UFC 11.12 ニューヨーク(レポ):アデサニヤ、GLORY時代の宿敵・アレックス・ペレイラに5R TKO負けしミドル級王座陥落。ウェイリー、一本勝ちで女子ストロー級王座奪還。ポワリエ、チャンドラーとの死闘制す
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UFC 281: Adesanya vs. Pereira
2022年11月12日(土/現地時間)米国ニューヨーク州ニューヨーク:マディソン・スクエア・ガーデン
レポート:井原芳徳
第14試合 メインイベント UFCミドル級チャンピオンシップ 5分5R
×イズラエル・アデサニヤ(王者)※6度目の防衛戦
○アレックス・ペレイラ(4位)
5R 2’01” TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ連打)
※ペレイラが王者に
アデサニヤは今年2月、元王者・ロバート・ウィテカーに判定勝ちし返り討ちに成功。7月のラスベガス大会ではジャレッド・キャノニアに判定勝ち。今回は6度目、今年3度目の防衛戦で、アデサニヤにとって避けて通れない相手との試合が組まれた。
ペレイラは16年、キック大会のGLORYでアデサニヤに判定勝ちし、翌17年の再戦ではアデサニヤにダウンを奪われるも3R逆転KO勝ちしている。その後はGLORYミドル級とライトヘビー級王座を獲得した。元々ブラジルのジャングルファイト等で4試合のMMAの経験があり、昨年11月からUFCに移ると3連勝。アデサニヤが前回防衛した7月の大会では、ショーン・ストリックランドをパンチで1R KO勝ちし、因縁のアデサニヤとのオクタゴンでの対戦につなげた。
1R、アデサニヤはサウスポーで足を広げ低めの重心とガードで構え、ペレイラは高めで胸を張るキックボクシング寄りの構え。お互い慎重に蹴りを打ち合いつつ、ジャブ、ストレートも交錯する、緊張感あふれる幕開けに。終盤、ペレイラは圧力を強め、右ミドルを当て、左フック、左膝で脅かす。アデサニヤは組んで来たが、ペレイラは突き放し前に出る。すると終了間際、アデサニヤが左ジャブで突き放してから右ストレート、左フックを立て続けにヒット。ペレエイラがひるんだところで終了のブザーが鳴る。記者採点は最後にチャンスを作ったアデサニヤ。
2R、ペレイラは序盤から圧を強めて詰めて来るが、アデサニヤはステップとフェイントとジャブを駆使し攻めさせない。それでもペレイラは出続けると、中盤、左ジャブ、フックを立て続けにヒットする。アデサニヤは組み付きつつ休み、金網に押し込む。ペレイラは突き放し、再びプレッシャーをかけ返し、左ジャブ、左膝をヒット。またもアデサニヤは組み付く。終盤、離れると、ペレイラは変わらず圧をかけ、残り10秒の拍子木が鳴ると、片足タックルを仕掛けて倒し、差を印象付けて終える。記者採点はペレイラ。
3R、打撃戦の後、今度はアデサニヤが組んで倒すことに成功する。立とうとするペレイラを、アデサニヤは金網際で背後から押さえ続け、随所でパウンドを当てじわじわ追い詰める。ぺレイラは潜って膝十字を狙うが、アデサニヤは防御してトップから押さえる。アデサニヤはパウンド、肘を随所でヒットする。最後はアデサニヤが立ち、猪木アリ状態からボディを踏みつけて終える。記者採点はアデサニヤ。
4R、次第にペレイラが圧をかけアデサニヤを詰めるようになるが、アデサニヤは細かく前蹴り、ミドル、ボディストレートを当て、ペレイラに攻めさせない。中盤、ペレイラが組み付き続け、終盤に入ると離れる。するとペレイラは圧を強め、パンチを積極的に振るうが、またもアデサニヤは組み付き、攻撃を寸断する。最後はペレイラが右フックを一発当て、少しアデサニヤがひるむが、その先は許さず終える。記者採点は僅差だがアデサニヤ。これでアデサニヤは2ポイント差でリードか。
