RIZIN 7.27 さいたま(前半レポ):フライ級GPは神龍誠が山本アーセンを秒殺、ガジャマトフが征矢貴をKO。扇久保博正はトーレスに、伊藤裕樹はズールーに、元谷友貴はヒロヤに判定勝ち

GYM VILLAGE [→おすすめジム一覧]
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!

GYM VILLAGE [→おすすめジム一覧]
センチャイムエタイジム錦糸町
最強のムエタイで最高の“美Body”を目指す!初心者の方、女性の方、大歓迎。見学無料!
超RIZIN.4 真夏の喧嘩祭り
2025年7月27日(日)さいたまスーパーアリーナ
中継 ABEMA、U-NEXT、RIZIN 100 Club、RIZIN LIVE(当日6,900円/アーカイブ4,400円)、スカパー(6,900円)
レポート&写真:井原芳徳 (クレベル・コイケ×朝倉未来、井上直樹×福田龍彌ほか後半戦は別記事でお伝えします)
フライ級GPは神龍誠がアーセンを秒殺、ガジャマトフが征矢KO。扇久保博正はトーレスに、伊藤裕樹はズールーに、元谷友貴はヒロヤに判定勝ち
「RIZIN WORLD GP 2025 フライ級トーナメント」堀口恭司がUFC移籍に伴い返上したRIZINフライ級(57kg)王座を懸け、第2代王者を決める10選手によるトーナメント。7月27日のさいたまスーパーアリーナ大会で一回戦、9月28日 IGアリーナ(愛知国際アリーナ)大会で準決勝、大晦日のさいたま大会で決勝が行われ、新王者が決まる。優勝者には賞金2000万円、準優勝には賞金500万円が授与される。
当初、8選手参加で行われる予定で、6月14日の札幌大会の最中に、元谷友貴、扇久保博正、神龍誠、エンカジムーロ・ズールー、アリベク・ガジャマトフ、山本アーセン、伊藤裕樹、ヒロヤの出場が発表された。だが、ファンの間から、5月の東京ドーム大会でジョン・ドッドソンに判定勝ちした征矢貴[そや たかき]が選ばれなかったことに対する不満の声が多数噴出した。アーセン、伊藤、ヒロヤが選ばれたことへの不満も少なくなかった。
6月27日のRIZIN公式Youtubeの生放送に征矢が出演すると、RIZINの榊原信行CEOは「征矢には裏切られた」「勝ち負けでそのポジションが取れるのはアマチュアの世界だよ」と、勝ちに徹したとして征矢を批判し「ファンの人たちの胸を震わせることを加味して8人を選んだ。だから征矢は8人に入らなかった」と説明した。征矢が「どんなルールでもチャンスをください」「お客さんの心を震わせる試合をします」と答えると、番組中に榊原氏は、征矢および昨年大晦日に神龍に判定勝ちしたホセ・トーレスの追加エントリーを発表した。8人プラス2人の計10人参加の変則トーナメントとなるため、榊原氏は「一回戦を5試合やり、その中の4人が9月の本戦(=準決勝)に進んで、1人をリザーバーにする。4人はファンとかマスコミとかで投票して決める」と、異例の新システムを発表した。
そして7月1日、10選手参加(海外勢はリモート参加)の組み合わせ決定抽選会が行われ、以下の一回戦5試合が今回行われた。
第5試合 MMA RIZIN WORLD GP 2025 フライ級(57kg)トーナメント一回戦(5) 5分3R
○神龍 誠(神龍ワールドジム/元DEEP&CFFCフライ級王者)
×山本アーセン(KRAZY BEE/NAUGHTY HOUSE)
1R 2’55” フロントチョーク
神龍は25歳。23年大晦日のRIZIN初代フライ級王座決定戦で堀口恭司に2R裸絞めで一本負け。昨年3月にDEEPフライ級王座を返上。4月のRIZIN有明大会でイ・ジョンヒョンに1R肩固めで一本勝ち。7月の超RIZIN.3で扇久保博正に判定負け。11月のDEEPではKENTAに判定勝ち。大晦日大会では元UFCのホセ・トーレスと59kg契約で対戦し判定負け。5月のRIZIN男祭りでは伊藤裕樹を寝技で圧倒し判定勝ちしている。GP出場発表後のXで神龍は「これが世界トーナメント?エンタメが多くてがっかりです」と記し、トーレスと征矢の追加参戦が発表されると「少しは本物の世界トーナメントに近付きましたね」と投稿していた。
