シュートボクシング 8.17 後楽園ホール(レポ):海人、元GLORYランカーに2連続KO勝ちし「12月のGROND ZEROでベスタティとリベンジマッチ」熱望。笠原友希、元ルンピニー王者を1R KO
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SHOOT BOXING 2024 act.4
2024年8月17日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
海人、元GLORYランカーに2連続KO勝ちし「12月のGROND ZEROでベスタティとリベンジマッチ」熱望
第8試合 メインイベント スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
○海人(TEAM F.O.D/SB世界スーパーウェルター級(70kg)王者、KNOCK OUT-BLACK同級王者、RISEミドル級(70kg)王者、元SB日本スーパーライト級(65kg)王者)
×ドラゴミール・ペトロフ[Dragomir Petrov](ブルガリア/元GLORYライト級6位、SENSHI -70kg王者)
2R 0’51” KO
海人は昨年8月、GLORYオランダ大会で、ティジャニ・ベスタティのGLORYライト級王座に挑戦したが、5Rともポイントを取られ完敗に終わり、連勝が18でストップした。11月のSBでの再起戦でマサロ・グランダーを、12月のRISEではジェームズ・コンデを、いずれも1R KO。今年2月のSBでは元ONE&ルンピニー王者・ペットモラコットに4R(3R+延長1R)判定負けしたが、4月に海人がSB世界王座を懸けて再戦し5R判定勝ちでリベンジを果たした。
海人は再びGLORY王座を目指すため、6月大会では元GLORYライト級9位のアルマン・ハンバリアンと対戦し、2R左フックでKOした。今回の相手、ペトロフは元GLORYライト級6位。
試合は海人も「物足りない」と評する唐突な結末だったが、十分に強さを示す内容に。1R、ペトロフは序盤からパンチを強打するが、海人はブロックとスウェーで対処する。中盤から海人はパンチのコンビネーションから右カーフキックを当てつつ、右ストレート、左ボディを当てるように。終盤には右ハイも当て、左の三日月を連打してから、バックスピンキックもクリーンヒットし、ペトロフは顔をしかめる。記者採点もジャッジ3者も海人。
2R、このままいけば海人のKO勝ちかもというムードだったが、意外な形での決着に。ペトロフは1R同様に序盤から勢いよく攻め、右ミドルを当てるが、海人はブロック。さらにペトロフは一回転してから前に詰め、左の飛び膝蹴りで襲い掛かる。海人は蹴り足をつかんで倒す。すると腰からマットに落ちたペトロフは、腰を押さえて顔をしかめたまま動けず、海人のKO勝ちとなった。和田良覚レフェリーはマイクを持つと「SBは投げありなので、投げて立てなかったからそれもダウンになります」と裁定について説明した。
マイクを持った海人は「物足りない試合を見せてしまったと思いますし、僕もそう思っています。ただ、下位の選手とはもういいんで、10月(13日の後楽園)は1位の選手とやらせてもらって、12月はGROND ZEROがあるんで、GLORYのベルト(を懸けて)、ベスタティとリベンジマッチを組んでもらえたらと思います」と話した。
この日の大会中には12月26日にTDCホールでGROND ZEROシリーズの大会が開催されることが発表されている。GROND ZEROはSBが年末に開催していたビッグイベントで、コロナ禍の影響で休止していた。トーナメントが軸のS-cup、ワンマッチ主体のGROND ZEROを隔年で開催することが恒例だった。
シーザー武志SB協会会長は大会後の総括で、海人がGLORYの上位勢との試合を希望したことについて「当てたいね、向こうが良ければ」と話し、12月のベスタティとの再戦についても「交渉しないといけないけど、トライしてみるよ。なるべくなら海人の夢をかなえてやりたい」と話した。だがベスタティは10月12日(現地時間)のオランダでのGLORYで、1階級上のウェルター級王者のチコ・クワシに挑戦することが発表されたばかり。シーザー氏は「世界タイトルマッチを組みたい」とも話しており、仮にベスタティ戦が先方のスケジュールや体調等が理由で無理だとしても、ビッグマッチ実現に意欲的だった。
GROND ZERO自体についてシーザー氏は「シュートボクシングっていつも挑戦してるから、挑戦することをやりたい」とコメント。「うちは中立だから」とも語り、多方面と交渉する方針も示している。
