ラジャダムナン・ワールド・シリーズ(RWS)2.25 ラジャダムナン(レポ):吉成名高の“日本刀”炸裂。3年ぶりタイでの試合で元オームノーイ王者を左ハイ葬
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
格闘技医学会
現場で役立つ格闘技医学を研究/公開/実践中!
ラジャダムナン・ワールド・シリーズ(RWS)
2023年2月25日(土)タイ・バンコク・ラジャダムナンスタジアム
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)BOM
セミファイナル スーパーフライ級(52.16kg) 3分3R(インターバル2分)
○名高・エイワスポーツジム[吉成名高](エイワスポーツジム/タイ国プロムエタイ協会・WPMF世界・BOMフライ級王者、WBCムエタイ・ナイカノムトム・スーパーバンタム級王者、元ルンピニー&ラジャダムナン認定ミニフライ級王者、元WBC・IBF・WMCムエタイ世界同級王者)
×パタックシン・シンヴィームエタイ[Patakhin Sinbi Muaythai](タイ/元オームノーイ認定フライ級王者)
3R 2’03” KO (左ハイキック)
日本人でただ一人、ムエタイのルンピニー&ラジャダムナンの2大王座を獲得した実績のある吉成。近年はBOM、RIZIN等、日本の大会での戦いが続いたが、コロナ禍を経て3年ぶりに、ムエタイの本場・タイのリングに上がった。試合自体は12月11日のBOMで51.1kg契約で空龍に判定勝ちして以来で、今年初ファイトとなる。
試合前のワイクルー(戦いの師匠に捧げる踊り)では、タイで戦うこと、世界各国で中継されていることを意識してか、踊りの最後に相手を刀で切るようなパフォーマンスを行い、観客を楽しませる。そして試合も時代劇の侍が日本刀で相手を切り落とすような鮮やかなKO勝ちを見せることに。
1R、吉成はサウスポーで構え、右の前蹴りのフェイントから左ハイにつなげて早速当てて先手を取る。パタックシンの右ミドルもつかんで倒したり、つかんでから自分の右ミドルを返したりと、高い技術を印象付ける。中盤、吉成がプレッシャーをかけ続け、左ミドル、ローを放つが、パタックシンは防御する。終盤の左ハイはパタックシンがギリギリでブロックを続けるが、パタックシンも攻撃を返せず、吉成やや優位のまま終わる。記者採点は吉成。
2R、パタックシンは圧力を強め、右ストレートとミドルを積極的に出すように。だが吉成が左ローを当て、左ハイにつなげ、簡単に主導権を握らせない。首相撲にも時折なるがほぼ五分だ。中盤以降は吉成がプレッシャーをかける側となる。なかなか明確なヒットにつなげられず、パタックシンも対応できて来た感があるが、パタックシンも攻撃を返せない。終盤、吉成は首相撲から右肘を当て、やや好印象で終える。記者採点は吉成。
3R、パタックシンは挽回を狙って右フック、ミドルを放つが、吉成は軽々とかわす。中盤以降は吉成がプレッシャーをかけ、左三日月蹴りをヒット。するとパタックシンは少し後退する。吉成のセコンドの中川夏生エイワスポーツジム会長が「ボディ狙いからハイキックだ」と叫ぶと、名高は左ハイキックをクリーンヒット。パタックシンはパンチを放って前進するタイミングだったため、カウンターで首元にもらい、伸びた状態でダウンし、すぐさまレフェリーがストップ。場内は大盛り上がりとなった。RWSはタイでも注目度の高い大会のため、タイ復帰戦で十二分にインパクトを残した形だ。