DEEP 3.15 後楽園ホール(レポ):フェザー級GP開幕。最年長44歳・中村大介、五明宏人と好勝負で魅せるも判定負け。水野新太、芦田崇宏を1Rで下す。海飛、シュートボクサー奥山貴大との打撃戦制す。高橋遼伍も5月5日の準決勝進出
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宗明建設Presents DEEP 124 IMPACT ~ フェザー級GP2025一回戦 ~
2025年3月15日(土)東京・後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
フェザー級GP開幕。最年長44歳・中村大介、五明宏人と好勝負で魅せるも判定負け
第10試合 メインイベント DEEPフェザー級GP2025一回戦4(5ジャッジ制) 5分3R
×中村大介(夕月堂本舗/元DEEPライト級王者)
○五明宏人(JAPAN TOP TEAM/DEEPフューチャーキングトーナメント2021ライト級優勝)
判定0-5 (橋本28-28○/柴田28-29/植松28-29/石川27-30/内田28-29)
8選手参加のDEEPフェザー級GP2025が開幕した。今大会では一回戦4試合が行われ、準決勝は5月5日の後楽園大会、決勝は7月か8月を予定している。優勝者には賞金300万円と記念のベルトが授与される。準決勝の組み合わせは未定だ。
44歳のベテラン・中村は、大晦日の雷神番外地で赤田プレイボイ功輝との接戦を制した五明との初戦に臨んだ。中村は組み合わせ決定抽選会で第4試合のメインイベントを自ら選んだが、期待に応える変幻自在なファイトで観客を沸かせる。
1R、五明がサウスポーからの左三日月蹴り、ハイを当てて金網際に詰めると、左ストレートを当て中村をダウンさせる。中村はすぐ立つと、金網際で五明の腕をつかんでアームロックを仕掛ける。五明は突き放すと、パンチを連打して追い詰める。だが中村はブロックして耐えてから、カウンターの右フックを当ててダウンを奪い返す。
五明はすぐにタックルを仕掛け、追撃を封じるが、中村はまたもアームロックを仕掛け、五明が動いても執拗に捕まえ続ける。中村は右まぶたから出血しており、顔が血で染まる。終盤、五明が脱出しスタンドに戻すと、中村はノーガードで前に出続け、観客をどよめかせる。五明は落ち着いて左ハイ、ストレートを当て、打撃での主導権を維持する。記者採点は僅差だが五明。ジャッジが割れても不思議ではない。
2R、五明が左ミドル、ストレートをヒット。中盤、組みの展開から、中村がまたもアームロックを狙う。終盤も中村がノーガードで前に出続けるが、正味の攻撃は乏しい。お互いひるむ場面はなく、僅差の展開に。記者採点は中村としたが、このラウンドも割れても不思議ではない。
3R、中村は引き続きノーガードを貫く。中盤過ぎ、中村はタックルから引き込んでグラウンドに持ち込むと、ハーフガードから肩固めを狙い、終盤に入るとバックマウントを奪い、今度は裸絞めを狙う。場内は多くの観客が残っており、五明の応援団以外からは、中村コールが起こり、観客のハートをつかんでいる。
だが残り30秒を切り、五明は体をひねって返して上になり、立って踏みつけを当て、パウンドで追い詰め、最後はきっちり逆転して終える。記者採点は五明。合計28-29で五明。ジャッジはバラついたものの、5者とも五明を支持し、五明が判定勝ちした。
中村はこれで6連敗となったものの、五明と最後までわからない展開に持ち込み、大きなインパクトを残した。大会後の総括でDEEPの佐伯繁代表も「大介がお客さんのハートをつかんだのが凄かった。今日のMVPは大介」と称えた。
◆中村大介
