RISE 11.18 後楽園ホール(レポ):政所仁、花岡竜に1R KOリベンジ&新鋭・長谷川海翔を退けスーパーフライ級1DAYトーナメント制覇、同級王者・大﨑一貴への挑戦権獲得。小林愛理奈、erika♡を2R KOしQUEENミニフライ級王者に
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RISE 173
2023年11月18日(土)東京・後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
RISE NEW WARRIORS スーパーフライ級トーナメントは政所仁が優勝
RISEスーパーフライ級王者・大﨑一貴への挑戦権を懸けた4選手によるワンデートーナメントが行われた。「NEW WARRIORSトーナメント」は2月にフライ級で初開催され、その時は4人とも高校生だったが、今回は18歳の長谷川海翔以外、既に経験豊富な選手が集まっている。優勝賞金は今回も100万円が用意される。
第3試合 RISE NEW WARRIORS スーパーフライ級(53kg)トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○政所 仁(魁塾/1位、WBKF世界スーパーフライ級王者、元J-NETWORKフライ級王者)
×花岡 竜(橋本道場/6位、元KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王者、元INNOVATIONフライ級王者)
1R 2’15” KO (2ダウン:左フック)
花岡は昨年後半からRISEを主戦場とし、8月の2戦目で政所に3R TKO勝ちしている。その後、10月の翼戦では負傷判定負けを喫したものの、今年前半のNO KICK NO LIFEバンタム級トーナメントではサンチャイ、山田航暉、HIROYUKIを下して優勝。8月のRISE大田大会ではニコラス・リヴァースに判定勝ちした。
政所も花岡戦の次の12月の滉大戦で判定勝ち。7月と8月はRISE WORLD SERIES 2023 -54kgトーナメントのリザーブマッチが続き、風音とルベン・セオアネに勝利し3連勝中だ。政所は決勝のリザーバーの権利が残っていたが、9月の記者会見でRISEの伊藤隆代表は「リザーブとして12月(16日の両国大会)まで待つか、このトーナメントに出るか、ジムサイドに選んでもらいました」と説明した。政所は「お話をいただいた時は、何のリザーブやったんかな?って思いました。前回の試合でタイトルマッチに向けていいアピールになったと思うんですけど、まだ評価されていないみたいなんで。今回出るって決めたんで、優勝して認めさせるしか無いかなと思います」と不満げに話し、しっかり結果で認めさせることに成功する。
1R、政所が序盤から左ジャブを的確に当てていると、花岡も左ジャブを返すようになる。だが政所は突如、右の飛び膝を放つと、花岡のガードの隙間を突いてアゴに当て、花岡はダウンする。花岡は立ち上がるが、流れは完全に政所で、政所が前に出て、右フックを振ってからの左フックをクリーンヒットし、再びダウンを奪いKO勝ち。見事1Rで終わらせ、花岡へのリベンジと決勝進出を果たした。
第4試合 RISE NEW WARRIORS スーパーフライ級(53kg)トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×HIROYUKI(RIKIX/SB日本バンタム級(52.5kg)1位、元新日本バンタム級&フライ級王者)
○長谷川海翔[かいと](誠剛館/8位、元DEEP☆KICK -53kg王者)
3R 0’54” KO (2ダウン:左飛び膝蹴り)
HIROYUKIは21年2月に風音に判定負けして以来約3年ぶりとなるRISE参戦。シュートボクシングではSB日本バンタム級王者の佐藤執斗らを下し3戦全勝し同級1位に。今年前半のNO KICK NO LIFEバンタム級トーナメントでは國本真義、麗也を下し決勝に進んだが、花岡に判定負けした。
長谷川は11戦10勝(9KO)1無効試合負けなしの18歳の新鋭。7月大会では花岡にも勝っている翼を1R KOしている。
1R、HIROYUKIはオーソドックス、長谷川はサウスポーで構え、見合った状態からミドルを蹴り合いつつ、時折足を止めパンチが激しく交錯する展開。両者とも時折当てるが、まだクリーンヒットは少なく均衡状態が続く。記者採点はイーブン。
