UFC 9.3 パリ(レポ):シリル・ガーン、初のフランス大会メインイベントでトゥイバサに逆転KO勝ち。ウィテカー、ヴェットーリを翻弄し判定勝ち
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UFC Fight Night: Gane vs. Tuivasa
2022年9月3日(土/現地時間)フランス・パリ:アコー・アリーナ
レポート:井原芳徳
第12試合 メインイベント ヘビー級 5分5R
○シリル・ガーン[ガーヌ](1位、元暫定王者)
×タイ・トゥイバサ(3位)
3R 4’23” KO (左フック)
2年前の2020年にMMAがようやく合法化されたフランスで、今回初めてUFCが開催され、メインイベントには地元パリのガーンが登場した。
ガーンは昨年8月にデリック・ルイスに勝利しヘビー級暫定王者となったが、今年1月のフランシス・ガヌーとの王座統一戦で判定負けし、それ以来の試合。トゥイバサは17年のUFCデビュー後、3連勝してから3連敗したが、以降は5連続KO勝ち。2月には当時3位のルイスを2R右肘打ちでKOし、着実に王座に近づいている。
試合はガーンが危ない場面がありつつも、技量差を示す内容に。1R、トゥイバサがプレッシャーをかけ、長身のガーンが回って距離を取る。ガーンは構えを度々スイッチするが、中盤以降はサウスポーに固定する。5R制のせいもあってか、お互い慎重で、あまり攻めないまま終わるが、ガーンの左ミドル、右ジャブ、左ストレートがやや印象に残るラウンドに。トゥイバサはパンチの空振りが続く。記者採点はガーン。
2Rもお互い慎重な状態が続く。だが中盤過ぎ、トゥイバサが圧を強め、ガーンのタックルを切ると、パンチが交錯し距離が詰まった場面で、トゥイバサの右フックが炸裂し、ガーンがダウンする。トゥイバサは上になりパウンドを落とそうとするが、ガーンはすぐ立ち、ステップで追撃を封じる。トゥイバサは右フックをガードの上からでも当てるが、ガーンは耐えて、左ミドルをトゥイバサにボディに当て返すと、今度はトゥイバサが後退する。一進一退の展開となり場内は湧き上がる。ガーンは左膝、右ジャブを度々当て、トゥイバサが苦しむ状態で終える。記者採点はガーン。中盤以降の攻防の中でトゥイバサは左右のまぶたを切り出血している。
3R、トゥイバサが両手を上げ拍手し観客を煽ってから試合へ。ガーンが距離を取り、右ジャブ、左ミドル、三日月蹴りを当て主導権を維持する。中盤には左ハイも当てひるませる。ガーンは右ジャブを当て続け、終盤に差し掛かると左ミドルを増やし、じっくりとトゥイバサを削る。するとトゥイバサは挽回を狙ってパンチを振り回して突進して来たが、ガーンはかわしてから、右ストレートをヒット。するとトゥイバサは足が止まり、ガーンが左フックを連打しトゥイバサをダウンさせ、鉄槌を連打したところですぐさまレフェリーがストップした。
Incredible night in Paris, France. Congrats Gane and much respect to Tai!!!! #UFCParis pic.twitter.com/WPk6pEp9nt
— danawhite (@danawhite) September 4, 2022
勝利者インタビューでガーンは英語とフランス語の両方を織り交ぜ「Merci(ありがとう)」と連呼して喜びを表現し「ベルトが欲しい。欲しいのはそれだけだ。タイトルマッチを組んでくれ」と王座奪取への意欲を改めて示した。敗れたトゥイバサも「サンキュー、パリ」と叫び、観客からの大歓声を浴び、初のフランス大会は大盛り上がりで幕を閉じた。
第11試合 コーメインイベント ミドル級 5分3R
○ロバート・ウィテカー(1位、元王者)
×マービン・ヴェットーリ(2位)
判定3-0 (30–27/30–27/29–28)
ウィテカーは19年10月のイズラエル・アデサニヤとのミドル級王座統一戦で敗れた後3連勝し、今年2月に王者アデサニヤに挑戦したが、判定負けしている。ヴェットーリはフランスの隣のイタリア出身。昨年6月のミドル級タイトルマッチでアデサニヤに判定負けし、同年10月のパウロ・コスタ戦では判定勝ちしている。
試合はウィテカーがレベルの違いを3Rまざまざと見せつける内容に。1R、ヴェットーリがサウスポーで構えて中央付近からやや積極的にパンチを振う。ウィテカーは低めに構えつつ、時折左ジャブを振ってヴェットーリに入らせない。中盤にウィテカーが右の三日月蹴りを当てると、ヴェットーリが組み付いて来るが、ウィテカーは突き放す。終盤も序盤と同じ構図で、ウィテカーが右アッパーを当て、やや優位な状態を維持する。記者採点はウィテカー。ジャッジ1者はヴェットーリの積極性を評価したようだ。
2R、ウィテカーがプレッシャーをかける側に回り、右のミドル、三日月、ハイを当て、ヴェットーリが組んで来ると突き放し主導権。中盤には右フック、ハイ、ストレートを立て続けに当て、ダメージもしっかり与えるように。終盤も右ストレート、ミドルを当て、左の関節蹴りも絡め、引き出しの豊富さを印象付ける。記者採点はウィテカー。
3R、挽回を狙うヴェットーリは前に出るが、パンチの空振りが続き、ウィテカーが右ハイ、ストレート、膝蹴りを的確に当てて、圧をかける側に戻る。中盤のヴェットーリのタックルもウィテカーは切る。終盤にはウィテカーがタックルで倒す場面も。最後はスタンドに戻り、右ハイ、左フックを当て終了。記者採点はウィテカー。合計30-27でウィテカー。ジャッジ3者もウィテカーを支持しウィテカーが判定勝ちした。
第10試合 ミドル級 5分3R
○ナッソーディン・イマボフ(12位)
×ホアキン・バックリー
判定3-0 (29–28/29–28/30–27)
第9試合 ミドル級 5分3R
×アレッシオ・ディ・キリコ
○ロマン・コプィロフ
3R 1’09” KO
第8試合 フェザー級 5分3R
○ウィリアム・ゴミス
×ヤルノ・エレンス
判定2-1 (29–28/29–28/29–29)
第7試合 フェザー級 5分3R
×シャルル・ジョーデイン
○ナサニエル・ウッド
判定0-3 (27-30/27-30/28-29)
※以下プレリム
第6試合 ミドル級 5分3R
○アブス・マゴメドフ
×ダスティン・シュトルツフス
1R 0’19” TKO (レフェリーストップ:右顔面前蹴り→パンチ連打)
第5試合 ライト級 5分3R
×ジョン・マクデッシ
○ナスラット・ハクパラスト
判定0-3 (27-30/27-30/28-29)
第4試合 ライト級 5分3R
○ファレス・ジアム
×ミハウ・フィグラク
判定3-0 (30–27/30–27/29–28)
第3試合 ウェルター級 5分3R
○ブノワ・サン・デニ
×ガブリエル・ミランダ
2R 0’16” TKO
第2試合 フェザー級 5分3R
×カリッド・タハ
○クリスチャン・キニョネス
1R 3’15” TKO
第1試合 女子ストロー級 5分3R
○ステファニー・エッガー
×アイリーン・ペレス
2R 4’54” 裸絞め