何も覚えてないですね。何もらったかもわからないです。でも最近、基本の打ち込み練習をして、自動的に体が動くような練習をしていて、セコンドに聞いたら動けてたって言ってたんで、練習の成果が出てるのかなと思います。なんか盛り上がってんのは記憶にあります。記憶ない時点で負けてるんですけどね(苦笑)。
五明選手、凄い華のあるいい選手だなと思ってて、同じ階級なんでいつかやるかなと思ってたんですけど、この後楽園ホールのメインでやらせてもらって本当に楽しかったですね。幸せ者ですね。44歳、とっくに引退してもいい歳なんですけど、やっててよかったというか。まだやりたいですね。60歳までやりたいです。このレベルで20代と張り合いたいです。健康第一でやれるまでやりたいですね。
達人みたいになりたいです。負けてるんでまだ下積みですけど。やっとパンチの打ち方がわかってきた感じで、立ち技とか組み技とか丁寧に練習しているので、わかってきたのが半年くらいなので、全然余裕で辞めないです。今は格闘技が超楽しいです。
本当にこのトーナメント優勝する気満々だったんですけど負けちゃって。40代、50代の戦い方がちょっとわかってきたところもあるので、そういう気持ちがある間はやりたいので、本当にチャンピオン目指します。DEEPのフェザー級チャンピオンになりたいです。DEEP大好きです。
◆五明
辛い場面も多かったんですけど、なんとか接戦をものにすることができて良かったです。中村選手が盛り上げてくれた印象がとても大きいので、中村選手がメインを選んでくれて戦うことができて、感謝の気持ちでいっぱいです。
(1Rのダウンについて)中村選手がタフって聞いてたから、「効いても深追いするな。連打をするな」っていう作戦だったんですけど、どうしても気負って行っちゃったところをカウンターもらって僕がダウンした感じですね。フラッシュダウンですけど、一瞬膝が落ちたのでそこは気をつけたいなと思います。
(中村のアームロックについて)アームロックも腕十字も飛びつきもヘッドロックも全て対策はしてたんですけど、逃げるというよりはキャッチが強かったんで耐えるしかできなかったんでね。我慢比べって展開になったんで、しんどい試合でした。
(勝敗を分かれ目は?)僕の正直な考えとしては一番最後ですね。1R目ダウン取って取られてみたいな感じで、どっちが取ってもおかしくないし、2R目は押されてたのかなと思いつつも、3R目バック取られてあのままあきらめてたら、相手に勝利が行ったんじゃないかなと。なんとか上を取って攻めきることができたので、あそこが勝敗の分かれ目になったと思います。
(準決勝で戦いたい相手は?)本来ならベテランのチャンプの芦田選手と戦ってみたいというイメージでした。新しい水野選手、借りを返したい海飛選手、ベテランの髙橋選手、誰と戦っても面白いと思うので、抽選次第で楽しみたいと思います。中村選手に勝ったので、次負けてたら中村選手に申し訳ないので、僕はこのまま勝ち上がってGP優勝をします。
水野新太、芦田崇宏を1Rで下す
第9試合 DEEPフェザー級GP2025一回戦3(5ジャッジ制) 5分3R
×芦田崇宏(BRAVE/元DEEPフェザー級王者)
○水野新太[あらた](フリー)
1R 4’21” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
芦田は17年にDEEPフェザー級王座を獲得した実績もあるベテラン。水野は石塚一、太田将吾を勝利し5連勝の新鋭。
1R、両者サウスポーで構え、お互い左ローを当てるが、中央側で構える水野のローの強度がやや上で、水野若干優位で進む。すると中盤過ぎ、水野の左の飛び膝蹴りが炸裂し、芦田は後退する。水野はそのまま押し倒し、金網際で押さえてパウンドを当て続ける。残り1分を切り、芦田は下からタックルを仕掛けて反撃に持ち込もうとする。だが水野が両足で芦田の片腕を絡める、腹固めの状態で芦田を動けなくしたまま、芦田の顔面に鉄槌を当て続けたところで、豊永レフェリーがストップした。だが芦田はまだ体が動いており、ダメージが無かった様子で、すぐに起き上がると、豊永レフェリーの胸を両手で押して抗議をしてしまい、終了後にイエローカードをもらっている。