2R、蹴りの比重は下がるが、基本的に似たような構図で、HIROYUKIは右フックやストレート、長谷川は左ストレートの強打は時折あるが、まだ均衡は崩れない。記者採点はイーブン。
すると3R、同じような攻防の中で、長谷川が左の飛び膝を突如放つとクリーンヒットし、HIROYUKIはダウンする。1つ前の政所と同じようなダウンの奪い方をすると、長谷川は再び左の飛び膝でダウンを奪い、KO勝ちで政所の待つ決勝に駒を進めた。
第11試合 メインイベント RISE NEW WARRIORS スーパーフライ級(53kg)トーナメント決勝 3分3R(最大延長2R)
○政所 仁(魁塾/1位、WBKF世界スーパーフライ級王者、元J-NETWORKフライ級王者)
×長谷川海翔[かいと](誠剛館/8位、元DEEP☆KICK -53kg王者)
判定3-0 (豊永30-28/大沢30-27/佐藤30-27)
※政所が優勝
1R、政所はオーソドックス、長谷川がサウスポーで構え、お互い蹴り合う中で、政所が2度右ハイをクリーンヒットして長谷川を少しひるませ印象を作る。政所は右ミドルも強打。長谷川も終盤は強打をもらわないが、印象を覆す攻撃が出せない。記者採点は政所。
2R、政所が序盤から左右のハイをヒットし、随所で右ミドル、フック、左ボディを強打し、優位に進める。長谷川はなかなか攻撃を返せず、終盤にようやく左フックが当たり出すが、政所を追い詰めるほどにはならない。記者採点は政所。
3R、政所は右ボディフック、ミドルを強打し、長谷川を少しずつ追い詰めると、中盤、右ハイキックをクリーンヒットしダウンを奪う。
長谷川は打ち合いに持ち込み左右のフックを当てる場面もあるが、政所は耐え、変わらず右ハイやパンチを当て続け、反撃を封じ試合終了。点差を広げ判定勝ちして優勝し、スーパーフライ級王者・大﨑一貴への挑戦権と賞金100万円を獲得した。記者採点は30-26で政所。
優勝した政所はマイクを持つと「これでやっと2度目のタイトルマッチです。遠回りでしたけど、今まで応援してくれた皆さんありがとうございます。伊藤代表、一言いいですか?『ほらな?』今のは冗談ですけど、このトーナメントは正直ムカつきましたけど、RISEは大好きなんで、伊藤さんのことも嫌いじゃないです。でもここがゴールとは思っていないです。長谷川選手、何回か練習したんですけど滅茶苦茶強かったです。危なかったです。ありがとうございます。まあ、僕しか53kgで大﨑選手に勝てる選手はいないんで、プレッシャーかけ過ぎたかもしれないですけど、次、楽しみにしてください」と、RISEの伊藤隆代表と大﨑に対して皮肉を込めつつアピールした。最後は「12月(両国大会で)風音の引退式もあるんで皆さん行ってあげてください。風音、力になりました。ありがとう」と話し、7月の政所戦での敗戦を最後に引退した盟友・風音について言及した。
すると最前列の席で観戦していた王者の大﨑が、チャンピオンベルトを肩にかけながらリングに上がり「政所選手、おめでとうございます。滅茶苦茶凄い試合で燃えました。僕は前回の試合で負けましたけど、これまでこのベルトの価値を高めたのは僕です。次の12月の(両国大会の)試合も勝って、政所選手との防衛戦も勝って、次につなげていくので楽しみにしてください」とアピールした。
大﨑と政所は20年7月に対戦し、大﨑が延長判定勝ちし、その2か月後に大﨑が王者・田丸辰に挑戦し判定勝ちしベルトを獲得している。
バックステージで政所は大﨑との王座戦について「きっちりリベンジしたいです。圧勝したいです。接戦は風音だけでいいです」と話した。風音の引退表明の影響については「めっちゃありました」といい「試合前にも『優勝してこい』と言われて、絶対負けれないなって思って、拳がより重くなった感じです」と話した。試合後の風音とも会話したといい「僕より喜んでくれました。またゆっくりご飯でも食べたいです」と話した。
小林愛理奈、erika♡を2R KOしQUEENミニフライ級王者に
第10試合 セミファイナル RISE QUEENミニフライ級(49kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
×erika♡(SHINE沖縄/王者)※初防衛戦
○小林愛理奈[ありな](FASCINATE FIGHT TEAM/2位、アトム級1位)
2R 0’11” KO (左ストレート)
