UFC 8.19 ボストン(レポ):ショーン・オマリー、4度目の防衛戦のスターリングに2R TKO勝ちしバンタム級王者に。ジャン・ウェイリー、アマンダ・レモスを5R圧倒し女子ストロー級王座防衛
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UFC 292: Sterling vs. O’Malley
2023年8月19日(土/現地時間)米国マサチューセッツ州ボストン:TDガーデン
レポート:井原芳徳 Photos by Zuffa LLC via Getty Images
ショーン・オマリー、4度目の防衛戦のスターリングに2R TKO勝ちしバンタム級王者に
第12試合 メインイベント UFCバンタム級チャンピオンシップ 5分5R
×アルジャメイン・スターリング(王者)※4度目の防衛戦
○ショーン・オマリー(2位)
2R 0’51” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※オマリーが王者に
スターリングは21年3月、バンタム級王者のピョートル・ヤンに挑戦し、苦戦するもヤンの反則負けにより王者に。昨年4月の再戦では判定勝ちした。10月には元王者のT.J.ディラショーに2R TKO勝ちし2度目の防衛に成功。今年5月には3年ぶりに復帰した2階級制覇王者・ヘンリー・セフードの挑戦を受け、判定2-1で辛勝しつつも3度目の防衛に成功し、連勝を9に伸ばした。試合後にはショーン・オマリーがケージに入り、舌戦の末に両者のチャンピオンシップが内定した。
オマリーは15年にMMAデビューし、17年のデイナ・ホワイト・コンテンダーシリーズで勝利し、UFCと契約。4連勝後、20年8月にマルロン・ヴェラに1R TKO負けしプロ初黒星を喫する。それ以降は5戦負けなし。昨年7月のペドロ・ムニョス戦は無効試合となり、10月の元王者・当時1位のピョートル・ヤン戦でも判定2-1での辛勝だった。大方のファン・選手・マスコミの評価はヤンの判定勝ちだったが、若干打撃のヒットが上回ったことでの勝利。とはいえこれで11位から1位に一気にジャンプアップし、初の王座挑戦につなげた。
1R、スターリングは開始すぐから前に出て、オマリーがサウスポー主体で時折スイッチしながら回って距離を取る。中盤からオマリーがプレッシャーをかける側に変わるが、スターリングも距離を取り、お互い攻撃が少ない状態は変わらない、中盤過ぎ、両者止まってカーフキックや関節蹴りを蹴り合うが、しばらくして離れる。終盤、オマリーがプレッシャーをかける構図に戻る。スターリングもスイッチを繰り返すが、回る状況は変わらず、お互い攻撃をほとんど出さず慎重な攻防が続く。残り30秒、スターリングがプレッシャーをかけ返すと、片足タックルを仕掛けて倒しかけるが、オマリーは耐え、金網を背にして終える。記者採点は僅差だが最後にタックルを仕掛け打撃のヒット数で少し上だったスターリング。ジャッジ3者もスターリングにつける。
2R、スターリングがスイッチを繰り返しながら前に出て、オマリーが右の前蹴りを放つが、バランスを崩して倒れる。すぐ立つと、スターリングが押し込んで片足タックルを仕掛けるが、オマリーは突き放す。お互いスイッチを繰り返し、サウスポーになったスターリングに対し、オマリーは右ミドルを当てる。するとスターリングは左ストレートを放ちながら詰めて来たが、オマリーはバックステップでかわしながら右ストレートを放つと、これがアゴにクリーンヒット。スターリングは前のめりにダウンする。すぐにスターリングはマットに背中をつけ、オマリーは上からパウンドを当て続ける。しばらくスターリングは耐えていたが、スターリングが嫌がって背中を向けたところでレフェリーがストップし、オマリーがTKO勝ちし、チャンピオンベルトを巻いた。
勝利者インタビューでオマリーは「チト(=マルロン・ヴェラ)は勝ったのか?きっとつまらない試合なのだろう。12月にやろう」と、6位のヴェラとの防衛戦を希望した。敗れたスターリングは「オマリーは予想以上に打撃が上手かった。ベルトを失ったが、勝ち上がる姿を見せたい」とコメントした。
ジャン・ウェイリー、アマンダ・レモスを5R圧倒し女子ストロー級王座防衛
第11試合 コーメインイベント UFC女子ストロー級チャンピオンシップ 5分5R
○ジャン・ウェイリー(王者)
×アマンダ・レモス(5位)
判定3-0 (50-44/50-43/49-45)
※ウェイリーが初防衛
ウェイリーは19年8月にジェシカ・アンドラージに勝利し、東アジア人史上初となるUFC王者に。翌20年3月の初防衛戦でヨアンナ・イェンジェイチックに判定勝ち。だが21年4月、ローズ・ナマユナスに1R KO負けし王座陥落した。11月のナマユナスとのダイレクトリマッチでも判定1-2で惜敗したが、昨年6月のヨアンナとの再戦では2R KO勝ちした。11月には王者カーラ・エスパルザに挑戦し、1Rから圧倒した上で2Rに裸絞めで一本勝ちし、ベルト奪還を果たした。今回が初防衛戦だ。
レモスは母国ブラジルのジャングルファイトの元王者で、17年からUFCに上がり、バンタム級での初戦は敗れたものの、以降はストロー級に下げて7勝1敗。21年と昨年は年3試合と積極的に試合をこなし、昨年4月に元王者のアンドラージに一本負けしたものの、以降は7月にミシェル・ウォーターソンに、11月にマリナ・ロドリゲスにフィニッシュ勝利し、初のベルト挑戦につなげた。