5R、アデサニヤが右ローを当てるが、ペレイラが左足でカットすると、アデサニヤはバランスを崩して後ろに倒れる。アデサニヤは一回転してすぐ立つが、ペレイラは追いかけ、右フック、左ボディで追い詰める。アデサニヤは突き放し、右ローをまたも放ち、足のダメージは小さい様子だが、流れはペレイラに。ペレイラは前に出て、金網を背負うアデサニヤにパンチを当て続け、左フック、右アッパーを連続で当てると、アデサニヤはフラフラに。明らかにダメージを負っている様子だ。するとペレイラの左右のフックの連打で、アデサニヤはついにダウン。すぐにアデサニヤは立ったものの、ペレイラのパンチラッシュを意識朦朧とした様子でスウェーし続けたところで、マーク・ガドナー・レフェリーがストップ。ペレイラがMMAルールでもアデサニヤを下し王座奪取。アデサニヤの連続防衛は5で途絶えた。
第13試合 セミメインイベント UFC女子ストロー級チャンピオンシップ 5分5R
×カーラ・エスパルザ(王者)※初防衛戦
○ジャン・ウェイリー(2位、元王者)
2R 1’05” 裸絞め
※ジャンが王者に
エスパルザは5月にローズ・ナマユナスに判定勝ちし、6連勝でUFC王者となり、今回初防衛戦。ウェイリーは19年8月にジェシカ・アンドラージに勝利し王者に。翌20年3月の初防衛戦でヨアンナ・イェンジェイチックに判定勝ちし初防衛。だが昨年4月、ローズ・ナマユナスに1R KO負けし王座陥落。11月のダイレクトリマッチでも判定1-2で惜敗したが、今年6月のヨアンナとの再戦では2R KO勝ちしている。
1R、ウェイリーがプレッシャーをかけ続け、積極的に右ストレート、左ミドル等を放つ。中盤、ウェイリーが右ハイ、ミドルを連打すると、エスパルザは蹴り足をつかんで倒そうとするが、すぐにウェイリーは動いてバックを取りに行く。エスパルザは防御を続けて上で押さえる。終盤、ウェイリーはスタンドに戻し、左ミドルを当てると、またもエスパルザは足をつかんで倒そうとするが、今度はウェイリーが切ってすぐ上で押さえ、パウンドを当て印象を残す。記者採点はウェイリー。
2R、エスパルザがタックルを仕掛けるが、これもウェイリーは切る。するとウェイリーは両足でエスパルザの右腕を挟む腹固めで捕獲すると、背後に回って裸絞めを極める。エスパルザはタップし、見事ウェイリーが一本勝ちでベルト奪還を果たした。
第12試合 ライト級 5分3R
○ダスティン・ポワリエ[ポイエー](2位、元暫定王者)
×マイケル・チャンドラー(5位)
3R 2’00” 裸絞め
ポワリエはコナー・マクレガーに2連勝後、昨年12月にチャールズ・オリベイラのライト級王座に挑戦したが、3R裸絞めで敗れて以来の試合。元ベラトール・ライト級王者・チャンドラーはオリベイラとジャスティン・ゲイジーに連敗したが、5月にトニー・ファーガソンをKOしている。
1R、ポワリエがサウスポー、チャンドラーがオーソドックスで構え、チャンドラーが中盤、前に詰めて右ストレートのヒットを増やす。ポワリエも前に出返したが、チャンドラーが再び前に詰めてパンチを連打してから、終盤に差し掛かったところで倒して上で押さえる。ポワリエは立とうとするが、チャンドラーがしがみついてコントロールを続け、バックドロップも決める。だがこの組みの展開でチャンドラーは力を使ってしまったか?ポワリエはすぐ立つと、右ストレートでチャンドラーをダウンさせ、最後は金網際に詰めてのパンチの連打で猛反撃する。チャンドラーは終了のブザーと同時に座り込み、額と鼻からも出血してしんどそうだ。記者採点はポワリエ。場内はシーソーゲームに大盛り上がりとなる。
