Krush 5.26 後楽園ホール(レポ):スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント、璃久と小田尋久の大阪勢が8月の決勝進出。目黒翔大、西元也史に判定勝ちしKrush 5連勝
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Krush.161
2024年5月26日(日)東京・後楽園ホール
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)K-1
璃久、藤村大輔との激闘制す
第8試合 第5代Krushスーパー・ウェルター級王座決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R(延長1R)
×藤村大輔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangスーパーウェルター級王者)
○璃久[りく](HIGHSPEED GYM)
判定0-3 (西村28-30/箱崎28-30/梅木29-30)
昨年5月にジョーダン・ピケオーが返上したKrushスーパー・ウェルター級王座を懸けた、4選手によるトーナメントが開幕し、今大会で準決勝2試合が行われた。決勝は8月18日の後楽園ホール大会を予定している
藤村は26戦15勝(7KO)10敗1分の34歳で出場4選手で最もキャリアが長い。過去には敗れたが神保克哉、和島大海とも戦った。22年には森田奈男樹にKO負けし、夜叉猿には判定勝ち。昨年はBigbangにレギュラー参戦し、KONZISI BADBOYとジョージを下してBigbangスーパーウェルター級王座を獲得した。12月のBigbangでは高木覚清とのノンタイトル戦で2R負傷判定負けしている。
璃久は13戦9勝(5KO)3敗1分の25歳。シュートボクシングの元日本ランカーで、昨年7月のKrushでK-1 GROUPに初参戦し、森田奈男樹を右フックでKOし、12月のK-1大阪大会でアビラル・ヒマラヤン・チーターに判定勝ち。今年3月のK-1でのK-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメントに抜擢されたが、ブラジルのデング・シウバに圧倒され1R TKO負けしている。
1R、ステップをあまり踏まず立ち止まりがちな藤村に対し、璃久は右のカーフキックを着実に当て続ける。残り30秒を切り、藤村が立ち止まり顔面をガードしていると、璃久が左ボディフックをクリーンヒットし、藤村はロープ際まで下がってしまう。記者採点は璃久。
2R、璃久が右カーフ、ボディ、フックを当てつつ、ハイも絡める。右カーフを当てて藤村をフラつかせる場面も。藤村も右フックやストレートを強打する場面もあるが、璃久はステップして距離を取って追撃を封じながら回復する。記者採点はイーブン。
3R、藤村はパンチを振う頻度を上げ、右を当てる場面もあるが、璃久が右カーフを当てると、足が流れてしまう。お互い決定打がないまま残り30秒を切ると、足を止めてのパンチの打合いに。最後、藤村が少し下がり気味になり、璃久が右ストレートで藤村を倒すが、ゴング直後に放った一撃のため、水谷レフェリーはダウンとはみなさない。記者採点はイーブンだが璃久につく可能性はある。合計29-30で璃久。ジャッジ3者も璃久を支持し、璃久が判定勝ちした。
小田尋久は森田奈男樹を3R左フックKO
第7試合 第5代Krushスーパー・ウェルター級王座決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R(延長1R)
×森田奈男樹(エイワスポーツジム/全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO)全日本選手権2017軽重量級(85kg)優勝)
○小田尋久[じんく](TEAM3K)
3R 1’37” KO (左フック)
トーナメントもう1試合はフルコンタクト空手がベースの選手同士の対戦となった。
森田は31歳。上田幹雄と同じ宮本道場出身で、JFKO全日本大会で優勝経験があり、21年6月のキック転向後の戦績は8戦6勝(4KO)2敗。22年12月のK-1ではジョムトーンにKO負け。昨年3月に山崎陽一に判定勝ちし、7月には璃久にKO負けしたが、12月にアリヤン・モハマディにKO勝ちし、勝ち負けを繰り返す状況だ。
小田は22歳。新極真会出身でキック戦績7戦6勝(3KO)1敗。21年11月のDEEP☆KICKでキックデビューし、昨年2月からK-1 GROUPに参戦し、夜叉猿に判定勝ちし、山崎陽一を3R右飛び膝蹴りでKO。11月にフランスでGLORYライト級(70kg)3位のゲリック・ビレットとWAKO世界ミドル級(75kg)王座決定戦を行い、5R判定負けに終わったものの、接戦を繰り広げ評価を高めた。今年2月のKNOCK OUTに参戦すると、元Krushスーパー・ウェルター級王者の中島弘貴に延長(4R)判定勝ちしている。
森田のセコンドには吉成名高がつく。1R、小田がプレッシャーをかけ、森田が回って距離を取る構図で、お互いパンチと蹴りを時折出すが、まだ強打が少ない。最後、小田が右ストレートを当てて終える。記者採点はイーブン。
2R、森田は回る状況は変わらないものの、1Rよりは左ミドルを当てる頻度が上がる。小田も右ロー、ストレートを随所でお返しし、時折サウスポーに切り替えて左の蹴りも当てる。均衡状態のまま終わる。記者採点はイーブン。
