Krush 7.30 後楽園ホール(レポ):池田幸司、野田蒼を2R KOしバンタム級王座初防衛「初代K-1王者になる」。永坂吏羅、KO勝ちしスーパー・バンタム級王座挑戦に前進
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
格闘技医学会
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Krush.139
2022年7月30日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第10試合 メインイベント Krushバンタム級(53kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○池田幸司(ReBORN経堂/王者、K-1カレッジ2019 -55kg優勝)
×野田 蒼(月心会チーム侍/挑戦者、K-1甲子園2020 -55kg優勝)
2R 0’57” KO (右フック)
※池田が初防衛
池田は3月大会でで壬生狼一輝を破って第8代Krushバンタム級王者となり、今回が初防衛戦。対する野田は昨年5月のK-1バンタム級日本最強決定トーナメントで壬生狼に敗れたが、3月のKrushで松谷桐に判定勝ちし、挑戦権を獲得した。現在19歳だ。
1R、開始すぐから池田が野田をコーナーに詰め、圧をかけ続ける展開。野田は素早い動きでパンチや飛び膝をまとめる。池田はクリーンヒットはもらわず、手数では劣るものの、終盤には打ち合いで場内を沸かせる。
すると2R、池田が1R同様に野田をコーナーに詰めると、右のバックスピンキックをボディに当ててから、右バックハンドブローを連続でヒット。不意打ちを食らった形の野田は、数秒の間を置いてからダウンする。野田は立ち上がるがダメージが溜まっており、池田がガードの隙間から右フックを当てて再びダウンを奪うと、ダメージが大きいと判断した豊永レフェリーがすぐさまストップし、池田のKO勝ちとなった。
ベルトを巻きマイクを持った池田は「これが倒せるバンタム級、池田幸司です。K-1にもいい選手がバンタム級に集まって来ているんで、外国人を呼んでトーナメントをやれば盛り上がると思います。僕が初代K-1王者になれるよう頑張ります」とアピールした。
中村拓己K-1プロデューサーは大会後の総括で「こういう試合が続けばバンタム級のトーナメントが見たいとなると思いますし、8月の福岡大会でも壬生浪選手と峯大樹選手の試合や、K-1初参戦の石井一成選手と藤田和希選手の試合がありますし、今日の試合に続いて火をつけるかが大事になってくるので、並べて見てほしいです。THE MATCHで悔しい思いをした黒田斗真選手が今日の試合をどう見るかもありますし、バンタム級の選手たちが切磋琢磨して、トーナメントをやってほしいというファンの熱を作れるかだと思います」とコメントしている。総括全体は別記事参照。
第9試合 セミファイナル スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○永坂吏羅[りら](K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
×内田 晶[しょう](チーム・タイガーホーク)
3R 2’58” KO (左フック)
永坂はテコンドーをベースとするが、最近はK-1ルールにアジャストしパンチに磨きをかけ、5月大会で元Krushバンタム級王者の吉岡ビギンをKO。3連続KO勝ちとすると「チャンピオンの璃明武選手、次タイトルマッチでお願いします」とマイクアピールした。
永坂と内田は19年8月のKrushで対戦し引き分けに終わっているため、今回が決着戦。内田は昨年のKrushスーパー・バンタム級王座決定トーナメント一回戦で小倉尚也を下し番狂わせを起こしたが、10月の準決勝で鬼山桃太朗に判定負け。今年2月のK-1では元Krushバンタム級王者の佐々木洵樹に敗れたが、延長判定まで持ち込み評価を高めた。
1R、開始すぐから永坂が内田を青コーナーに詰めプレッシャーをかけ、内田はコーナーを背負い続ける展開。永坂は右のカーフキックを時折当て、そこから上の攻撃につなげようとするが、まだ内田も見えておりその先に持ち込ませない。記者採点はイーブン。
2R、永坂は変わらず圧をかけ、時折右フック、右バックハンドブローをヒット。だがパンチで突っ込んだ際、組んで防御しようとする内田とバッティングになる場面もあり、2度永坂が側頭部にもらって大きなダメージを負い試合が中断する。故意ではないがダメージが大きいため内田に注意1が出される。記者採点は永坂。
