UFC 8.3 アブダビ(レポ):ハビブ・ヌルマゴメドフのいとこウマル、バンタム級2位のサンドヘイゲンに判定勝ち。元フライ級王者フィゲイレード、バンタム級4位のヴェラに判定勝ち
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UFC FIGHT NIGHT: Sandhagen vs. Nurmagomedov
2024年8月3日(土/現地時間)アラブ首長国連邦アブダビ:エティハドアリーナ
レポート:井原芳徳
ハビブ・ヌルマゴメドフのいとこウマル、バンタム級2位のサンドヘイゲンに判定勝ち
第13試合 メインイベント バンタム級 5分5R
×コーリー・サンドヘイゲン(2位)
○ウマル・ヌルマゴメドフ(10位)
判定0-3 (45-50/46-49/46-49)
中東のアブダビでのUFCは昨年10月のUFC 294以来。前回はロシア連邦のダゲスタンの4選手がパフォーマンスオブザナイトを独占したが、今回もダゲスタン勢が活躍した。
サンドヘイゲンとウマルは昨年8月のナッシュビル大会で戦う予定だったが、ウマルの肩の負傷で中止となり、サンドヘイゲンは緊急出場のロブ・フォントに判定勝ちし、連勝を3に伸ばした。
ウマルはダゲスタン出身。ハビブ・ヌルマゴメドフのいとこで、ベラトール・ライト級王者のウスマンの弟で28歳。16年のMMAデビュー以来18連勝で、21年からUFCに上がり5連勝中。ついに上位ランカーとの試合が用意され、手堅い試合運びでしっかり強さを見せつける。
1R、ウマルはサウスポーで構えて、サンドヘイゲンのプレッシャーをかわし、時折タックルを仕掛けるが、サンドヘイゲンは切り続ける。サンドヘイゲンも右ミドル等を時折当てるが攻めあぐねる。残り30秒を切り、ウマルがタックルでテイクダウンを奪い、バックを狙うが、サンドヘイゲンが防御して終わる。記者採点は迷ったがウマル。ジャッジは2者がウマル、1者がサンドヘイゲンにつける。
2R、サンドヘイゲンが変わらずプレッシャーをかけるが、お互い攻めあぐねる状態が続く。終盤、ウマルがタックルで倒し、またもバックを奪い、一瞬裸絞めを狙おうと首に手を掛ける。サンドヘイゲンは最後、スタンドに戻して終える。記者採点はウマル。ジャッジは2者がウマル、1者がサンドヘイゲンにつける。
3R、ウマルはこれまでよりも前に出るようになり、中央付近での打撃戦となり、終盤にはウマルがプレッシャーをかける側に変わる。打撃のヒットはお互い乏しいものの、ウマルが2度テイクダウンを奪い、最後のテイクダウンの後にはバックを取って、差を印象付ける。記者採点はウマル。
4Rもスタンドでお互い攻めあぐねるが、またもウマルが終盤にタックルで倒し、背後からコントロールし、しっかり印象付けて終える。記者採点はウマル。
5Rもスタンドの展開の後、中盤にウマルがタックルから倒して上になる。終盤、ウマルがバックを取るなどコントロールを続けて終了する。記者採点はウマル。合計45-50でウマル。ジャッジも3点または5点差でウマルを支持し、ウマルが判定勝ちした。
勝利者インタビューでウマルは「オマリー、メラブ、相手は誰でもいい。ベルトを持っている選手と戦いたい」とアピールした。なお、9月15日のUFC 306ではショーン・オマリーがメラブ・ドバリシビリを相手にバンタム級王座防衛戦を控えており、その次の挑戦者に名乗りを上げた形だ。
ダゲスタンの新鋭・シャラ・マゴメドフが完勝
第12試合 コーメインイベント ミドル級 5分3R
○シャラ・マゴメドフ
×ミハル・オレクシェイチュク
判定3-0 (30–27/30–27/29–28)
マゴメドフはロシア・ダゲスタン出身でMMA 14戦全勝、UFC 2勝の新鋭、オレクシェイチュクは2連敗中だ。
1R、オレクシェイチュクがサウスポーで構えてプレッシャーをかけ続け、長身のマゴメドフが回って距離を取りつつ右のミドルやテンカオを当てる。中盤にはマゴメドフが右の縦肘を当ててオレクシェイチュクの額を切り裂く。終盤もマゴメドフが右ボディ、ミドル等を当てて主導権を維持する。記者採点はマゴメドフ。
2Rも同様の構図で、マゴメドフが的確に打撃を当てて主導権を維持する。終盤、マゴメドフの右ハイをオレクシェイチュクがつかんで倒し、金網際でバックを取るが、マゴメドフは追撃を封じて終える。記者採点はマゴメドフ。
3Rもマゴメドフが距離を取りながら自在にパンチ、ミドル、膝を当て続け、主導権を維持する。中盤、またも右ハイを放つと、オレクシェイチュクに足をつかまれて倒されるが、マゴメドフはすぐ立つ。とはいえ終盤になると、マゴメドフは疲れており、オレクシェイチュクがタックルで倒して上になる。だが下のマゴメドフは長いリーチを活かして右肘を連打し、逆に好印象を作って終える。記者採点はマゴメドフ。合計30-27でマゴメドフ。ジャッジ3者もマゴメドフを支持し、マゴメドフが判定勝ちした。
勝利者インタビューでマゴメドフは「ニック・ディアスと戦いたい。10月のアブダビ大会でやりたい」とアピールした。
元フライ級王者フィゲイレード、バンタム級4位のヴェラに判定勝ち
