DEEP 5.26 ニューピアホール(レポ):越智晴雄、川原波輝に1Rギロチンで一本勝ちしストロー級王座統一「RIZNストロー級を作る」。石司晃一、原口央のテイクダウンに手を焼くもスプリット判定勝ち
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SOUMEI Presents DEEP TOKYO IMPACT 2024 3rd ROUND
2024年5月26日(日)東京・ニューピアホール
レポート&写真:井原芳徳
越智晴雄、川原波輝に1Rギロチンで一本勝ちしストロー級王座統一「RIZNストロー級を作る」
第12試合 DEEPストロー級王座統一戦(5ジャッジ制) 5分3R
×川原波輝(チーム・アルファメール/王者、A1コンバット同級王者)※初防衛戦
○越智晴雄(Little Giant Gym/暫定王者・元王者)※パラエストラ愛媛から所属変更
1R 1’59” フロントチョーク
※越智が王者に
川原と越智は過去2度対戦し1勝1敗で、19年3月に越智が川原に判定勝ちし、DEEPストロー級王座を防衛したが、20年8月の再戦では、川原が2R裸絞めで一本勝ちし王座を奪った。
それから川原は3年半、防衛戦を行っていない。21年1月のONEでリト・アディワンに2R KO負けし、22年4月のONEでダニエル・ウィリアムスに判定負けし、今年3月末にはユライア・フェイバー(所属先のチーム・アルファメールの代表)がカリフォルニアで主催する「A1コンバット」に出場し、VTJやONEに参戦経験のあるアンソニー・ドゥーに判定勝ちし、同大会のストロー級の王者となった。現在34歳。
越智は川原に敗れた後、フライ級に上げ、22年はDEEPフライ級GPに出場したが、準優勝者となる本田良介に一回戦で判定負けした。その後は22年12月に55kg契約で中村真人に1Rギロチンで一本勝ちし、昨年5月に56kg契約でキム・ウジェに3Rギロチンで一本勝ちし、12月の暫定王者決定戦では佑勢乃花[ゆせのはな]に1RスラムでKO勝ちしている。現在40歳。
試合は一瞬での決着に。1R、川原が右のカーフキックを連打し、越智も右フックを返し、打撃戦からスタートする。とはいえお互いヒットが少なく、静かな立ち上がり。だが中盤に入り、川原が左ボディを放って近づくと、越智が飛びついて川原の首を抱えてギロチンチョークを仕掛け、そのままグラウンドに引き込む。これがガッチリと極まると、川原がタップし、越智が一本勝ちした。
マイクを持った越智は「第4代DEEPストロー級王者の越智晴雄です。川原選手、ありがとうございました。3回目ですので戦友の気持ちです。川原選手は海外で頑張ってストロー級を作ろうとしているので、僕は日本で頑張ってRIZNでストロー級を作りたいです」と話し、地元愛媛から来た応援団に感謝の言葉を述べ、最後は「まだまだ続けていきます」と宣言した。インタビューでギロチンについて「得意技なんで自然と出ました」と話していた。
石司晃一、原口央のテイクダウンに手を焼くもスプリット判定勝ち
第11試合 63kg契約 5分3R
○石司晃一(フリー/元DEEPバンタム級王者)
×原口 央[あきら](BRAVE/元GLADIATORフェザー級王者)
判定2-1 (石川30-27/橋本28-29/柴田30-27)
石司は23年11月にCOROに判定勝ちしDEEPバンタム級暫定王座を獲得。昨年4月のRIZINでは金太郎に判定勝ち。8月にはビクター・ヘンリーが王座を返上し、石司が正規王者に認定されたが、9月のユ・スヨンとのDEEP & BLACK COMBATバンタム級ダブルタイトルマッチで1R終盤にTKO負けし、王座から陥落した。
当初、石司は平松翔との試合が発表されていた。だが5月3日の後楽園ホール大会のメインイベント、バンタム級王者決定戦・元谷友貴×福田龍彌が福田の負傷欠場で中止となり、平松は同大会の元谷の相手を急きょ務めることになった。
平松の代役となったのは原口央。弟の伸と共にBRAVEに所属する29歳。レスリングをベースとし、22年にはRIZINに2度参戦したが、フェザー級戦線で関鉄矢に判定負けし、中原由貴に1R TKO負けした。昨年5月のDEEPではバンタム級に階級を下げ、増田拓真に2R裸絞めで一本勝ち。その後は韓国のROAD FCの同級トーナメントに参戦し、ムン・ジェフンに勝利したが、10月の決勝でキム・スーチョルに2R TKO負けした。石司も原口も揃って韓国勢に敗れてからの再起戦となる。
1R、原口が中盤、タックルで倒し、金網際でコントロールを続けるが、押さえるだけになってしまい、逆に石司が肘を度々当て、好印象を作る。記者採点は石司。
2Rも原口がテイクダウン、ケージ際のコントロールで主導権を維持する。松宮レフェリーは膠着するとブレイクを繰り返すが、流れは変わらない。石司も中盤まで肘を当てていたが、終盤には攻撃をほどんど返せなくなる。記者採点は原口。
3Rも同じ構図で、原口が金網際で押さえ続け、パウンドは少なく、逆に石司が浅いながらも度々肘を当て、解釈の難しい展開のまま終わる。記者採点は迷ったが石司。合計29-28で石司。ジャッジはやはり割れ、2者が石司を支持し、石塚の判定勝ちとなった。