2R、序盤からチャンドラーは前に詰め、ポワリエをタックルから抱えて上げて倒して上で押さえる。チャンドラーは動いて中盤にはバックに回り、裸絞めを狙う。ポワリエは必死に防御し、チャンドラーはトップに戻し押さえ続け、パウンドを随所で連打しポワリエを追い詰める。記者採点は8-10でチャンドラー。これでポイントは逆転か。
3R、逆転を狙うポワリエは開始から前に出るが、チャンドラーは右ミドルを当ててからタックルを仕掛け、またも持ち上げて倒す。だがバックを取りに行くとバランスが崩れてしまい、ポワリエが上になり返し、逆にバックを取って足4の字ロックでガッチリ捕まえポジションキープする。すると裸絞めを極め、最後に背後に寝転んで絞め上げタップアウト。ポワリエがチャンスを物にし、見事逆転勝ちに成功した。
第11試合 バンタム級 5分3R
×フランキー・エドガー(12位、元ライト級王者)
○クリス・グティエレス
1R 2’01” KO (左膝蹴り)
UFCに15年上がり続け、12年の日本大会ではメインイベンターを務めた41歳のベテラン・エドガーは、今回が引退試合。3連勝中・8連続負け無しのグティエレスと対戦した。
1R、グティエレスが右のカーフキックを強打すると、エドガーは少しフラつく。エドガーが前に詰めようとすれば、グティエレスはステップでかわし続ける。するとグティエレスがサウスポーで構えた状態で、近距離からの左の飛び膝をエドガーのアゴにクリーンヒット。エドガーはこれ一発で真後ろに倒れ、すぐさまレフェリーがストップ。エドガーは有終の美を飾ることができなかったが、グティエレスがエドガーに歩み寄り抱擁すると、場内は暖かい拍手とレッツゴー・フランキー・コールに包まれた。
第10試合 ライト級 5分3R
○ダン・フッカー(12位)
×クラウディオ・プエレス
2R 4’06” TKO(レフェリーストップ:右三日月蹴り)
第9試合 ライト級 5分3R
×ブラッド・リデル
○ヘナート・モイカノ
1R 3’20” 裸絞め
第8試合 ライトヘビー級 5分3R
×ドミニク・レイエス(7位)
○ライアン・スパン(12位)
1R 1’20” KO(左ジャブ)
※スパンは計量0.6ポンドオーバー。レイエスにファイトマネーの20%を譲渡
第7試合 女子フライ級 5分3R
○エリン・ブランチフィールド(12位)
×モリー・マッキャン(15位)
1R 3’37” アームロック
第6試合 ミドル級 5分3R
○アンドレ・ペトロスキー
×ウェリントン・トゥルマン
判定3-0 (30-27/30-27/29-28)
第5試合 ライト級 5分3R
○マット・フレボラ
×オットマン・アツァイター
1R 2’30” KO
第4試合 女子ストロー級 5分3R
○カロリーナ・コバルケビッチ
×シルバーナ・フアレス
判定3-0(29-28/29-28/29-28)
第3試合 フェザー級 5分3R
○マイケル・トリザーノ
×チェ・スンウ
1R 4’51” TKO
※トリザーノは計量1.6ポンドオーバー。チェにファイトマネーの20%を譲渡
第2試合 バンタム級 5分3R
×フリオ・アルセ
○モンテル・ジャクソン
判定0-3 (27-30/27-30/28-29)
第1試合 ライトヘビー級 5分3R
○カーロス・アルバーグ
×ニコラエ・ネグメレアヌ
1R 3’44” KO