DEEP JEWELS 5.26 ニューピアホール(レポ):大島沙緒里、村上彩を1Rで粉砕「Invictaに挑戦します」。パク・シウ、万智との死闘制す「伊澤星花選手にリベンジしたい」。中井りん、HIMEに3Rギロチンで勝利
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DAYS Presents DEEP JEWELS 45
2024年5月26日(日)東京・ニューピアホール
レポート&写真:井原芳徳
大島沙緒里、村上彩を1Rで粉砕「アメリカのインヴィクタに挑戦します」
第7試合 DEEP女子&DEEP JEWELSミクロ級(44kg)ダブルタイトルマッチ(5ジャッジ制) 5分3R
○大島沙緒里(AACC/DEEP女子ミクロ級王者、元DEEP JEWELSアトム級(47.6kg)王者)
×村上 彩(フリー/DEEP JEWELSミクロ級王者)※初防衛戦
1R 3’05” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※大島がDEEP王座2度目の防衛、DEEP JEWELS王座獲得
DEEP女子ミクロ級王座は、08年に作られた45kgの「女子フライ級」王座がルーツで、初代王者・しなしさとこが2020年までの12年間保持した。20年に女子ミクロ級(44kg)王座に改められ、しなしがにっせーを相手に防衛戦を行う予定だったが、コロナ禍の影響で中止となり、その後しなしは王座を返上した。同年9月の王座決定戦で大島沙緒里がにっせーを下し第2代王者となり、22年11月に古瀬美月に勝利し初防衛をしている。
DEEPの女子王座は無差別級でアマンダ・ルーカスが保持しているが10年以上試合をしておらず、アトム級(48kg)はMIKUが10年に返上後空位のままで、ミクロ級のみが稼働している状態だ。
大島も古瀬戦以降は上の階級で戦い、昨年9月にパク・シユンに敗れDEEP JEWELSアトム級王座を失ったが、今年2月のRIZINではクレア・ロペスに一本勝ちしている。
一方のDEEP JEWELSミクロ級王座は20年に作られ、同年2月の初代王座決定トーナメント一回戦でアム・ザ・ロケットが佐藤絵実に勝利したが、5月の古瀬美月との決勝がコロナ禍の影響で延期となり、古瀬が産休に入り、11月、アムは戦わずしてミクロ級王者に認定された。昨年、コロナ禍による入国規制が緩和され、9月にようやくアムの防衛戦が行われたが、挑戦者の村上彩が判定勝ちし、第2代王者となった。
大島は柔道ベースでMMAでの13勝のうち9試合が一本勝ちと極めが強く、村上は柔術黒帯を持ち、寝技が持ち味の選手同士のダブルタイトルマッチとなったが、大島の完勝に。
1R、大島が村上の左の蹴り足をつかんで倒すと、村上が足を取りに来るが、大島は対処して立ち、村上もスタンドに戻る。大島が胴タックルから崩して倒す。すぐに村上が下から足を効かせると、大島は立ち上がり、猪木アリ状態となって、しばらくしたところでブレイクがかかる。
すると大島は右と左のストレートを連続でヒットする。村上もパンチを振って詰めて来たが、大島は首を抱え、足を掛けつつ倒し、すぐにサイドを取って袈裟固めで押さえる。大島は両足で村上の左腕を挟んでVクロスアームロックを仕掛けて身動きを取れなくすると、パウンドを何発も当て続け、豊永レフェリーがストップした。
2つのベルトを持ち、双子の娘たちとともに記念撮影した大島は「試合前に(左)膝を痛めて不安だったんですけど、強引に行きました。今日無事に勝てたので、アメリカのInvicta(インヴィクタ)に挑戦します。1年以上前から話をしていましたが、タイミングが合わず行けていませんでした。行く前にやりたかった試合もありましたが、かなわなかったので、Invictaで実力を証明し、また日本で戦いたいです」と話した。「やりたかった試合」とは伊澤星花戦とのこと。Invictaではアトム級(47.6kg)で戦うことになるようだ。大会後の佐伯繁DEEP代表の話によると、DEEPからの推薦でInvicta参戦につながったといい、Invictaとの専属契約ではないという。
パク・シウ、万智との死闘制す「伊澤星花選手にリベンジしたい」
第6試合 DEEP JEWELSストロー級暫定王者決定戦(5ジャッジ制) 5分3R
○パク・シウ(韓国/KRAZY BEE)
×万智(フリー)
判定4-1 (橋本29-28/柴田28-29/石川29-28/豊永29-28/松宮29-28)
