ONE 6.28 ルンピニー(レポ):スーパーレック、武尊戦以来の一戦はゴントラニーを完封。プラジャンチャイ、ストロー級立技2冠達成。SBの魁斗、ONE初戦はアグレッシブファイトで判定勝ち。若林耕平が接戦制す
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ONE Friday Fights 68
2024年6月28日(金)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
レポート:井原芳徳 写真:(C) ONE Championship
第12試合 ONEキックボクシング・ストロー級チャンピオンシップ(王者決定戦) 3分5R
○プラジャンチャイ・PKセンチャイ(ムエタイ同級王者)
×ジョナサン・ディベラ(元キック同級王者)
判定3-0
※プラジャンチャイが王者に
今回のONE Friday Fightsは人気タイ人選手が多数参戦する豪華版で、タイと日本以外ではPPV形式で放送された。
プラジャンチャイは昨年1月から始まったONE Friday Fightsで4連勝中。ディベラはONEで22年10月にジャン・ペイメンに判定勝ちしキック・ストロー級王座を獲得し、昨年10月にダニエル・ウィリアムスに判定勝ちし初防衛を果たした。4月5日のFriday Fightsでプラジャンチャイを相手に2度目防衛戦を予定していたが、ディベラの計量失格により試合が流れ、王座もはく奪されており、仕切り直しの一戦で王座奪還を目指す形となった。
1R、両者サウスポーで構え、ディベラが中央側で構え、左ボディやストレートを放つ。まだ強打も手数も乏しく、プラジャンチャイも様子見といった雰囲気だ。
2R、ティベラはパンチやミドルの手数を少し上げるが、プラジャンチャイは強打はも割らず、左右の膝蹴りや右ミドル、ハイを増やし、テクニック面では上回る印象を作る。
3R、ティベラが左ボディ、フックを当てるが、プラジャンチャイも右ミドル、テンカオを返し続け一歩も譲らない。中盤からプラジャンチャイはオーソドックスと切り替える頻度が上がり、右ミドルのヒットを増やし、若干だが優位な状態に持ち込む。
4R、プラジャンチャイは距離を詰めて右テンカオを当てては、すぐにクリンチしてレフェリーのブレイクを誘う展開を繰り返す。K-1でのゲーオやゴンナパーのようなスタイルでディベラの反撃を封じる。プラジャンチャイは右ミドルも絡めて印象を作る。
5R、プラジャンチャイはノーガードで誘いつつ、右ミドル、ジャブ、テンカオを的確に当て続け、ディベラを翻弄する。最後はティベラのパンチをかわして終了する。ジャッジ3者とも中盤から主導権を握ったプラジャンチャイを支持し、プラジャンチャイが判定勝ちし、ムエタイルールに続いてキックルールでもベルトを奪取した。
スーパーレック、ゴントラニーを完封
第11試合 ムエタイ フライ級 3分3R
○スーパーレック・ギャットムーカオ(ムエタイ同級1位、キックボクシング同級王者)
×ゴントラニー・ソー・ソンマイ
判定3-0
スーパーレックは1月の日本大会で武尊を相手にキックボクシング・フライ級王座防衛戦を行い、死闘の末に判定勝ちして以来の試合。ゴントラニーはFriday Fightのレギュラー選手で、内藤大樹やジャオスアヤイら相手に7連勝しているが、ONEのタイ人のトップ・スーパーレックの壁は高かった。
1R、スーパーレックがオーソドックス、ゴントラニーがサウスポーで構え、距離を取って慎重な滑り出しだが、スーパーレックが右インロー、肘を随所で的確に当てて、若干優位に進める。
2R、スーパーレックが左の前手を突き出して距離を取りつつ、右のミドル、ロー、膝、肘を自在に当て続け、首相撲でもコントロールして膝を当てる。1Rよりも差が明確に。