バックステージでのインタビューで石司は「つまらない試合ですみません。最近のMMAは組み付いただけでもポイントならないんで、肘を当てていればつくと思ってやっていましたど、予想以上にタックルが切りにくかったです。前回の寝技でやられた敗戦が活きたと思います。なんとか生き残りました」等とコメントしていた。
五明宏人が蹴り駆使し判定勝ち
第10試合 フェザー級 5分3R
○五明宏人(JAPAN TOP TEAM)
×瀧口脩生(STYLE)
判定3-0 (柴田30-27/石川30-27/橋本30-27)
1R、五明がサウスポーからの左ミドル、ハイキックを当てるが、瀧口がすぐにタックルを仕掛け、組み付く展開が繰り返される。だが五明はテイクダウンを許さない。
2R、五明が左のミドル、ハイ、テンカオを当て、瀧口を苦しめる。右ミドルを放つと、瀧口が足をつかんでテイクダウンに成功する展開が2度見られたが、その先の攻めは持ち込めない。
3Rも五明が蹴りを当て、瀧口に倒されてもすぐ立つ。最後は五明が右の縦肘でダウンを奪うと、パウンドで追い詰めて終了。点差を広げ判定勝ちした。
第9試合 バンタム級 5分2R
○力也(FIGHT FARM)
×山本有人(リバーサルジム東京スタンドアウト)
判定3-0 (橋本○19-19/石川○19-19/福田20-18)
1R、レスリングで全日本学生選手権で優勝実績のある力也が、タックルでテイクダウンを繰り返しつつ、スタンドでサウスポーからの左ミドル、フックを当て、優位に進める。山本も右フックを当てるが、劣勢の時間が長い。
2Rも同様の構図で、山本は倒されるが、スタンドに戻れば、前に出て右フックを当てる場面が1Rよりも目立つようになり、やや好印象で終える。力也が判定勝ちしたが、山本の追い上げも光る試合だった。
第8試合 メガトン級(体重無差別) 5分2R
○赤沢幸典(Tristar Gym日本館/Team Cloud)
×ベンツ[Benz](タイ/フリー)
1R 1’31” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、開始すぐから、赤沢が巨漢のベンツをタックルで倒すと、金網際で上で押さえ、パウンドを当て続け、レフェリーがストップした。マイクを持つと、赤沢は「スダリオ絶対ぶっ倒す」とアピールした。
第7試合 59kg契約 5分2R
○松岡疾人(NEX SPORTS)
×キム・ウジェ[Kim Woo Jae](韓国/PBOY MMA(BF))
1R 3’20” 裸絞め
ウジェは日本のWARDOG、CRACHAN、韓国のRoad FC、BLACK COMBATに出場経験があり、昨年5月のDEEPでは越智晴雄と56kg契約で対戦し3Rギロチンで一本負けしている。
1R、ウジェがタックルとテイクダウンを繰り返し、主導権を握っていたが、中盤、松岡が脱出すると、素早くバックに回り込み、裸絞めを極めて一本勝ちした。
第6試合 バンタム級 5分2R
○梶本保希(パラエストラ八王子)
×フェルナンド[Fernando](ブラジル/JAPAN TOP TEAM)
判定3-0 (長瀬20-18/石川20-18/松宮20-18)
第5試合 75kg契約 5分2R
×後藤 亮(TRIBE TOKYO MMA)
○山田聖真(KING CONNECTION/ISHITSUNA MMA)
判定1-2 (長瀬19-19○/松宮○19-19/石川19-19○)
第4試合 フライ級 5分2R
×石井涼馬(THE BLACKBELT JAPAN)
○吉田悠太郎(EVERMOVE)
判定1-2 (橋本18-20/石川20-18/福田18-20)
第3試合 バンタム級 5分2R
○清太郎(K-Clann)
×生田大雅(BLUE DOG GYM)
判定3-0 (○19-19/○19-19/20-18)
第2試合 アマチュアSルール ライト級 3分2R
×川島悠汰(INFIGHT JAPAN)
○渡辺智偉(カタナジム)
判定0-3 (18-20/19-19○/18-20)
第1試合 アマチュアSルール フェザー級 3分2R
○橋本玲音夢[りずむ](パンクラスイズム横浜)
×菊川イサム(カタナジム)
2R 1’09” フロントチョーク
大会開始前には、DEEP佐伯繁代表がケージに登場した。佐伯氏は「鬼木貴典さんは今BreakingDownのレフェリーをやっていますけど、元々DEEPで試合して、運営とか色々と協力してくれて、長い付き合いでした。最近色々あって疎遠だったんですけど、がんの話を聞いて、何ができるかなと思いました。クラウドファンディングでBreakingDownの溝口さんが音頭を取って4500万円集まったみたいですけど、治療費だったり、今後の家族のことも考え、少しでも役立てればと思います。入口に募金箱を置きますので協力してください」と話し、財布から30万円を募金箱に投入した。続けて佐伯氏は「スタッフの木下(雄一)君が親友なんで、必ず鬼木君に渡します」と話した。夜の部のDEEP JEWELSでも佐伯氏は同様の呼びかけを行った。