修斗 COLORS 12.2 豊洲PIT(レポ):澤田千優、中村未来を1Rで仕留め修斗女子史上初の王座防衛。パンクラス王者ソルト、修斗凱旋試合は1R KO勝ち。KARENも初の修斗で1R KO勝ち
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2023年12月2日(土)東京・豊洲PIT
レポート&写真:井原芳徳
修斗では5月にニューピアホールで女子大会の新シリーズ「COLORS」の大会を初開催した。女子MMAのパイオニア・藤井惠氏(上写真右)がCSO(最高戦略責任者)を務め、8月には藤井氏の地元の広島で「TORAO | colors」というTORAOシリーズとの合同名の大会を開催し、今回東京で2度目の大会を行った。5月大会のメインイベントでは、修斗女子世界スーパーアトム級チャンピオンシップが組まれ、挑戦者・渡辺彩華が王者・SARAMIを2R KOしベルトを獲得した。今回は女子アトム級のチャンピオンシップがメインで組まれた。
澤田千優、中村未来を1Rで仕留め修斗女子史上初の王座防衛
第7試合 メインイベント 修斗世界女子アトム級チャンピオンシップ 5分5R
○澤田千優(AACC/王者)
×中村未来(マルスジム/1位)
1R 4’57” 腕ひしぎ十字固め
※澤田が初防衛
澤田は26歳。子供の時からAACCでレスリングを習い、レスリングの名門の埼玉栄高、青山学院大に進学し、18年全日本社会人選手権優勝等の実績がある。MMA転向のためAACCに戻り、21年に修斗でプロデビューしMMA 6戦5勝1分。21年11月から開幕した初代修斗女子アトム級王者を決めるリーグ戦では3戦3勝し、昨年11月に小生由紀に判定勝ちし優勝しベルトを巻いた。今年2月にタイでのONEフライデーファイトに出場し、サナーズ・ファイアズマネシュ(イラン)に2Rアームロックで一本勝ち。その後ABEMAの海外武者修行プロジェクトで渡米し、名門・チーム・オーヤマにて練習を積みつつ、5月にはフロリダで試合をし、アナ・パラシオス(メキシコ)をフルラウンド圧倒し判定勝ち。海外での2戦を経験し、今回初防衛戦で日本の大会に戻る。
澤田は中村と21年11月、プロデビュー2戦目・リーグ戦初戦で対戦し、澤田が判定0-2で勝利している。中村は31歳。MMA 14戦8勝6敗。18年にプロデビューし、初期は負けが込んでいたものの、澤田に敗れた後はMMA 4戦全勝。リーグ戦では小生由紀、加藤春菜、久遠相手に3連勝し、5月のCOLORSでは川西茉夕に判定勝ちし、ランキング1位の座を維持している。
澤田のセコンドには兄の澤田龍人、AACC出身の松嶋こよみが付く。試合は澤田のワンサイドゲームに。1R、開始すぐから澤田がタックルで中村を倒す。中村が足を効かせてもがくと、澤田は立ち、中村は蹴り上げを狙うが、澤田は対処する。中村が立つが、すぐに澤田がタックルで倒して上になる。その後も立たれても澤田が中村を倒し、中盤からは金網際で押さえ続け、サイド、ハーブバックと行き来しながら、パウンドを当て続ける。
最後は澤田がマウントとバックマウントを行き来してパウンドを当て続けてから、終了間際に腕十字を極め、伸び切った状態が続いたところで片岡レフェリーがストップした。
澤田はこれでプロデビュー以来の無敗を7に伸ばした。初防衛の澤田はマイクを持つと「修斗でベルトを取って女子で初防衛したと聞いて、良かったなと思っています。やってきたことを完璧にできなかったので、もっと高みを目指して戦います」と話した。試合後のセレモニーでは王座防衛と大会MVPの2つのティアラを授与された。
パンクラス王者ソルト、修斗凱旋試合は1R KO勝ち
第6試合 セミファイナル 54kg契約 5分2R
○ソルト(マルスジム/パンクラス女子ストロー級王者)
×ホ・ジュギョン[Heo Jukyung](韓国/TEAM J)
1R 2’37” KO (レフェリーストップ:スタンドパンチ連打)
ソルトは昨年1月に修斗でデビューし3戦1勝2敗した後、昨年末にパンクラスに初参戦すると、当時の女子ストロー級王者・KARENに判定勝ち、今年4月の再戦でも判定勝ちしパンクラスのベルトを獲得した。6月のRIZIN札幌大会では大島沙緒里に76秒で一本負けして以来の試合となる。今回の相手・ホ・ジュギョンは初来日の19歳。柔道がベースでMMA 6戦4勝2敗。
KARENも初の修斗で1R KO勝ち
