シュートボクシング 4.13 後楽園ホール(レポ):海人、ペットモラコットに判定2-0でリベンジしSB世界王座防衛。山田彪太朗、栗秋祥梧に判定勝ち
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SHOOT BOXING 2024 act.2
2024年4月13日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
海人、ペットモラコットに判定2-0でリベンジしSB世界王座防衛
第8試合 メインイベント シュートボクシング世界スーパーウェルター級(70kg)タイトルマッチ 肘有り 3分5R(無制限延長R)
○海人(TEAM F.O.D/王者、KNOCK OUT-BLACK同級王者、RISEミドル級(70kg)王者、GLORYライト級(70kg)4位、元SB日本スーパーライト級(65kg)王者)
×ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ/ペッティンディーアカデミー/挑戦者、元ONEムエタイ・フェザー級(70.3kg)王者、元ルンピニー認定スーパーフェザー級&ミニフライ級王者)
判定2-0 (大村50-49/神谷49-49/竹村49-48)
※海人が初防衛
海人は26歳。昨年3月のRISE ELDORADOでイ・ソンヒョンに判定勝ちしRISEミドル級王者となり、6月のSB世界スーパーウェルター級王座決定戦ではサモ・ペティに判定勝ちし、一気に2本のベルトを獲得した。8月にはオランダでのGLORYに乗り込み、ティジャニ・ベスタティのGLORYライト級王座に挑戦したが、5Rともポイントを取られ完敗に終わり、連勝が18でストップした。11月のSBでの再起戦でマサロ・グランダーを、12月のRISEではジェームズ・コンデを、いずれも1R KO。今年2月10日のSBではペットモラコットと3分3R(無制限延長R)肘有りで対戦したが、ペットモラコットが首相撲を軸としたムエタイ技術で海人を翻弄し、4R(3R+延長1R)に判定勝ちした。その後、海人がSB王座を懸けての再戦を希望し、その通りの試合が用意された。王座戦は5R制だ。
ペットモラコットは2月の海人戦の4日後に30歳になった。13年にルンピニー認定スーパーフェザー級(59kg)王者となり、15年のREBELSで梅野源治に判定勝ちし同王座を防衛した。その後階級を上げ、20年2月にONEムエタイ・フェザー級(70.3kg)王者となると、防衛を重ね、5月にジミー・ビエノに判定勝ちし3度目の防衛を果たす。22年9月にタワンチャイに判定負けし4度目の防衛に失敗すると、同年12月以降はラジャダムナン・ワールド・シリーズ(RWS)に主戦場を移す。RWSでは当初5連勝し、9月大会では長身のサウスポー・タナンチャイに判定負けし、連勝がストップした。今年2月に海人に勝利し、試合を挟まずダイレクトリマッチで再来日する。
海人はこの再戦にあたり、3月に3日間だけだが、タイのスーパーボンジムで練習。インタビューでは「ペットモラコット戦でやろうとしていたことも、スーパーポンジムではより深く教えてもらえた」「ベスタティ戦、野杁戦よりも勝ちに貪欲です。ワクワクする気持ちは今回は無いですね」という話をしていた。
1R、ペットモラコットはサウスポーで構え、距離を取りつつ、随所で左ミドルを当てるが、まだ攻撃は少ない。海人は蹴り足をつかんで左肘を出し、サウスポーに切り替えて左カーフを当てる場面もあるが、まだ強打は乏しい。記者採点もジャッジ3者もイーブン。
2Rもペットモラコットはまだゆったりした攻めを続けるが、変わらず左ミドルを的確に当て、組めば海人に背中を向けさせつつ崩したり、上手さを随所で見せつける。海人は右インローを随所で強打するが、まだペットモラコットを崩すほどにはならない。記者採点はイーブン。ジャッジ2名がイーブンだが、竹村氏のみ意外にも海人につける。
3R、ペットモラコットは執拗に首相撲で海人を捕まえ、膝を当てたり崩しを決める。海人も右の三日月を中盤に当てるが、その先が続かない。終盤は海人は少し疲れた様子で、倒される場面が増える。記者採点はペットモラコット。ジャッジ2名がイーブン、神谷氏のみペットモラコットにつける。
4R、ペットモラコットは変わらず膝を当てていたが、ペットモラコットも疲れが見えて来ると、組んで休みがちに。終盤、海人は組まれる前に右ローを強打し、組まれても膝、肘を返し、やや優位で終える。記者採点は海人だがイーブンもありうる。ジャッジは大村氏、神谷氏が海人につけ、竹村氏のみイーブンとする。