3Rも2Rと似たような展開が続く中で、小田が左ボディ、左インローを立て続けに当ててから、左ストレートを当てると、森田の頭がのけぞる。森田はすぐ持ち直し、左前蹴りを当てるが、変わらず小田が前に出続け、右のフック、ストレートを立て続けにヒットし、着実にダメージを与えてから、左フックでダウンを奪う。森田は立ったものの、足元がフラつき、すぐさま箱崎レフェリーがストップし、小田のKO勝ちとなった。
なお、この次の試合で璃久が勝利後、前の試合で勝った小田もリングに上がり、揃って決勝戦に向けての意気込みを語った。璃久は「8月、大阪同士やけど、バチバチで倒し合うんで、もし良かったら後楽園まで足運んでもらったら盛り上げます」と、藤村ら関東勢目当ての観客に呼びかけた。小田は「藤村選手と璃久選手を見ていて、2対1でも勝てると思いました。熱い試合やったんですけど、しっかり倒します。東京で大阪同士の対決は、珍しいと思うんですけど、大阪人をいっぱい連れて来て、後楽園をいっぱいにして、一番盛り上げてKrushのチャンピオンになりたいです」とアピールした。
目黒翔大、西元也史に判定勝ちしKrush 5連勝
第6試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×西元也史[なりふみ](K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○目黒翔大(優弥道場/Bigbangライト級王者)
判定0-3 (西村26-28/山根26-28/ブランド26-28)
西元は22年に斎藤祐斗と山本直樹に連勝し、同年12月に中島千博のKrushスーパー・フェザー級王座に挑んだが判定負け。昨年4月の中国でのWLF(武林風)で中国の選手に判定勝ちしたものの、7月に髙橋直輝に判定勝ちし、11月に松山勇汰にKO負けし2連敗中だ。今年の元旦には同じKREST所属のMIOとの結婚を発表した。
目黒は22年途中まで負けが込んでいたが、22年11月以降1年間、Krushで松本和樹、赤田功輝、新田宗一朗、友尊相手に4連勝。今年3月のBIgbangでは石田勝希に判定勝ちしてBigbangライト級王座を獲得し、Krushに戻ってきた。
1R、西元がオーソドックスで構え、サウスポーの目黒に対してプレッシャーをかける展開が続く。中盤から西元が右フック、インローのヒットを増やす。すると西元がめぐとをコーナーに詰めて、右フックを当てたが、さらに右フックを振うと、目黒がカウンターで右フックを当ててダウンを奪う。
2R、西元は変わらず前に出続け、左フックを振うと、前腕で目黒を押し倒すような形だったが、水谷レフェリーは意外にもダウンを宣告してしまう。リプレー検証は行使されず続行する。その後も西元が前に出続けるが、強打は乏しく、目黒も攻撃が返せない。
3R、序盤こそ西元が前に出ていたが、勢いが落ちて来ると、中盤には目黒が前に出返すようになり、右ストレートをクリーンヒットする。西元は腰が落ち、マットに手をつくほどではなかったが、さらに目黒がパンチをまとめたところで、水谷レフェリーはダウンを宣告する。西元はダウン宣告に不満そうにしながら笑みを浮かべる。西元もガムシャラにパンチを振うが、反撃には至らず時間切れとなり、目黒の判定勝ちとなった。
第5試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○鬼山桃太朗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Bigbangスーパーバンタム級王者)
×黒田勇斗(K-1ジム心斎橋チームレパード)
4R 判定2-1 (ブランド10-9/箱崎9-10/水谷10-9)
3R 判定0-1 (ブランド29-29/箱崎30-30/水谷29-30)
第4試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×斉藤雄太(K-1ジム五反田チームキングス)
○加藤 港[ごう](ウィラサクレック三ノ輪)
1R 1’44” KO (右ボディストレート)
第3試合 女子ミニマム級(48kg) 3分3R(延長1R)
○美伶(WARRIOR OSAKA)
×Yuka☆(SHINE沖縄/ミネルヴァ・ライトフライ級(48.9kg)王者)
2R 0’49” KO (左ストレート)
第2試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×豊田優輝(BELLWOOD FIGHT TEAM/K-1カレッジ2019 -60kg優勝)
○龍翔[りゅうしょう](EX ARES/JAPAN CUPスーパーバンタム級王者)※WARRIOR OSAKAから所属変更
3R 1’19” KO (左フック)
第1試合 フライ級(51kg) 3分3R(延長1R)
×宗一郎(朝久道場/KPKBバンタム級(53kg)王者)
○東虎之介(都城大叶ジム/PRINCE REVOLUTION -52kg級王者)
判定0-3 (27-30/28-30/26-30)
※1R右フックで宗一郎に1ダウン
プレリミナリーファイト第3試合 ライト級(62.5kg) 3分3R
△下村泰平(K-1ジム総本部チームペガサス)
△瑠唯[るい](リーブルロア)
判定0-0 (28-28/28-28/28-28)
※1R右ハイキックで下村に1ダウン
プレリミナリーファイト第2試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
○渚(K-1ジム五反田チームキングス)
×遼/Ryo(JANJIRA GYM)
判定2-0 (30-29/30-30/30-29)
プレリミナリーファイト第1試合 女子アトム級(45kg) 2分3R
○大西日和(K-1ジム福岡チームbeginning)
×aimi-(DANGER GYM)
3R 1’15” KO (左ストレート)