UFC 1.20 トロント(レポ):ドリカス・デュ・プレシ、ストリックランドとの僅差の打撃戦制し南アフリカ人初のUFC王者に。ラケル・ペニントンが女子バンタム級王座獲得
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UFC 297: Strickland vs. du Plessis
2024年1月20日(土/現地時間)カナダ・オンタリオ州トロント:スコシアバンク・アリーナ
レポート:井原芳徳
第12試合 メインイベント UFCミドル級チャンピオンシップ 5分5R
×ショーン・ストリックランド(王者)※初防衛戦
○ドリカス・デュ・プレシ(2位)
判定1-2 (47–48/48–47/47–48)
※デュ・プレシが王者に
ストリックランドは14年からUFCに上がり、18年から22年2月まで6連勝していたが、7月にペレイラ、12月にジャレッド・キャノニア相手に連敗。だが昨年は1月にナッソーディン・イマボフ、7月にアブス・マゴメドフを下すと、9月にミドル級王者・イズラエル・アデサニヤに挑戦して判定勝ちし、王座奪取を果たした。。
デュ・プレシは18年にポーランドのKSWで王者となり、20年から上がったUFCでは6連勝。22年12月にはダレン・ティルに3R裸絞めで、昨年3月にはデレク・ブランソンに2R TKOで勝利。7月に元ミドル級王者で2位のロバート・ウィテカーに2R TKO勝ちしていた。
1R、スタンドの打撃戦が続く。ストリックランドはオーソドックス、デュ・プレシはスイッチを繰り返す。大差は無いが、ストリックランドが右ストレート、左ジャブの的確さでやや上回る。終盤、デュ・プレシがタックルを仕掛けて倒して上になるが、すぐにストリックランドはスタンドに戻す。最後はストリックランドが右ストレートを当て、やや好印象で終える。記者採点は僅差だがストリックランド
2Rもスタンドの攻防が続く。ややストリックランドのパンチのヒットが目立つが、接戦が続く。終盤、デュ・プレシが左まぶたを腫らすようになるが、右フックのヒットを増やすと、タックルで倒して上になる。すぐスタンドに戻るが、デュ・プレシが前に出て終える。記者採点は僅差だがデュ・プレシ。
3R、デュ・プレシは圧力を強め、スイッチを織り交ぜ、左右のロー、ミドル、フックを随所で当て、手数で上回るように。ストリックランドは強打はもらわず、左ジャブ等を随所で返すが、やや消極的に見える。。記者採点は僅差だがデュ・プレシ。ジャッジは割れ、1者がストリックランド、2者がデュ・プレシを支持する。
4R、デュ・プレシが序盤から右ストレートを当てると、ストリックランドは左まぶたから出血する。デュ・プレシの積極性が上回り、ストリックランドは少ししんどそうに。ストリックランドから組みに行くが、逆にデュ・プレシが足を掛けて倒す。すぐスタンドに戻り、さらにデュ・プレシがワンツーで右ストレートを当てる。さらに終盤、デュ・プレシはタックルでテイクダウンを奪う。すぐにスタンドに戻るが、デュ・プレシが前に出て終える。記者採点はデュ・プレシ
5R、お互い接戦だと認識している様子で、中央付近でパンチを両者振って積極的に攻める。とはいえ両者ともかわしたりブロックして、防御もしっかりできており、高いレベルの攻防が続く。終盤になっても均衡状態が続くが、最後、ストリックランドの圧力が強まり、右フックの強打がやや目立つように。デュ・プレシは下がり気味で終わる。記者採点はストリックランド。
記者採点合計47-48でデュ・プレシ。ジャッジは3者とも1点差で割れ、2者がデュ・プレシを支持。デュ・プレシが判定勝ちし王者となり、南アフリカ人初となるUFC王座獲得を果たした。勝利者インタビューでデュ・プレシは、元王者のアデサニヤとの防衛戦を希望した。
第11試合 コーメインイベント UFC女子バンタム級チャンピオンシップ(王者決定戦) 5分5R
○ラケル・ペニントン(2位)
×マイラ・ブエノ・シウバ(3位)
判定3-0 (49–46/49–46/49–45)
※ペニントンが王者に