5R、ペットモラコットは組んで膝、肘を当てるが、休むシーンのほうが目立つようになり、攻撃は少ない。海人も組み際に肘やパンチを返すが、攻撃が続かず、捕まり続けて終わる。記者採点はイーブン。ジャッジは3者ともイーブン。ただし竹村氏のみ9-9という採点をつける。記者採点の合計は49-49でイーブン。ジャッジは1者のみ同じポイントでイーブンだったが、2者が1点差で海人を支持し、海人が判定2-0で勝利した。ペットモラコットへのリベンジに成功した海人は、裁定が出された直後、雄たけびを上げて喜んだ。
山田彪太朗、KNOCK OUTの栗秋祥梧に判定勝ち
第7試合 57.6kg契約 3分3R(無制限延長R)
○山田彪太朗(シーザージム/SB日本フェザー級(57.5kg)王者)
×栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺/元大和ムエタイ・フェザー級王者)
判定3-0 (竹村30-28/茂木29-28/神谷30-27)
山田虎矢太との双子としても知られる彪太朗は、2月大会でペットシートーンに1R KO勝ちし4連勝中。栗秋はKNOCK OUTの主力の一人で、SBには3度参戦し、17年9月に笠原弘希にKO負け、19年12月に植山征紀にTKO勝ち、21年2月に笠原友希に判定負けしている。昨年9月のKNOCK OUTでは元Krush王者の玖村修平を1R KOしている。
1R、お互い慎重な出だしだったが、中盤から彪太朗の左ジャブのフェイントからの右ストレートがさく裂するようになり、終盤にも栗秋の右ローのタイミングで右ストレートを当て、やや優位に進める。記者採点は彪太朗。ジャッジは2者がイーブンだが、1者が彪太朗につける。
2R、栗秋は前に出て、右のカーフを当て続けるが、彪太朗はひるまず、中盤から左ボディを返していると、栗秋は少し苦しそうに。すると彪太朗は前に出て右フックを当て、栗秋をひるませ好印象を作る。記者採点は彪太朗。ジャッジ3者も彪太朗につける。
3R、彪太朗が左ボディを効かせるが、栗秋は左ハイ、顔面へのパンチを返して巻き返す。だが彪太朗が左ボディをきっかけに主導権を奪い返し、終盤は顔面とボディへのパンチを増やし、やや優位で終える。記者採点は彪太朗。合計30-27で彪太朗。ジャッジ3者とも1~3点差と開きはあるが、彪太朗を支持し、彪太朗が判定勝ちした。
彪太朗は「KOはできなかったんですけど、パンチ力があり日本でも知名度のある栗秋選手勝ててホッとしています。これからも有名な選手に勝って、シュートボクシング、山田ツインズを盛り上げます」とアピールした。続けてシーザー会長に促されてセコンドについていた虎矢太もマイクを持ち「前回RISEで不甲斐ない結果になってしまいすみませんでした。必ず強くなってパワーアップした姿を見せます」とSBファンに約束した。
内藤凌太、OFGマッチで山浦俊一に判定勝ち
第6試合 オープンフィンガーグローブマッチ 61kg契約 3分3R(無制限延長R)
○内藤凌太(BELLWOOD FIGHT TEAM/SB日本フェザー級(57.5kg)4位、元DEEP☆KICK -55kg王者)
×山浦俊一(新興ムエタイジム/元WBCムエタイ日本統一&NJKFスーパーフェザー級王者)
判定3-0 (茂木30-29/竹村30-29/神谷30-29)
内藤三兄弟の長男・凌太は3月10日の大森大会で土井涼雅に判定勝ちし、連敗を3で止めたばかり。手塚翔太の負傷欠場により、約1階級上で代役を務める。山浦はNJKFから参戦しSBルールは初挑戦。
今回のOFGマッチから、グローブが拳のアンコの大きなものから、普通のMMAに近い形状のものに変わった。1Rはお互い慎重で、攻撃が少ない。オープンスコアリングでの採点も3者イーブンと発表される。
2R、内藤は右ミドル、フック、山浦は左ボディ等を当て、1Rよりは積極的になり、若干内藤優位だが、差が乏しく、ジャッジ3者ともイーブンとする。
3R、内藤は右ロー等で積極的に攻めつつ、中盤には首投げでシュートポイント1を獲得し、ようやく点差をつけ判定勝ちした。
都木航佑のキャピタルレイズがSB協会加盟
第6試合の前の「シーザータイム」には、シーザー武志SB協会会長と共に、都木航佑[たかぎこうすけ]がリングに登場し、都木が所属するキャピタルレイズ・ファイティンググランツ池袋がSB協会に加盟することが発表された。都木は「昨年9月と今年2月にSBで試合をし、本当に楽しくて惹かれるものがありました。その後、シーザー会長とお話させていただき、シーザー会長に魅了され加盟を決意しました。自分はジムの代表ですが現役バリバリの選手なので、今後はシュートボクサーとして日本タイトルを取って、世界の頂点を狙える選手になります」と話した。
坂本優起が荒東下し“怪獣キラー”襲名
第5試合 オープンフィンガーグローブマッチ ヘビー級 3分3R(無制限延長R)