1R、序盤からレモスが左ミドルを放つと、ウェイリーは蹴り足をつかんで倒して上になると、サイドポジションを奪う。ウェイリーはレモスを金網に押しつけ、右腕でレモスの左腕を抱えながら、左手でパウンドを連打する。レモスが立ちかけると、ウェイリーはタックルで倒すが、レモスは倒れ際に首を抱えてダースチョークを仕掛ける。間一髪で防御したウェイリーは、サイドで押さえながら耐えると、レモスを動かしてバックマウントを奪い、ダースチョークからの脱出に成功すると、すぐさまパウンドを連打する。残り1分を切り、ウェイリーは再びハーフで押さえて左のパウンドを連打する。最後も立ったレモスが倒され際に首を抱えるが、ウェイリーは対処し、肘を落として終える。記者採点はウェイリー。
2R、レモスが伸びのある右ストレートを当て、ウェイリーはサイドキックや二段蹴りを返す。レモスは右フックを放つが、このタイミングでウェイリーは組み付き、テイクダウンを奪う。ウェイリーは中央付近でサイドで押さえてハーフガードへ移る。中盤、レモスがブリッジで逃げようとすると、隙を突いてウェイリーはバックマウントへ。だが固執せず、ハーフに戻り右肘を落とす。終盤、レモスが立っても、再びウェイリーは崩して上になり、最後は金網際でハーフバックで押さえて終える。記者採点はウェイリー。
3R、ウェイリーは右のサイドキックを当て、レモスの蹴り足をつかんでから押し込む。レモスも脇を差し少し挽回したが、すぐウェイリーは差し返して倒す。ウェイリーは一旦立って猪木アリ状態になってから、トップに戻り、あっさりとサイドへ。劣勢続きのレモスは集中力も落ちている感がある。中盤、ウェイリーは逆サイドに回ろうとしつつ、バックを取り、両足でガッチリと捕獲する。終盤、ここでもウェイリーは固執せずハーフに戻す。レモスに立たれてもすぐ押し込み、離れれば右前蹴り、右フックを当てる。レモスは金網を背負ったまま攻撃を返せない。記者採点は10-8でウェイリー。
4R、レモスは前に出るが、ウェイリーはジャブを突いて距離を取り、時折右ローや左ミドルを当てる。中盤、ウェイリーの左ミドルのタイミングでレモスは右ストレートを放ち、押し倒す形となるが、すぐにウェイリーは立つ。終盤、ウェイリーは右ストレートを当ててから、右のパンチのフェイントを仕掛けながらタックルを仕掛けて倒す。レモスは金網際で下からニンジャチョークを仕掛けるが、ウェイリーは脱出する。ウェイリーはスタンドに戻し、膝蹴り気味の左ミドルをヒット。組まれても突き放して左肘を放ち、主導権を譲らない。記者採点はウェイリー。
5R、ウェイリーは左のサイドキックを上中下と散らした後、右ミドルを当ててから、右ストレートを当てて、レモスをダウンさせる。レモスは必死にもがき、足を取るが、ウェイリーは押さえてパウンドを落とす。ウェイリーは両足でレモスの左腕を挟み、左腕でレモスの腕をつかみながら、右のパウンドを当てる。レモスが立っても押し込み、ウェイリーは右肘を当てる。そしてまたもウェイリーがタックルで抱えて倒し、サイドポジションで押さえる。最終ラウンドだがウェイリーの勢いは落ちない。終盤、ウェイリーは金網際でサイドで押さえ続ける。最後、レモスはブリッジして立ち、またもギロチンを狙うが、ウェイリーは突き放す。レモスが押し込んた状態で終了する。記者採点はウェイリー。10-8でもおかしくないだろう。
記者採点合計50-44でウェイリー。ジャッジは1者が49-45でレモスにも1ポイントつけたが、2者は50-44・50-43と大きく差をつけ、ウェイリーが判定3-0で勝利し初防衛を果たした。前の王者時代を含めると通算2度目の防衛となる。
第10試合 ウェルター級 5分3R
×ニール・マグニー(11位)
○イアン・マシャド・ギャリー(13位)
判定0-3 (26-30/26-30/24-30)
第9試合 バンタム級 5分3R
×ダモン・ブラックシア
○マリオ・バティスタ
判定0-3 (28-29/28-29/27-30)
第8試合 バンタム級 5分3R
○マルロン・ヴェラ(6位)
×ペドロ・ムニョス(10位)
判定3-0 (30–27/30–27/29–28)
第7試合 ミドル級 5分3R
×クリス・ワイドマン(元王者)
○ブラッド・タバレス
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第6試合 ミドル級 5分3R
○グレゴリー・ホドリゲス
×デニス・トゥルーリン
1R 1’43” KO
第5試合 TUF 31決勝:ライト級 5分3R
×オースティン・ハバード
○カート・ホロボー
2R 2’39” 三角絞め
第4試合 TUF 31決勝:バンタム級 5分3R
○ブラッド・カトーナ
×コーディ・ギブソン
判定3-0 (29–28/29–28/30–27)
第3試合 ミドル級 5分3R
○アンドレ・ペトロスキー
×ジェラルド・マーシャート
判定2-1 (28–29/29–28/29–28)
第2試合 女子フライ級 5分3R
×アンドレア・リー(13位)
○ナタリア・シウバ
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第1試合 女子フライ級 5分3R
○カリーニ・シウバ
×マリナ・モロズ
1R 4’59” フロントチョーク