UFC 12.16 ラスベガス(レポ):レオン・エドワーズ、コビントンに判定勝ちしウェルター級王座2度目の防衛。パントーハ、ロイバルに完勝しフライ級王座初防衛
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UFC 296: Edwards vs. Covington
2023年12月16日(土/現地時間)米国ネバダ州ラスベガス:T-Mobileアリーナ
レポート:井原芳徳
レオン・エドワーズ、コビントンに判定勝ちしウェルター級王座2度目の防衛
第12試合 メインイベント UFCウェルター級タイトルマッチ 5分5R
○レオン・エドワーズ(王者)
×コルビー・コビントン[コヴィントン](3位、元暫定王者)
判定3-0 (49–46/49–46/49–46)
※エドワーズが2度目の防衛
UFC 30周年イヤーを締めくくる今大会は、UFCの本拠地ラスベガスで開催され、ウェルター級とフライ級の2階級のチャンピオンシップが並んだ。
エドワーズは昨年8月、カマル・ウスマンを5R左ハイでKOしウェルター級王座を奪取し、今年3月のリターンマッチで判定2-0で勝利し初防衛を果たした。現在12戦連続無敗で今回2度目の防衛戦となる。
コビントンは18年6月にハファエル・ドス・アンジョスに勝利しウェルター級暫定王者となるが、怪我により防衛できず3カ月後にはく奪される。19年12月、21年11月にウスマンの王座に挑戦したが、いずれも敗れている。昨年3月、ホルヘ・マスヴィダルに判定勝ちして以来の試合となる。
1R、サウスポーのコビントンに対し、エドワーズはオーソドックスを主体にしつつ、時折スイッチしてプレッシャーをかけ続ける。中盤にエドワーズが左ストレートを当てると、コビントンは離れながら笑顔を浮かべる。お互い慎重でなかなか攻撃が出ないまま終わるが、エドワーズのヒット数と積極性がやや上回る出だしとなる。
2R、変わらずエドワーズがプレッシャーをかけ、どちらも攻撃の乏しい状態が続く。1R同様、エドワーズのパンチや左ロー、右ミドルのヒットがやや上回る状態が続く。
3R、エドワーズが左ローを当てると、コビントンは少しバランスを崩し、サウスポーからオーソドックスに一瞬切り替える。するとコビントンは右フックを振ってからタックルを仕掛け、テイクダウンに成功する。だがエドワーズはその先を許さず、スタンドに戻ると、すぐに左ハイを当て、さらに片足タックルを仕掛け、テイクダウンを奪い返す。エドワーズはすぐにスタンドに戻し、中盤以降は変わらずプレッシャーをかけ、随所で左ローを当てて、主導権を維持する。
4R、コビントンがタックルを仕掛けるが、エドワーズは金網を背にして切りながら、ニンジャチョークを仕掛ける。一転ピンチに陥ったコビントンだが、絞まる前に体をひねって脱出する。中盤、またもコビントンはタックルを仕掛けるが、これもエドワーズは倒れず切る。終盤、コビントンは右ジャブを連打してからタックルを仕掛けると、バックに回り込むが、エドワーズはその先の攻めを許さずスタンドに戻す。最後はエドワーズが左ロー、右ミドルを当てて終える。ジャッジ3者ともここまで4R全てエドワーズを支持する。
5R、コビントンが序盤から片足タックルを仕掛けて倒し、金網際で押さえる。だがエドワーズはこれも脱出し、上を取り返し、バックを奪う。下になったエドワーズは三角絞め、腕十字を狙うが、極まりは浅く、コビントンが対処してトップキープする。終盤、コビントンは押さえ続けてパウンドを時折当てるが、エドワーズはハーフガードで防御を続けて終える。最終5Rのポイントを許したが、エドワーズが点差をキープし判定勝ちし、王座防衛に成功した。
パントーハ、フライ級王座初防衛
第11試合 コーメインイベント UFCフライ級タイトルマッチ 5分5R
○アレクサンドル・パントーハ[アレッシャンドリ・パントージャ](王者)