笠原友希、元ルンピニー王者を1R KO
第7試合 60.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○笠原友希(シーザージム/SB日本スーパーフェザー級(60kg)王者・元フェザー級(57.5kg)王者)
×ペットモラコット・スーパーボンジム(タイ/スーパーボンジム/元ルンピニースタジアム4階級王者)
1R 2’28” KO (左膝蹴り)
友希は2月のSBでソン・ジェミンに左ハイキックで2R KO勝ちして以来のSB登場。4月のタイ・ルンピニースタジアムでのONE Friday Fightsに初参戦すると、ペットシーモック・PKセンチャイを相手に1Rから左フックでダウンを奪うと、パンチの連打で2ダウン目を奪ったところでKO勝ちとなった。現在7連勝中・4連続KO勝ち中だ。今回はルンピニー4階級制覇の実績があり、ONEで活躍するスーパーボンのジムに所属するペットモラコットと対戦した。(海人と戦った選手とは別人)
1R、両者サウスポーで構え、友希がプレッシャーをかけ、ペットモラコットが距離を取って外側に立つ構図。ペットモラコットも細かく動いて友希の攻撃もかわし、友希は簡単に入らせてもらえない状態だったが、終盤、じりじりと距離を詰め、右の三日月蹴りをヒット。さらに友希が詰めて左のカーフキックを当てて攻撃を散らしてから、右ボディを強打すると、続けて左膝蹴りもボディにヒット。するとペットモラコットはダウンし、腹を押さえたまま立てず、友希のKO勝ちとなった。
友希はこれで8連勝、5連続KO勝ちに。マイクを持った友希は「60kg、俺が一番強いでしょ。シュートボクシングを代表して、どの団体でも、どの強い選手でも、ぶっ倒しに行くんで応援お願いします」とアピールした。
魁斗、平野凌我からシュートポイント大量奪取し判定勝ち
第6試合 58kg契約 3分3R(無制限延長R)
○魁斗(立志會館/SB日本フェザー級(57.5kg)2位、RISE同級1位、HOOST CUP日本同級王者)
×平野凌我(MTS/RISEフェザー級4位、MA日本同級王者)
判定3-0 (神谷30-24/津山30-25/若林30-25)
魁斗は22年4月に川上叶とのSB日本フェザー級王座決定戦で延長(6R)判定負けして以降、他団体で5戦し3勝1敗1分。昨年10月、RISEフェザー級王者の門口佳佑に挑戦し判定負け。3月のホーストカップ名古屋大会で元Krush王者の新美貴士と延長戦の末に引き分け。6月のONE Friday Fightsではラン・シャンテンに判定勝ちしている。対する平野はRISEを主戦場としつつ、今年4月のMAキック大阪大会では國枝悠太に2R KO勝ちしている。
1R、魁斗が右ストレート、左右のボディ、右カーフ、左ローと、多彩な攻めを続け、終盤には左ボディを効かせて平野を下がらせる。平野も途中まで攻撃を返していたが終盤は苦しい展開に。記者採点もジャッジ3者も魁斗。
2R、平野が前に出てパンチを振るい、魁斗は攻撃が減るが、前方への首投げで2回、後方へのバックドロップで1回、投げを決め、シュートポイント合計4を獲得する。
3R、後のない平野は序盤から前に出て右ストレート、ボディ等を効かせて巻き返すが、魁斗は組んで膝を連打し、最後はパンチも返し、反撃を封じ終了。点差を守り判定勝ちした。マイクを持った魁斗は「これからSBのトップとRISEのトップ狙っていきます」とアピールした。
なお、第5試合終了後の休憩明けには、12月26日 TDCホールでGROND ZEROシリーズの大会の開催、10月13日の次回後楽園大会への山田彪太朗・山田虎矢太の出場が発表された。また、この日で69歳の誕生日を迎えたシーザー武志SB協会会長を祝い、RENAがプレゼントを贈呈した。
都木航佑、ロクク・ダリ戦は不完全燃焼も延長TKO勝ち
第5試合 オープンフィンガーグローブマッチ スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
○都木航佑[たかぎ こうすけ](キャピタルレイズ fighting GlaNz/SB日本スーパーウェルター級1位、元KROSS×OVER KICK -67.5kg王者)
×ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国/TRI.H Studio/元GRANDウェルター級(77.1kg)王者)
5R 開始前 TKO (コーナーストップ)