アーセンは28歳。山本美憂の長男としても知られる。20年8月大会で加藤ケンジに1R KO負けし、以降や怪我やメンタルの不調により約3年試合から遠ざかった。23年5月の復帰戦では伊藤裕樹に判定勝ち。9月の福田龍彌戦では福田のパンチで左まぶたを腫らしTKO負け。昨年3月の神戸大会では柴田“MONKEY”有哉に1R膝十字で一本負け。5月のRIZIN男祭りでは冨澤大智に2R裸絞めで一本勝ちしている。組み合わせ決定抽選会ではアーセンが神龍戦を選んだ。
試合はあっけない決着に。1R、両者サウスポーで構え、打撃戦の後、神龍がアーセンをコーナーに押し込む。すると神龍が前方から飛びついて両足をアーセンの胴に絡めて抱き着く。アーセンは自軍の青コーナーまで神龍を運んでから倒して上になる。ところが神龍が下からギロチンチョークを仕掛けると極まり、アーセンはタップアウトした。
神龍は「これぐらいの勝ち方だったら準決勝行けるっすかね。生意気で人から嫌われて実力の割に人気ないんで、今日から僕のファンになってくれたらうれしいです。人気投票、よろしくお願いいたします」とアピールした。
第4試合 MMA RIZIN WORLD GP 2025 フライ級(57kg)トーナメント一回戦(4) 5分3R
○アリベク・ガジャマトフ[Alibek Gadzhammatov](ダゲスタン/KHKダゲスタン)
×征矢 貴[そや たかき](THE BLACKBELT JAPAN)
3R 2’39” TKO (レフェリーストップ:左フック)
ガジャマトフは24歳。ハビブ・ヌルマゴメドフを筆頭に近年強豪を多数輩出しているダゲスタン・マハチカラ出身。中国発祥でキックボクシングに似たルールの散打(さんだ)を120試合以上経験し、21年にMMAデビューし5戦全勝(4KO/1一本)。ロシアのACAの育成大会で4勝後、昨年11月の名古屋大会でRIZINに初参戦し、北方大地に右フックからのパウンドで1R TKO勝ち。まだ試合数は少ないが、優勝の有力候補の一人といえよう。
征矢は30歳。12年にプロデビューし、13年に修斗バンタム級新人王とMVPを獲得。指定難病のクローン病等の療養でブランクを挟みつつもリングに上がり続け、22年4月のRIZIN TRIGGERで2年半ぶりに復帰し中務修良に2R TKO勝ち。同年11月に中村優作に判定1-2で敗れ、23年9月にラマザン・テミロフに1R左フックでTKO負けし2連敗を喫する。昨年7月の超RIZIN.3ではベアナックルボクシングルールでジョン・ドッドソンと対戦し、累計3度のダウンを奪われ判定負け。今年5月のRIZIN男祭りでMMAルールでドッドソンと対戦すると、接戦の末に判定勝ちした。当初フライ級GPの8人の枠に入らなかったが、ホセ・トーレスと共に追加参戦することになった。組み合わせ決定抽選会では最後に残った征矢が自動的にガジャマトフの相手に決まっていた。
1R、前回ドッドソン戦のこともあり、RIZINの榊原CEOからタックル封印を求められていた征矢だが、開始すぐからタックルを仕掛けると、場内はどよめく。征矢はタックルを繰り返すが、テイクダウンを奪えず。逆にガジャマトフがテイクダウンを奪い、終盤には左ストレートでダウンを奪い、パウンドで追い詰め、スタンドでもパンチを当て、優位に進める。
2R、征矢は前に出続けるが、ガジャマトフは横に回って距離を取り続け、左ジャブ、右ストレート等のパンチを随所で当てて主導権を維持する。征矢は鼻血を出しながらも、終盤に少し右のパンチのヒットが増えるが、手数差は埋まらない。ガジャマトフが優勢だ。
3R、ガジャマトフは左ジャブ、右フック等のパンチを当て続ける。じわじわと征矢にダメージを蓄積させると、中盤過ぎ、左フックをクリーンヒット。征矢が真後ろに倒れてダウンし、ガジャマトフが鉄槌を当てたところで、植松レフェリーがストップした。
