UFC 8.18 パース(レポ):ドリカス・デュ・プレシ、元ミドル級王者アデサニヤの打撃耐え4R裸絞めで一本勝ちし初防衛
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UFC 305: du Plessis vs. Adesanya
2024年8月18日(日)オーストラリア・パース:RACアリーナ
レポート:井原芳徳
ドリカス・デュ・プレシ、元ミドル級王者アデサニヤの打撃耐え4R裸絞めで一本勝ちし初防衛
第12試合 メインイベント UFCミドル級タイトルマッチ 5分5R
○ドリカス・デュ・プレシ(王者)
×イズラエル・アデサニヤ(2位、元王者)
4R 3’38” 裸絞め
※デュ・プレシが初防衛
デュ・プレシは30歳。18年にポーランドのKSWで王者となり、20年から上がったUFCでは7連勝。昨年3月にデレク・ブランソンに2R TKOで勝利。7月に元ミドル級王者で2位のロバート・ウィテカーに2R TKO勝ち。今年1月のカナダ大会ではショーン・ストリックランドに判定1-2で勝利し、南アフリカ人初のUFC王者となると、アデサニヤとの防衛戦を希望していた。
ニュージーランド在住のアデサニヤは35歳。22年11月、キック大会のGLORYで2度敗れた相手、アレックス・ペレイラにミドル級王座を奪われ、6度目の防衛に失敗したが、昨年4月のリターンマッチで2R KO勝ちし、リベンジと王座奪還を果たした。昨年9月のシドニー大会ではストリックランドに1Rからダウンを奪われ苦戦し判定負けしている。今回、復帰戦で3度目の戴冠を狙う。
試合は今回もデュ・プレシが下馬評を覆すことに。1R、アデサニヤがスイッチを繰り返し、長い前手でフェイントをかけ、時折ミドルを当てる。デュ・プレシは時折前に詰めてパンチを振う。デュ・プレシも次第にサウスポーにもスイッチしかく乱を狙う。終盤、お互いやや積極的になり、デュ・プレシが右ストレート、左ミドル、ハイ、アデサニヤが左ミドル、右ボディストレートを当てるが、均衡は崩れない。記者採点は迷ったが強打でやや好印象のアデサニヤ。ジャッジは1者がデュ・プレシ、2者がアデサニヤにつける。
2R、お互いめまぐるしくスイッチする中で、デュ・プレシが序盤からタックルで倒し、背後からしがみつくと、逃げようとするアデサニヤを金網まで詰め、バックマウントを奪う。デュ・プレシは両足で体を伸ばそうとしつつ、裸絞めを狙うが、やや攻め急ぎ過ぎたか?まだ元気なアデサニヤは前方に振り落として脱出する。中盤、アデサニヤがパンチを当てて挽回し、右ストレートでデュ・プレシをひるませると、デュ・プレシはタックルで難を逃れる。終盤、デュ・プレシはしつこくタックルでしがみついて倒そうとするが、攻め疲れたか?口が開いてしんどそうだ。アデサニヤも膝立ちまでで対処する。アデサニヤも小手投げで倒しにかかるが、デュ・プレシは耐える。記者採点は迷ったがパンチを効かせたアデサニヤ。ジャッジ3者とも裸絞めを狙い支配時間が長かったデュ・プレシにつける。
3R、アデサニヤは細かくパンチを当て、右ボディも効かせる。デュ・プレシも前に出て右ストレートを返す場面も。だが片足タックルはあっさり切られる。終盤、デュ・プレシが左右のパンチを振うと、かわしたアデサニヤもスリップしてしまう。アデサニヤが左右のボディを連打すると、デュ・プレシは苦しそうな表情を浮かべるが、アデサニヤも追撃に持ち込めない。記者採点は僅差でアデサニヤ。ジャッジはやはり割れ、1者がデュ・プレシ、2者がアデサニヤにつける。
4R、アデサニヤは左ボディを当て、デュ・プレシのタックルを切る。猪木アリ状態になるとアデサニヤはスタンド勝負を要求する。中盤、デュ・プレシは左ミドルをヒットし、アデサニヤはジャブで距離を取りつつ、左右のボディを随所で当てる。お互い慎重な展開となっていたが、終盤、いきなり試合が動く。デュ・プレシがスイッチを繰り返しながら前に出て左右のフックを振うと、アデサニヤは半身で逃げた際に右フックをもらいダウンする。立ったアデサニヤはマットを指さしてスリップだとアピールしたが、引き続きデュ・プレシが前に出ると、背中を向けて逃げるアデサニヤにパンチを連打してから、後ろからしがみついて倒す。四つん這いのアデサニヤから、デュ・プレシはあっさりとバックマウントを奪うと、素早く裸絞めを極め、アデサニヤはタップ。まさかの結末で、デュ・プレシが見事ミドル級王座初防衛を果たした。