4R 判定1-0 (若林10-9/津山10-10/竹村10-10)
3R 判定0-3 (若林30-30/津山30-30/竹村30-30)
都木は新極真会出身で、キックではKROSS×OVER、RISE、Bigbangに参戦後、昨年9月にSBに初参戦し村田義光に判定勝ちし、今年2月の2戦目もRYOTAROに判定勝ち。4月には所属ジムがSB協会に加盟。6月の後楽園大会ではタイ人のヨークディーゼルに2R膝蹴りでTKO勝ちしている。
ダリは4月大会でSB日本スーパーウェルター級2位の風間大輝とOFGマッチを行い判定勝ちしており、SB王座奪取目指し再登場した。
1R、お互い時折スイッチを織り交ぜつつ、ダリが前に出て、都木が距離を取る構図。都木が右ローを時折当てるが攻撃が少ない。ダリもパンチを振り回すが距離が遠い。2R以降も似た構図で、なかなか差がつかず延長へ。4R、都木の左ミドルが少し目立つが、相変わらず差が乏しく、1者のみ都木を支持するのみとなり再延長へ。するとダリ陣営が棄権を示すタオルをリングに投入し、都木の勝利となった。
内藤凌太、韓国のMMA選手に判定勝ち
第4試合 オープンフィンガーグローブマッチ 58kg契約 3分3R(無制限延長R)
○内藤凌太(BELLWOOD FIGHT TEAM/SB日本フェザー級(57.5kg)4位、元DEEP☆KICK -55kg王者)
×ウー・ジウォン[Woo Jiwon](韓国/TEAM HON)
判定3-0 (竹村30-28/津山30-28/若林30-28)
内藤三兄弟の長男・凌太は3月10日の大森大会で土井涼雅に判定勝ちし、連敗を3でストップ。4月大会では手塚翔太の負傷欠場により約1階級上で代役を務め、OFGルールで元WBCムエタイ日本王者の山浦俊一に判定勝ちした。対するジウォンは韓国のMMA選手。
1R、内藤がコーナー際でギロチンを仕掛けると、茂木レフェリーはキャッチポイント1を宣告する。打撃の攻防ではほとんど差がつかない。
2R、内藤が右ロー、左ミドルを当てていると、中盤には左三日月蹴りを効かせ、下がらせて好印象を作る。
3R、内藤は左ミドル、三日月を時折当てるが、下がらせる場面は作れず終了する。2Rまでで差をつけた内藤が判定勝ちした。内藤はマイクを持つと、タイトルマッチを希望した。
第3試合 オープンフィンガーグローブマッチ 64.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○樋沼朝光(RIKIGYM)
×東 修平(AACC)
判定3-0 (竹村29-26/津山29-26/北尻29-26)
※1R左ストレートで東に2ダウン
第2試合 オープンフィンガーグローブマッチ スーパーライト級(65kg) 3分3R(無制限延長R)
△伊藤 要(シーザージム新小岩)
△奥田啓介(ANIMAL☆PLANET/BLUE DOG GYM)
2R 2’12” 負傷判定 (津山19-20/竹村20-19/茂木20-20)
※偶発的なバッティングにより奥田が左まぶたをカットしドクターストップ。この時点までの内容で判定
第1試合 66kg契約 3分3R(無制限延長R)
○竜也(CRISS-CROSS/SB日本スーパーライト級(65kg)2位)
×凱斗(Y’ZD GYM)
2R 0’51” TKO (レフェリーストップ:左ストレートで2ダウン後)
※1R前方への投げ2回で凱斗にシュートポイント2
オープニングマッチ第3試合 女子53.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○小桐冬華(TEAM FOREST)
×宇野あいり(立志會館)
4R 判定3-0 (津山10-9/平10-9/神谷10-8)
3R 判定1-1 (津山30-30/平29-30/神谷30-29)
※4R前方への投げで小桐にシュートポイント1
オープニングマッチ第2試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(無制限延長R)
○長谷川平蔵(シーザージム)
×野口貴大(シーザージム新小岩)
判定3-0 (平30-28/津山29-28/神谷29-27)
※2R後方への投げで長谷川にシュートポイント2
オープニングマッチ第1試合 オープンフィンガーグローブマッチ 61.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
×金子徹哉(BELLWOOD FIGHT TEAM)
○関根 累(roots)
2R 0’32” TKO (ドクターストップ:鼻の負傷)