マイクを持ったガジャマトフは「トレーナーや故郷の皆さんに感謝しています。GPに挑戦できたことを感謝します。すぐにでも次の試合がしたいです」とアピールした。
第3試合 MMA RIZIN WORLD GP 2025 フライ級(57kg)トーナメント一回戦(3) 5分3R
○伊藤裕樹(NEX/元THE OUTSIDER 50-55kg級王者)
×エンカジムーロ・ズールー[Nkazimulo Zulu](南アフリカ/CITパフォーマンス・インスティチュート/元EFCフライ級&バンタム級王者)
判定3-0 (石川=伊藤 [D 50-0/ A 30-0/ G 20-0]/豊永=伊藤 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0]/松宮=伊藤 [D 50-0/ A 30-0/ G 20-0])
伊藤は28歳。23年5月、山本アーセンに判定負けした後は、ヒロヤ、トップノイ・キウラム、上田将年に判定勝ち。昨年11月の名古屋大会ではイ・ジョンヒョンに3R TKO勝ち。3月の香川大会ではトニー・ララミーに判定勝ちし5連勝とした。だが5月のRIZIN男祭りでは神龍誠に判定負けした。
ズールーは36歳。UFCミドル級王者ドリカス・デュ・プレシと同門。極真空手やムエタイの経験を経て、13年にMMAプロデビューし、南アフリカのEFCで2階級を制覇。16年、南ア出身選手として初めてThe Ultimate Fighter(TUF)に出場したが、初戦で扇久保博正に2R一本負け。その後もEFCを主戦場とし、23年7月にEFCバンタム級王座を奪還し、昨年3月にフライ級王座を防衛。9月にRIZIN初参戦し、新井丈に1R TKO勝ち。大晦日大会では堀口恭司のフライ級王座に挑戦し判定負けするも、打撃でチャンスを作った。組み合わせ決定抽選会では伊藤からズールーを相手に選んだ。
1R、スタンドの打撃戦が続き、サウスポーの伊藤が序盤、前に詰めてパンチを当てる。ズールーはオーソドックス主体にしつつ、途中からサウスポーも織り交ぜ、右ミドルを随所でヒットする。終盤、伊藤はタックルを仕掛けるが、ズールーは切り、逆に最後、ズールーがタックルで倒して上になって終える。ここまで若干ズールーが優位か。
2R、ズールーはタックルで倒すが、伊藤はすぐ立ち、ズールーがコーナーに押し込み、膠着すると福田レフェリーはブレイクする。ズールーはその後もタックルを繰り返し、組み主体に切り替える。離れれば伊藤が左ストレートを当てる場面もあるが、その先につながらない。ズールーも右ミドルを当て、打撃では五分を維持する。ここまでジェネラルシップでズールーがやや上だ。
3R、スタンドで静かな展開が続くが、伊藤は右ジャブをきっかけに左ストレートも当てて下がらせ、ズールーのタックルを切って頭に膝を当て、ようやく好印象を作る。すると終盤、伊藤は左バックスピンキックを当てつつ、左右のパンチのヒットを増やして、ズールーを下がらせ、タックルも切り攻勢に。最後は伊藤がグラウンドでズールーを押さえて鉄槌を当て続け、追い詰めて終える。記者採点はダメージ0-0、アグレッシブネス30-0、ジェネラルシップ20-0の合計50-0で伊藤。ジャッジ3者も伊藤を支持し、伊藤が判定勝ちした。
マイクを持った伊藤は「時間無いと言われたんで、二言だけ。ボーナス欲しい。判定なんですけど勝てたんで、準決勝、(地元の)名古屋バチバチ盛り上げるんで、フライ級は俺に任せてください。もう一言、頂き目指しているんで応援お願いします」とアピールした。
第2試合 MMA RIZIN WORLD GP 2025 フライ級(57kg)トーナメント一回戦(2) 5分3R
×ホセ・トーレス[Jose Torres](米国/チーム・ショーティー/元BRAVE CFバンタム級王者、元Titan FCフライ級&バンタム級王者)
○扇久保博正(THE BLACKBELT JAPAN/RIZINバンタム級日本GP 2021優勝、元修斗フライ級&バンタム級世界王者)
