修斗 8.3 新宿フェイス(レポ):古賀愛蘭、ジェニー・ファンに僅差の判定勝ちでリベンジし第2代世界女子アトム級王者に。渡辺彩華、ストロー級での再起戦は韓国のパク・ボヒョンのパンチに苦しみ判定負け
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2024年8月3日(土)東京・新宿フェイス
レポート&写真:井原芳徳
古賀愛蘭、ジェニー・ファンに僅差の判定勝ちでリベンジし第2代世界女子アトム級王者に
第10試合 メインイベント 第2代修斗世界女子アトム級チャンピオン決定戦 5分5R
×ジェニー・ファン[Zenny Huang](台湾/AACC/3位)
○古賀愛蘭[あいら](BURST/4位)
判定1-2 (鍋久保48-47/出合47-48/浦47-48)
※古賀が王者に
修斗は昨年5月に女子大会の新シリーズ「COLORS」をスタート。女子MMAのパイオニア・藤井惠氏がCSO(最高戦略責任者)を務め、昨年12月に第2回大会を開催し、今回が3回目となる。
第2回大会のメインイベントでは澤田千優が中村未来に1R一本勝ちし修斗世界女子アトム級王座を初防衛したが、澤田がONE Championshipでの試合に専念するため王座を返上し、3位のファンと4位の古賀と間で王者決定戦が行われた。(1位は久遠、2位は中村)
両者は昨年5月のCOLORS旗揚げ大会で対戦し、古賀がスタンド、グラウンドともに優位に進めていたが、3Rにファンがオモプラッタを仕掛けながら裸絞めを極め逆転一本勝ちしている。ファンはその後、12月のパンクラスでの女子アトム級王者決定トーナメント準決勝でSARAMIに判定負け。古賀は修斗で2試合、韓国で1試合し、3試合とも判定勝ちしている。
前回はケージ、今回はリングでの戦い。試合は5Rに及ぶ接戦に。1R、ファンがプレッシャーをかけ続け、古賀は長時間コーナーを背負うが、右カーフ、左フックを随所で当て印象を作る。ファンはややステップがぎこちなく、古賀のパンチをかわしきれない様子だ。終盤、ファンの膝蹴りがローブローとなり一時中断する。再開後も同じ構図で、ファンも左ミドルを当てるが、少し距離が遠く、押し込んでもテイクダウンを奪えない。記者採点は古賀。
2Rもファンが古賀をコーナーに詰める攻防が続く。ファンがテイクダウンを奪うが、古賀は返してスタンドに戻す。古賀が左フック、右カーフを随所で当てるが1Rよりヒットは減る。ファンもパンチがなかなか当たらない。コーナーでの押し合いも増えるが、お互いテイクダウンは奪えない。記者採点は古賀だが割れる可能性はあり、ジャッジは2者が古賀、1者がファンにつける。
3R、ファンが序盤からタックルで倒して上になると、パウンドを当て好印象を作る。中盤、スタンドに戻り、離れての打撃戦と押し合いの攻防が繰り返されるが、その中でファンが押し込みながらパンチを連打したり、膝を当てたりして、この局面でも好印象を残す。記者採点はファン。
4R、ファンが変わらずプレッシャーをかけ、押し込んではパンチ、肘、膝を当てる。古賀は打撃のヒットがほとんど無くなる。終盤、ファンはタックルで倒し、トップキープし、時折パウンドを当てて主導権を維持する。記者採点はファン。
5R、古賀がようやく前に出るが、ファンが随所で右フックを当てやや優位を維持する。終盤、ファンがタックルで倒して上になり、コーナーで押さえるが、座った状態の古賀が肘を当てる。少しファンの後頭部に当たることもあり、片岡レフェリーは注意する。最後、スタンドに戻り、押し合いとなり、両者膝を当て合って終了する。記者採点は僅差だがファン。ジャッジは3者とも古賀を支持する。合計48-47でファン。ジャッジは割れ、1者がファンを支持したが、2者が古賀を支持し、古賀の判定勝ちとなった。