◆水野新太
作戦通りに遂行できて、過去一冷静で、打撃見れたし、楽しめたし、ちゃんと自分がやってきたことが出せた。それがうれしいです。
(芦田と戦って)ベテランの選手の何があるかわからないという恐怖はあったんですけど、それに飲まれないように自分のやりたいことを押し付けるようになったので、そこはできてよかったです。効いてると思ったんで、無理矢理にいけたなって思います。
(6戦負けなしで怖さはない?)プレッシャーはあるんですけど、それって試合においては全員感じるものだと思うので、そこは誇りに感じます。準決勝の選手は全員僕よりも実績もあるので、そこはチャレンジャーの気持ちでやっていこうと思います。
(準決勝で戦いたい相手は?)本当に全員とやりたいですよ。全員リスペクトしていて強いと思ってるんで、純粋に全員と戦って、自分がどうなるのかと思うところなので、誰とやりたいというのはないです。
(優勝に向けての思い)思いっきりこの流れでいけると思うので、負ける怖さもあるんですけど、そこはビビらずに自分のやりたいことを、しっかりケージの中で他の選手にぶつけていこうと思います。
海飛、シュートボクサー奥山貴大との打撃戦制す
第8試合 DEEPフェザー級GP2025一回戦2(5ジャッジ制) 5分3R
×奥山貴大(NEX SPORTS/シュートボクシング日本ウェルター級(67.5kg)王者)
○海飛(和術慧舟會HEARTS/DEEPフューチャーキングトーナメント2020フェザー級優勝)
判定0-5 (石川28-29/豊永28-29/柴田27-30/橋本27-30/植松28-29)
奥山は昨年12月のSB TDCホール大会での白川ダーク陸斗とのMMAデビュー戦で1R腕十字で一本勝ちし、2戦目でDEEPフェザー級GPにエントリーした。海飛は極真空手をベースとし、五明宏人、西谷大成にも勝っている新鋭だ。
1R、海飛がサウスポーでプレッシャーをかけ、左ストレートを放った直後、奥山はカウンターで右ストレートを当て、場内をどよめかせる。その後も海飛が前に出るが、距離を取り、左ミドル、三日月蹴り、右の関節蹴りを随所で当てる。奥山は攻めにくそうだが、終了間際のパンチの打ち合いで右と左フックを連続で当てて、海飛は一瞬膝をつき、直後に終了する。記者採点は僅差だが奥山。ジャッジの評価は割れた模様だ。
2R、奥山もパンチを当てる場面があるものの、海飛はプレッシャーをかけ続ける構図は変わらず、左ミドル、ハイ、右関節蹴りを当て続け、主導権を維持する。記者採点は僅差だが海飛。
3R、海飛は変わらずプレッシャーをかけ、左ミドルを当て、左フック、ストレート、右ジャブ等のパンチも増やす。終盤、海飛の指が奥山の左目に入り一時中断する。再開後も海飛が右ジャブ、左ハイ等を当て、主導権を維持して終える。記者採点は海飛。合計28-29で海飛。ジャッジ5者も海飛を支持し、海飛が判定勝ちした。
◆海飛
1R目の終わりの方にちょっとデカいのを2つもらってフラッシュダウンしてしまって、もったいないなかったですけど、そこから展開を変えていったのが良かったと思います。さすがシュートボクシングのチャンピオンでしたね。奥山選手、2R目の後半とか3R目とかパンチ返してきたから、あれはさすがだなと。でも楽しかったですね。
(ヒリヒリした展開を経て勝てた要因は?)僕はスピードが速いと思うんですよ。相手について来させず、もらわないように上手くできるのが良かったと思います。
本当はもうちょい組みを見せたかったんですよ。結構練習してるんでだいぶ自信があるんですよ。だけど楽しくなっちゃって、打ち合っちゃうからですよね。そこをもうちょいお客さんとかに僕の進化した姿をもっと見せられたらよかったなとは思っています。