判定0-3 (豊永=扇久保 [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20]/松宮=扇久保 [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20]/石川=扇久保 [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20])
トーレスは18戦13勝(4KO/2一本)4敗1分の32歳。4歳から伝統派の松濤館空手を習い、学生時代はレスリングで活躍し、16年にMMAデビュー。Titan FCのフライ級とバンタム級の王座を獲得。18年にUFCで2戦し、初戦ではジャレッド・ブルックスが水車落としを自爆してしまいトーレスが2R KO勝ちし、2戦目はアレックス・ペレスに1R KO負け。その後はBRAVE CFで7戦4勝2敗1分しバンタム級王者となるが、王座戦と同じ相手との再戦で敗れ王座陥落し、昨年5月の3度目の対戦でも判定負け。大晦日のRIZINデビュー戦では、神龍誠にローとパンチを効かせ、バックも取り、優位に進め判定勝ち。最近では5月30日のBRAVE CFスペイン大会のコーメインでDias Yerengaipov(カザフスタン)に判定負けしていたが、怪我もないことから、RIZINフライ級GPへの追加参戦が急きょ決まった。
扇久保は38歳。21年のRIZINバンタム級日本GPで春日井“寒天”たけし、大塚隆史、井上直樹、朝倉海を下して優勝。22年9月にキム・スーチョルに判定負けすると、大晦日大会では1階級下のフライ級に下げ、堀口恭司と対戦し判定負け。23年7月、バンタム級王者決定戦を朝倉海が負傷欠場し、扇久保は大会3週間前のオファーを受けフアン・アーチュレッタと対戦し判定負け。大晦日にはフライ級に戻り、ジョン・ドッドソンに判定勝ち。昨年7月の超RIZIN.3では神龍誠との接戦を制し判定勝ち。それから1年ぶりの試合となる。組み合わせ決定抽選会では扇久保からトーレスを相手に選んだ。
1R、扇久保は前に出るトーレスをかわしつつ、左ミドル、フックを当てる。扇久保はタックルを切られ続けるが、終盤の3度目のタックルの後は押し込んでから倒して上になる。扇久保はサイドで押さえ、バックマウントに回り、トーレスが立ってオンブになると離れるが、最後もコーナーに背後から押し込んで、いい形で終わる。
2R、扇久保はタックルからのテイクダウンを狙い続ける。扇久保が倒して上になる場面もあるが、トーレスもすぐ立ち、スタンドでは逆に払い腰を仕掛けたりし、完全に扇久保に主導権を握らせない。中盤にはトーレスが左フックを当てるように。終盤、コーナーで扇久保が押し込み続けた後、最後は打撃戦でお互いミドル、フックを当て、互角の状態が続く。ここまでジェネラルシップは扇久保だが、まだ大差はない。
3R、打撃戦主体で、扇久保が右フック、左インロー、トーレスが左ボディ、フックを当て、ほぼ互角の状態が続く。お互いテイクダウンを狙うがグラウンドにはならない。終盤、トーレスが右ストレートを当てて少し扇久保がフラつくが、扇久保はすぐ持ち直し、パンチを返し、反撃を封じて終える。記者採点はダメージ0-0、アグレッシブネス0-0、ジェネラルシップ0-20、合計0-20で扇久保。ジャッジ3者も同じ採点で扇久保を支持し、扇久保が判定勝ちした。マイクを持った扇久保は「マイク短めと言われたので、一言だけ。絶対優勝するんで、応援お願いします」とアピールした。
第1試合 MMA RIZIN WORLD GP 2025 フライ級(57kg)トーナメント一回戦(1) 5分3R
○元谷友貴(アメリカン・トップチーム/元DEEPバンタム級&フライ級王者)
×ヒロヤ(JAPAN TOP TEAM)
判定0-3 (石川=元谷 [D 50-0/ A 30-0/ G 20-0]/松宮=元谷 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0]/豊永=元谷 [D 0-0/ A 0-0/ G 20-0])