第11試合 バンタム級 5分3R
×マルロン・ヴェラ(4位)
○デイブソン・フィゲイレード(6位、元フライ級王者)
判定0-3 (28-29/28-29/27-30)
ヴェラは3月にショーン・オマリーのバンタム級王座に挑戦して判定負けして以来の試合。フィゲイレードは4月のUFC 300の第1試合で元バンタム級王者のコーディ・ガーブラントに2R裸絞めで一本勝ちし、バンタム級転向後の連勝を3に伸ばした。
1R、フィゲイレードが右ボディを当てると、負けじとヴェラが右ストレートを放つが、フィゲイレードはカウンターのタックルを仕掛け、テイクダウンを奪う。フィゲイレードはトップキープするが、ヴェラは攻めさせずスタンドに戻す。終盤、ヴェラが右テンカオを当てるが、フィゲイレードは蹴り足をつかんでテイクダウンを奪い、最後は猪木アリ状態で終える。記者採点はフィゲイレード。
2R、フィゲイレードは距離を取り、ヴェラの打撃を誘ってタックルを仕掛けるが、ヴェラは動きを読むようになり、突き放す展開を繰り返す。終盤、両者スタンドで攻めあぐねるが、ヴェラが左ボディを当て、わずかに優位を印象付けて終える。記者採点はヴェラだがフィゲイレードについてもおかしくはない。
3R、フィゲイレードは序盤に2度タックルを仕掛けるが、倒せずにいると、打撃主体に切り替え、パンチを積極的に振うように。中盤、パンチが交錯し、ヴェラの左フックで少しフィゲイレードがひるんだが、フィゲイレードがすぐに右フックを当て返すと、ヴェラはダウンする。ヴェラはすぐ立つが、引き続きフィゲイレードが右フック、左ボディを当てる。終盤、フィゲイレードは左テンカオも絡め、タックルも繰り返し、パンチのヒットでも上回る状態をキープして終了する。記者採点はフィゲイレード。合計28-29でフィゲイレード。ジャッジ3者もフィゲイレードを支持し、フィゲイレードが判定勝ちした。
フィゲイレードは「(9月15日のチャンピオンシップの)オマリーと(メラブ・)ドバリシビリの勝者と戦いたい」とアピールした。
トニー・ファーガソンが8連敗「引退したくない」
第10試合 ウェルター級 5分3R
×トニー・ファーガソン(元ライト級暫定王者)
○マイケル・キエーザ
1R 3’44” 裸絞め
ファーガソンは40歳。20年5月のライト級暫定王座決定戦でジャスティン・ゲイジーにKO負けし、連勝が12で止まると、以降は7連敗し、ここ2年ではマイケル・チャンドラー、ネイト・ディアス、ボビー・グリーン、パディ・ピンブレットに敗れている。キエーザも10年以上UFCに上がっている36歳のベテランだが3連敗中だ。両者は8年前に試合が組まれていたが、キエーザの怪我で中止となっていた。
1R、両者サウスポーで構え、ファーガソンがプレッシャーをかけ、キエーザが左に回り続ける。お互い攻撃が少ない状態が続くが、キエーザのパンチへのファーガソンの反応が遅い感は否めない。すると終盤、キエーザがパンチを振りつつ前に出返すと、両脇を差して金網に押し込み、抱え上げてバックを取る。キエーザは足4の字で捕獲し、裸絞めを極めてタップを奪った。
キエーザのインタビュー後、ファーガソンのインタビューも行われた。ファーガソンが言葉を詰まらせると、トニーコールが巻き起こり「引退したくない。だからグローブは片方だけオクタゴンに置く。帰ったら妻と話して考える。こんなにみんなに愛されているとは思わなかった」と話し、もう片方のグローブだけ持って退場した。
第9試合 女子ストロー級 5分3R
○マッケンジー・ダーン(7位)
×ルーピー・ゴディネス(10位)
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
第8試合 ライト級 5分3R
○ヨエル・アルバレス
×エルブス・ブレナー
3R 3’36” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第7試合 ライトヘビー級 5分3R
○アザマト・ムルザカノフ(14位)
×アロンゾ・メニフィールド(15位)
2R 3’18” KO
第6試合 ライト級 5分3R
×モハンマド・ヤヒヤ
○カウエ・フェルナンデス
1R 4’45” TKO
第5試合 ヘビー級 5分3R
○シャミル・ガジエフ
×ドンテイル・メイエス
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第4試合 ライト級 5分3R
○グラム・クタテラーゼ
×ジョーダン・ブチェニク
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
第3試合 女子ストロー級 5分3R
×ビクトリア・ドゥダコバ
○サム・ヒューズ
判定1-2 (27–30/29–28/29–28)
第2試合 ライト級 5分3R
○ジャイ・ハーバート
×ロランド・ベドーヤ
判定3-0 (30–27/30–27/29–28)
第1試合 ミドル級 5分3R
○セドリケス・ドゥマス
×デニス・トゥルーリン
判定3-0 (29–28/29–28/30–27)