※小林が王者に
erika♡は昨年6月のミニフライ級王座決定戦でAKARIに判定勝ち。肩の怪我の手術の療養を経て、RISEはそれ以来の出場で、最近では8月のTENKAICHI沖縄大会でビョン・ボギョン(韓国)に判定勝ちしている。
小林は昨年4月に宮﨑小雪のアトム級(46kg)王座に挑戦し判定負けしたが、その後は今年8月まで、宮﨑若菜、平岡琴、MISAKI、花田麻衣相手に4連勝中だ。
試合は小林の今の勢いが全開となる内容に。1R、開始すぐから小林がサウスポーのerika♡をコーナーに詰め、右ストレート、ボディストレート、左フック等のパンチを当てて、erika♡を度々ひるませて主導権を握る。中盤からerika♡も左ミドル、インローを返して盛り返したが、終盤、小林がerika♡の左の蹴りに合わせて右ストレートを当ててダウンを奪う。終了間際にもパンチラッシュでダウンを奪う。
すると2R、小林が開始すぐに前に出て右ストレートをヒット。動きが止まったerika♡にさらに左ストレートを当てると、erika♡はフラつきながら後退してロープにもたれる。ダメージが大きく、秋谷レフェリーがすぐさまストップし、小林のKO勝ちとなった。
ベルトを巻いた小林はマイクを持つと「アトム級タイトルマッチの後におばあちゃんがガンで亡くなってしまったんですけど、ベルト取って一緒に写真を撮るって約束していて。ベルトを取る姿を天国のおばあちゃんに見せられて良かったです」と涙を浮かべながら話した。続けて「これからも自分らしく色々挑戦します。オープンフィンガーグローブのベルトも作って欲しいです。体重は足りていないですけど、階級は関係ないんで、何kgでも誰が相手でも勝ちます」と力強くアピールした。最後はジムの代表の原口健飛、同僚の坂田実優も加わって記念撮影した。
安本晴翔、澤谷大樹に判定勝ち「来年は絶対門口選手を倒す」
第9試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×澤谷大樹(HAWK GYM/4位、DEEP☆KICK -60kg王者)
○安本晴翔[はると](橋本道場/5位、WPMF世界・WBCムエタイ日本フェザー級王者、元KNOCK OUT-REDフェザー級王者、元INNOVATIONスーパーバンタム級王者、元REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者)
判定0-3 (佐藤29-30/秋谷29-30/長瀬28-30)
澤谷は4月大会でスーパーフェザー級ランカーの小野幹晃に延長判定勝ち。6月には上野コウキに判定勝ちしDEEP☆KICK -60kg王座を防衛した。RISEのランキングでは澤谷が上だが、知名度と実績で勝る安本との試合は存在感を示す大チャンスとなる。
安本はKNOCK OUT等で王座を多数獲得し、昨年後半からRISEに主戦場を移し、昨年10月には山川賢誠を1R KO。12月の両国大会ではSBルールで川上叶に延長判定負け。今年3月のK-1では斗麗に判定勝ちした。5月には肘有り5Rで2階級上の髙橋聖人に判定勝ち。8月のRISE大阪大会ではRISEフェザー級1位の魁斗相手に優位に試合を進めるも、3R終盤に右フックをもらってダウンを喫し、逆転判定負けした。安本を撃破した魁斗は10月大会でフェザー級王者・門口佳佑に挑戦し判定負けしている。
1R、サウスポーの澤谷に対し、長身の安本は右ミドルやストレートを随所で的確に当ててやや優位に。だが澤谷も終盤、左ストレート、インローを返すように。安本も右インローを返すが、澤谷はさらに左インローをお返しし引かない。記者採点はイーブンだが安本につく可能性はある。
2R、澤谷は左フック、インロー、安本は右ミドル、ストレートを当て合い、基本的には1Rと似た構図の攻防が続く。どちらも当てるものの、そこから攻撃をまとめて流れを作るほどにはならない。記者採点はイーブン。
3R、澤谷は圧力を強め、左フック、インローを変わらず当てる。安本も同様に右ミドル、ストレートを返す。安本の攻撃が少し減ったものの、澤谷も終盤、攻撃が伸びず、差を示しきれず終わる。記者採点はイーブン。合計30-30でイーブン。ジャッジは3者とも1~2点差で安本を支持し、安本が判定勝ちした。
マイクを持った安本は「倒せなかったのでもっと強くなります。来年は絶対門口選手を倒すんで応援してくれたらありがたいです」とアピールした。
