UFC 7.2 ラスベガス(レポ):アデサニヤ&ヴォルカノフスキー、打撃戦で主導権握り続け判定勝ちし王座防衛
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UFC 276:アデサニヤ vs. キャノニア
2022年7月2日(土/現地時間)米国ネバダ州ラスベガス:T-Mobileアリーナ
レポート:井原芳徳
第12試合 メインイベント UFCミドル級タイトルマッチ 5分5R
○イズラエル・アデサニヤ(王者)
×ジャレッド・キャノニア(2位)
判定3-0 (49-46/49-46/50-45)
※アデサニヤが5度目の防衛
アデサニヤは2月のヒューストン大会で元王者・ロバート・ウィテカーに判定勝ちし返り討ちに成功して以来、5度目の防衛戦。
キャノニアは15年からUFCに上がり、ライトヘビー級時代までは五分の勝敗で苦戦したが、18年11月にミドル級に下げてからは5勝1敗。20年10月にウィテカーに判定負けしたが、以降は昨年8月にケルヴィン・ガステラムに判定勝ちし、2月のヒューストンではデレク・ブランソンを2R TKOし、「次のタイトル挑戦者は俺しかいない」とアピールし、今回の初の王座戦につなげたが、絶対王者の壁は厚かった。
1R、両者オーソドックス主体ながらスイッチを繰り返し、キャノニアが中央付近で構え、アデサニヤが外側に立ち、慎重に探り合う状況が続く。キャノニアが入ろうとすると、アデサニヤは長い手を活かしたパンチをヒットする。どちらも攻撃は少ないが、主導権を握っているのはアデサニヤか。記者採点はアデサニヤ。
2Rも似たような構図で、少し両者の手数は増え、アデサニヤペースではあるが、強打は出ない。終盤、ジャブ、右カーフキックの応酬も見られるが、その先にはつながらない。記者採点はアデサニヤ。
3R、キャノニアはタックルを仕掛けるが、アデサニヤは難なく突き放す。中盤と終盤もキャノニアはタックルから押し込むが、これもアデサニヤは突き放す。アデサニヤは変わらずパンチを当てるが、キャノニアは組み際含め細かいパンチも増やし、手数では巻き返す。記者採点はキャノニアとしたが僅差のため割れる可能性はある。
4Rもなかなかお互いダメージをはっきり与えるようなクリーンヒットは出ない。キャノニアが押し込んでもアデサニヤは倒れず突き放し続け、流れは変わらない。場内は静まり返り、時折ブーイングも起こる。細かいパンチのヒットではアデサニヤが上回る。記者採点はアデサニヤだが割れる可能性はある。
5R、アデサニヤは回って距離を取り、右肘、左ジャブ、右カーフ等を随所で当て、逃げ切りモードに。ダメージも無いためステップは軽快だ。中盤、キャノニアは金網に押し込むが、相変わらずテイクダウンにつなげられそうな気配が見えない。終盤、ようやくキャノニアの左ストレートが炸裂するが、アデサニヤも右ストレートを返し、ヒット数では上回ったまま試合を終える。記者採点はアデサニヤ。合計49-46でアデサニヤ。ジャッジ3者も大差でアデサニヤを支持し、アデサニヤが判定勝ちで5度目の防衛を果たした。
第11試合 コーメインイベント UFCフェザー級タイトルマッチ 5分5R
○アレキサンダー・ヴォルカノフスキー[ボルカノフスキー](王者)
×マックス・ホロウェイ(1位、元王者)
判定3-0 (50-45/50-45/50-45)
※ヴォルカノフスキーが4度目の防衛
ヴォルカノフスキーは4月のフロリダ大会でジョン・チャンソンに4R TKO勝ちし、3度目の防衛を果たしてから、わずか3か月で4度目の防衛戦へ。現在MMA 21連勝、UFC 11連勝中だ。ホロウェイは19年4月、ヴォルカノフスキーに判定負けしフェザー級王座を失い、20年7月のリターンマッチでは判定2-1で惜敗。昨年はカルヴィン・ケーター、ヤイル・ロドリゲスに連勝し、3度目のヴォルカノフスキー戦につなげたが、今回ははっきりと差をつけられてしまうことに。
