UFC 3.4 ラスベガス(レポ):3年ぶり復帰のジョン・ジョーンズ、ガーンを1Rギロチンで仕留めヘビー級王者に。アレクサ・グラッソ、シェフチェンコの隙突き8度目の防衛阻止
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UFC 285: Jones vs. Gane
2023年3月4日(土/現地時間)米国ネバダ州ラスベガス:T-Mobileアリーナ
レポート:井原芳徳
第14試合 メインイベント UFCヘビー級王者決定戦 5分5R
○ジョン・ジョーンズ(元ライトヘビー級王者)
×シリル・ガーン(1位、元暫定王者)
1R 2’04” フロントチョーク
※ジョーンズが王者に
フランシス・ガヌーがUFCを離脱したため空位となったヘビー級王座を懸けた一戦。ジョーンズは20年2月にドミニク・レイエスに判定勝ちし、ライトヘビー級王座3度目の防衛をして以来の約3年ぶりの試合。この試合でジョルジュ・サンピエールを抜き、UFC王座戦最多勝利数14となった。だがその試合の翌日に飲酒運転等で逮捕され、同年8月、ヘビー級転向を理由に王座を返上。21年には車両破壊等の罪で逮捕されていた。現在35歳。
ガーンは21年8月にデリック・ルイスに勝利し、UFC参戦以来7連勝でヘビー級暫定王者となる。昨年1月、正規王者・ガヌーとの王座統一戦で判定負けしたが、8月にタイ・トゥイバサにTKO勝ちし、今回の王座戦につなげた。
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— UFC Japan (@ufc_jp) March 5, 2023
1R、開始すぐ、サウスポーのガーンが左ローを放つと、ローブローとなり中断するが、すぐ再開する。ジョーンズは序盤からプレッシャーをかけ、1分過ぎにガーンがパンチを振ったタイミングで、胴タックルを仕掛けて倒す。ジョーンズはガーンの背後からしがみつき、金網際で倒して上になる。金網に背中をつけて座るガーンに対し、ジョーンズはマウントを狙いながらギロチンの体勢に入ると、これが極まり、ガーンはタップ。ジョーンズが無傷であっさりと勝利し、復帰戦を白星で飾ると共に、2階級制覇を達成した。
第13試合 コーメインイベント UFC女子フライ級チャンピオンシップ 5分5R
×ワレンチナ・シェフチェンコ(王者)※8度目の防衛戦
○アレクサ・グラッソ(6位)
4R 4’34” 裸絞め
※グラッソが王者に
シェフチェンコは昨年6月、タイラ・サントス相手に苦戦するも判定2-1で勝利し、UFC女子選手史上最多連続防衛記録となる7度目の王座防衛を果たして以来の試合。1月末から約3週間、千葉のパラエストラ柏で浅倉カンナらと練習していたことでも話題になった。
グラッソは15年にInvictaで魅津希に判定勝ち。16年からUFCに上がり、当初は勝ち負けを繰り返す状態だったが、20年8月から昨年10月までキム・ジヨン、ビビアン・アラウジョら相手に4連勝し、王座初挑戦につなげた。
1R、シェフチェンコはサウスポー、グラッソは時折スイッチしつつオーソドックス主体。お互い慎重だが、シェフチェンコが距離を支配し、左ミドル、ストレートを随所で当てる。中盤、グラッソもワンツーを当てるが、その先は続かない。終盤、シェフチェンコが左ミドルを当ててからバックハンドブローを当てるが、すぐにグラッソはタックルを仕掛けて倒し好印象を残して終える。記者採点は僅差でグラッソだが割れる可能性はある。
すると2R、シェフチェンコはお返しとばかり、グラッソのパンチのタイミングでタックルを仕掛けて倒し、トップキープに成功する。サイドポジションで押さえ続けるが、終盤に入るとグラッソがスタンドに戻す。だがまたもグラッソのパンチのタイミングで、シェフチェンコ胴タックルを仕掛けて倒し、ハーフガードで押さえ続けて終える。記者採点はシェフチェンコ。手堅くポイントを取り返した形か。
3R、序盤はスタンドの打撃戦で、シェフチェンコがパンチ連打、左ハイを当てやや優位。中盤にはまたもシェフチェンコがタックルで倒して上になり、時折パウンドを落とす。終盤、膠着ブレイクがかかるが、またもシェフチェンコがタックルで倒すと、素早くバックマウントを取る。最後、トップを取ったところで下のグラッソがシェフチェンコのシェフチェンコの首を抱えるが、絞めには至らない。記者採点はシェフチェンコ。
ワレンチナ・シェフチェンコを仕留めたアレクサ・グラッソのフィニッシュシーンを振り返り#UFC285 pic.twitter.com/aeGV93P3eH
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4R、スタンドでお見合いが続き、お互い攻めあぐねる。中盤、グラッソがタックルから金網に押し込むが、シェフチェンコは突き放す。終盤、グラッソがプレッシャーをかけると、シェフチェンコがバックスピンキックを仕掛けるが、距離が近すぎて空振りになる。シェフチェンコが背中を向ける形になってしまうと、グラッソがオンブになり、そのまま潰すようにグラウンドに持ち込んで裸絞めを極める。最後はシェフチェンコがタップし、まさかのミスから王座陥落した。
見事チャンスを逃さず絶対王者を下したグラッソは「毎日この技は練習していました。勝つためにあらゆることに取り組んで来ました」と明かした。敗れたシェフチェンコは「これがMMAです。女子フライ級に動きがあったのは良かったのかもしれません。まだ強くなります」と潔く負けを認め笑顔で両手を上げた。
第12試合 ウェルター級 5分3R
×ジェフ・ニール(7位)
○シャフカト・ラフモノフ(9位)
3R 4’17” 裸絞め
※ニールが計量4ポンドオーバー。ラフモノフにファイトマネーの30%を譲渡
第11試合 ライト級 5分3R
○マテウス・ガムロット(7位)
×ジェイリン・ターナー(10位)
判定2-1 (29-28/28-29/30-27)
第10試合 ミドル級 5分3R
○ボー・ニッカル
×ジェイミー・ピケット
1R 2’54” 肩固め
第9試合 バンタム級 5分3R
○コーディ・ガーブラント
×トレビン・ジョーンズ
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
第8試合 ミドル級 5分3R
×デレク・ブランソン(5位)
○ドリカス・デュ・プレシ(10位)
2R 4’59” TKO (コーナーストップ:グラウンドパンチ)
第7試合 女子フライ級 5分3R
×ビビアン・アラウジョ(8位)
○アマンダ・ヒバス(9位)
判定0-3 (27-29/26-30/27-30)
第6試合 ミドル級 5分3R
×ジュリアン・マルケス
○マルク・アンドレ・バリオー
2R 4’12” TKO
第5試合 ウェルター級 5分3R
○イアン・マシャド・ギャリー
×ソン・ケナン
3R 4’22” TKO
第4試合 バンタム級 5分3R
×マーナ・マルティネス
○キャメロン・サーイマン
判定0-2 (26-29/27-28/28-28)
※マルティネスが計量1ポンドオーバー。サーイマンにファイトマネーの30%を譲渡
第3試合 女子ストロー級 5分3R
×ジェシカ・ペネ
○タバサ・リッチ
2R 2’14” 腕ひしぎ十字固め
第2試合 バンタム級 5分3R
×ダモン・ブラックシア
○ファリド・バシャラート
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
第1試合 ライト級 5分3R
○ルイク・ラジャボフ
×エステバン・リボビクス
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)