(楽しみすぎるのは良くない?)でも悪いことじゃないと思うので。正直、みんな怖いと思うんですけど、それでも楽しめるって僕の武器だと思うんですよ。
(弟の天弥選手も4月27日のパンクラスでライト級王座挑戦を控えています)兄弟めちゃくちゃ仲良いんで、今横に(天弥も)いて、どう思ってるか分からないですけど(苦笑)、いつもバカにしてくるんですけど、僕も天弥が勝ったらうれしいので、勝ちをつなげられていることがすごいうれしいです。
(準決勝に向けて)他のインタビューとかで言ってるんですけど、髙橋選手とやりたいです。陰の実力者というか。ONEでも凄い成績を残してて、格闘技ファンからの支持も厚いので、そこを乗り越えたいなと。トーナメントはそこがいいですよ。強くなりながら挑める、高橋選手とやりたいです。
第7試合 DEEPフェザー級GP2025一回戦1(5ジャッジ制) 5分3R
○高橋遼伍(KRAZY BEE/元修斗環太平洋フェザー級王者)
×相本宗輝(ROOM)
不戦勝
相本が減量中の体調不良で緊急搬送され欠場。高橋は計量を66.00kgでクリアしたため準決勝進出となった。
ケージに登場した高橋は「減量の苦しさはわかっているんで、お大事に。今日も来る前に練習してきたんで、5月に向けてしっかり頑張ります」と話した。
今日の結果により、5月5日の後楽園大会の準決勝には、高橋、海飛、水野、五明が勝ち進んだ。準決勝の組み合わせは未定で、一回戦同様に抽選会を行って決める。3月23日のニューピアホール大会、4月6日の大阪大会でリザーブマッチが1試合ずつ行われるため、抽選会は4月の第2週に行う予定だと佐伯代表は話している。インタビューで海飛は「陰の実力者と思っている高橋遼伍選手とやりたい」、水野は「全員リスペクトしているんで、全員とやりたい」、五明は「元王者の芦田選手と戦いたかったですけど、誰と戦っても面白い」とコメントしている。
なお、佐伯代表は「5月5日はずっとMMAを練習していたキックの元チャンピオンがMMAに挑戦します。(GPで初戦敗退したシュートボクシングの)奥山(貴大)君とやらせても面白いね」とも明かした。GPの勝者だけでなく、敗れた中村・奥山らを含め、DEEPフェザー級戦線はますます盛り上がりそうだ。
平松翔、瀧澤謙太に1R TKO勝ち
第6試合 バンタム級 5分3R
×瀧澤謙太(Fired Up Gym)
○平松 翔(THE BLACKBELT JAPAN)
1R 4’56” TKO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)
瀧澤は30歳。昨年2月の佐賀大会では野瀬翔平に2R TKO負けし、RIZIN 4連敗となる。昨年7月のDEEPでCOROに判定勝ち。9月に福田龍彌のDEEPバンタム級王者決定戦では1R右フックでKO負けした。
平松も30歳。昨年3月、魚井フルスイングに2Rギロチンで一本勝ち。5月には元DEEPバンタム級王者・石司晃一との試合を予定していたが、元谷友貴と戦う予定だった福田龍彌の負傷欠場により、急きょ平松が元谷と戦うことになると、2R裸絞めで一本負けに終わったものの、1R終盤に左フックでダウンを奪って追い詰める等健闘した。11月のRIZINではTATSUMIに2R TKO勝ちしている。
1R、スタンドの打撃戦が続く。平松が前に出続け、左ミドルを当て、お互いヒットは少ないながらもやや積極的に攻める。瀧澤の右カーフキックも平松はしっかりカットしている。終盤、瀧澤も左ミドル等を返し、少し巻き返す。差の乏しいまま時間が過ぎると、残り30秒を切り、平松はセコンドの指示に従い、プレッシャーを強める。すると瀧澤が下がりつつ右ストレートを平松のアゴに当てるが、平松はアゴを引いて防御しており、逆にガードが甘くなった瀧澤のアゴに、平松が右ストレートをクリーンヒットする。ダウンした瀧澤に、平本が金網際で背後からパウンドを連打したところで植松レフェリーがストップした。