アマンダ・ヌネスが昨年6月にアイリーン・アルダナに判定勝ちし女子バンタム級王座を防衛した後、引退を表明し、空位となった王座を懸けてペニントンとマイラが対戦した。
ペニントンは14年からUFCに上がり、20年1月、ホリー・ホルムに敗れたが、以降は5連勝で、最近では昨年1月にケトレン・ヴィエラに判定勝ちしている。
マイラは18年からUFCに上がり、当初は勝ち負けを繰り返していたが、22年4月以降は3連勝した。昨年7月のホルム戦では2Rニンジャチョークで一本を取ったが、禁止薬物のリタリン酸の陽性反応が出たため、ノーコンテストに変わり、4カ月半の出場停止処分が科されていた。ちなみに名前のブエノは母方の姓、シウバは父方の姓だ。
1R、マイラが首相撲から膝を当て、中盤には抱え上げて倒すと、バックマウントを奪い、オンブの状態から裸絞めを狙いチャンスを作る。記者採点はマイラ。
2R、ペニントンは距離を取りつつも、左ジャブを立て続けに当てて先手を取る。度々マイラに押し込まれるが、ペニントンが突き放してパンチを当て続けていると、マイラは後退するように。終盤、マイラがオンブになり、裸絞めを狙うが、アゴの上を押さえるに留まり、最後はペニントンが振り落として上になって終える。記者採点はペニントン。
3R、クリンチの展開が続き、ニンジャチョークを仕掛けるが、マイラは対処する。お互い膝や肘を当てる削り合いとなる。終盤、マイラがテイクダウンを奪いかけるが、ペニントンはすぐ立って潰して上になる。スタンドに戻り、またも組むと、ペニントンは首を抱えて倒し、上になってパウンドを当て、いい形で終える。マイラは体力消耗が激しい。記者採点はペニントン。
4Rも金網際で両者クリンチの展開が続く。中盤、マイラは背後から組み付きつつ引き込み、バックから裸絞めを狙いチャンスを作る。だがペニントンは対処して向き直し、金網際で上になってマイラを押さえる。マイラは時折下から三角絞めを狙うが、これもペニントンは対処し、上からパウンド、肘を随所で当て、好印象を作る。記者採点はペニントン。
5R、後の無いマイラはまたも引き込むが、消耗が激しい。すぐペニントンがマウントを奪うと、肩固めを狙う。終盤、ペニントンはトップに移り、鉄槌と肘を度々落とし、主導権を維持し終了する。。記者採点はペニントン。合計49-46でペニントン。ジャッジ3者も同じ採点で、ペニントンが判定勝ちで王座奪取を果たした。
第10試合 ウェルター級 5分3R
○ニール・マグニー(13位)
×マイク・マロット
3R 4’45” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第9試合 ミドル級 5分3R
○クリス・カーティス(14位)
×マルク・アンドレ・バリオー
判定2-1 (30–27/28–29/30–27)
第8試合 フェザー級 5分3R
×アーノルド・アレン(4位)
○モフサル・エフロエフ(9位)
判定0-3 (28–29/28-29/28-29)
【プレリム】
第7試合 バンタム級 5分3R
×ブラッド・カトーナ
○ギャレット・アームフィールド
判定0-3 (28–29/28-29/28-29)
第6試合 フェザー級 5分3R
×シャルル・ジョーデイン
○ショーン・ウッドソン
判定1-2 (28–29/29–28/28-29)
第5試合 バンタム級 5分3R
×セルヒー・シーディー
○ラモン・タバレス
判定1-2 (28–29/29–28/28–29)
※タバレスが計量3.75ポンド(1.7kg)オーバー。シーディーにファイトマネーの30%を譲渡
第4試合 女子ストロー級 5分3R
○ジリアン・ロバートソン
×ポリアナ・ヴィアナ
2R 3’12” TKO
第3試合 ウェルター級 5分3R
ヨアン・レイネス
○サム・パターソン
1R 2’03” 裸絞め
第2試合 女子フライ級 5分3R
○ジャスミン・ジャスダビシアス
×プリシラ・カショエイラ
3R 4’21” アナコンダチョーク
第1試合 フライ級 5分3R
×マルコム・ゴードン
○ジミー・フリック
2R 1’17” 肩固め
※ゴードンが計量1.5ポンド(680g)オーバー。フリックにファイトマネーの20%を譲渡