元谷は35歳。DEEPフライ級王者として15年末のRIZIN旗揚げ大会に参戦し、2戦目となる16年4月の試合ではフライ級相当の56.7kgリミットの前日計量をクリアできず、体調不良で試合を欠場し、DEEPのベルトを返上した過去がある。その後は上の体重・階級で戦うように。RIZINバンタム級の主力として活躍し、昨年は5月のDEEPで平松翔に2R裸絞めで一本勝ち。9月のRIZINで太田忍に3R裸絞めで一本勝ち。大晦日大会では秋元強真に判定勝ち。3月の香川大会で井上直樹のバンタム級王座に挑戦したが判定1-2で惜敗した。その後、元々減量も少なく、バンタム級でまたタイトルマッチに絡めるには2~3年かかるかと思い、フライ級で半年でチャンピオンになれるならチャンスを懸けてみてもいいと考え、フライ級GPに参戦した。組み合わせ抽選会では元谷からヒロヤを相手に選んだ。
ヒロヤは27歳。DEEPで試合を重ね、23年7月、RIZINに初参戦し、伊藤裕樹に判定負け。10月には中村優作に判定負けし2連敗を喫したが、大晦日大会では新井丈に2R TKO勝ち。昨年7月の超RIZIN.3では所英男に1R TKO負け。11月の名古屋大会では柴田“MONKEY”有哉に判定勝ち。5月のRIZIN男祭りでは篠塚辰樹に1R TKO勝ちしている。
試合は元谷がバンタム級時代と変わらぬ良い動きで、新鋭のヒロヤ相手に総合力の差をしっかり示す内容に。1R、ヒロヤが低い構えでプレッシャーをかけ、元谷が外を回る構図が続く。お互いあまり攻撃が出ないが、ヒロヤの左右のフック、左ボディストレートが時折元谷に軽めながらも当たると、朝倉未来応援シートの観客主体にどよめきが起こる。元谷はまだ消極的な印象だ。途中のバッティングで元谷は右まぶたを腫らす。
2R、元谷はようやく自分からパンチを積極的に振るい、左テンカオもヒットする。ヒロヤは打撃を嫌って押し込むが、元谷は倒れない。すると中盤、元谷がタックルを仕掛け、切られるとすぐさまバックに回り込み、バックマウントを奪う。元谷はバックとマウントを行き来し、もがくヒロヤに返させずポジションキープし、パウンドを当て続けて追い詰める。
3R、元谷がテンカオや前蹴りを絡めつつ、積極的にパンチを当てて主導権を維持する。ヒロヤは元谷のタックルを切るが、自分の攻撃が少ない。終盤、パンチの打ち合いでヒロヤも当て返し場内を沸かせるが、最後、元谷がタックルで倒し、マウントからパウンドを当てて印象付け終了する。記者採点はダメージ0-0、アグレッシブネス30-0、ジェネラルシップ20-0、合計50-0で元谷。ジャッジ3者も元谷を支持し、元谷が判定勝ちした。
マイクを持った元谷は「ヒロヤ選手、凄いいい選手でした。若くて気持ちがあって、これからだと思うんで、頑張ってほしいです。僕がヒロヤ君の気持ちも背負って絶対優勝します。応援お願いします」とアピールした。
フライ級GP一回戦で神龍誠、ガジャマトフ、扇久保博正、伊藤裕樹、元谷友貴が勝利したが、うち1人が9月28日 IGアリーナ大会に進めない。榊原CEOは「自分でこういうシステムを言っておきながら、これ1人外れるのは酷だな、どうしたもんかなっていう思いの中で、それでもファンの皆さん、有識者の人たちの声にきちっと耳を傾けてマッチアップしていけたら、どこが正しい回答なのか検討したいと思います」とコメントしている。
ヘビー級GP準決勝、上田幹雄はソルダトキンに2R TKO負け
「RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級トーナメント」は8選手参加で、5月の「RIZIN男祭り」東京ドーム大会と6月の札幌大会で一回戦が行われ、7月27日の超RIZIN.4で準決勝、9月28日 IGアリーナ(愛知国際アリーナ)大会で決勝を行う。優勝賞金2,000万円、準優勝賞金500万円。大晦日大会ではGP優勝者が、ベラトール・ヘビー級王者で元ライトヘビー級王者のライアン・ベイダーとRIZINヘビー級王者決定戦を行う。
第7試合 MMA RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級(120kg)トーナメント準決勝 5分3R
