UFC 5.4 リオデジャネイロ(レポ):ジョゼ・アルド、MMA復帰戦は判定勝ち。パントーハ、エルセグに判定勝ちしフライ級王座2度目の防衛
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UFC 301: Pantoja vs. Erceg
2024年5月4日(土/現地時間)ブラジル・リオデジャネイロ:ジュネス・アリーナ
レポート:井原芳徳
第13試合 メインイベント UFCフライ級チャンピオンシップ 5分5R
○アレクサンドル・パントーハ[アレッシャンドリ・パントージャ](王者)
×スティーブ・エルセグ(10位)
判定3-0 (48-47/48-47/49-46)
※パントーハが2度目の防衛
パントーハは16年のTUF準決勝で扇久保博正に敗れたが、UFCと契約し、佐々木憂流迦らに勝利。21年からマネル・ケイプ、ブランドン・ロイバル、アレックス・ペレスに3連勝し、昨年7月にブランドン・モレノに判定勝ちし、フライ級王座を奪取した。12月の初防衛戦ではブランドン・ロイバルに判定勝ちしている。
エルセグはオーストラリア出身の28歳。昨年6月にUFCに初参戦し、ダビッド・ドボジャークに判定勝ちし、11月にアレッサンドロ・コスタに判定勝ちすると、今年3月にはマット・シュネルを2R左フックでKOし、UFC参戦から1年足らずで王座挑戦の機会が巡って来た。
試合は地元リオ在住のパントーハがしっかり強さを示す内容に。1R、スタンドの攻防の後、中盤過ぎにパントーハがタックルを仕掛けて倒し、金網際でハーフで押さえる。エルセグが脱出しようとすれば、パントーハは背後に回ったり、上から押さえ続けてコントロールする。1分を切ると、パントーハは押さえながら右のパウンドを連打する場面も。記者採点もジャッジ3者もパントーハ。エルセグは序盤のバッティングで頭から出血したが、インターバルの止血の様子を見る限り問題無さそうだ。
2Rもパントーハがタックルで倒し、中央付近で押さえてマウントを奪うが、まだ元気なエルセグはもがき、ハーフに戻してから立ち上がる。するとエルセグはプレッシャーを強め、左フックや右肘を当てる。終盤、パントーハはタックルを仕掛けるが、エルセグは切る。だが最後、パントーハがタックルで倒し、上からパウンドを振って終える。記者採点は僅差だがパントーハ。ジャッジは割れ、1者がパントーハ、2者が打撃で印象を作ったエルセグを支持する。
3R、パンチの攻防の後、パントーハが押し込むが、エルセグは突き放す。終盤、パントーハが圧をかけ、エルセグが右肘を当てると、パントーハはそのまま前に出てタックルを仕掛け、今度はすぐに倒す。肘をもらったパントーハは頭から出血しているが、立ったエルセグを押さえ続け、テイクダウンを奪って押さえる。パントーハは出血でのストップを危惧したか?素早くバックに回ると、コントロールして終える。記者採点もジャッジ3者もパントーハだが、パントーハの頭を切り裂いたエルセグの肘を高く評価するジャッジがいても不思議ではない。パントーハの出血は止血により収まる。
4R、エルセグは前に出て、パンチを振ってやや積極的な攻め。パントーハは傷口が開くことを警戒してか?ポイントリードしていると判断してか?距離を取り続ける。最後、エルセグが右アッパーを当てるが、パントーハはすぐ組んで、追撃を封じる。記者採点もジャッジ3者もエルセグ。
5R、エルセグは序盤からタックルで倒すが、立ってパウンドを狙うと、パントーハは脱出し、金網際でバックを奪い、あっさりと形勢逆転する。中盤過ぎにスタンドに戻り、打撃戦が続く。終盤、エルセグがタックルをまたも仕掛けるが、パントーハは下から足関を狙いつつリバースし、中央付近でハーフで押さえ、最後はマウントも奪う場面も作って、差を示して終える。記者採点もジャッジ3者もパントーハ。合計49–46でパントーハ。ジャッジ3者もパントーハを支持し、パントーハが判定勝ちで2度目の防衛に成功した。
第12試合 コーメインイベント バンタム級 5分3R
×ジョナサン・マルチネス(12位)