3R、変わらずスーパーレックが右のミドル主体で、三日月蹴りのような当て方も駆使する。U-NEXTの中継の解説の雅駿介は「武尊選手に三日月を効かされて、そこからもらってきたのでは」と分析していた。記者採点は30-27でスーパーレック。ジャッジ3者もスーパーレックを支持しスーパーレックが判定勝ちした。
完勝のスーパーレックだが、既に9月6日(現地時間)の米国デンバーでのONE 168でムエタイ・バンタム級王者のジョナサン・ハガティーに挑戦することが発表済で、ダメージを負わないよう慎重に戦っているようにも見えた。
第10試合 ムエタイ バンタム級 3分3R
×スーブラック・トープラン49
○カムラン・ナバティ
1R 1’54” KO
第9試合 キックボクシング バンタム級 3分3R
○ペッタノン・ペットファーガス(元王者)
×アラヴァディ・ラマザノフ(3位、元王者)
2R 1’59” TKO
第8試合 ムエタイ フェザー級 3分3R
○シャドウ・シンハーマウィン
×ジミー・ビエノ
判定3-0
第7試合 ムエタイ バンタム級 3分3R
○パコーン・PK・センチャイ
×ラフィ・ボーヒック
1R 2’15” KO
第6試合 ムエタイ バンタム級 3分3R
×シブムン・シッチェブンタン
○タイソン・ハリソン
判定1-2
第5試合 ムエタイ 140ポンド契約 3分3R
○ヨードレックペット・オー・アトチャリア
×コムアウット・FAグループ
判定3-0
スリヤンレック、ポンペットにリベンジKOし今回もボーナス獲得
第4試合 ムエタイ 132ポンド契約 3分3R
×ポンペット・PKセンチャイ
○スリヤンレック・ポー・イェンイン
1R 2’50” KO
大分のBRAVELY GYMのトレーナーでもあるスリヤンレックは、ONE Friday Fightsでメインイベンターを度々務め、4月の試合では5勝目・7戦連続ボーナスでボーナス総額1千万円(245万バーツ)越えを達成した。今回は大物タイ人が多数参戦し、タイ人登場パートの冒頭に追いやられたが、しっかり仕事をやってのける。ポンペットとは3月に対戦しダウンの応酬の末に判定負けしたが、スリヤンレックがリベンジを果たす。
1R、スリヤンレックがプレッシャーをかけるが、ポンペットは慎重に距離を取る。中盤過ぎ、スリヤンレックが右ストレートを当てると、ポンペットも右フックを返し、試合が動き始める。スリヤンレックは右肘を当てつつ、パンチを振るい続け、場内は湧き上がる。終盤、ポンペットは左ミドルや前蹴りで距離を取ろうとするが、スリヤンレックは構わずパンチを振い続けると、ポンペットが右ミドルを空振りした後、下がった展開で、スリヤンレックが追いかけて右フックをクリーンヒット。ダウンしたポンペットは立ち上がれず、スリヤンレックがKO勝ちした。今回もスリヤンレックはボーナスを獲得した。スリヤンレックはリングに娘を入れて抱き合って喜んだ。
シュートボクサー魁斗がONE初戦で判定勝ち
第3試合 ムエタイ 132ポンド(59.87kg)契約 3分3R
×ラン・シャンテン[Lan Shanteng](中国)
○魁斗[坂口魁斗](立志會館/シュートボクシング日本フェザー級2位)
判定0-3
ONE初参戦同士の一戦。魁斗はここのところ多数の選手をONEに送り込んでいるシュートボクシングのランカーで22歳。3月のホーストカップ名古屋大会では元Krush王者の新美貴士と延長戦の末に引き分けている。シャンテンは昨年12月のK-1大阪大会でK-1王者の金子晃大に判定負けしている選手。
試合は魁斗がアグレッシブなファイトで沸かせつつしっかり勝利をもぎ取ることに。1R、シャンテンは左ボディ、右ローを放ちつつ、左右のストレートも当て、序盤から積極的に攻める。魁斗はひるまず、カウンターの右ストレートを返し、右テンカオや左ボディを随所で返して応戦する。すると終盤、シャンテンのパンチをかわしてから、魁斗が左ストレートをクリーンヒットする。その後もお互いパンチを当て、スリリングな展開になる。記者採点は魁斗だが僅差のため割れる可能性はある。