×上田幹雄(BRAVE/極真会館全世界空手道選手権2019優勝)
○アレクサンダー・ソルダトキン[Aleksandr Soldatkin](ドイツ・ロシア/スピットファイヤージム・ベルリン/クロアチアFNC推薦)
2R 3’05” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
上田は19年に極真会館の世界大会で日本人として16年ぶりに世界王者になる。22年4月のRIZINでのMMAデビュー戦では髙阪剛にKO負け。23年6月のRIZINでは関根“シュレック”秀樹を22秒左ハイでKO。同年大晦日のRIZINではスダリオ剛を2R左ハイからのパウンドで仕留めた。昨年6月、シェミスラブ・コバルチェクに1R腕十字で一本負けしたが、大晦日には韓国ROAD FC 2階級王者のキム・テインを2R顔面膝蹴りでKO。5月のヘビー級GP一回戦ではシビサイ頌真を1R左ローでKOした。
ソルダトキンはロシアの大会で11連勝後、UFCのトライアウトのDWCSでは反則となるグラウンド状態での膝蹴りを放ち失格となる。6月の札幌大会でのRIZINヘビー級GP一回戦ではプリンス・アウンアラー(フランス)に判定勝ちした。
1R、ソルダトキンは上田を繰り返しコーナーに押し込むが、上田は倒れない。離れるとサウスポーの上田は右ローと左ミドルを当てる。残り1分、ソルダトキンがテイクダウンを繰り返し、最後はマウントに持ち込むが、押さえるだけで終わる。途中、上田がロープをつかんだため、インターバル中に注意が入る。
2R、上田が内廻し蹴りを当て、場内をどよめかせる場面もあったが、ソルダトキンが中盤、テイクダウンを奪うと、サイドバックに回りつつ、両足で上田の左腕を挟む、腹固めで上田の動きを封じ、鉄槌を当ててダメージを与える。すると上田があおむけになり、ソルダトキンがサイドから鉄槌を当て続けたところで、レフェリーがストップした。
第6試合 MMA RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級(120kg)トーナメント準決勝 5分3R
×ジョゼ・アウグスト[Jose Augusto](ブラジル/ピットブル・ブラザーズ/米国LFA推薦)
○マレク・サモチュク[Marek Samociuk](ポーランド/ユニーク・ファイトクラブ/ポーランドKSW推薦)
判定0-3 (豊永=サモチェク [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20]/松宮=サモチェク [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20]/石川=サモチェク [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20])
アウグストは母国ブラジルの大会で試合を重ねた後、21年にベラトールに参戦した経験があり、23年11月から米国のLFAに上がり2連勝。5月のRIZINヘビー級GP一回戦ではスダリオ剛に判定勝ちした。
サモチュクは21年4月よりポーランドのKSWに参戦し、昨年1月から3連勝中で、KSWのタイトル戦線浮上が期待されている選手だ。5月のRIZINヘビー級GP一回戦では計量オーバーのダニエル・ジェームスに判定勝ちした。
1R、アウグストがサウスポー、サモチェクがオーソドックスで構え、お互いパンチやローを当てるが、攻撃が少なく強打もなく、まだ均衡状態だ。
2R、静かな打撃戦が続くが、終盤、サモチェクが右フックでアウグストをダウンさせ、その後も右フックを当てて印象を作る。
3R、終盤になってようやくパンチの打ち合いとなるが、大差はなく終わる。記者採点はダメージ0-0、アグレッシブネス0-0、ジェネラルシップ0-20、合計0-20でサモチェク。ジャッジ3者も同じ採点でサモチェクを支持し、2Rにダウンを奪ったサモチェクが判定勝ちした。