1R、スタンドの打撃戦で、お互い少しずつ右ストレート、カーフ等の手数を上げる。ホロウェイが前に出るが、ヒットでは左に回ってかわすヴォルカノフスキーがやや上。終盤、ヴォルカノフスキーの左ジャブで、ホロウェイの動きが一瞬止まる。
2R、ヴォルカノフスキーが右フックを時折ヒット。ホロウェイは左眉から出血する。中盤にはヴォルカノフスキーが組み付き、右肘も当てる。以降もヴォルカノフスキーが回りながらも左ジャブ、右フック、ボディを随所で当て主導権を維持する。1Rよりも明確に差をつける。
3Rも同様の構図で、回るヴォルカノフスキーがパンチを当て続ける展開。左ジャブ、右フック、ワンツー等が随所で的確にヒットする。
4R、ホロウェイが右ミドルを当てたり、組む場面もあるが、主導権を奪うほどにはならず。ヴォルカノフスキーは細かくジャブ、ストレートを当て続ける。
最終の5R、後の無いホロウェイは片足タックルで押し込むが、すぐにヴォルカノフスキーが押し返して突き放す。中盤の両足タックルも簡単に切られてしまう。ヴォルカノフスキーは変わらず細かくパンチを当てて主導権を維持して終える。記者採点は5Rともヴォルカノフスキーで50-45。ジャッジ3者も同じ採点で、ヴォルカノフスキーが判定勝ちした。
第10試合 ミドル級 5分3R
×ショーン・ストリックランド(4位)
○アレックス・ペレイラ
1R 2’36” KO (左フック)
ストリックランドは現在6連勝。ペレイラはキックボクシングのGLORYの元ミドル級&ライトヘビー級王者。16年と17年にアデサニヤとも戦い、初戦は判定勝ちし、再戦は3R左フックでKO勝ちしている。ローカル大会でMMAも並行し、昨年11月のUFCデビューし2連勝し、今回初のUFCランカーとの戦いでインパクトを残す。
1R、ストリックランドが圧力をかけ、ペレイラは回りつつも、ジャブと前蹴りで距離を作り、右ストレート、左右のボディ、右カーフをコツコツとヒット。すると中盤、左のフックで綺麗にアゴを打ち抜き、ストリックランドがダウンしたところでレフェリーがストップ。ペレイラが無傷で完勝した。試合後のインタビューではアデサニヤ戦について「期待する声は聞いているし、いつでもやる準備はできている」とコメントした。
第9試合 ウェルター級 5分3R
×ロビー・ローラー
○ブライアン・バーバリーナ
2R 4’47” TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ連打)
第8試合 バンタム級 5分3R
―ペドロ・ムニョス(9位)
―ショーン・オマリー(13位)
2R 無効試合 (偶発的なアイポークによりムニョスが右目を負傷)
第7試合 ライト級 5分3R
×ブラッド・リデル
○ジェイリン・ターナー
1R 0’45” フロントチョーク
第6試合 ウェルター級 5分3R
○ジム・ミラー
×ドナルド・セラーニ
2R 1’32” フロントチョーク
※セラーニはこの試合での引退を表明した。
第5試合 ウェルター級 5分3R
○イアン・ギャリー
×ゲイブリエル・グリーン
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第4試合 ミドル級 5分3R
×ブラッド・タバレス
○ドリカス・デュ・プレシ
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
第3試合 ミドル級 5分3R
×ユライア・ホール(9位)
○アンドレ・ムニス(13位)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第2試合 女子フライ級 5分3R
×ジェシカ・アイ(10位)
○メイシー・バーバー(13位)
判定0-3 (28-29/28-29/27-30)
第1試合 女子バンタム級 5分3R
×ジェシカ・ローズ・クラーク
○ユリア・ストリアレンコ
1R 0’42” 腕ひしぎ十字固め