UFC 3.9 マイアミ(レポ):ショーン・オマリー、ヴェラに判定勝ちでリベンジしバンタム級王座初防衛。ポワリエ、再起戦KO勝ち。元ベラトールのマイケル・ペイジ、UFC初戦白星。ピョートル・ヤン、ソン・ヤドンを退ける
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UFC 299: O’Malley vs. Vera 2
2024年3月9日(土/現地時間)米国フロリダ州マイアミ:カセヤセンター
レポート:井原芳徳 Photos by Zuffa LLC via Getty Images
ショーン・オマリー、ヴェラに判定勝ちでリベンジしバンタム級王座初防衛
第14試合 メインイベント UFCバンタム級チャンピオンシップ 5分5R
○ショーン・オマリー(王者)
×マルロン・ヴェラ(5位)
判定3-0 (50–45/50–45/50–44)
※オマリーが初防衛
オマリーは29歳。17年からUFCに上がり4連勝後、20年8月にマルロン・ヴェラに1R TKO負けしプロ初黒星を喫した。それ以降は6戦負けなし。22年7月のペドロ・ムニョス戦は無効試合となり、10月の元王者・当時1位のピョートル・ヤン戦でも判定2-1での辛勝だった。だが昨年8月、アルジャメイン・スターリングの4度目の防衛戦の挑戦者に抜擢されると、2Rに右ストレートからのパウンドでTKO勝ちし、下馬評を覆しベルトを獲得した。
ヴェラは4年前にオマリーに勝利して以降、7戦5勝(2KO)2敗。ジョゼ・アルド、コーリー・サンドヘイゲンには判定負けしたが、フランク・エドガーとドミニク・クルーズをKOし、オマリーが王者になった大会でペドロ・ムニョスに判定勝ちしていた。
1R、両者サウスポーだがスイッチを織り交ぜ、打撃を狙う攻防が続く。5R制のためお互い慎重だが、終盤、オマリーが右ミドル、ストレート、ボディストレートで手数を上げ、若干だが優位で終える。オマリーが手堅く1点を取る。記者採点はオマリー。
2R、オマリーは距離を取りつつ、オーソドックスで構える時間を増やし、右ストレート、左ジャブ、右のミドル気味の前蹴り、関節蹴り等を的確に当て続ける。オマリーは1Rよりも手数を上げ、はっきり差をつけるように。終盤、オマリーは右の膝蹴りでヴェラの顔面を突き上げ、場内をどよめかせる。終了間際にはオマリーが右ストレートでダウン気味に倒す。記者採点はオマリー。
3R、オマリーは変わらず細かくパンチを当て、ミドルや膝等の蹴りも絡め主導権を維持する。ヴェラはひるまず、パンチを当てる場面もあるが、大半の攻撃はかわされ劣勢が続く。記者採点はオマリー。
4R、ヴェラはガムシャラにパンチや膝やミドルを放って当てる場面もあるが、オマリーは強打を許さず、変わらず淡々とパンチやミドルを当て続け、手数では上の状態をキープする。オマリーは終盤になっても動きを切らさず、スイッチを繰り返し、顔面とボディに的確にパンチを当て、最終的には明確に差をつけてみせる。記者採点はオマリー。
5R、オマリーは変わらず攻撃を続け、ヴェラを金網に詰め、パンチを的確に当てる。中盤にヴェラも前に出てパンチを当てる場面もあるが、長くは続かない。終盤、オマリーはこれまで同様にパンチを当て続け、ヴェラの反撃を封じて終える。記者採点はオマリー。合計50-45でオマリー。ジャッジ3者もオマリーを支持し、オマリーが判定勝ちで王座初防衛とヴェラへのリベンジを果たした。
勝利者インタビューでオマリーは「デイナ・ホワイト(UFC代表)、スペイン大会で(地元の1階級上のフェザー級王者の)イリア・トプリアと王者対決をやらせてほしい。(バンタム級1位の)メラブ・ドバリシビリをKOして欲しければそれでもいい」と話した。
ダスティン・ポワリエ、地元での再起戦でKO勝ち
第13試合 コーメインイベント ライト級 5分5R
○ダスティン・ポワリエ[ポイエー](3位、元暫定王者)
×ブノワ・サン・デニ(12位)
2R 2’32” KO (右フック)
地元フロリダのアメリカン・トップチーム所属のスター選手・ポワリエはコナー・マクレガーからの2連勝で名を上げ、チャールズ・オリベイラとの王座戦では敗れたが、マイケル・チャンドラーに勝利。昨年7月のジャスティン・ゲイジーとのBMF王座戦で敗れて以来の試合となる。サン・デニは21年からUFCに上がり、昨年11月のマット・フレボラ戦まで5連勝中だ。