これで決勝はマレク・サモチュク×アレクサンダー・ソルダトキンのヨーロッパ勢対決となった。
喧嘩三番勝負は芦田崇宏、貴賢神、栗秋祥梧が勝利
「真夏の喧嘩祭り」のオープニングファイトでは「喧嘩三番勝負」と題し、負けの込んでいる選手や、まだMMAの経験の浅いストライカーを主体とした3試合が組まれた。
この3試合6選手のうち1名に、RIZINから南米のペルーでクリスマスに行われる喧嘩祭り「タカナクイ(Takanakuy)」に参加するための5泊7日の旅をプレゼントされることが発表されていた。だが大会後、RIZINの榊原CEOは大会総括で「誰も喧嘩せず、なんだよ?って感じです。該当者は無しです。行きたくないとか言ってる奴がいるらしいですけど、そもそも喧嘩してないしという感じで、キャリーオーバーにします」とコメントしている。
喧嘩三番勝負 第3試合 MMA 68kg契約 5分3R
○芦田崇宏(BRAVE/元DEEPフェザー級王者)
×直樹(FIGHTER’S FLOW/元RISEライト級(63kg)王者、元スック・ワンキントーン・スーパーライト級(63.5kg)王者)
判定3-0 (長瀬=芦田 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0]/植松=芦田 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0]/豊永=芦田 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0])
芦田は35歳。22年10月のRIZINで中田大貴に判定勝ちしたが、23年5月の摩嶋一整に1Rヴォンフルーチョークで一本負けすると、鈴木博昭に1R TKO負け、ロベルト・ロメロに1R裸絞めで一本負け、青井人に2R TKO負けし、今年3月のDEEPフェザー級GP 1回戦でも水野新太に1R TKO負けしMMA 5連敗中だ。(この間にシュートボクシングでも1敗している)
直樹は33歳。伝統派空手をベースとし、RISEで活躍し、白鳥大珠にも2度勝利し番狂わせを起こしたことから「RISEのジョーカー」との愛称で親しまれてきた。22年4月の山田洸誓戦から23年4月の中村寛とのRISE王座防衛戦まで4連敗を喫し、その後2年間試合をしていなかったが、ジムの先輩の上田貴央率いるFIGHTER’S FLOWでのMMAの練習に誘われ、続けるうちに試合出場の意欲が高まり、5月のDEEPでのMMA初戦ではシュートボクシング日本王者の奥山貴大を1R左ジャブでKOしている。
試合は勝ちに飢える芦田が手堅く寝技で差を示す展開に。1R、お互い蹴りとパンチを出した後、芦田がサウスポーからタックルを仕掛け、ロープに詰めてから抱えて倒して上になる。芦田はロープ際でハーフガード、トップポジションで押さえ続け、パウンドや膝を随所で当てる。直樹は腕十字を狙う場面もあるが、あっさりと対処される。
2R、芦田は開始すぐにタックルで倒し、ハーフで押さえ、体を起こしてパウンドを当て、主導権を維持する。中盤過ぎから芦田はバックマウント、マウントを奪い、パウンドを連打して追い詰め、差をはっきり示す。
3R、芦田は低空タックルであっさりと倒すと、またもハーフ、トップで押さえ、随所でパウンドと肘を当てて主導権を維持して終了する。記者採点はダメージ0-0、アグレッシブネス30-0、ジェネラルシップ20-0の合計50-0で芦田。ジャッジ3者も芦田を支持し、芦田が判定勝ちした。
喧嘩三番勝負 第2試合 MMA ヘビー級(120kg) 5分3R
○貴賢神[たかけんしん](フリー)
×稲田 将[まさし](KING CONNECTION)
2R 2’28” TKO (レフェリーストップ:グラウンド肘打ち)
貴賢神は28歳。MMA 5戦1勝(1KO)4敗。元力士で22年4月のRIZINでMMAデビュー後、関根“シュレック”秀樹、カルリ・ギブレイン、荒東“怪獣キラー”英貴に3連敗。3月の神戸大会ではプロ2戦目のコーディー・ジェラベックに1R TKO勝ちしたが、大晦日大会ではエドポロキングに1R KO負けした。