2R、リーチで勝る魁斗が、1Rにも少し当てていた右のテンカオのヒットを増やす。中盤、シャンテンの左ローが下から蹴り上げるローブローとなり、魁斗が倒れる、レフェリーはダウンカウントを始めるが、魁斗がローブローの痛がり方をしていたため、ようやくレフェリーも理解し休憩時間を与える。再開後、魁斗は右テンカオを当てつつ、右ストレートも当てると、シャンテンはひるみ、魁斗はパンチを当て続けてシャンテンを追い詰める。最後はさらに右のカーフキックの連打でシャンテンをふらつかせる。記者採点は魁斗。
Kaito Sakaguchi STORMS forward
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3R、魁斗は左ボディ、右カーフと攻撃を散らしてシャンテンを削り、顔面にもパンチを当てて追い詰める。魁斗はさすがに疲れが見えてくるが、最後まで随所で攻撃を立て続け、反撃を許さず終了する。記者採点は魁斗。合計27-30で魁斗。ジャッジ3者も魁斗を支持し、魁斗が判定勝ちした。
パンクラスランカー若林耕平が接戦制す
第2試合 MMA ストロー級 5分3R
×サンラン・ガーシー[Sanlang Gexi](中国)
○若林耕平(コブラ会/パンクラス・ストロー級1位)
判定1-2
若林は29歳。修斗やDEEP大阪大会に参戦後、パンクラスに22年から上がり3戦全勝で、現在ストロー級1位にいる。5月にストロー級暫定王者となった黒澤亮平から「『今はできない』と何回も断って来た奴のせいで、このベルトが暫定王座なことにムカついています。若林、出てこいよ」と挑発されていたが、今回ONEでの試合機会が巡って来た。対するサンランは3月のFriday Fightsでロシアの選手に2R KO負けし2戦目。
1R、開始すぐから若林がタックルで倒して上になる。若林はトップキープはするものの、パウンドや肘を少し当てる程度に留まる。逆に下からサンランが細かくパンチや肘を当てる頻度が多い。最後、サンランが脱出するが、若林は反撃を封じて終える。
2Rも若林が足を掛けて倒して上になる。このラウンドもガーシーの下からの細かい打撃が多いが、背中をつけ続けている。若林はヒットは少ないものの随所でしっかり右のパウンドを当てる。
3Rも同様に、若林がトップキープする展開に。中盤、膠着ブレイクがかかると、若林はサウスポーからの左ミドルを当てる。だが終盤、若林が左ミドルを放つと、サンランは蹴り足をすくって倒し、サンランが上になって重みのあるパウンドを肘を落として挽回する。若林は大きなダメージは負わないものの、防戦状態となり、ロープの外にも出てしまい印象が悪い。記者採点は僅差だが最後にチャンスを作ったサンラン。ジャッジは割れ、2者が若林を支持し若林が判定勝ちしたが、今後に向けてのアピールが乏しい内容となってしまった。
日本人対決はテレカ∞がKO勝ち
第1試合 ムエタイ 143ポンド契約 3分3R
×優翔[上野優翔](team NOVA)
○テレカ∞[橋本亮汰](NEXT LEVEL渋谷/KROSS×OVER KICKライト級王者)
1R 2’05” KO (右ストレート)
KROSS×OVER王者でKrushやREBELSにも上がっていたテレカ∞と、タイでの試合経験豊富で最近はKNOCK OUTにも上がっている優翔の一戦は、短時間決着に。
テレカのセコンドにはセンチャイ・トングライセーン氏、優翔のセコンドには里見柚己がつく。1R、背の低いテレカがプレッシャーをかけ、優翔が距離を取って回る構図が続き、お互いローやミドルといった蹴り主体の攻防を繰り広げる。終盤、テレカが踏み込んでの左フックをヒット。その後、ローの蹴り合いに戻ったが、テレカが左ジャブのフェイントから右ストレートを放つとアゴにクリーンヒット。優翔は真後ろに倒れ、マットに後頭部を打ってダウンし、すぐさまレフェリーがストップした。