※パクが暫定王者に
DEEP JEWELSストロー級は、伊澤星花が21年6月に当時の暫定王者の本野美樹に勝利してベルトを奪い、魅津希が22年3月に正規王座を返上し、伊澤が正規王座に昇格した。当時から伊澤はRIZINが主戦場となり、昨年11月にDEEP JEWELSストロー級暫定王者決定戦が行われ、松田亜莉紗が万智に判定3-2で勝利し、暫定王者となった。だがDEEP事務局は4月10日、松田が「スケジュール調整がつかずベルトを返上する事となりました」と発表したのと共に、パク・シウと万智による暫定王者決定戦を組むことを発表した。
シウはMMA 16戦11勝5敗の32歳。DEEP JEWELSで活躍後、21年大晦日のRIZINでRENAに判定勝ちして名を上げ、22年のRIZIN女子スーパーアトム級GPでは浅倉カンナ、浜崎朱加に完勝して大晦日の決勝に進み、伊澤に判定2-1で惜敗した。GP準優勝者ながらRIZINで昨年の試合は無く、9月のDEEP JEWELSでの再起戦ではHIMEに判定勝ちし、12月のDEEPではプリンセス・ザ・ロケットに1R TKO勝ちしている。
万智はMMA 5戦4勝1敗の20歳。柔道をベースとし、DEEP JEWELSのアマチュアで試合を重ねてから、22年11月にプロデビュー。HIME、キム・ユジョンらに1R一本勝ちし、昨年10月のRIZIN名古屋大会では修斗女子スーパーアトム級(50kg)世界王者の渡辺彩華に判定勝ちした。だが上記の通り松田相手にプロ初黒星を喫した。
試合は万智が成長を見せつけ、シウも対応して反撃する、一進一退の死闘に。1R、スタンドの打撃戦で、サウスポーの万智が左ミドルを随所で的確に当てる。シウはオーソドックス主体で右ミドルを返す。中盤過ぎ、シウが右ミドルを放つと、万智が蹴り足をつかんで倒して上になる。シウは下から足を登らせるが、万智は対処して振りほどく。残り1分、立ったシウに万智がタックルを仕掛け、シウはがぶって耐えるが、万智がマットに手を付けたグラウンド状態で頭に膝蹴りを当てる反則を犯してしまい、一時中断する。万智はダメージは小さく、ブレイクして再開すると、万智は左フックを放ってから組み付いてテイクダウンを奪う。最後はシウが返して上になって終える。記者採点は万智。
2R、万智が序盤から両脇差しからテイクダウンを奪うと、シウは下から足関節技を狙うが、万智も足関で応戦し、ヒールフックを仕掛ける。万智はパウンドも当て印象を作る。中盤、万智は足関を解除し、サイド、バックと動きつつ、パウンドを随所で当て、主導権を維持する。だが残り1分を切り、シウは返して上を取り返す。またも万智は足関を狙うが、シウはパウンドを当てて脱出する。最後は横三角絞めの体勢を作りつつ、鉄槌を連打して万智を追い詰めるが、万智は耐えて終える。記者採点は万智としたが、最後追い詰めたシウについても不思議ではない。
3R、序盤からシウが万智の右の蹴りのタイミングで右フックを当ててスリップさせると、随所で右ミドルを当て挽回する。中盤過ぎ、万智はタックルを仕掛けて倒して上になる。だがシウは脱出すると、またもタックルに来た万智を潰し、そのままマウントを奪うことに成功する。シウがパウンドを落とし、バックマウントに移行し、裸絞めを極めてフィニッシュ寸前まで追い詰める。だが万智が体をひねって脱出して上になると、場内は沸きあがる。最後、万智がタックルで倒し、果敢に反撃を狙うが、最後も下のシウが横三角を仕掛け、鉄槌を当てて終える。記者採点はシウ。合計29-28で万智。ジャッジは1者が万智を支持したが、4者はシウを支持し、シウが判定勝ちした。
セコンドの山本美憂氏らと記念撮影したシウは、マイクを持つと日本語で「2019年から日本と韓国を行ったり来たりしています。韓国は1年に1回しか試合がなく、お金が無くて、何回も辞めようと思いましたが、辞めなくて良かったです。今日は負けたら引退と考えていたんで、ベルトを取ったからもっと強くなります」と話した。さらに韓国語で感謝の言葉を述べた後、最後は「伊澤選手に2回負けていますが、しっかり負けてないので、またリベンジしたいです。待ってます」とアピールした。
中井りん、HIMEに3Rギロチンで勝利
第5試合 58kg契約 5分3R
○中井りん(修斗道場四国/DEEP JEWELSフライ級王者、元パンクラス女子バンタム級王者、元代VALKYRIE無差別級王者)
×HIME(毛利道場)
3R 1’33” フロントチョーク
