BOM 4.9 大田区総合体育館(レポ):吉成名高&奥脇竜哉、タイの王者に揃って3R KO勝ち。Road To ONEは北野克樹、鈴木真治、松井蓮汰、吉成士門が優勝
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Road to ONE Japan & Shimizu presents BOM OUROBOROS 2023
2023年4月9日(日)東京都大田区総合体育館
レポート&写真:井原芳徳
第3部:BOM OUROBOROS 2023
第5試合 スーパーフライ級 3分5R
○名高・エイワスポーツジム[吉成名高](エイワスポーツジム/タイ国プロムエタイ協会・WPMF世界・BOMフライ級王者、WBCムエタイ・ナイカノムトム・スーパーバンタム級王者、元ルンピニー&ラジャダムナン認定ミニフライ級王者、元WBC・IBF・WMCムエタイ世界同級王者)
×ソンチャイノーイ・ゲッソンリット[Songchainoi Kiatsongrit](タイ/S-1スーパーフライ級王者)
3R 2’56” KO (3ダウン:左肘打ち)
今回のBOMは3部構成で行われ、ラストの第3部は通常のナンバーシリーズの上位ブランド「BOM OUROBOROS(ボム・ウロボロス)」の大会として行われた。この部門では日タイ5対5対抗戦が組まれ、大将戦にはRIZINでも活躍する名高が登場した。
名高は2月25日のラジャダムナン・ワールド・シリーズ(RWS)で元オームノーイ認定スーパーフライ級王者のパタックシン・シンヴィームエタイを3R 左ハイキックでKOして以来の試合。ソンチャイノーイは昨年9月のNJKF大阪大会で塚本望夢から1Rに2ダウンを奪いKO勝ちしている選手。最近ではルンピニースタジアムで開催されているONE Friday Fightsにも上がっている。20連勝中の名高およびエイワ関係者は、35連勝中のクンスックレック・ブームデックシーンを強く意識しており、3月のカード発表会見で名高は「ソンチャイノーイ選手はクンスックレック選手とも戦っていて、クンスックレック選手が勝っています。僕もクンスックレック選手とやりたいので絶対にこの試合は落とせないし、勝ち方も求められます。パンチ力のある選手を相手に自分が全部で圧倒する試合展開を見せて勝ちます」と話していた。
1R、名高がサウスポーで構え、随所で左ミドルや前蹴りを当てるが、まだ手数は少ない。終盤、ソンチャイノーイは右ローを立て続けに当てて終える。記者採点はイーブン。ジャッジ2名はイーブンだが、1名がソンチャイノーイにつける。
2R、ソンチャイノーイは執拗に右のインローをヒット。名高は左ミドルを返しつつ、左インローにもつなげると、ソンチャイノーイはローを嫌った様子で組んでくるが、名高は対処する。記者採点はイーブン。ジャッジ2名がイーブン、1名が名高につける。
勝負所の3R、ソンチャイノーイが前に出て圧力を強め、首相撲も絡めつつ、執拗に右ローを放つが、名高は左ミドル、膝を随所で当てて渡り合う。すると終盤、前に出て来たソンチャイノーイに名高が右のテンカオを当てると効き目を発揮し、ソンチャイノーイの動きが止まる。名高は前に出て相手を下がらせ、右フックと左のテンカオを連打してダウンを奪う。名高はチャンスを逃さず、左ボディフック、膝、肘のラッシュでまたもダウンを奪う。ソンチャイノーイはダメージが大きく、最後は名高がソンチャイノーイをロープに詰め、膝と肘のラッシュで3ダウン目を奪いKO勝ちした。
試合後マイクを持った名高は「2月にタイで試合しましたが自分はまだまだです。タイには強い選手がたくさんいるので、トップを目指して頑張りますので、これからも自分の応援と、エイワスポーツジムの選手の応援をお願いします」とアピールした。
リングを降りてからのインタビューでは「今回もハイキックで倒したかったんですけど、大振りのところで膝を合わせられて、それが決まって良かったです。ローは何発かもらいましたけど、顔面には一発ももらわずに終われたので良かったです。一回自分の膝が曲がっている状態でローをもらっちゃって、力が入らなくなって、すぐ倒したいと思いました。あと40秒と(品川)朝陽の指示が聞こえて、40秒で倒せるかなって思ったんですけど、ボディ効いているのがわかったんで、自信持って行って、なんとか倒せました。相手はスネが硬くていい選手でしたけど、スピードとスタミナは僕のほうが分があると思ったので、そこを活かして勝てました」と試合を振り返り「クンスックレックは(ソンチャイノーイに)判定で勝ったんですけど、僕はKOで勝ったんで、一歩リードかなと思います」と笑顔で話した。
