修斗 5.26 アクロス福岡(レポ):野尻定由、アマチュア時代からの憧れのTORAOのメインイベントで一本勝ち。宝珠山桃花、吉成はるかを返り討ち。福岡選抜×THE BLACKBELT JAPAN 3対3対抗戦は福岡勢が2勝
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TORAO NATION STATE主催「プロフェッショナル修斗公式戦福岡大会 TORAO 32」
2024年5月26日(日)アクロス福岡
レポート:井原芳徳 写真提供:TORAO NATION STATE
第12試合 メインイベント バンタム級 5分3R
○野尻定由(マスタージャパン福岡/環太平洋4位、2019年同級新人王)
×磯城嶋[しきしま]一真(MMA Rangers Gym/2023年同級新人王)
3R 3’32” アームロック
今回のTORAOのメインは地元福岡勢同士の対決となった。野尻は昨年12月のTORAO山口大会で國頭武に判定負けし、修斗3連敗となってしまったが、3月31日のBLOOM FCアクロス福岡大会ではコーメインで上田祐起に判定勝ちし、2か月連続でアクロスで試合する。
磯城嶋は1月の後楽園大会での2023年度新人王決定トーナメント決勝戦でJAMと2R引き分けたが、トーナメントの特例の延長戦で判定1-2で支持され、新人王になった(公式記録はドロー)。デビュー以来5戦3勝2分で負けなしだ。
1R、序盤から野尻がタックルで磯城嶋を倒すが、磯城嶋はその先の攻めを許さず、中盤には押し込んでテイクダウンを奪い返す。野尻はすぐ立ち、終盤には離れると、再び押し込む。だがすぐに磯城嶋が押し返す。最後、野尻が磯城嶋を倒しかけるが、すぐに終了のホーンが鳴る。僅差の展開だが、時折パンチを当てていた野尻がポイントを取る。
2Rも金網際での組みの展開が続き、ポジションの入れ替わりは度々あるが、どちらもテイクダウンを奪えない。中盤、離れての打撃戦が時折入るようになると、野尻が左右のパンチを的確に当て、好印象を作る。終盤、磯城嶋もサウスポーからのパンチを返すようになるが、やや当たりの浅い状態が続く。このラウンドも野尻がポイントを取る。
3R、磯城嶋はパンチを当て、金網に押し込み、反撃を狙う。野尻は口と鼻から出血し、しんどそうだが、テイクダウンやパンチの強打は許さない。すると野尻は中盤、左ジャブのヒットを増やし、右のスーパーマンパンチも当てる。磯城嶋が苦し紛れな様子でパンチを振り回して前に出て来ると、野尻はカウンターで胴タックルを仕掛け、抱え上げて横から倒し、すぐさまバックマウントを奪う。背中をマットにつけた野尻に対し、磯城嶋は体をひねって上になろうとするが、野尻はその動きに合わせつつ磯城嶋の左腕をつかむと、チキンウィングアームロックを極めてタップを奪った。
マイクを持った野尻は「やったー!」と叫び「修斗では久々の勝利で凄くうれしいです。TORAOはアマチュアの時に初めて見たプロの興行です。その時に渋くてカッコいいな、絶対に立ちたいと思って、頑張って立てるようになって、何戦かして、今日こうやってメイン任されて、凄くうれしいです。今のアマチュアの子や若い選手がこの舞台に憧れて、TORAOが盛り上がれば幸いです。自分自身、どんどん上目指していくんで、応援よろしくお願いします」と話した。最後に野尻は「長浜鮮魚市場の食堂の『おきよ』で働いています。明日にでも食べに来てください」とアピールした。
第11試合 セミファイナル 女子ストロー級 5分2R
○宝珠山[ほうしゅやま]桃花(赤崎道場A-SPIRIT/世界3位)
×吉成はるか(パラエストラ小岩)
判定3-0 (安芸20-18/岡田20-18/橋本20-18)