×ブランドン・ロイバル(2位)
判定3-0 (50–45/50–45/49–46)
※パントーハが初防衛
パントーハは16年のTUF準決勝で扇久保博正に敗れたが、UFCと契約し、佐々木憂流迦らに勝利。21年からマネル・ケイプ、ブランドン・ロイバル、アレックス・ペレスに3連勝し、7月にブランドン・モレノに判定勝ちし、フライ級王座を奪取した。
挑戦者のロイバルは21年8月にパントーハに2R裸絞めで一本負けして以降、ホジェリオ・ボントリン、マット・シュネル、マテウス・ニコラウ相手に3連勝し、2連続で1R勝利している。
2年ぶりの再戦もパントーハが組みの展開で主導権を握ることに。1R、パントーハがオーソドックス、ロイバルがサウスポーで構える。中盤、パントーハが右フックを振ってから、ロイバルを首相撲で捕まえ、膝蹴りを連打してから、タックルを仕掛けて倒して上になる。パントーハは随所でパウンドを当て、マウントを奪う場面も。残り30秒、スタンドに戻るが、パントーハが距離を取りながら右ミドルと左ローを当てて終える。パントーハがポイントを先取する。
2R、パントーハが1分過ぎにタックルで倒し、中央付近でトップキープする。中盤過ぎ、パントーハはパスガードに成功する場面も。残り1分、スタンドに戻ると、パントーハが右フックを当ててロイバルをひるませる。ロイバルもサウスポーからの左ハイを当てたが、パントーハは蹴り足をつかんで倒して上になり、その状態をキープして終える。
3R、パントーハはロイバルの左インローに合わせてタックルを仕掛け、またも簡単に上になる。パントーハが肩固めを狙いながらバックを狙うが、ロイバルは振り落としてスタンドに戻す。終盤、ロイバルの膝蹴りがパントーハの顔面に当たるが、パントーハはここでもすぐにタックルを仕掛けて、すぐに倒して上になり、ロイバルの追撃を封じダメージを回復させると、パウンドを落とし肩固めも狙って優位を維持する。
4R、パントーハは自ら組みに行き、金網際で押さえ、中盤にはパスガードを狙いつつバックマウントを奪う。パントーハは裸絞めを執拗に狙う。残り30秒、ようやくロイバルが脱出して上になり、パウンドと肘を落とすが、パントーハは下から足をつかんで膝十字を狙い、ロイバルに攻めっぱなしにさせず終える。
5R、ここまで全Rのポイントを取ったパントーハだが、4Rにフィニッシュを狙って力を使った影響もあってか、少し疲れ気味だ。逆にロイバルはまだ元気で、パンチを積極的に振るい、右ジャブ、左ストレートを当てて逆転を狙う。中盤、パントーハはパンチをもらいながらも、タックルを仕掛けて倒し、またも上になる。終盤、パントーハがグラウンドコントロールを続け、時折パウンドも当てて終了する。パントーハがロイバルの反撃を封じ、判定勝ちで王座防衛を果たした。
ウェルター級新鋭・ラフモノフがUFC 6連勝
第10試合 ウェルター級 5分3R
○シャフカト・ラフモノフ(5位)
×スティーブン・トンプソン(6位)
2R 4’56” 裸絞め
ラフモノフはカザフスタン人初のUFC選手で29歳。フロリダの名門・キルクリフFCで練習する。14年のMMAデビューから17戦全勝で、20年10月のUFC初戦から、5勝(4一本/1KO)の快進撃を続けている。最近では3月にジェフ・ニールに3R裸絞めで一本勝ちしている。
トンプソンは40歳のベテラン。12年からUFCに上がり、16年と17年にタイロン・ウッドリーとウェルター級王座を2度争ったが勝てず、その後は8戦4勝4敗。昨年12月にケビン・ホランドに4R TKO勝ちして以来1年ぶりの試合となる。
1R、ラフモノフがパンチを振りつつトンプソンを金網に押し込み、テイクダウンを狙う。中盤、ラフモノフは押し込みつつ右アッパーを連打する。トンプソンは倒れないが防戦一方だ。残り50秒にようやくトンプソンが脱出するが、見合った状態で終わる。ラフモノフがポイントを先取する。