第5試合 フライ級 5分3R
×本田良介(タイガームエタイ)
○KENTA(K-Clann)
判定0-3 (植松28-29/石川28-29/橋本28-29)
本田は33歳。22年8月からのDEEPフライ級GPで越智晴雄、松場貴志、伊藤裕樹に判定勝ちし、決勝で福田龍彌に判定負け。23年6月にタイのプーケットのタイガームエタイに加入し、以降はタイでのONE Friday Fightsで4試合し2勝2敗。昨年12月に1年半ぶりにDEEPに戻ってきたが、グラウンド状態の関原翔の顔面に膝蹴りを当てる反則を犯し反則負けとなっていた。
KENTAは34歳。柔道で全日本選手権ベスト16の実績があり、22年3月にMMAプロデビュー。松岡疾人、杉山廣平、安谷屋智弘ら相手に6連勝し、昨年5月、村元友太郎に判定2-1で惜敗したが、9月には渡部修斗に1Rニンジャチョークで一本勝ち。11月には神龍誠の相手に抜てきされ判定負けしたが、2Rには追い詰める場面を作り印象を残した。
1R、KENTAはサウスポー主体の本田に対し、終始プレッシャーをかけ続け、随所で右ストレートやボディを当てて好印象を作る。本田は回り続ける時間が続き、右のバックハンドブローの奇襲を時折仕掛けるが不発に終わる。記者採点はKENTA。
2Rも同様の構図に。本田のパンチも少し当たり出すが、消極的な印象は変わらない。KENTAのヒットも減るが、前に出続け、随所で右ストレートを当てて印象を作る。記者採点はKENTA。福田レフェリーはインターバル中、両選手に消極的だとして警告を出す。
3R、お互いパンチを振るう場面がこれまでよりは増えるものの、なかなか強打につながらない。KENTAがや積極的なのは変わらず、最後、タックルで倒すが、すぐ本田が立ち、差が乏しいまま終わる。記者採点はKENTA。合計27-30でKENTA。ジャッジ3者とも28-29でKENTAを支持し、KENTAが判定勝ちした。
北岡悟は判定負けし3連敗
第4試合 ライト級 5分3R
×北岡 悟(パンクラスイズム横浜/元DEEP&戦極ライト級王者)
○山本颯志[そうし](JAPAN TOP TEAM)
判定0-3 (福田28-29/橋本28-29/石川28-29)
北岡は45歳。23年7月のNARIAGARIでのDEEP公式戦で大木良太に判定勝ちし3連勝としていたが、同年11月に泉武志に判定1-2で惜敗。昨年5月には倉本大悟と対戦したが、1R右テンカオからのパウンドでTKO負けした。今回も倉本と同じJTTの選手を相手に約10カ月ぶりにMMAの試合に臨む。
山本は27歳。柔道をベースとし、22年3月のDEEPフューチャーキングトーナメント・ミドル級で優勝し、5月にプロデビュー後は5連勝。最近では11月に後藤亮に判定勝ちし、今回初めて3Rマッチに進出した。
1R、金網際での組みの展開から、北岡はタックルを仕掛けつつ、足関節技を仕掛け、立たれ際にはギロチンを仕掛けて次々と攻めるが、山本は防御する。終盤、北岡はハーフで押さえて終える。記者採点は北岡。
2R、両者サウスポーで構え、山本が左ストレートを当てる。北岡はタックルを仕掛け続け、中盤過ぎにはテイクダウンに成功する。北岡は長時間トップキープし、時折パウンドを当てる。最後、山本が返して上になるが、少しパウンドを当てるだけで終わる。記者採点は打撃で印象を作った山本としたが、北岡についても不思議ではない。ジャッジ3者とも山本につけたようだ。