ベルトを巻きマイクを持った古賀は関係者に感謝の言葉を述べ「ベルト巻けて良かったです。やっとママに恩返し出来てうれしいです」と話し笑顔を浮かべた。
渡辺彩華、ストロー級での再起戦は韓国のパク・ボヒョンのパンチに苦しみ判定負け
第9試合 セミファイナル 女子ストロー級 5分3R
×渡辺彩華(AACC/女子スーパーアトム級(50kg)世界王者)
○パク・ボヒョン[Park BoHyun](韓国/WEST GYM)
判定0-3 (出合27-30/浦27-30/鍋久保26-30)
渡辺は昨年10月のRIZINで万智に判定1-2で惜敗して以来の試合。今回は階級を上げて戦う。ボヒョンはキックボクシングをベースとし、MMA 7戦4勝3敗で、4月の韓国の試合では古賀愛蘭に判定1-2で敗れている。
試合はボヒョンがボクシングテクニックの差で渡辺を圧倒することに。1R、渡辺が右ローを当てるが、ボヒョンはワンツーでストレートを度々当て、渡辺を追い詰める。渡辺はタックルを仕掛け組み勝負に切り替えようとするが、ボヒョンは対処し離れ際に膝を当てる。その後もボヒョンがコーナーに再三渡辺を詰めて、随所で右ストレートをクリーンヒットし主導権。終盤、渡辺も打ち合いで右フックを当てて倒す場面を作ったが、すぐボヒョンは立ち、最後もボヒョンがコーナーに詰めてパンチを当て主導権を維持する。記者採点はボヒョン。
2R、ボヒョンは変わらずプレッシャーをかけて渡辺をコーナーに長時間詰め、右ストレート、左ジャブ等を度々クリーンヒットし、主導権を維持する。渡辺も時折フェイントやコンビネーションを織り交ぜながら、右ストレートや左ミドルを返すが、手数の差は大きいままだ。記者採点はボヒョン。
3R、ボヒョンがパンチを当て続け、中盤には右フックでひるませてからパンチラッシュで渡辺を追い詰める。終盤、渡辺はタックルを仕掛けるが、下になったボヒョンは三角絞めを仕掛け、渡辺の攻めを封じる。最後もスタンドでボヒョンがパンチを当て続けて主導権を維持し終了する。記者採点はボヒョン。合計27-30でボヒョン。ジャッジ3者もボヒョンを支持し、ボヒョンが判定勝ちした。
第8試合 epsomsalt seacrystals Presents インフィニティリーグ2024 女子アトム級 5分2R
×平田彩音(BURST/勝ち点0)
○パク・ソヨン[Park SeoYoung](韓国/ROAD GUNSANジム/勝ち点0→2)
判定0-2 (出合18-20/浦19-19/片岡18-20)
女子アトム級4選手によるリーグ戦が今大会からスタートした。優勝賞金は100万円。平田は藤井惠氏からMMAを習う19歳でデビューから2連勝中だ。
1R、スタンドの打撃戦で、平田はサウスポーのソヨンに右ローを随所で当てる。平田が首投げで倒すが、ソヨンはすぐ立つと、コーナーに押し込んでから、背後に引っ張ってそのままバックを奪う。ソヨンは裸絞めを仕掛けるが平田は防御する。終盤、平田が上になると押さえ続け、最後はパウンドをまとめ、好印象で終える。記者採点はソヨンだが最後反撃した平田につく可能性もある。
2R、スタンドの打撃戦と押し合う攻防が繰り返された後、中盤、ソヨンがタックルでテイクダウンに成功し、トップキープしてパウンドを当てる。平田は下から腕十字を狙うが失敗し、最後もスタンドに戻って終了する。記者採点はソヨン。合計18-20でソヨン。ジャッジは2者がソヨンを支持し、ソヨンが判定勝ちした。