2R、ラフモノフがまたもタックルを仕掛けてから、トンプソンを金網に押し込む。中盤、ラフモノフがトンプソンの足をつかんで、ようやくテイクダウンを奪い、金網際で押さえる。ラフモノフはハーフガードからバックに回ろうとするが、トンプソンの右腕を背中のほうに回してつかみながらプレッシャーをかける。その状態のまま、さらにラフモノフは胸をトンプソンの頭にくっつけて首もひねりつつ、パウンドもコツコツ当て、トンプソンを追い詰める。するとラフモノフはじわじわと背後に回り込み、左腕をトンプソンの首元に回し、右手も絡めて裸絞めを極める。これは対処されたが、ラフモノフはハーフで肘をコツコツ当ててトンプソンを追い詰める。すると残り30秒、ラフモノフは逃げたいトンプソンを動かし、がぶりの状態にしてから、バックに回り込み、裸絞めを極めてタップを奪った。
勝利者インタビューでラフモノフは「いつでもタイトルに挑戦したい」とコメントした。
第9試合 ライト級 5分3R
×トニー・ファーガソン(元暫定王者)
○パディ・ピンブレット
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
ファーガソンは来年2月で40歳になるベテラン。20年5月のライト級暫定王座決定戦でジャスティン・ゲイジーにKO負けし、連勝が12で止まると、以降は6連敗と苦戦している。7月にボビー・グリーンに肩固めで敗れて以来の試合だ。
ピンブレットは英国のCage Warriorsの元フェザー級王者。21年からUFCに上がり4連勝中で、昨年12月にジャレッド・ゴードンに判定勝ちして以来の試合となる。三枚目のキャラクターで英国を中心に人気が高い。
1R、ピンブレットが中盤過ぎからパンチのヒットを増やし、終盤、右ストレートでふらつかせると、左の飛び膝で襲い掛かって倒し、マウントからのパウンドでファーガソンをストップ寸前まで追い込む。
2R、ファーガソンが開始すぐ、右ハイを放つが、スリップして後ろに倒れる。ピンブレットが上になり、ファーガソンの下からの肘や三角絞めに対処しつつ、パウンドを随所で当て続け、主導権を維持する。
3R、ファーガソンはダメージが溜まっているが、ピンブレットも鼻と口から出血し、息が荒い。それでも中盤、ピンブレットが倒してまたも上になる。ピンブレットがパウンドを落とし続けて主導権を維持する。ファーガソンのギロチン、三角絞めもピンブレットが対処を続け、反撃を封じ、点差を広げて判定勝ちした。
第8試合 フェザー級 5分3R
○ジョシュ・エメット(6位)
×ブライス・ミッチェル(10位)
1R 1’57” KO (右フック)
第7試合 ライトヘビー級 5分3R
○アロンゾ・メニフィールド(14位)
×ダスティン・ジャコビー(15位)
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
第6試合 女子バンタム級 5分3R
○アイリーン・アルダナ(5位)
×カロル・ロサ(9位)
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
第5試合 バンタム級 5分3R
○コーディ・ガーブラント(元王者)
×ブライアン・ケレハー
1R 3’42” KO (右フック)
第4試合 女子フライ級 5分3R
×ケイシー・オニール(12位)
○アリアネ・リプスキ
2R 1’18” 腕ひしぎ十字固め
第3試合 フライ級 5分3R
○タギル・ウランベコフ(12位)
×コーディ・ダーデン(15位)
2R 4’25” フェイスロック
第2試合 フェザー級 5分3R
○アンドレ・フィリ
×ルーカス・アウメイダ
1R 3’32” TKO
第1試合 ヘビー級 5分3R
×マルティン・ブダイ(15位)
○シャミル・ガジエフ
2R 0’56” TKO