中井は22年のDEEP JEWELSフライ級GP(王座決定トーナメント)に出場し、は藤田翔子、Te-a、杉山しずかを一本またはKOで仕留め、ダントツの強さを見せつけて優勝した。昨年2月、中井は栗山葵とのノンタイトル戦が組まれたが、2Rに中井が裸絞めで一本勝ちした。その後、中井は試合をしておらず、栗山は3連続 1R左フックでKO勝ちし、王座挑戦者に認められたが、栗山が怪我で欠場。中井はストロー級がベストのHIMEとのキャッチウェイトでのノンタイトル戦に変更となった。
HIMEはMMA 7戦4勝(1KO)3敗。21年3月にプロデビューし、ケイト・ロータスと藤田翔子に連勝後、本野美樹には敗れたものの、22年3月に49kgまで体重を落として大島沙緒里と対戦し判定勝ち。9月には同じく49kg契約で桐生祐子をわずか37秒でKOした。昨年2月大会ではストロー級で万智に1R一本負け。9月の49kg契約でのパク・シウ戦も3Rともポイントを取られ判定負けし2連敗中だ。
今回は58kg契約で、中井は57.85kg、HIMEは55.45kgでクリアした。試合は小柄なHIMEがスピードとパンチ技術を活かして健闘するも、中井がしっかり差を見せつけることに。1R、両者慎重に見合う状態が続き、中盤、HIMEが左ジャブ、右ストレートを当てたあたりから動きが出始める。終盤、HIMEが右ミドルを放つが、中井が蹴り足をすくって倒す。中井はすぐにマウントを奪い、パウンドを当て、最後はバックマウントからパウンドを連打して追い詰めて終える。記者採点は中井。
2Rも1R同様に見合う状態が続くと、次第にHIMEの左ジャブが当たり出す。中井のセコンドのWILD宇佐美氏からは「組め」という声が飛び、中井は圧力を強めるが、HIMEは右回りで距離を取って左ジャブを当て続け主導権を維持する。終了間際、中井がようやくタックルで倒して上になるが、少しパウンドを当てるだけに留まり、最後の足関節技も失敗で終わる。記者採点はHIME。
五分で迎えた3R、HIMEは変わらず距離を取り左ジャブを当てていたが、中井は早い段階でHIMEを押し込み、テイクダウンを狙う。HIMEは倒れないものの、中井は左脇を差して金網に押し込みながら、右腕でHIMEの首を抱え、ギロチンチョークを仕掛ける。中井はパワー差を活かして力いっぱい絞め上げると、HIMEは落ち、すぐさまレフェリーがストップした。
中井はこれで11連勝。マイクを持った中井はスポンサーに感謝の言葉を述べた後、「今日は体に故障が多くて、宙返りをやめておきます」とだけ話し、ケージを後にした。
斎藤百湖が完勝
第4試合 59kg契約 5分2R
×Te-a(AACC)
○斎藤百湖(リバーサルジム横浜グランドスラム)※EXFIGHTから所属変更
2R 3’39” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
斎藤は柔道の全日本学生選手権63kg級3位の実績のある選手。1R、スタンドで見合う状態が続いた後、中盤、斎藤が片足タックルでテイクダウンを奪い、金網際で押さえる。斎藤はハーフで押さえ続け、鉄槌を当て、最後はアームロックを狙いながらサイドを奪い、パウンドを連打して終える。記者採点は斎藤。
2R、斎藤は序盤からタックルで倒して、またも金網際で上になる。中盤、斎藤はサイドを奪うと、Vクロスアームロックの状態で動けなくしてから、鉄槌を連打し、レフェリーストップ勝ちした。
第3試合 グラップリング 59kg契約 5分1R
×鈴木“BOSS”遥(SAI-GYM)
○青野ひかる(FIGHT LYNX)
判定0-3 (橋本9-10/松宮8-10/豊永9-10)
樹季(フリー)がヘルニアにより欠場し、鈴木はMMAフライ級の試合から、青野とのグラップリング59kg契約に変更となった。試合は青野がタックルで倒し、金網際でハーフから肩固めを狙い、バックを取ると、裸絞めを仕掛けて追い詰め、判定勝ちした。
第2試合 アマチュアSルール 49kg以下 3分2R
○須田美咲(リバーサルジム立川ALPHA)
×セアリ(キングジム神戸)
1R 1’37” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第1試合 アマチュアSルール 58kg契約 3分2R
○北岡心愛(パンクラスイズム横浜)※天野心愛 改め
×明美(フリー)
1R 0’56” TKO (レフェリーストップ:右腕の負傷)
※明美が競技用具の不備により減点1