次戦は「5月に決まるかもって。多分タイだと思います。またバリバリやっていきたいです」とのこと。タイの選手は月1回の試合ペースは珍しくなく、名高もコロナ禍以前のそのペースに戻りそうだ。
第4試合 53kg契約 3分5R
○竜哉・エイワスポーツジム[奥脇竜哉](エイワスポーツジム/WPMF世界・IBFムエタイ世界・ムエサイアムイサーン・ミニフライ王者、元ラジャダムナン同級王者、元WMC世界ピン級王者)
×サンデー・ブンレックシアン[Sunday Boomdeksian](タイ/オームノーイ認定フライ級王者)
3R 2’41” KO (左ボディフック)
サンデーはRWSで名高が対戦したパタックシンと1勝1敗の選手。1R、竜哉がプレッシャーをかけ、右ローを的確に当て続ける。終盤にはサンデーの右ミドルをつかんで離してから、右ハイを当てひるませる。記者採点は竜哉。ジャッジは1者がムエタイ流儀でイーブンとしたが、2者は竜哉につける。
2R、竜哉は執拗に右ローを当てるが、サンデーも右ミドルのヒットを増やす。だが蹴り数ではやや竜哉が上か。記者採点はイーブン。ジャッジ1名がイーブン、2名は竜哉につける。
3R、サンデーが右ミドルを当て続けるが、竜哉は蹴り足を長時間つかんで、そこから右ハイや崩しにつなげる。竜哉は右ロー、ミドル、左ボディ等を随所で返していたが、終盤に放った左ボディがクリーンヒットすると、ダウンしたサンデーはうずくまったまま動けず、竜哉のKO勝ちとなった。試合後は竜哉の入場曲を作ったBAD HOPのメンバーがリングに上がり竜哉を祝福した。
マイクを持った竜哉は「次は自分がタイで(オームノーイスタジアムの王者の)サンデー選手に挑みたいです。タイには僕より格上の選手がたくさんいるので、その選手を倒して、ムエタイの歴史に名を刻みたいです」と宣言した。
第3試合 BOMミドル級王者決定戦 3分5R
×MIKE JOE(BATTLE FIELD/TEAM J.S.A/WPMFインターナショナル&WMCインターコンチネンタル・ミドル級王者、元Bigbangスーパーウェルター級王者)
○ヨックペット・カノムチーンモォーペンヴィパ60[Yokpetch Kanomjeenmorplengvibha60](タイ/プロムエタイ協会王者)
判定0-3 (ノッパデッソーン48-49/岡林48-50/ナルンチョン47-49)
※ヨックペットが王者に
1R、JOEがサウスポー、ヨックペットがオーソドックス主体でスイッチを時折する構図。お互い慎重でまだあまり攻めない。記者採点はイーブン。ジャッジ2名がイーブン、1名が右ローを時折当てたヨックペットにつける。
2Rも比較的似た構図で、ヨックペットが時折右ローを当て続ける。JOEはひるまないが、攻撃が乏しく少し印象が悪い。記者採点はヨックペット。ジャッジは三者三様に。
3R、ヨックペットは変わらず右ローを当て続ける。JOEの攻撃の最後に右ローを当てたり、左ボディを当ててから右ローを当てたりと、バリエーションも広がる。JOEは攻撃が返せない。記者採点はヨックペット。ジャッジ1名がイーブン、2名がヨックペットにつける。
4R、JOEはセコンドから再三「行け」と言われるが、ローのダメージの影響もあって踏み込みが遅くなり、ヨックペットに軽々とかわされる。ヨックペットは右ローだけでなく終盤には左ミドルのヒットを増やして攻撃数で差をつける。記者採点はヨックペット。
5R、JOEは必死に前に出て、時折左ストレートを当てるが、中盤以降はヨックペットがステップ、クリンチ、少しの前蹴りとミドルで流しモードに入り終了する。記者採点はイーブン。合計47-50でヨックペット。ジャッジ3者もヨックペットを支持し、ヨックペットの判定勝ちとなった。
第2試合 51kg契約 3分5R
○ジュライ・ウォーワンチャイ[石井寿来](ウォーワンチャイプロモーション/WMC日本&スック・ワンキントーン・フライ級王者)
×プーム・パコーンPK[Peim Pakon PK](タイ/ムエサイアム・フライ級&ミニフライ級王者)