○ジョゼ・アルド(元フェザー級王者)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
かつてのフェザー級絶対王者・アルドは37歳。22年8月、メラブ・ドバリシビリに判定負けしたのを最後にMMAを引退し、昨年1月にUFC殿堂入りをしたが、その後、プロボクシングで3試合行い2勝1分と闘志は衰えておらず、今回約2年ぶりに地元リオでのUFCにてMMAに復帰した。復帰戦の相手・マルチネスは6連勝中で、昨年はサイード・ヌルマゴメドフ、エイドリアン・ヤネスに勝利しているランカーだが、アルドは問題にしなかった。
1R、サウスポーのマルチネスに対し、アルドはオーソドックスで構えて、じりじりとプレッシャーをかける。お互い前手主体でフェイントを掛け合い、慎重に探り、攻撃が少ない状態が続く。マルチネスも左インロー、ミドルを当てるが、アルドは右ボディストレート、ローを返し、ほぼ五分の状態で終える。記者採点は僅差だがアルド。手数は互角でプレッシャーをかけ続けたことを評価した。
2R、軽い打撃戦の後、マルチネスがタックルを仕掛けてからアルドを金網に押し込むが、倒せず膠着し、1分半ほど経過するとレフェリーがブレイクする。アルドは圧力を強め、重みのある右インロー、ボディストレートを叩き込む。攻撃内容自体は1Rと変わらないが、ギアを上げた印象だ。終盤、マルチネスが前に出てもアルドは上手く距離を取り、右ストレート、テンカオも絡め、マルチネスのパンチもスウェーしてほとんど当てさせない。記者採点はアルド。
3R、逆転を狙うマルチネスは左ミドル、縦肘を当てるが、アルドは左右のボディ等をお返しし、逆転を封じる。すると中盤過ぎ、アルドが右アッパーを空振りさせてから左フックを当てると、マルチネスがフラつく。アルドは大歓声を背に、テンカオ、組んでの膝、パンチを当ててから、タックルで倒して上になる。終盤、アルドは上で押さえ続け、マルチネスの反撃を封じて終了する。記者採点はアルド。合計27-30でアルド。ジャッジ3者もアルドを支持し、アルドが判定勝ちした。インタビューでアルドは「まだ終わりじゃない。まだまだ戦える」とアピールした。
第11試合 ライトヘビー級 5分3R
○アンソニー・スミス(10位)
×ビトー・ペトリーノ(15位)
1R 2’00” フロントチョーク
第10試合 ミドル級 5分3R
○ミシェル・ペレイラ
×イーホル・ポティエリア
1R 0’54” フロントチョーク
第9試合 ミドル級 5分3R
×ポール・クレイグ(13位)
○カイオ・ボハーリョ(14位)
2R 2’10” KO
第8試合 フェザー級 5分3R
×ジャック・ショア
○ジョアンダーソン・ブリート
2R 3’35” TKO
第7試合 女子ストロー級 5分3R
×カロリーナ・コバルケビッチ(13位)
○ヤスミン・ルシンド
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第6試合 ライト級 5分3R
×エルブス・ブレナー
○ムイクティベク・オロルバイ
判定0-3 (27-29/27-29/27-29)
※3R、オロルバイが金網をつかむ反則で減点1
第5試合 ライト級 5分3R
×ジョアキム・シウバ
○ドラッカー・クロース
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
第4試合 ライト級 5分3R
○マウリシオ・ルフィ
×ジェイミー・ムラーキー
1R 4’42” TKO
第3試合 女子フライ級 5分3R
○ディオネ・バルボサ
×エルネスタ・カレツケイテ
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
第2試合 ライト級 5分3R
○イスマエル・ボンフィム
×ヴィンス・ピシェル
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第1試合 フライ級 5分3R
○アレッサンドロ・コスタ
×ケビン・ボルハス
2R 1’35” TKO