UFC 4.8 マイアミ(レポ):アデサニヤ、4度目の対決でペレイラを初KO「何度やられてもあきらめるな」。マスヴィダル、バーンズとのフロリダ勢対決で敗れ引退表明
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UFC 287: Pereira vs. Adesanya 2
2023年4月8日(土)米国フロリダ州マイアミ:マイアミ・デイド・アリーナ
レポート:井原芳徳
第12試合 メインイベント UFCミドル級チャンピオンシップ 5分5R
×アレックス・ペレイラ(王者)※初防衛戦
○イズラエル・アデサニヤ(1位、元王者)
2R 4’21” KO (右フック)
日本では長年、衛星放送のWOWOWでUFCのナンバーシリーズのメインカードが生放送されていたが、3月で終了し、ネット配信サービスのU-NEXTでの生放送が4月の今大会からスタートした。引き続きUFCファイトパスでも生放送される。
ペレイラは16年、キック大会のGLORYでアデサニヤに判定勝ちし、翌17年の再戦ではアデサニヤにダウンを奪われるも3R逆転KO勝ちしている。その後はGLORYミドル級とライトヘビー級王座を獲得した。元々ブラジルのジャングルファイト等で4試合のMMAの経験があり、21年11月からUFCに移ると3連勝。昨年11月にはUFCミドル級王者のアデサニヤに挑戦すると、劣勢で迎えた5Rにパンチの連打でTKO勝ちし、MMAでもアデサニヤに勝利すると共に、アデサニヤの連続防衛を6で止めた。今回は両者ともダイレクトリマッチとなる。
1R、王者ペレイラはオーソドックス、挑戦者アデサニヤはオーソドックス主体で時折サウスポーにスイッチし、中央付近でお互い見合う状態が続く。中盤からお互い少しずつ攻撃が増え、アデサニヤはサウスポーからの左ミドルが目立つように。オーソドックスに戻すと、ペレイラは右のカーフを当て、アデサニヤはサウスポーに固定する時間が長くなる。お互い長期戦を意識してか、慎重なまま終わる。記者採点は僅差だがアデサニヤ。ペレイラについても不思議ではないが、ジャッジ3者もアデサニヤにつける。
2Rは一転して激しい打撃戦に。アデサニヤは序盤から、サウスポーからの左ミドル、ハイを積極的に出すが、ペレイラは前に出て右ボディ、ストレートを当て返す。中盤、ペレイラはサウスポーのアデサニヤの右の前足に左のカーフキックを立て続けに当てる。するとアデサニヤはオーソドックスに戻して前に出てパンチを振るい、サウスポーに切り替え左ミドルを当てる。
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MIAMI, FLORIDA – APRIL 08: (R-L) Israel Adesanya of Nigeria knocks out Alex Pereira of Brazil in the UFC middleweight championship fight during the UFC 287 event at Kaseya Center on April 08, 2023 in Miami, Florida. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC via Getty Images)
終盤、やや静かな攻防に戻ってから、一気に試合が動く。オーソドックスに戻ったアデサニヤに、ペレイラが右のカーフキックを当てると、アデサニヤは少しバランスを崩す。するとペレイラは圧を強め、金網を背負ったアデサニヤに対し右のボディ、右のカーフを立て続けにヒットする。さらに右の顔面膝にもつなげて仕留めにかかる。ところがアデサニヤはブロックして耐えると、左フックを2連続で放ってきたペレイラに対し、カウンターの右フックをクリーンヒット。ペレイラは腰が落ち、再びアデサニヤが右フックを当てると、ペレイラはダウンする。アデサニヤが上からパウンドで追い打ちをかけると、すぐさまダン・ミラグリオッタ・レフェリーがストップ。見事アデサニヤがKO勝ちでベルト奪還と悲願のリベンジを果たした。
勝利者インタビューでアデサニヤはマイクを持つとカメラ目線で「何度やられてもやり通せ。あきらめなるな。やられてもやられてもあきらめなるな。最後の一発を決めるまであきらめるな」等と熱弁し続けた。過去3度負けているペレイラに対し、劣勢を跳ね返しての逆転KO勝ち。アデサニヤだから言える、説得力のあるメッセージだった。
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MIAMI, FLORIDA – APRIL 08: Israel Adesanya of Nigeria reacts after knocking out Alex Pereira of Brazil in the UFC middleweight championship fight during the UFC 287 event at Kaseya Center on April 08, 2023 in Miami, Florida. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC via Getty Images)
第11試合 コーメインイベント ウェルター級 5分3R
○ギルバート・バーンズ(5位)
×ホルヘ・マスヴィダル(11位)
判定3-0 (30-27/30-27/29-28)
今大会の地元・フロリダの名門ジムに所属する選手同士の一戦。バーンズはキルクリフFC(旧称サンフォードMMA)に所属し、マスヴィダルはキルクリフのルーツであるアメリカントップチームに所属する。オクタゴンサイドではデイナ・ホワイトUFC代表との並びで、フロリダ在住のドナルド・トランプ元大統領や、マイク・タイソン氏が試合を見守る。
バーンズは昨年4月のフロリダ大会でカムザット・チマエフに判定負けしたが、今年1月にはニール・マグニーに1R肩固めで一本勝ちした。マスヴィダルは19年はネイト・ディアスら相手に3連勝していたが、20年にカマル・ウスマンのウェルター級王座に挑戦し敗れて以降、翌21年4月の再戦でも2R KO負けし、昨年3月のコルビー・コビントン戦でも判定負けし3連敗中だ。
1R、スタンドの打撃戦が続き、お互い手数が少なく慎重だが、ややバーンズの攻撃の的確さが印象に残る。残り30秒、バーンズが右フックを当てると、最後は両脇を差して倒し、上から鉄槌を連打し、しっかり攻勢の印象を作って終える。記者採点はバーンズ。