3R、内田は鼻のダメージでドクターチェックが入る。再開後、永坂はパンチを振るって突っ込み続け、内田もパンチを当てるが、またも組んだ際にバッティングとなり、永坂が鼻を負傷しドクターチェックが入る。荒れた展開となるが、再開後も永坂がパンチを振るって前に出ると、左右のフックでついにダウンを奪う。打ち合いで内田も右フックを当てて永坂をひるませ、場内をどよめかせたが、さらに右フックで突っ込んだところで、永坂が左フックを合わせて再びダウンを奪う。内田はすぐに立ったが、よろめいたため、すぐさまレフェリーがストップした。
永坂はこれで4連続KO勝ち。マイクを持つと「ここまで来たら何も言わせないので何も言いません」と、静かに王座挑戦をアピール。最後は「今日はお母さんの誕生日なので拍手してあげてください」と、野性的な戦いぶりとは対照的な優しさを見せ、観客を和ませた。
第8試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○平山 迅(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
×川﨑真一朗(月心会ラスカルジム)
3R 0’22” KO (右フック)
1R、平山が圧力をかけ、川﨑が回り続け、お互い攻撃は出すが、まだ数は少なく軽めで差はつかない。2Rも同じように平山が前に出続け、中盤に川﨑が左ストレートを当てるが、終盤は平山もパンチを返し、川﨑もさらに当て返す一進一退の展開。なかなか均衡は崩れない。
だが3R、開始すぐから平山が川﨑をコーナーに詰めると、パンチの連打の中で右フックをクリーンヒットし、川﨑をダウンさせる。川﨑は立ち上がれず、西村レフェリーがストップし、平山のKO勝ちとなった。試合後のマイクで平山は5連敗の川﨑に対し「まだまだやれるポテンシャルあるから上がって来いよ」とエールを送った。
第7試合 64.5kg契約 3分3R(延長1R)
×三宅祐弥(Hacker GYM)※team ALL-WINから所属変更
○昇也(士魂村上塾/元Bigbangスーパーライト級(63.5kg)王者)
1R 2’38” KO (右フック)
昇也は昨年7月第6代Krushライト級王座決定トーナメント一回戦の瓦田脩二戦で計量オーバーし判定負けして以来のK-1系登場となる。今回対戦予定だった安保璃紅が減量中に体調が悪化し欠場。代役の三宅は試合前々日のオファーで試合を受けた。安保兄弟のteam ALL-WINからの移籍初戦で戦績4戦4勝(1KO)。
1R、昇也が序盤から手数多く攻めて先手を取り、ロープに詰めての左ボディ、左テンカオ、左ストレートの連打でダウンを奪う。三宅も右テンカオ、ストレートを返すが、昇也が左テンカオとパンチを効かせ、コーナーに詰めると、パンチの連打で三宅をマットに沈めた。昇也は試合後のマイクで急きょ試合を受けた三宅に感謝の言葉を述べた。
第6試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×亀本勇翔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Bigbangスーパーバンタム級王者)
○森坂 陸(エスジム)
判定0-3 (山根28-30/豊永28-30/梅木27-30)
亀本は前日計量を950gオーバーしクリアできなかった。試合は1R減点1で行われる。森坂はグローブハンデを拒否した。亀本はファイトマネーの20%が減額される。亀本は16年4月の「初代Krush -53kg王座決定トーナメント・準決勝」の計量でも失格になり、王座関連の試合であることから、1年間Krushの公式試合への出場禁止の処分を受けたことがある。
1R、森坂がサウスポーの亀本に対し、開始すぐからパンチと蹴りを手数多く当て続けやや優位。右ミドルを空振りさせてからの右バックハンドもヒットする。亀本は中盤から圧力を強め距離を潰すが、終盤にも森坂が手数を上げ巻き返す。
2R、森坂は変わらず右ミドル、ロー、ストレート等で手数多く攻めるが、亀本はひるまず、時折左ストレート、左ミドルを返し、1Rよりも差を縮める。
3R、序盤から森坂が右の上段後ろ回し蹴りを顔面に当て、右ストレートでもひるませ攻勢。その後も手数多く攻め続ける。最後、亀本も左ハイを当てるが、森坂は耐え終了。減点分抜きでも森坂が点差をつけ判定勝ちした。
第5試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○竹内将生(エイワスポーツジム/BOMフェザー級王者、元Bigbang同級王者、元MA日本スーパーバンタム級王者、元J-NETWORK&WPMF日本バンタム級王者)