地元福岡の宝珠山は昨年7月のインフニティリーグ女子ストロー級の試合で勝利した相手・吉成はるかと再戦した。前回は宝珠山が打撃で優位を維持したが、2R終盤に吉成がテイクダウンを繰り返し奪って巻き返し、判定2-0に持ち込んでいた。両者ともその後、同級王者になる藤野恵実らとの試合を経験している。
1R、サウスポーの吉成に対し、宝珠山が開始すぐから前に出て、右ストレートと組み付いての膝蹴りを積極的に放ち主導権を握る。宝珠山は長時間押し込み、テイクダウンを狙うが倒せず、膠着ブレイクが繰り返されるが、主導権は維持している。
2R、またも宝珠山が吉成を金網に押し込んでいると、柔道ベースの吉成が内股を仕掛けて倒す。だが宝珠山は背中をつけず、逆に吉成の背中に乗る。宝珠山は完全に足を入れるバックマウントにはあと少しのところで及ばないものの、金網際の落とされない位置をうまく利用し、後ろから鉄槌を当てて攻勢を印象付ける。残り1分、ようやく吉成が振り落として上で押さえるが、宝珠山は下から脇を抱え、その先の攻めを許さない。最後吉成が袈裟固めになったところで終了する。宝珠山が2Rともポイントを取り、ジャッジ3者から支持され判定勝ちした。
第10試合 福岡選抜×THE BLACKBELT JAPAN 3対3対抗戦 フェザー級 5分2R
×諸石一砂[いっさ](THE BLACKBELT JAPAN)※パラエストラ松戸から所属先名変更
○ネイン・デイネッシュ[Nain Dinesh](インド/MMA Rangers Gym/同級2023年新人王)
1R 4’35” 腕ひしぎ十字固め
地元福岡のジムから選抜された3選手と、THE BLACKBELT JAPAN(旧パラエストラ千葉ネットワーク)の3選手による対抗戦が行われた。2試合1勝1敗で迎えた大将戦は、インド出身・福岡在住のデイネッシュの快勝に。
1R、諸石がサウスポーで構え、プレッシャーをかけ、デイネッシュはオーソドックスで構えて回って距離を取る。諸石が左ミドル、ロー主体で、やや積極的に攻める状態が続く。すると中盤、デイネッシュがパンチを振りつつ前に出て、そのまま組み付き、押し込んでからテイクダウンを奪う。デイネッシュは勢いがつき過ぎ、下になってしまうが、下から足を登らせつつ、右肘を連打すると、諸石は右まぶたから出血する。するとデイネッシュは三角絞めを仕掛けつつ、肘を当て続けて諸石を追い詰め、最後は腕十字に移行して極めてタップを奪った。
第9試合 ストロー級 5分2R
△石原愼之介(MMA Zジム)
△泰斗(MMA Rangers Gym/世界8位)
判定1-1 (片岡19-19/宮崎18-20/加藤20-18)
石原は高松で行われているFORCEシリーズのレギュラー選手で、3月24日の大会でも谷中たいちに判定勝ちし、最近4試合は3勝1分と好調だ。泰斗は3月31日のBLOOM FCアクロス福岡大会に出場し、メインイベントで北海道のベテラン・早坂優瑠に判定勝ちしている。ランカーなのは泰斗だが、青コーナー側に立つ。
1R、序盤から泰斗がタックルでテイクダウンを奪い、上で押さえ続ける。泰斗がパウンドを当てる場面もあるが、ヒットは少ない。終盤、下から石原が腕十字の体勢に入るが、泰斗はクラッチを切らせず、すぐに解く場面が2度ある。泰斗は変わらず押さえ続け、時折パウンドを当てる。記者採点は泰斗。ジャッジは片岡誠人・宮崎清孝の両氏が泰斗につけたが、加藤秀和氏のみ腕十字を狙った石原につける。