稲田は愛知出身の36歳。柔道で高校時代、実業団時代に全国ベスト8に入ったことがある。柔道時代のライバルであるANIMAL☆KOJIに誘われMMAに転向し22年にプロデビューし7戦5勝(2KO/3一本)2敗。昨年11月のRIZIN名古屋大会のオープニングファイトで佐々木克義に1Rアームロックで一本勝ち。6月29日のDEEP大阪大会ではステファン“スマッシュ”に1R腕十字で一本勝ちしている。
1R、稲田が脇を差して倒し、ハーフガードで押さえ続ける。稲田はアームロックを狙いながらパスガードし、腕十字を狙うが、下になって外れると、貴賢神が上からパウンド、踏みつけで反撃する。貴賢神がトップキープし、パウンドを当てて終える。
2R、貴賢神が左フックを当て、テイクダウンを奪い、ハーフガードで押さえて右のパウンド、肘を随所で連打する。すると次第に稲田のダメージが溜まり、貴賢神が右肘を当て続けたところでレフェリーがストップした。
喧嘩三番勝負 第1試合 MMA 62kg契約 5分3R
×大雅(TRY HARD GYM/リバーサルジム横浜グランドスラム/RISEスーパーフェザー級(60kg)王者、元K-1同級王者、元Krushスーパー・バンタム級(55kg)王者)
○栗秋祥梧(KNOCK OUT クロスポイント吉祥寺/元KNOCK OUT-BLACKフェザー級(57.5kg)王者、元大和ムエタイ・フェザー級王者)
判定0-3 (植松=栗秋 [D 0-50/ A 0-30/ G 20-0]/豊永=栗秋 [D 0-0/ A 0-30/ G 20-0]/長瀬=栗秋 [D 0-0/ A 0-30/ G 0-20])
大雅は28歳。K-1、RISE、RIZINのキックルールの試合で長年活躍し、昨年1月にチャンヒョンに判定勝ちしRISEスーパーフェザー級王座を獲得。6月のRISE大阪大会でもダニエル・プエルタスに判定勝ちした。9月からMMAの練習を始め、大晦日のRIZINで梅野源治とMMAデビュー対決が組まれたが、既に1年以上MMAの準備をしていた梅野に寝技で攻め込まれ判定負けしている。
栗秋は30歳。KNOCK OUTで活躍し、キック戦績70戦46勝(24KO)21敗3分で、RIZINにもキックルールで参戦経験がある。昨年から倒れた相手に対してのパウンドやサッカーボールキックも認めるUNLIMITED(アンリミテッド)ルールで3試合し1勝2敗。昨年6月、中村優作を1R左ストレートでKO。12月、元UFCのカルロス・モタに判定負け。今年6月、倉本一真に判定負け。このルール対策で山本アーセンらMMAの選手と練習し続け、今回MMAデビューする。
1R、栗秋がパンチを振り回して前に出ると、大雅は胴タックルを合わせて倒して上になって押さえる。大雅は一旦立つが、すぐまた倒して上になる。大雅は攻めあぐね、栗秋も返せず、膠着ブレイクがかかると、またも大雅はタックルで倒して上になる。だがすぐ立つと、大雅はサウスポーからの左フックを立て続けに当て、打撃でも差を示す。
2R、大雅がタックルで倒すが、お互い上下が度々入れ替わるようになり、上になった栗秋がポジションキープにこだわらずパウンドと膝を当てれば、大雅も下から腕十字を狙うように。終盤、栗秋が上になればすぐパウンドで攻め、最後はバックを取り、優位な形で終える。栗秋はUNLIMITEDルールでの、倒したらすぐ攻める戦い方がMMAでも活きている。インターバル後、大雅は右まぶたからカットしており、ドクターチェックが入るが再開する。
3R、栗秋は大雅のタックルを切って度々上になり、パウンド、膝、立った状態からのサッカーボールキックや踏みつけで追い詰める。大雅はマウント、栗秋はバックマウントを奪い、一進一退の展開が続くが、お互い詰めが甘く、最後は大雅が上になって終わる。記者採点はダメージ0-0、アグレッシブネス0-30、ジェネラルシップ20-0の合計20-30で栗秋。ジャッジ3者も栗秋を支持し、栗秋が判定勝ちした。
























