UFC 9.2 パリ(レポ):シリル・ガーン、地元大会でスピバックにTKO勝ち。ナマユナス、階級アップ初戦はマノン・フィオロに判定負け
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UFC Fight Night: Gane vs. Spivak
2023年9月2日(土/現地時間)フランス・パリ:アコー・アリーナ
レポート:井原芳徳
第11試合 メインイベント ヘビー級 5分5R
○シリル・ガーン(2位、元暫定王者)
×セルゲイ・スピバック(7位)
2R 3’44” TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ連打)
フランスでは2020年にMMAがようやく合法化され、昨年9月にUFCが初開催され、今回が2度目のフランス大会となる。前回同様、メインイベントには元UFCヘビー級暫定王者で地元パリ在住のガーンが登場した。
ガーンは21年8月にデリック・ルイスに勝利しヘビー級暫定王者となったが、昨年1月のフランシス・ガヌーとの王座統一戦で判定負け。昨年9月のパリ大会ではタイ・トゥイバサを3R左フックでKOしたが、今年3月のジョン・ジョーンズとのヘビー級王者決定戦では1Rギロチンで一本負けした。
スピバックは東欧のモルドバ出身の28歳。隣国のウクライナのWWFCの元ヘビー級王者で、19年からUFCに上がり10戦7勝3敗。昨年3月にグレッグ・ハーディに1R TKO勝ち、8月にアウグスト・サカイに2R TKO勝ち、今年2月にデリック・ルイスに1R肩固めで一本勝ちで3連勝中だ。

PARIS, FRANCE – SEPTEMBER 02: (L-) Ciryl Gane of France punches Serghei Spivac of Moldova in a heavyweight fight during the UFC Fight Night event at The Accor Arena on September 02, 2023 in Paris, France. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC via Getty Images)
1R、ガーンがサウスポーで構え、ジャブと前蹴りで距離を取る。スピバックがタックルを仕掛けると、ガーンは切り、突き放し際に右の膝をスピバックのレバーに当てる。これが効いたか?立ったスピバックは口が開きしんどうそうだ。ガーンは圧をかける側となり、細かく右ジャブを当てつつ、ボディにもパンチを当て、着実にダメージを与える。記者採点はガーン。
2R、ガーンが変わらず前に出て、サウスポーからのパンチを的確に当て続けて主導権を維持する。スピバックが前に出ても軽快にステップしてかわす。中盤、左テンカオ、左ボディストレートもクリーンヒット。金網に詰め、顔面へのパンチのヒットも増やす。スピバックは気持ちが折れており、亀のようになりながらパンチをもらい続けたところでレフェリーがストップした。
第10試合 コーメインイベント 女子フライ級 5分3R
○マノン・フィオロ(3位)
×ローズ・ナマユナス(ストロー級2位、元同級王者)
判定3-0 (30–27/29–28/29–28)
地元フランスのフィオロは空手等の立ち技をベースとし、18年のMMAデビュー戦は敗れたが以降は10連勝。EFCとUAEウォリアーズのフライ級王座獲得後、21年からUFCに上がり5連勝で、昨年はジェニファー・マイア、ケイトリン・チョケイジアンに勝利している。
ナマユナスは21年4月にジャン・ウェイリーに78秒でKO勝ちし、女子ストロー級王座を奪還すると、11月の再戦ではウェイリーに判定2-1の僅差で勝利し初防衛に成功した。だが昨年5月の2度目の防衛戦ではカーラ・エスパルザに判定1-2で惜敗。前回は消極的な試合内容となってしまっていた。今回は1階級上のフライ級に上げての初戦となる。

PARIS, FRANCE – SEPTEMBER 02: (R-L) Manon Fiorot of France punches Rose Namajunas in a flyweight fight during the UFC Fight Night event at The Accor Arena on September 02, 2023 in Paris, France. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC via Getty Images)
オクタゴンでのナマユナスの姿を見ると、体の厚みでフィオロよりやや劣る。1R、フィオロがサウスポー、ナマユナスがオーソドックスで構え、スタンドの打撃戦が続く。ナマユナスは時折スイッチする。お互いパンチを振うが、少し距離が遠く、明確なヒットにつなげられない。終盤、フィオロのパンチのヒットが少し増え、ナマユナスのタックルを切ることに成功する。ナマユナスは左目の下を腫らす、記者採点は僅差だがフィオロ。ジャッジ3者もフィオロにつける。
2R、ナマユナスは圧を序盤からかけるが、フィオロが前に出返しつつ、左ストレートをヒット。さらにフィオロに押されると、ナマユナスは一瞬スリップしてしまう。フィオロはナマユナスを金網に押し込み、左膝蹴りをボディに当てると、ナマユナスは顔をしかめる。パワー差が出て来る展開に。ナマユナスの左ストレートの後、フィオロもスリップしてしまう場面もあったが、フィオロはしばらくステップして距離を取って持ち直す。終盤、お互い組もうとすると、切ろうとしたフィオロの額の上のほうに当たり、フィオロが出血する。頬から顎にかけて血で染まるが、目にかかっていないため、レフェリーは続行する。試合の流れを切らさない賢明な判断だろう。フィオロに対する地元ファンの声援もより大きくなる。記者採点は打撃で優位な場面の多かったフィオロ。
3R、ナマユナスがタックルを繰り返すが、これもフィオロが簡単に切り、流れは変わらない。フィオロの出血は止まるが、再び出血する場合も想定してか?2点差をつけているため、やや逃げ切りモードとなり、ステップで距離を取る場面が目立つように。ナマユナスは前に出続けるが、なかなか捕まえきれず。終盤、フィオロは左ハイからのパンチの連打でしっかり自分の印象も作る。ナマユナスのパンチの後に少しフィオロがバランスを崩す場面もあったが、その先の展開とならず終了する。記者採点はフィオロ。合計30-27でフィオロ。ジャッジ3者もフィオロを支持し、フィオロが判定勝ち。試合後のインタビューでは「チャンピオンになります」と話した。
第9試合 ライト級 5分3R
○ブノワ・サン・デニ
×ティアゴ・モイゼス
2R 4’44” TKO
第8試合 ライトヘビー級 5分3R
○ヴォルカン・オーズデミア(9位)
×ボグダン・グスコフ
1R 3’46” 裸絞め
第7試合 フェザー級 5分3R
○ウィリアム・ゴミス
×ヤニス・ゲムーリ
3R 2’20” TKO
第6試合 フェザー級 5分3R
○モルガン・シャリエール
×マノロ・ゼッキーニ
1R 3’51” KO
【プレリム】
第5試合 バンタム級 5分3R
○テイラー・ラピルス
×ケイラン・ロフラン
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
第4試合 ウェルター級 5分3R
○アンジュ・ルーサ
×リース・マッキー
判定3-0 (30–27/29–28/29–28)
第3試合 女子バンタム級 5分3R
○ノーラ・コノール
×ジョセリン・エドワーズ
判定3-0 (30–27/30–27/29–28)
第2試合 バンタム級 5分3R
○ファリド・バシャラート
×クレイドソン・ホドリゲス
1R 4’15” 肩固め
第1試合 140ポンド(63.5kg)契約 5分3R
×ザラ・フェイリン
○ジャケリン・カバウカンチ
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)