2R、泰斗が低空タックルでまたもテイクダウンを狙うが、石原は切ると、バックに回って裸絞めを仕掛ける。石原の腕が泰斗のアゴの下に入る時間もあったが、石原はバックキープが不安定で、泰斗が振り落として脱出する。泰斗は1R同様、金網際で上で押さえ、時折空間を作ってパウンドを当てるが、攻撃をまとめることがなかなかできない。石原は起き上がるアクションをする気配は無く、下から細かくパウンドを当てたり、足を登らせるが、有効な攻撃は乏しいまま終わる。記者採点は序盤に裸絞めで追い詰めた石原。ジャッジは片岡氏と加藤氏が石原につけるが、宮崎氏は中盤以降のトップキープを評価したか?泰斗につける。記者採点合計は19-19でイーブン。サブミッションとトップキープの評価が難しかったせいか、ジャッジは三者三様で、ドローという結果になった。
第8試合 福岡選抜×THE BLACKBELT JAPAN 3対3対抗戦 フライ級 5分2R
×若宮龍斗(KAMIKAZE DOJO MMA)※Personal Stylesから所属先名変更
○杉本静弥(THE BLACKBELT JAPAN)※パラエストラ柏から所属先名変更
2R 1’52” KO (レフェリーストップ:グラウンド肘打ち)
1R、両者サウスポーで構え、若宮が左ストレートでダウンを奪い、その後も杉本をパンチで追い詰める。終盤には杉本は持ち直す。だが2R、逆転を狙う杉本が、左フックで若宮をひるませると、タックルで倒し、金網際で押さえつけながらパウンドをコツコツと当てる。すると中盤、杉本が右肘を連打していると、若宮は次第に弱っていく。後頭部に当たったように見える肘もあったが、続行すると、若宮が防戦一方になったところで、岡田剛史レフェリーがストップした。
第7試合 福岡選抜×THE BLACKBELT JAPAN 3対3対抗戦 ストロー級 5分2R
○大城正也(T-REX柔術アカデミー)
×梅木勇徳(THE BLACKBELT JAPAN)※パラエストラ千葉から所属先名変更
判定2-0 (岡田20-18/宮崎19-19/赤崎20-18)
第6試合 フライ級 5分2R
○古賀優平(TRIBE TOKYO MMA)
×永留惇平(MMA Rangers Gym)
判定3-0 (岡田19-17/宮崎20-16/赤崎20-16)
※永留が56.7kgのフライ級リミットを3.1kgオーバー。59.8kg契約にて実施。ラウンド毎に1点減点
第5試合 フライ級 5分2R
△高宮 諒(DESTINY JIU-JITSU)
△下田洋介(095BJJ長崎柔術&和術慧舟會総本部)
判定0-1 (安芸19-19/宮崎19-19/赤崎19-20)
第4試合 2024新人王トーナメント フェザー級 一回戦 5分2R
○ヒカル(G-face)
×清水洸志(MMA Rangers Gym)
判定3-0 (安芸20-16/大内20-16/赤崎20-16)
※清水が65.8kgのフェザー級リミットを2.1kgオーバー。67.9kg契約にて試合実施。ラウンド毎に1点減点
第3試合 2024新人王トーナメント ライト級 一回戦 5分2R
×ムクロック(DESTINY JIU-JITSU)
○シヴァエフ(有永道場Team Resolve)
判定0-3 (安芸18-20/大内18-20/橋本18-20)
第2試合 バンタム級 5分2R
○藤谷敦史(マスタ-ジャパン福岡)
×アサシン秋雄(BLOWS OITA LIFE)
判定3-0 (安芸20-18/大内20-18/橋本20-18)
第試合 ライト級 5分2R
○深見弦汰(赤崎道場A-SPIRIT)
×グラップラー脇(有永道場team Resolve)※脇坂智太郎 改め
判定2-0 (安芸20-18/大内20-18/岡田20-20)
オープニングファイト第2試合 バンタム級 5分2R
×松岡琉之介(マスタージャパン山口宇部)
○有松ともあき(MMA Rangers Gym)
判定0-3 (安芸18-20/大内18-20/岡田17-20)
オープニングファイト第1試合 フライ級 5分2R
○柴山海音(G-Face)
×南 優人(volcano柔術&mma)
1R 3’38” 裸絞め