コーメインでタイトル戦ではないが、この試合は5R制で行われた。1R、サン・デニがタックルを仕掛けると、ポワリエはギロチンで迎撃してから立ち上がり、サン・デニを背後から金網に押し込む。サン・デニは離れるとパンチを当てるが、またもポワリエは組み付いてギロチンを狙う。中盤、サン・デニは首相撲からの膝、肘を当て、金網に詰めてからもパンチを連打して、打撃で印象を作る。終盤、ポワリエはまたもギロチンを狙うが、これも失敗して下に落ちる。サン・デニはバックを取り、足4の字ロックで捕獲し、パウンドを当て、最後は腕十字を狙って終える。記者採点はサン・デニ。
2R、またもポワリエがギロチンを狙い極まりかけたが、これもサン・デニは脱出し、マウント、バックと動き、裸絞めを狙ってポワリエを追い詰める。中盤、スタンドに戻り、金網を背にしたポワリエに、サン・デニはパンチと肘を放つ。だがポワリエはブロックし、クリーンヒットを許さない。ポワリエはギロチンを狙ってから離れる。すると両者サウスポーで構え、ポワリエは距離を取りつつ右ボディ、左フックをヒットし、流れをつかむ。サン・デニも左ミドルを返すが、ポワリエは下がらず右ジャブを連打してから、カウンターの左フックを当てると、ダメージが溜まっていたサン・デニはダウンする。ポワリエは一旦ギロチンを狙ってから外すと、まだフラついているサン・デニに右フックをクリーンヒット。意識が飛んだ状態でダウンしたサン・デニに、ポワリエが右のパウンドを一発叩き込んだところで、マイク・ベルトラン・レフェリーがストップ。場内は大盛り上がりとなった。
元ベラトールのマイケル・ペイジ、UFC初戦白星
第12試合 ミドル級 5分3R
×ケビン・ホランド(13位)
○マイケル・ペイジ
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
“MVP”の愛称で親しまれるペイジは元キックボクサーで、13年のMMAデビュー当時から10年以上ベラトールに上がり続け、ウェルター級の主力として活躍していたが、今回UFCに初参戦した。両者とも191cmと長身な点で共通する。
1R、ペイジはノーガードで距離を取り、中盤、ホランドは詰めて押し込む。離れての打撃戦に戻り、ペイジはトリッキーな動きからパンチや肘を当てる。終了間際にはペイジが右のバック肘を当てて印象を作る。記者採点はヒット数で上回ったペイジ。
2R、中盤にペイジがバックスピンキックを空振りすると、ホランドは組み付いて倒し、ハーフバックから裸絞めを狙い、上で押さえて肘を連打し印象を作る。終盤、スタンドに戻り、ペイジが押し倒すが、すぐホランドは立つ。ペイジはまたもバック肘を最後に出すが、今度は空振りで終わる。記者採点はホランド。
3R、ペイジは右ストレートや肘を随所で当て、トリッキーな動きでも観客を楽しませる。ホランドは攻めあぐねる状態が続く。終盤、ペイジは距離を取りながら随所でパンチを当て、ホランドの反撃を封じて終える。記者採点はペイジ。合計28-29でペイジ。ジャッジ3者も同じ採点で、ペイジが判定勝ちでUFC初戦を白星で飾った。
新鋭・ジャック・デラ・マダレナ、上位のギルバート・バーンズを粉砕
第11試合 ウェルター級 5分3R
×ギルバート・バーンズ(4位)
○ジャック・デラ・マダレナ(11位)
3R 3’43” KO (グラウンド右肘打ち)
地元フロリダで王座戦も経験しているバーンズに対し、オーストラリアから来たデラ・マダレナはUFC 6連勝中の新鋭。1R、バーンズは左ミドルを当ててから、タックルを仕掛けて倒し、バックを狙う。スタンドに戻り、デラ・マダレナはサウスポーでプレッシャーをかけ、左ストレート、ボディを随所で的確に当てる。だが終了間際、バーンズがタックルで倒して終える。記者採点は打撃で優位だったデラ・マダレナ。
2R、バーンズがタックルを仕掛けて倒すが、デラ・マダレナは背中をつけず立ち上がる。デラ・マダレナはバーンズの右肘をもらう場面もあったが、スイッチを織り交ぜてプレッシャーをかけ続け、随所でパンチを当てて主導権を維持する。終盤、バーンズは右のオーバーハンドフックからタックルを仕掛け、またもテイクダウンを奪い、残り30秒にはバックを取り足4の字ロックで捕獲するが、その先は持ち込めず終わる。記者採点は僅差だがバーンズ。