第5試合 52kg契約 5分3R
○KAREN(パラエストラ柏/パンクラス女子ストロー級2位・元王者)
×パク・ソヨン[Park Seoyoung](韓国/グンサンROADジム)
1R 4’44” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
KARENは16歳でプロデビューし、昨年3月、藤野恵実にTKO勝ちし、18歳でパンクラス女子ストロー級王者となる。9月に宝珠山桃花に判定勝ちしたが、12月にソルトに判定負け。今年4月のソルトとの再戦でも判定負けしベルトを失った。今年に入りパラエストラ千葉ネットワークに移籍。9月の再起戦では高本千代に判定勝ちし、移籍の成果を見せ始めている。今回、10戦目でパンクラス以外に初出場した。
パク・ソヨンはKARENと同じ20歳。MMA 5戦2勝3敗。韓国のROAD FCでは勝利しているが、修斗では黒部三奈に一本負け、古賀愛蘭に判定負けしている。
1R、KARENはTeam DATE時代から得意とする右のサイドキックを当ててから、ソヨンを押し込んで倒し、金網際でハーフで押さえる。一旦立たれそうになり、KARENも離れるが、ソヨンの立ち際にバックに回り込み、バックマウントでしっかり捕獲すると、パウンドを当て続けてフィニッシュした。
マイクを持ったKARENは「しっかりKOできたんで、来年は絶対にベルトを取るんで、また応援お願いします」とアピールした。
BURSTの新鋭・平田彩音&川西茉夕も完勝
第4試合 女子アトム級 5分2R
○平田彩音(BURST)
×MIYU(DFC Team LEOS)
2R 3’09” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
平田は12月19日で19歳になる選手でプロ1戦1勝。1R、平田が右ミドルを当てつつ、タックルを仕掛けて倒して上になる、平田がバック、トップでコントロールを続け、随所でパウンドや肘も当てる。終盤には腕十字を狙い、失敗したが、最後は上からパウンド、肘を当て圧倒する。記者採点は平田。
2Rも平田が押し込んでから倒すと、金網際でマウントポジションになり、パウンドラッシュでフィニッシュした。藤井氏直伝のMMA技術が体に染みついており、今後アトム級上位での活躍が期待できる。
第3試合 2023年度新人王決定トーナメント 女子アトム級 決勝 5分2R(延長1R)
○川西茉夕(BURST)
×天天さくら(BATTLE)
1R 4’06” 腕ひしぎ十字固め
※川西が優勝
2023年度新人王決定トーナメントのうち女子アトム級は2選手のみの参加で、女子ではこの1階級のみ行われた。
1R、川西が中盤に首投げで天天を倒し、サイドで押さえると、腕十字を極めタップを奪った。
マイクを持った川西は「決勝ですけどエントリー2人でワンマッチで、新人王とは言い辛いんですけど、東京で今年最後に勝って追われて良かったです」と話した。
グラップリング戦は山田海南江&緒方亜香里が一本勝ち
第2試合 グラップリング 51kg契約 8分1R
×前澤 智(リバーサルジム東京スタンドアウト/元DEEP JEWELSアトム級王者)
○山田海南江(IGLOO/JBJJF全日本柔術選手権2023茶帯フェザー級優勝)
3’05” アームロック
グラップリング界で世界的に活躍する山田が、COLORSのグラップリングマッチに登場し、圧巻の強さを見せる。
山田が開始すぐからタックルから抱え上げて前澤を倒す。立たれても押し込んだりテイクダウンを狙い、下になっても腕十字のプレッシャーをかけ、主導権を握り続ける。最後はまたも倒すと、アキレス腱固め、三角絞め、腕十字を次々と狙い、最後は下から三角絞めを極めた状態でリバースしてマウントになると、アームロックを極めてタップを奪った。
マイクを持った山田は「ここに呼んでもらえて試合ができることがうれしく思います。一本が取れて良かったです。普段は世界を目指してやっているので、こんな選手もいるんだなと思っていただければと思います。これからも応援よろしくお願いします」とアピールした。
第1試合 グラップリング 85kg契約 8分1R
○緒方亜香里(AACC/2012ロンドン五輪柔道78kg級日本代表)
×奥谷晴加(藤田柔術)
0’45” アームロック
開始すぐに緒方が倒すと、サイドで押さえつつV1アームロックを極めタップを奪い完勝した。