×久保一馬(FIGHT CLUB 428)
判定3-0 (梅木30-28/西村29-28/三浦30-29)
1R、久保が竹内の圧力をかわしつつ、左ミドルを着実に当て続け、終盤には右フック、右ハイ、左テンカオも強打し好印象を作る。
2R、竹内は左ジャブを当てつつ、左ミドル、テンカオ、ボディフック、ストレートを、自在に阿哲d家主導権を維持する。重みのある左ミドルの連打には場内もどよめく。
3R、後の無い久保は前に出て距離を詰め、細かくパンチ、ローを当て続ける。バッティングも多いため注意を受けるが、最後まで動きを切らさず攻め続け反撃する。ジャッジ1者は3Rの久保にポイントを振ったが、他の2者はつけず、竹内が判定3-0で勝利した。
第4試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×水津空良(優弥道場)
○石田龍大(POWER OF DREAM/K-1甲子園2019 -60kg優勝)
判定0-3 (豊永29-30/西村29-30/山根29-30)
1R、両者サウスポーで構え、水津は右ミドル、石田は右ボディと、前手前足の攻撃が目立つ。終盤、石田がやや手数を上げるがまだ大差はない。2R、お互い攻撃は当てるが、接近戦が増えたことでクリンチも増え、なかなか均衡は崩れない。
すると3R、石田が序盤から左右のフック、右のバックハンドブロー等のヒットを増やし、水津をひるませ優勢に。最後の打ち合いで少しもらってひるむが、手数差は維持し、3Rのポイントを取って判定勝ちした。
第3試合 61.5kg契約 3分3R(延長1R)
×安川侑己(志村道場/HEATキック・ライト級王者)
○齋藤祐斗(JK TRIBE)
3R 0’40” TKO (ドクターストップ:左ハイキックによる右眉尻のカット)
1R、ガードを固めて詰めて来る安川に対し、齋藤が左ミドル、ロー等を何発も当て、左ハイを効かせてからの左フックでひるませスタンディングダウンを奪う。その後も齋藤が蹴り続け圧倒する。
2Rも齋藤が手数多く攻め主導権を維持すると、終盤、左ハイがクリーンヒットし、安川は右の眉尻をカットしドクターチェックを受ける。続行したものの、出血は止まらず、3R序盤のドクターチェックでストップがかかった。
第2試合 クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
×中平卓見(北眞舘)
○星龍之介(POWER OF DREAM/極真会館全世界空手道選手権2019 6位)
1R 1’41” KO (左フック)
星は4月のK-1でのキック転向初戦を行いRUIに1R KO勝ちしている。1R、中平も右のカーフキックを当てていたが、星の右ローが効き目を発揮すると、右フックと左ミドルを連続で効かせて下がらせてからの左フックでダウンを奪う。中平はダメージが大きく、すぐさま西村レフェリーがストップした。
第1試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○FUMIYA(ポゴナ・クラブジム)
×佑悟[ゆうご](Lion Gym)
3R 1’09” KO (右飛び膝蹴り)
1R、蹴りの応酬の中で、サウスポーの佑悟にFUMIYAが右インローを着実に当て続けた後、右フックでダウンを奪う。2R、佑悟の右ハイも当たるが、FUMIYAが右インローを当て続けていると、終盤には佑悟がフラつくように。すると3R、FUMIAYが右ミドルを当てて佑悟を下がらせた後、右の飛び膝をヒットしダウンを奪う。ローのダメージも溜まった佑悟は立ち上がれず、FUMIYAのKO勝ちとなった。FUMIYAは「2連敗してて勝たないといけないと思って試行錯誤し、その結果が出たと思います」と話した。
プレリミナリーファイト第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
×小松貴哉(K-1ジム五反田チームキングス)
○田中 聡(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
3R 2’34” KO (右ストレート)
プレリミナリーファイト第1試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R
×聖也(ウィラサクレック・フェアテックス西川口)
○山本 陸(K-1ジム総本部チームペガサス)
1R 0’16” KO (右ストレート)