マイクを持ったソヨンは「修斗では4試合目で、いつも負けていました。勝ちたくて一所懸命練習しました。勝ててうれしいです」と涙を浮かべつつ話した。
第7試合 epsomsalt seacrystals Presents インフィニティリーグ2024 女子アトム級 5分2R
×檜山美樹子(ナゴヤファイトクラブ/勝ち点0)
○NOEL(AACC/勝ち点0→2)
判定0-3 (出合18-20/浦18-20/片岡18-20)
NOELは16歳でプロデビュー戦。1R、開始すぐからNOELがタックルでテイクダウンを奪うと、サイドを取り、腕十字を狙い、鉄槌を当てる。下になっても三角絞めを狙い、最後も上からパウンドを当てて優勢を維持する。
2RもNOELが冒頭からタックルで倒して上になる。NOELはマウントを奪うとアームロックを狙うが極まらない。パウンドは少し打つ程度に留まり、最後は足関を狙うが、これも極まらず終了。NOELが判定勝ちしたが、涙を流し、マイクを持つと「1Rで極めたかったんですけど緊張しました。もっと練習して一本を取れるよう頑張ります」と話した。
第6試合 グラップリング 女子ストロー級 8分1R
×黒部三奈(マスタージャパン東京/女子スーパーアトム級1位・元王者、元DEEP JEWELSアトム級王者)
○杉内由紀(ポゴナさいたま)
2’43” 腕ひしぎ十字固め
開始すぐから杉内が下になると、黒部が上になるが、杉内が腕十字を極めてタップを奪った。マイクを持った杉内は「実は今日で44歳になりました。誕生日の今日も腕十字で一本が取れて最高です。これから最高のお酒を飲みます」と笑顔で話し、観客を笑わせた。
第5試合 グラップリング 65kg契約 8分1R
△中山有加(Yawara)
△カロリーナ・デ・アモリン・クワハラ[Carolina De Amorim Kuwahara](Infight Japan)
時間切れ
第4試合 女子ストロー級 5分2R
△宝珠山桃花(赤崎道場A-SPIRIT/1位)
△高本千代(高本道場)
判定1-0 (片岡20-18/鍋久保19-19浦19-19)
宝珠山は5月の福岡大会で吉成はるかに判定勝ちして以来の試合。高本千代はパンクラスのレフェリーとしても知られる柔術黒帯の高本裕和の娘で19歳。パンクラスで重田ホノカ、KARENの元王者2名に判定負けしている。
1R、高本がサウスポーからの左ストレート、ハイを当てつつ、タックルでテイクダウンに成功する。高本は両足を挟むマウントをキープし、時折右のパウンドを当てる。膠着ブレイクがかかり、高本のタックルを宝珠山は切ったが、その先の攻めに持ち込めない。記者採点は高本。
2R、高本がタックルでテイクダウンを奪うが、宝珠山が下から三角絞めを仕掛け、そのまま下から肘を当て続けて好印象を作る。高本は脱出してパウンドを返したが、最後はスクランブル状態で反撃できず終了する。記者採点は宝珠山。合計19-19でイーブン。ジャッジは1者が意外にも宝珠山を支持したが、2者は順当にイーブンとしドローとなった。
第3試合 トライアウト 女子ストロー級 3分2R
○嶋屋 澪(SISU MMA &BJJ)
×植田 咲(AACC)
2R 1’28” KO (レフェリーストップ:左ストレート)
第2試合 トライアウト 女子バンタム級 3分2R
○中尾あづき(AACC)
×植木くるみ(MMA Zジム)
1R 終了時 TKO (コーナーストップ:グラウンドパンチのダメージ)
第1試合 トライアウト 女子51kg契約 3分2R
△徳本望愛(THE BLACKBELT JAPAN)
△片山智絵(修斗GYM大阪)
判定0-0 (浦19-19/鍋久保19-19/出合19-19)