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MIAMI, FLORIDA – APRIL 08: Rob Font (R) punches Adrian Yanez in their bantamweight bout during UFC 287 at Kaseya Center on April 08, 2023 in Miami, Florida. (Photo by Carmen Mandato/Getty Images)
2R、バーンズは序盤から前に出て、右フックでマスヴィダルをスリップさせると、立ったマスヴィダルを押し込んで、高く抱え上げて倒して上になる。バーンズは押さえ続け、マスヴィダルが立っても、すぐ倒したり金網に押し込んだりして主導権を維持する。残り30秒、ようやく離れるが、マスヴィダルが突っ込んでくればバーンズが右フックを当て、マスヴィダルは反撃できず終わる。記者採点はバーンズ。
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MIAMI, FLORIDA – APRIL 08: Gilbert Burns (R) of Brazil punches Jorge Masvidal in their welterweight bout during UFC 287 at Kaseya Center on April 08, 2023 in Miami, Florida. (Photo by Carmen Mandato/Getty Images)
3R、バーンズは左ジャブを立て続けに当てた後、右フックでマスヴィダルをひるませる。その後も打撃で優勢を維持し、終盤にはテイクダウンに成功。マスヴィダルを金網際で押さえ続け、最後はバックを狙って終える。記者採点はバーンズ。合計30-27でバーンズ。ジャッジ3者もバーンズを支持し、バーンズが順当に判定勝ちした。
バーンズは「彼にも拍手を。でも俺がこの町のキングだ。俺の頭の上にあるものは変わらない。レオン・エドワーズ、コルビー・コヴィントン、次に来るのは俺だからな。待っていろよ」と次期王座挑戦を熱望した。
4連敗となったマスヴィダルはグローブを外して捨てると「UFCが20年前にこの町に来て感銘を受けた。これがスポーツの力だ。今日誰かが同じような刺激をもらっていたらうれしい。20年間走り続けてきた。今日という日を勝ちで締めくくることができなかったが、やるだけのことをやった。ありがとう」と述べ、MMA引退を表明した。
第10試合 バンタム級 5分3R
○ロブ・フォント(6位)
×エイドリアン・ヤネス(12位)
1R 2’57” TKO (レフェリーストップ:右フック→グラウンドパンチ)
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MIAMI, FLORIDA – APRIL 08: (L-R) Rob Font punches Adrian Yanez in a bantamweight fight during the UFC 287 event at Kaseya Center on April 08, 2023 in Miami, Florida. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images)
第9試合 ウェルター級 5分3R
○ケビン・ホランド
×サンチアゴ・ポンジニッビオ
3R 3’16” KO (左フック)
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MIAMI, FLORIDA – APRIL 08: (L-R) Kevin Holland kicks Santiago Ponzinibbio of Argentina in a welterweight fight during the UFC 287 event at Kaseya Center on April 08, 2023 in Miami, Florida. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images)
第8試合 バンタム級 5分3R
×ラウル・ロザスJr.
○クリスチャン・ロドリゲス
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
※ロドリゲスが計量1ポンドオーバー。ロザスJr.にファイトマネーの20%を譲渡
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MIAMI, FLORIDA – APRIL 08: Christian Rodriguez (R) grapples with Raul Rosas Jr. in their bantamweight bout at Kaseya Center on April 08, 2023 in Miami, Florida. (Photo by Carmen Mandato/Getty Images)
第7試合 ミドル級 5分3R
×クリス・カーティス(14位)
○ケルヴィン・ガステラム(15位)
判定0-3 (28-29/28-29/27-30)
第6試合 女子ストロー級 5分3R
×ミシェル・ウォーターソン・ゴメス(10位)
○ルアナ・ピニェーロ(15位)
判定1-2 (28–29/29–28/29–28)
第5試合 ミドル級 5分3R
×ジェラルド・マーシャート
○ジョー・パイファー
1R 3’15” TKO
第4試合 女子ストロー級 5分3R
×シンシア・カルビーヨ(15位)
○ルーピー・ゴディネス
判定1-2 (28–29/29–28/27-30)
第3試合 160ポンド契約 5分3R
○イグナシオ・バハモンデス
×トレイ・オグデン
判定3-0 (30–27/30–27/29–28)
第2試合 フェザー級 5分3R
×シャイラン・ヌアダンビク
○スティーブ・ガルシア
2R 0’36” KO
第1試合 女子ストロー級 5分3R
×ジャケリン・アモリム
○サム・ヒューズ
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)