2R 1’47” KO (左ハイキック)
1R、石井一成の甥・寿来がサウスポーで構えてプレッシャーをかけ、左のミドル、ローを随所で当て、終盤には左フックでフラつかせて好印象を残す。
2Rも寿来が攻め続けると、中盤に左ハイをクリーンヒットしダウンを奪う。プームは立ったがフラつき、すぐにレフェリーがストップ。寿来はセコンドの一成と共に喜んだ。
第1試合 46.5kg契約 3分5R
○コウシ・ウォーワンチャイ[曽我昂史](ウォーワンチャイプロモーション/ジュニア50冠王)
×クンデート・シットケオパップーン[Khundet Sit.Kaewpapon](タイ/ムエサイアム40kg級王者)
3R 0’58” TKO (コーナーストップ:左フックでダウン後)
1R、曽我が左ボディを主体に、右ロー、組んでの膝を的確に当て続け主導権。クンデートはほとんど攻撃が出せない。ジャッジ3名とも曽我。
2R、曽我は手数を上げ、パンチと肘のラッシュで度々クンデートを追い詰める。ジャッジ3名とも曽我。すると3R、曽我は開始すぐから左フックでダウンを奪うと、クンデート陣営がタオルを投入し、曽我のTKO勝ちとなった。日タイ対抗戦は日本勢の4勝1敗で終わっている。
第2部:Road to ONE JAPANは北野克樹、鈴木真治、松井蓮汰、吉成士門が優勝
3部構成の第2部はONEルールの試合が組まれた。Road to ONE JAPAN ムエタイ日本トーナメントは4階級各4選手参加で争われ、12月の横浜大会で一回戦が行われ、今回は決勝が行われる。優勝者はONEの本戦出場権を得ることになるが、試合内容によってはルンピニーでのONE Friday Fightsシリーズで試合経験を積む可能性もあるという。ONEのムエタイの試合のためオープンフィンガーグローブ着用・3R制だが、BOMでの階級区分表記は通常のムエタイと同じ。ONEとは異なりオープンスコアリングが採用され、全ラウンド終了後に各ジャッジの合計点もアナウンスされる。
第6試合 Road to ONE JAPAN ウェルター級ムエタイ日本トーナメント決勝戦 3分3R
○北野克樹(誠至会/WPMFインターコンチネンタル・WBCムエタイ日本・チャクリキインターコンチネンタル・スーパーライト級王者、元NJKF同級王者)
×引藤伸哉(ONE’S GOAL/ムエサイアムイサーン・ウェルター級王者、元WMC日本&WPMF日本同級王者)
判定3-0 (30-26/30-26/30-26)
※北野が優勝
1R、サウスポーの引藤に対し、北野がオーソドックスで構え、右のミドル、ロー、ハイを自在に当て続け主導権。途中からタイ人のように「オーイ」等と声を上げながら蹴りを打つように。ジャッジ3者も記者採点も北野。
2Rも北野が右ミドル、ハイを当て続け主導権。引藤はハイを腕でブロックできており、時折パンチを返すものの、なかなか北野ペースを崩せない。ジャッジ3名も記者採点も北野。
3R、北野が序盤から右ハイでダウンを奪うと、その後も右ミドル、ハイを当て続け、引藤の反撃を封じ判定勝ちした。記者採点合計30-26で北野
第5試合 Road to ONE JAPAN スーパーライト級ムエタイ日本トーナメント決勝戦 3分3R
○鈴木真治(フジマキックムエタイジム/スック・ワンキントーン・スーパーライト級王者、元J-NETWORK同級王者)
×KJヒロシ(Y’ZDジム沖縄/WMC日本スーパーライト級2位、RKA・DBSスーパーライト級王者、RKA・西日本統一ライト級王者)
2R 0’30” KO (右ストレート)
※鈴木が優勝
1R、序盤から鈴木が右ローを的確に当て、近づいてのパンチの打ち合いの展開で右フックを当ててダウンを奪う。以降も右フック、ロー、カーフを的確に当て続け主導権を維持する。
すると2R、開始すぐに詰めて来たKJに対し、下がって距離を取りつつ、右ストレートをクリーンヒット。KJがダウンすると、レフェリーがストップし、鈴木のKO勝ちとなった。
第4試合 Road to ONE JAPAN ライト級ムエタイ日本トーナメント決勝戦 3分3R
×羅向[らむ](ZERO/WMC日本ライト級王者)
○レンタ・ウォーワンチャイ[松井蓮汰](ウォーワンチャイプロモーション/WMCインターコンチネンタル&WPMFインターナショナル・ライト級王者)
2R 0’28” KO (左フック)
※レンタが優勝