○坂本優起(シーザージム/SB日本ヘビー級3位、元SB日本スーパーウェルター級(70kg)王者)
×荒東“怪獣キラー”英貴(パンクラス大阪稲垣組/GRACHAN無差別級王者)※パラエストラ大阪から所属変更
判定3-0 (若林30-29/茂木30-29/津山30-29)
坂本は昨年11月の関根“シュレック”秀樹戦との敗者髪切りマッチで敗れ、落ち武者カットにされたが、今回はリングネームを懸けた戦いに。浅草で人力車を引く仕事をしている坂本が負ければ「人力・車太郎」に改名しないといけなくなり、荒東が負ければリングネームから“怪獣キラー”が消える。ちなみに人力・車太郎の名前は荒東と親しい三島ド根☆性ノ助・コブラ会会長が考えたという。
1R、お互い右ロー、パンチを随所で当てるが、まだ攻撃が少なく差は乏しい。ジャッジ2名はイーブンだが、1名はやや積極的な坂本につける。
2R、体格で勝る荒東が押し込む場面が目立つようになるが、その間に坂本が随所でパンチを連打して、右フック、アッパー等を当て、ヒット数で差をつける。ジャッジ2名が坂本につけ、1者がイーブンとする。
3R、荒東は逆転を狙い前に出るが、押し込んでからの先の攻撃が乏しい。坂本も攻撃が減るが、随所でパンチを返し、逆転を封じて終了する。
マイクを持った坂本は「改名マッチということで、“怪獣キラー”頂戴します。これからは坂本“怪獣キラー”優起です」と話し、元々の公約にはなかったが、“怪獣キラー”襲名を宣言した。
第4試合 オープンフィンガーグローブマッチ スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
×風間大輝(橋本道場/SB日本スーパーウェルター級2位)
○ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国/TRI.H Studio/元GRANDウェルター級(77.1kg)王者)
判定0-3 (和田25-30/若林27-30/津山27-30)
1R、風間は左右のロー、ダリはパンチ主体の攻めで、どちらも慎重で攻撃が少ない。ジャッジは2者がイーブンだが、1者はダリにつける。
2R、お互い少しずつ攻撃が増えると、終盤、ダリが潜り込みつつ放った右フックがクリーンヒットし、風間はダウンする。
3R、ダリはタックルからMMA式に抱え上げて倒し、シュートポイント1を獲得。パンチと投げで主導権を維持し、点差を広げ判定勝ちした。
MISAKIがKO勝ち「Girls S-cupの形をまた作る」
第3試合 女子アトム級(46kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(無制限延長R)
○MISAKI(TEAM FOREST/SB日本女子アトム級(46kg)王者、元J-GIRLSミニフライ級王者)
×ホンカンラヤー・ゴーパーサージム(タイ/チョンムロン・ムエタイ女子50kg級王者)
2R 0’21” TKO (右ミドルキック)
MISAKIは22年12月、昨年2月にRISEに参戦し、宮﨑小雪と小林愛理奈に判定負け。6月にSBに戻ってのホンヨック戦で1R KO勝ちし、11月にK-1 GROUPのチャン・リーに判定勝ちして以来の試合となる。
1R、ホンカンラヤーが右ミドルを当て続けるが、MISAKIはパンチを当てつつ前に出て、腰投げでシュートポイント1を獲得する。その後もMISAKIがパンチで前に出て、パンチの連打で2ダウンを奪って圧倒する。
すると2R、MISAKIがロープに詰めてパンチラッシュで苦しめてから、右ミドルを強打すると、ホンカンラヤーはダウンし、腹を押さえて動けず、MISAKIのKO勝ちとなった。
マイクを持ったMISAKIは「RENAちゃんが作ったGirls S-cupの形をまた作ります。私を倒したい選手、どんどんSBに来てください」とアピールした。
第2試合 55kg契約 3分3R(無制限延長R)
○笠原直希(シーザージム)
×濱田 海(TIA辻道場)
判定2-0 (竹村30-29/津山29-29/若林30-28)
笠原三兄弟の三男・直希は2月のスックワン・キントーンで1RKO勝ちし現在5連勝中。1Rは若干優位な程度だったが、2Rに入ると少しずつ左ボディ、ストレートのヒットを増やし、終盤には右ストレートで濱田をぐらつかせる。だが3R、濱田が右ロー、カーフを効かせ、パンチ、組んでの膝等のヒットも増やして巻き返す。とはいえ直希も攻撃を返していたせいか、3Rの濱田支持は1人に留まり、合計で2者が直希を支持し、直希が辛くも勝利をもぎ取った。
第1試合 女子47kg契約 2分3R(延長1R)
×坂本梨香(BELLWOOD FIGHT TEAM)
○MIYU(DFC Team LEOS)
判定0-3 (竹村28-30/津山28-30/若林29-30)