3R、グラウンドでスクランブルの状態が繰り返され、お互いなかなか寝かせる形にはならないが、中盤、北岡がタックルに失敗して金網際で倒れると、山本が踏みつけを当てて好印象を作る。最後は山本が上で押さえてパウンドを当て続け、追い詰めて終える。記者採点は山本。合計28-29で山本。ジャッジ3者とも山本を支持し、山本が判定勝ちし、連勝を6に伸ばした。北岡は3連敗となった。
第3試合 バンタム級 5分2R
×日比野“エビ中”純也 (フリー) ※ISHITSUNA MMAから所属変更
○雅 駿介(CAVE/元ムエタイオープン・スックワンキントーン・WMC日本ライト級(61.23kg)王者)
1R 0’52” TKO (レフェリーストップ:右膝蹴り→グラウンドパンチ)
日比野は昨年8月の台場での雨天の中での屋外大会では、体が滑って思うように動けない中、窪田泰斗に2Rツイスターで一本負け。11月のRIZIN名古屋大会で窪田との再戦が組まれたが、2R TKO負けしている。
雅はムエタイで国内3本の王座を獲得後、21年にMMAに転向。23年は内山拓真、平松翔、窪田泰斗相手に判定勝ちしたが、昨年3月、福田龍彌に1R TKO負け。9月の谷岡祐樹戦では偶発的なバッティングにより雅の左まぶたがふさがりノーコンテストとなっていた。
1R、雅がミドル気味の左テンカオ、日比野が右フックを当てる打撃戦の後、雅がタックルを仕掛け、組みの展開に。雅は日比野を背後から金網に押し付けつつ、頭を押さえて下げさせると、右膝蹴りを顔面にクリーンヒット。防御できずもらった日比野はこれ一発でダウンし、レフェリーがすぐさまストップした。
第2試合 バンタム級 5分2R
○山本有人[ありひと](リバーサルジム東京スタンドアウト)
×朝比奈龍希(JAPAN TOP TEAM)
1R 1″26” TKO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)
1R、朝比奈が山本を押し込み、離れた後、左右のパンチを振り回すが、ガードが甘くなり、山本がかわして右ストレートをヒット。ダウンした朝比奈に、山本がパウンドを連打したところで、福田レフェリーがストップした。
第1試合 フライ級 5分2R
―木村琉音(K-Clann)
―松井優磨(KATANA GYM)
2R 2’29” ノーコンテスト
※木村が計量1.95kgオーバーし減点3から試合開始。松井が勝った場合のみ公式記録とする。
計量オーバーの木村は松井より一回り体が大きい印象。まだ20歳と若く、体が大きくなっている最中と考えられ、フライ級で戦うのは限界に見える。
1R、木村が右カーフを当てつつ、左テンカオを効かせ、パンチラッシュで松井を追い詰める。松井はタックルから押し込んで難を逃れる。
2R、打撃を嫌った様子の松井は組み付いて下になる。木村は上からパウンドと肘を当てる。木村はスタンドに戻すと、パンチと蹴りを当て続けて松井を追い詰め、最後は右ストレートを当てて下がらせたところで植松レフェリーがストップ。通常なら木村の勝ちだが、計量オーバーしたため、規定によりノーコンテストとなった。
オープニングファイト フェザー級 5分2R
○滝田J太郎(KINGCRAFT)
×八須拳太郎(FIGHTER’S FLOW)
判定3-0 (橋本20-18/石川20-18/豊永20-17)
滝田は2000年にプロデビューした52歳のベテラン。後楽園での試合は20年ぶりだ。DEEPには昨年9月に初参戦し宮本誠一に一本勝ちし、今回2戦目となる。対する八須はMMA 2戦2敗の34歳。
滝田は、とんねるず「ガラガラヘビがやってくる」を入場テーマに、南北の客席の隅まで歩き回ってからケージイン。1R、序盤から滝田がタックルで倒し、グラウンドでコントロールを続け、最後は腕十字を極め、フィニッシュ寸前まで追い詰める。
2Rも滝田がグラウンドで攻め続け主導権を維持する。終盤こそバテて八須のパウンドをもらいかけるも時間切れ。滝田が2Rともポイントを取り判定勝ちした。