塩川琉斗、ライト級4位の山畑雄摩との接戦制す
第8試合 ライト級(63kg) 3分3R(延長1R)
×山畑雄摩(心将塾/4位、元DEEP☆KICK -63kg王者)
○塩川琉斗(TOP STAR GYM/12位、Stand Up King of Rookie 2022 -60kg優勝)
判定0-2 (長瀬29-30/秋谷29-29/大沢29-30)
山畑は昨年12月のホーストカップで健太に判定負けし、今年4月のRISEではKENTAに判定負けし2連敗中だ。
塩川は21歳。フルコンタクト空手をベースとし、プロデビュー初年度の21年こそ3連敗したが、昨年秋のStand Up King of Rookie 2022 -60kgトーナメントで2連勝して優勝すると、その後も12月の東蒼馬戦、6月の樋口知春戦でも判定勝ちし4連勝と勢いに乗る。
1R、両者サウスポーで構え、お互い左ローを蹴り合いつつ、パンチも交錯するが、まだどちらも崩れない。
2R、お互い手数を増し、山畑の左ローがやや効き目を発揮したが、塩川もミドルや左ボディをお返し。お互い削り合うがまだどちらも耐えている。
3R、塩川が右ボディを強打したのをきっかけに、パンチの手数でやや上回るように。終盤、山畑もパンチを増やしが、同じように塩川も返し続け、逆転を許さず終える。記者採点は3Rのみ塩川につけ29-30で塩川。ジャッジは2者が塩川を支持し、塩川が判定勝ちした。
宮﨑若菜、1年ぶり試合はMelty輝に完勝
第7試合 女子ミニフライ級(49kg) 3分3R(延長1R)
○宮﨑若菜(TRY HARD GYM/3位)
×Melty輝[きら](team AKATSUKI/女子フライ級3位)
判定3-0 (秋谷30-28/豊永30-28/大沢30-28)
宮﨑姉妹の姉・若菜は昨年2月、後にRISE QUEENミニフライ級王者となるerika♡に判定勝ちしたが、4月の第2代RISE QUEENミニフライ級王座決定トーナメント準決勝でAKARIに判定負け。11月の小林愛理奈戦では判定負けし2連敗中で、今回1年ぶりに復帰する。今大会ではerika♡は小林を相手に初防衛戦を行うため、若菜は再起戦で存在感を示したい。
Meltyは5月にRISEに初参戦し、YAYAウィラサクレックから1R終盤にハイキックでダウンを奪い判定勝ち。8月の後楽園では元女子フライ級王者・小林愛三の相手に抜擢されたが、終始攻め込まれ判定負けした。今回は1階級下のミニフライ級での戦いとなる。
1R、若菜がサウスポーで構え、左インロー、ミドル、フックを手数多く当て、終盤やや優位に。Meltyは終盤スリップが増えるが、随所で右フックを返し、はっきりした差はつけさせない。記者採点は若菜だがイーブンもありうる。
2R、若菜の左インロー、フックがやや目立ち優位が続く。Meltyはひるむことはないものの、自分の攻撃をほとんど返せず印象が悪い。記者採点は若菜。
3R、後の無いMeltyは序盤から前に出てパンチを連打し打開を図る。だが若菜が左フック一発クリーンヒットすると、あっさり主導権を握り、その後も左フック、ボディ、ミドルを度々当て、Meltyの反撃を封じる。記者採点は若菜。合計30-27で若菜。ジャッジ3者とも30-28で若菜を支持し、若菜が判定勝ちした。
第6試合 バンタム級(55kg) 3分3R
○京介(小比類巻道場)
×力哉(BK GYM/DEEP☆KICK −55kg 3位)
判定2-0 (佐藤30-29/大沢29-29/豊永30-29)
第5試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R
×石田 迅(LEGEND GYM/DEEP☆KICK −65kg王者)
○田中佑樹(HAWK GYM/Stand Up King of Rookie 2021 -63kg優勝)
1R 0’42” KO (ボディへの右バックスピンキック)
第2試合 バンタム級(55kg) 3分3R
×福井萌矢[ともや](建武館/Stand Up King of Rookie 2021 -55kg優勝)
○松永 隆[りゅう](新宿レフティージム)
判定0-3 (秋谷28-29/大沢28-29/豊永28-29)
※3R右フックで福井に1ダウン
第1試合 ミドル級(70kg) 3分3R
×バシ・カニ・エビ(FJ KICK ASS)
○惺也[せいや](OISHI GYM)
1R 2’49” KO (左フック)