1R、開始すぐからの打ち合いで、羅向が左フックを当ててダウンを奪う。その後も羅向が左フックでダウンを奪うが、パンチの打ち合いで左フックの相打ちとなり両者倒れる。すぐ立ったレンタはダウン扱いとはならず、レフェリーは倒れたままの羅向にダウンカウントを続ける。羅向は立つがダメージが大きく、その後もレンタがパンチと肘のラッシュで羅向を追い詰める。
2Rも開始すぐから打ち合いとなるが、レンタが左フックで立て続けに2度ダウンを奪ったところでレフェリーがストップ。レンタが逆転KO勝ちでONEへの出場権を獲得した。
第3試合 Road to ONE JAPAN フェザー級ムエタイ日本トーナメント決勝戦 3分3R
×馬渡亮太(治政館/WMOインターナショナル・スーパーバンタム級王者、元ジャパンキック&タイ・チェンマイスタジアム・バンタム級王者)
○士門・PKセンチャイ[吉成士門](P.K.センチャイムエタイジム/WPMFインターナショナル・スーパーバンタム級王者、WMCインターコンチネンタル・バンタム級王者、元WMC日本フライ級王者)
判定0-3 (岡林27-30/大成28-29/シーン28-29)
※士門が優勝
士門は吉成名高の従弟。1R、馬渡が右のカーフ、左ミドルを的確に当て続けやや優位な出だし。だが中盤から士門は組んでの崩しを2度決めペースをつかむと、最後は左ミドルのヒットを増やして巻き返す。記者採点は僅差だが士門。ジャッジ3者も士門につける。
2R、士門は変わらず組んで崩しを決め、膝を当てるが、馬渡も組んだ展開に付き合い、膝のヒットを増やす。記者採点は僅差だが馬渡。ジャッジは2名が士門、1名が馬渡につける。
3R、馬渡は変わらず右ロー、組んでの膝をヒット。士門も膝等を返すが手数では劣る。馬渡はONEの運営から好まれそうな攻撃的なスタイルを貫くが、士門は組んだり蹴り足をつかんだりしては崩しを繰り返してペースを握り、従来のムエタイでは重視される攻めを徹底する。記者採点は僅差だが馬渡。合計29-28で馬渡となったが28-29等で士門でもありうる内容だった。ジャッジは3者とも士門を支持し、士門が判定勝ちで優勝を果たし、ONEへの切符を手にした。
第2試合 Road to ONE JAPAN ムエタイ ウェルター級 3分3R
○与儀竜也(BOM SPORTS GYM 沖縄/WMC日本ウェルター級王者)
×杉山 卓(team FIST)
3R 1’53” KO
第1試合 Road to ONE JAPAN キックボクシング ウェルター級 3分3R
○高橋幸光(TSK japan/元BOMウェルター級王者、元WMC日本スーパーライト級王者、元MA日本&J-NETWORKライト級王者)
×チョ・ギョンジェ[Jo Kyungjae](韓国)
判定3-0 (30-29/29-27/29-28)
第1部:Shimizu presents BOM 39
第6試合 ライト級 3分3R
○伊東伴恭(LAILAPS東京北星ジム)
דDYNAMITE”髙橋佑太(Y’ZDジム)
判定3-0 (30-29/30-29/30-28)
第5試合 初代IPCC日本フェザー級王者決定戦 3分5R
○しょーい(湘南格闘クラブ)
×伊仙町典久(BULL)
5R 1’48” KO
※しょーいが王者に
第4試合 初代IPCC日本スーパーフェザー級王者決定戦 3分5R
△パルコ・レンジャージム(レンジャージム)
△亀本勇翔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Bigbangスーパーバンタム級王者)
判定1-1 (49-48/48-48/48-50)
※王座は空位
第3試合 スーパーバンタム級 3分3R
×森下翔平(Team SHOHEI)
○渋江健司(Y’ZD GYM)
判定0-3 (28-29/27-29/27-30)
第2試合 スーパーライト級 3分3R
○宇宙・FLYSKYGYM(FLYSKY GYM)
×裕希(RAOU JAPAN)
2R 2’48” KO
第1試合 60kg契約 3分3R
×加藤淳平(LAILAPS東京北星ジム)
○井澤明人(YSSジム)
2R 2’31” KO
オープニングファイト ウェルター級 2分3R
○小野寺楓雅(BOM SPORTS GYM 八戸)
×MATT(米国/尚武会久喜支部)
2R 1’15” KO