3R、バーンズが右ハイを当てると、デラ・マダレナはパンチを連打し、バーンズをフラつかせる。バーンズはタックルを仕掛けて倒し、一旦立たれても倒し、金網際で押さえ、背後から裸絞めを狙う。だが終盤、バーンズがハーフバックの状態から足を引き抜こうとした隙に、デラ・マダレナは体を回転させ脱出に成功する。バーンズはすぐに組みに行こうとしたが、デラ・マダレナは右の膝蹴りを顔面に当てて迎撃してダウンさせると、右のパウンドと肘を当て続けたところでレフェリーがストップした。
元王者・ピョートル・ヤン、ソン・ヤドンを退ける
第10試合 バンタム級 5分3R
○ピョートル・ヤン(4位、元王者)
×ソン・ヤドン(7位)
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
ヤンは22年4月、アルジャメイン・スターリングとのバンタム級王座統一戦、同年10月のショーン・オマリー戦、昨年3月のメラブ・ドバリシビリ戦と3連敗中。韓国人のヤドンは2連勝中だ。
試合はヤドンが健闘したが、元王者のヤンが最終的に格の違いを見せる内容に。1R、スタンドでお互い攻撃が少ない状態が続く。終盤、ヤンの右ローをすくって、ヤドンはテイクダウンを奪いバックを狙う動きを続ける。ヤンの立ち際にヤドンはパウンドを連打し印象を作る。記者採点はヤドン。
2R、ヤドンが前に出て右フックを当て先手を取るが、ヤンも打ち合いで右アッパー、左ボディを返す。中盤、ヤドンはタックルから押し込み、離れ際に右肘を当てる。だがその後のヤドンのタックルはヤンが切り続け、その都度、離れ際に左ミドルを当てて好印象を作る。終盤、ヤンは左ボディ、右アッパーを的確に当てる。すると残り30秒、ヤンは右アッパーを空振りさせてから、タックルを仕掛け倒し、上で押さえ、左肘を当て、ヤドンの左まぶたを切り裂き終える。記者採点はヤン。
3R、ヤンはまたも右アッパーを絡めてタックルを仕掛けるが、これはヤンが切る。ヤンは右の後ろ上段回し蹴りを当て、場内を沸かせる。中盤、ヤドンもタックルを仕掛けるが、ヤンは切り続ける。終盤、お互い疲れが溜まり、攻撃が減るが、ヤンがタックルからテイクダウンに成功する。ヤンはハーフガードで押さえて左肘を当て、パスガードしてからも肘を当て、最後はダースチョークを狙い、しっかり印象を作って終える、記者採点はヤン。合計29-28でヤン。ジャッジ3者も同じ採点で、ヤンが判定勝ちした。
第9試合 ヘビー級 5分3R
○カーティス・ブレイズ(5位)
×ジャイルトン・アウメイダ(7位)
2R 0’36” KO (グラウンドパンチ)
第8試合 女子フライ級 5分3R
×ケイトリン・サーミナラ(4位)
○メイシー・バーバー(6位)
判定0-3 (27-30/27-30/28-29)
第7試合 ライト級 5分3R
○マテウス・ガムロット(6位)
×ハファエル・ドス・アンジョス(11位、元王者)
判定3-0 (29–28/29–28/30–27)
第6試合 バンタム級 5分3R
×ペドロ・ムニョス(13位)
○カイラー・フィリップス
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第5試合 ライトヘビー級 5分3R
×イオン・クテラバ
○フィリペ・リンス
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
第4試合 ミドル級 5分3R
○ミシェル・ペレイラ
×ミハル・オレクシェイチュク
1R 1’01” 裸絞め
第3試合 ヘビー級 5分3R
○ロベリス・デスパイネ
×ジョシュ・パリジアン
1R 0’18” TKO (レフェリーストップ:右フック→グラウンドパンチ)
第2試合 フライ級 5分3R
×C.J.ベルガラ
○アスー・アルマバイエフ
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
※ベルガラが計量1ポンドオーバー。アルマバイエフにファイトマネーの30%を譲渡
第1試合 女子フライ級 5分3R
○ジョアン・ウッド
×マリナ・モロズ
判定2-1 (28–29/29–28/29–28)