NO LIFEで復帰。昨年のNO KICK NO LIFEバンタム級トーナメントでは5月の準決勝でHIROYUKIに判定負け。11月に治政館を離れ、team AKATSUKIに移籍しての初戦となる。
1R、末國がサウスポーで構えて前に出て、麗也がオーソドックスで回る構図が続き、お互い蹴り主体の攻防を続けるが、どちらもまだ攻撃が少なく、差が乏しい。2R、お互い手数が増し、麗也の左ボディ、右ローが目立ち始めたが、末國も左ミドル、ストレートを返し、差を付けさせない。3Rもお互い積極的に攻め、ローを効かせるが、どちらも崩れないまま終了する。ジャッジは1者が末國を支持したが、2者はイーブンで延長へ進む。
延長R、末國が序盤から積極的に攻め、左ミドル、ストレートを随所で当てる。麗也はノーガードで挑発する場面もあったが、肝心の自身の攻撃は伸びない。最後、麗也が前に出てパンチを振るうが、末國はかわしながらパンチを随所で当て終了。末國がやや優位の状態で終え、ジャッジ3者から支持され判定勝ちした。
伊藤澄哉がKO勝ち「6月、大阪、OFGで」
第8試合 ライト級(63kg) 3分3R(延長1R)
○伊藤澄哉(戦ジム/2位)
×足利也真登[やまと](Fight Club Rush./DEEP☆KICK -63kg王者、元S-1ミドル級王者)
2R 2’39” KO (右ストレート)
1R、伊藤がプレッシャーをかけ続け、随所で右のローを的確に当て、終了間際に右のストレートの連打でスタンディングダウンを奪う。
2Rも伊藤が前に出続けると、終盤に入り右ストレートの連打でダウンを奪う。最後は伊藤が右膝蹴りを効かせつつ、右ストレートで豪快にマットに沈めた。
マイクを持った伊藤は「中村寛選手に負けてから、辞めようと思った時もありましたが、辞めなくて良かったです。6月、大阪、誰かとOFGで組んでもらいませんか?」とアピールした。
第7試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○麻火佑太郎(PHOENIX/3位)
×野村太一(K’Bスポーツジム)
判定3-0 (長瀬30-28/佐藤30-27/秋谷30-27)
麻火は北井智大、マサ佐藤、KENTAを相手に3連勝中。野村は10戦7勝3敗の27歳で、これまでBigbangを主戦場とし、RISEに初参戦した。
試合は麻火がサウスポーで構え、左のミドル、顔面狙いの前蹴り、膝蹴りを随所で当て、毎ラウンドやや優位な状態をキープし判定勝ちした。
第6試合 女子アトム級(46kg) 3分3R(延長1R)
×百花(魁塾/3位)
○小林穂夏(NEXT LEVEL渋谷)
判定0-3 (秋谷27-30/佐藤27-30/大沢26-30)
1R、サウスポーの小林が右に回り続けつつ、右のジャブ気味のフック、左ミドル、ロー等を随所で当て、やや優位に試合を運ぶ。2Rも小林ペースで、顔面狙いの左前蹴りもクリーンヒットする。3R、百花も必死に前に出て、攻撃を返して巻き返したが、終盤、小林が左フックでダウンを奪い、点差を広げて判定勝ち。女子アトム級のランキング入りが確実となった。
第5試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○伊東龍也(HAYATO GYM/13位、Stand up King of Rookie 2022 -55kg優勝)
×松永 隆(新宿レフティージム)
3R 1’22” TKO (ドクターストップ:有効打による左まぶたのカット)
第4試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
×翔磨(TEAM-ANOTHER/DEEP☆KICK -55kg王者、HOOST CUP日本バンタム級王者)※多田ジムより所属変更
○竹内賢一(Ten Clover Gym/S-BATTLE KICKフェザー級王者、元Bigbangフェザー級王者)
判定0-2 (豊永29-29/長瀬28-29/佐藤29-30)
第3試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○野口紘志[ひろし](橋本プレボ/7位、Stand up King of Rookie 2023 -67.5kg優勝)
×中村 龍(フリー)
3R 0’40” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
第2試合 フライ級(51.5kg) 3分3R
×ブラックシーサー颯太朗(TEAM TEPPEN/6位)
○弾丸風太(TEAM KAZE)
判定0-3 (長瀬29-30/秋谷28-29/佐藤29-30)
第1試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
○指田 烈(TEAM TEPPEN)
×野村勇人(GONG-GYM坂戸)
判定3-0 (佐藤30-29/秋谷30-29/大沢30-28)