ムエタイ 11.11 ラジャダムナン:44・ユウ・リバイバル、流血戦制しラジャ2連勝。押川大也、初ラジャで勝利
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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スック・ワン・ギントン
2018年11月11日(日)タイ・バンコク・ラジャダムナンスタジアム
記事提供:早田寛(Photo & Text by Hiroshi Soda)
第1試合 125.5ポンド契約
44(シーシップシー)・ユウ・ウォーワンチャイ(REVAIVAL-GYM)
VS
グリックキアット・ジャルンムアン
(結果:44:ユウ 判定勝利)
ウォーワンチャイプロモーションより44・ユウ・リバイバルと押川大也が11月11日のラジャダムナンスタジアムに参戦した。
44・ユウは、9月からのタイ合宿中、10月14日にラジャダムナンスタジアムでのデビュー戦を4RTKO勝利を決めたばかり。この試合直後に、同興行プロモーターから今回の試合出場要請があった。44・ユウは「1ヵ月間隔で試合に出場するのは初めての事」ということだったが、はたしてどのような動きを見せてくれるのか。
試合前にギントンプロモーターから直々に「今日は前半は、相手をよく見てゆっくりと攻めてみろ」というリクエストをもらった。前回のラジャダムナンデビュー戦では、荒々しいファイトでTKO勝ちを決めているので、今回は44・ユウの間合いやテクニックを拝見したかったのだろう。
その言葉通り、44・ユウは初回はゆっくり間合いをとりながら重いローを決める。そして隙をみてハイキックを放つ。このハイキックが牽制となり、グリックキアットも手が出ないまま終了。
2ラウンドも、蹴りの間合いは続いた。44・ユウはローキックとミドルキックを上手く蹴り分けヒット数も多かった。特にローキックはグリックキアットの太ももに直角に刺さり、グリックキアットは食らった瞬間にバランスを崩すなど効いている事が分かるほど。このままローを間蹴り込めればKO勝ちもあるだろうが、ここで44・ユウの大きなパンチがヒットし、そのままラッシュで攻め立てたところで終了。
3ラウンド、このラウンドになって44・ユウはようやく距離を詰めはじめた。ローとミドル、そして距離がつまると更にパンチを当てに出た。グリックキアットは肘で応戦する。44・ユウのパンチと肘が交差する。グリックキアットは足が効いているが意地で前に出た。
4ラウンド、 グリックキアットは首相撲の間合いに持ち込もうとするが、44・ユウはそこにパンチをまとめて当てた。グリックキアットはすかさず肘打ちを当て、44・ユウは目尻をカット。そして今度はバッティング?ともいえる衝突で44・ユウの額が切れた。流血で顔が赤く染まった44・ユウだが、構わず回転の速いフックを数発決めた。
最終ラウンド、接戦ともいえる状態だったが、44・ユウはここで吹っ切れた様に、パンチラッシュ。そして時おり高い蹴りもヒットさせる。グリックキアットはここにきて失速。44・ユウは更にパンチをまとめ、目に見えて優勢に出る事ができた。試合終了ゴンが鳴りジャッジは44・ユウを勝者とした。
44・ユウは、前回の勝利に続きパンチを武器に勝利を決めたが、このラジャダムナン2戦目では、パンチやローだけにとらわれず、ムエタイの軸ともいえるミドルキックを多用し、流れを掴むことができた。試合は接戦だったが、最終ラウンドまで多彩な技で攻め続けたスタミナが自身を勝利に導いたといえよう。
44・ユウより勝利の声が届いている。「勝てて良かったのが本音です。初めて顔を斬られ、そこからの焦りと怒りが最後のパンチラッシュの切っ掛けとなり勝つことができました。自分を応援してくださった皆さま、ありがとうございました。自分は、まだまだ上を目指すので、早く怪我を治し練習再開します。そして必ずタイでベルトを巻きます。」
第9試合 100ポンド契約
ダイヤ・ウォーワンチャイ(押川大也)(エクシンディコンジムジャパン)
VS
ペットワントン・コートンサック
(結果:押川大也 判定勝利)
押川大也は、14歳の中学2年生だが、空手やキックボクシングの戦績を合わせると既に100戦を超えており国内タイトルも4つ奪取。内タイ戦績は3戦し2勝1敗。これまでのタイでの試合もテクニシャンぶりを見せつけ、その闘いぶりが関係者の目に留まり今回のラジャダムナン初参戦となる。タイの2大スタジアムの中の1つ、ラジャダムナンで、これまでと同じ動きができるか。
初回押川はパンチを当てに前に出る。ペットワントンは長身な事からかすぐに距離を詰め組んできた。押川も膝蹴りで応戦するが、首相撲では長身なペットワントンに分がるだろう。
2ラウンド開始からもペットワントンは組んでくる。押川は離れ際にパンチで応戦。そこで早くも大きな右パンチが当たり、ペットワントンの顔面がのけ反った。押川はここから更にパンチの回転を速めコーナーに追いつめた。ここで力強く放った右ボディパンチがペットワントンの腹に食い込み、一瞬効いたようなそぶりを見せたところで終了ゴング。
3ラウンド、押川はここで腹にパンチを当てたいところだが、インターバルを挟みペットワントンは生き返ったかのように首相撲で挑んできた。押川は再びパンチラッシュをまとめた。ペットワントンは押川のパンチが見えていないようだ。セコンドからは「再びボディを攻めろ」という指示が出た。
4ラウンド、押川はペットワントンの弱点を見切ったかのように、パンチで応戦。連打を上下に分けて打ち込み、試合ペースを掴んだ。ペットワントンは組んで押川のパンチから逃れようとするが、ここにきて押川も飛び込んで膝を刺すなど、攻撃をボディに絞った。するとペットワントンは失速し、首相撲でも押川がペットワントンをこかすなどし完全にペースを掴んだ。
最終ラウンド、負けられないペットワントンは距離を詰め反撃してくるが、どの距離でも押川の技が決まる。特にこのラウンドで押川はハイキックをペットワントンの顔面に決めるなど、大きな優勢ぶりを見せた。
ジャッジは大差で押川を勝者とした。押川は、初回で長身のペットワントンに首相撲でつかまり、どうなってゆくのか、という不安な展開だったが、パンチの当たるコースを定めると、更には相手の弱点(腹)を見極め、ボディーへの攻めを軸とし、多方面に散らしたパンチは見事だった。今現在、まだ14歳という事だが、今後定期的に現地タイのリングに上がることで、タイで強者に勝てる実力も身についてゆくだろう。
押川大也から勝利に声が届いている。「応援してくれた方々、本当に感謝しています。今は勝ててホッとしています。今回の試合での課題を日々の練習で修正してゆきます。ありがとうございました。」