カラフランス、エルセグを1R KO
第11試合 コーメインイベント フライ級 5分3R
○カイ・カラフランス(4位)
×スティーブ・エルセグ(7位)
1R 4’04” TKO (レフェリーストップ:右ストレート)
カラフランスはニュージーランド出身で2連敗中で約1年ぶりの試合。エルセグは地元パースの選手で、5月にフライ級王者のアレクサンドル・パントーハ[アレッシャンドリ・パントージャ]に挑戦し判定負けして以来の試合。
1R、スタンドでお互い慎重に探り合う状態が続く。終盤、エルセグがプレッシャーを強めていたが、カラフランスが前に出て右フックを振うと、続けて振るった左フックがクリーンヒットし、エルセグはダウンする。カラフランスは立ったエルセグを追いかけ、右ストレートで再びダウンさせ、背中を向けてうずくまったエルセグにパウンドを当てようとしたところでレフェリーがストップした。カラフランスは勝利者インタビューで「タイトルに挑戦したい」と話した。
第10試合 ライト級 5分3R
×マテウス・ガムロット(5位)
○ダン・フッカー(11位)
判定1-2 (28–29/29–28/28-29)
ニュージーランド出身のフッカーは2連勝中で約1年ぶりの試合。3連勝中の上位ランカー・ガムロットに挑んだ。1R、サウスポーのガムロットが、フッカーの右ボディのタイミングで右ジャブを合わせてダウンさせ、上になってパウンドを連打する。終盤、パンチの打ち合いでフッカーが左フックでガムロットをダウンさせ挽回するが、ガムロットもタックルを絡めステップで距離を取り反撃を封じる。記者採点は最後追い詰めたフッカーとしたが、割れても不思議では無く、ジャッジも1者がガムロットにつける。
2R、序盤からガムロットがフッカーの蹴り足をすくって倒し、サイドで押さえてパウンドを当てる。終盤、スタンドに戻り、ガムロットがタックルを繰り返して反撃を封じる。記者採点はガムロット。
3R、フッカーはひたすら前に出て、時折パンチを当てる。ガムロットはタックルを繰り返して対抗するが、テイクダウンは奪えず印象が悪い。記者採点はフッカー。合計28-29でフッカー。ジャッジはやはり割れたが、フッカーが判定勝ちと発表されると、場内は大歓声に包まれた。
第9試合 ヘビー級 5分3R
×タイ・トゥイバサ(10位)
○ジャルジーニョ・ホーゼンストライク(12位)
判定1-2 (28-29/30–27/27–30)
第8試合 ウェルター級 5分3R
×リー・ジンリャン
○カルロス・プラチス
2R 4’02” KO
第7試合 ヘビー級 5分3R
×ジュニア・タファ
○ヴァルター・ウォーカー
1R 4’56” ヒールフック
第6試合 フェザー級 5分3R
×ジョシュ・クリバオ
○リカルド・ラモス
判定1-2 (29–28/28–29/28–29)
第5試合 女子フライ級 5分3R
○ケイシー・オニール(15位)
×ルアナ・サントス
判定3-0 (30–27/30–27/30–26)
第4試合 フェザー級 5分3R
○ジャック・ジェンキンス
×ハーバート・バーンズ
3R 0’48” TKO
第3試合 ライト級 5分3R
○トム・ノーラン
×アレックス・レイエス
判定3-0 (30–27/30–27/29–28)
第2試合 ウェルター級 5分3R
○ソン・ケナン
×リッキー・グレン
判定3-0 (30–27/30–26/29–28)
第1試合 フライ級 5分3R
×スチュワート・ニコル
○ヘスス・アギラー
1R 2’39” フロントチョーク
※アギラーが計量0.5ポンドオーバー。ファイトマネーの20%を対戦相手に譲渡