Krush 7.27 後楽園ホール(レポ):武尊の盟友・大岩龍矢、伊藤健人から2ダウン奪い判定勝ちし悲願のKrush王座獲得。バンタム級王座決定トーナメントは黒川瑛斗と白幡裕星が決勝進出
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Krush.163
2024年7月27日(土) 東京・後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
武尊の盟友・大岩龍矢、伊藤健人から2ダウン奪い判定勝ちし悲願のKrush王座獲得
第9試合 セミファイナル Krushライト級(62.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ/王者)※初防衛戦
○大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者、元Bigbangライト級王者)
判定0-3 (豊永26-30/岡田26-30/西村26-30)
※大岩が王者に
伊藤は31歳。14年2月にKrushに初参戦。小澤海斗とは1敗2分で、大岩龍矢、中島千博、山本直樹らに敗れ、なかなか芽が出なかったが、22年12月以降、鈴木翔也、堀井翼、ティントーン、里見柚己相手に4連勝すると、今年2月には里見がKrushライト級王座を懸けてのリマッチで、伊藤はわずか38秒、右フックでKOし、Krush参戦10年にして初の王座奪取を果たした。
大岩は32歳。15年1月からKrushに上がっているが、まだKrush・K-1のベルトを巻いていない。16年12月のKrushで伊藤に勝っているが、過去3度のKrushのタイトルマッチで黒星を喫してきた。昨年は6月のK-1で横山朋哉に判定負けしたが、12月のK-1でスーパー・フェザー級からライト級に階級を上げ、篠原悠人をKOし、2月のKrushでは計量オーバーの弘輝に判定勝ちしている。
1R、大岩が前に出て、伊藤はやや下がり気味の中で、お互い広めのスタンスでガードを固めつつ、右のカーフを打ち合う。中盤からは同じ構えからパンチが交錯する場面が増え、やや大岩のヒットが増えるが、まだ均衡は崩れない。記者採点はイーブン。
2Rも似たような構図が続き、お互い少しずつ削り合っていると、中盤、大岩の右フックがさく裂し、伊藤はダウンする。大岩はその後も前に出てパンチを振るい続けるが、伊藤も右カーフ、左ジャブで抵抗を続ける。
3R、伊藤はしつこく右カーフを当て、パンチを返すが、大岩はひるまず、左三日月も当て、中盤にはまたも右フックでダウンを奪う。両選手の応援団の大歓声の響く中、伊藤もパンチで打ち合うが、大岩は変わらず前に出て、右フックを随所で当てて、反撃を封じて終了する。するとセコンドの武尊もすぐリングに入り、大喜びで大岩を称えた。2ダウンを奪った大岩が判定勝ちで初のKrushベルトを獲得した。
ベルトを巻いた大岩は「夢じゃないですよね。試合決まってからこういう夢を100回以上見ました。サポートしてくれる皆さんのおかげで幸せを感じれています。ありがとうございます。チャンピオンになったんでこれからSNSとかを通じて言いたいことをどんどん言います。僕がKrushを盛り上げます。地元の名古屋にKrush、K-1を持ってきます。名古屋観光大使狙ってます」とアピールした。最後は武尊、松倉信太郎、与座優貴らと記念撮影した。バックステージでのインタビューでKrushの宮田充プロデューサーは「明日から名古屋大会に向けて動きます」と話していた。
バックステージでのインタビューで伊藤は「初手でやりたい距離でできず、やりたいことができなかったのが敗因です。やってきたことの成果が負けなので、考えるべき点が多いです。環境に恵まれていて、格闘技は楽しいんで。口惜しさがこみ上げたらまた気持ちが変わるかもしれないですけど。またリングに上がるときは会場まで応援に来てください」等と話した。
大沢文也、ペットサムイからダウン奪い判定勝ち
第8試合 メインイベント ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○大沢文也(ザウルスプロモーション/元Krushライト級王者)
×ペットサムイ・シムラ(タイ/志村道場/元ラジャダムナン・スーパーライト級王者)
判定3-0 (豊永30-28/山根29-28/西村29-28)
大沢文也は昨年12月のKrushで大谷翔司に延長判定負けし、3月のK-1では友尊に判定勝ちしている。ペットサムイは33歳で、K-1 GROUPで過去には与座優貴、横山朋哉に判定負けしている。
1R、ペットサムイがプレッシャーをかけ続け、大沢が距離を取る構図が続く。ペットサムイは右ロー、ストレート、大沢は左ボディ、ミドル主体で攻めるが、まだ均衡は崩れない。記者採点はイーブン。
2R、大沢も前に出るようになり、接近戦が増え、大沢はしつこくボディ狙いのパンチを当て続けると、終盤、押して突き放してから、不意打ちとなる左ハイを当ててダウンを奪う。
3R、逆転を狙うペットサムイは開始すぐからパンチ、ミドル、ロー等を当て続けるが、大沢は耐え、随所でボディ等のパンチを当て、時間いっぱいまで持ち込み終了。失点を最小限に留めて判定勝ちした。
マイクを持った大沢は「ダウンを取って安心して弱さが出てしまいました」「アップしている時に武尊と松倉信太郎にちょっかいを出されたせいです」「今日はKOが続いていたんですけど、俺が判定で止めました。僕みたいなつまらない選手がいるから大会が盛り上がります」と話し、観客を笑わせた。
新美貴士、竹内将生を2R KO
第7試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○新美貴士[たかひと](名古屋JKファクトリー/元Krushフェザー級王者)
×竹内将生[まさき](エイワスポーツジム/元BOM・Bigbangフェザー級王者、元MA日本スーパーバンタム級王者、元WPMF日本&J-NETWORKバンタム級王者)
2R 1’45” KO (3ダウン:左ストレート)
新美は20年にKrushフェザー級王者となり、斗麗、岡嶋形徒、篠塚辰樹相手に3度防衛。22年5月に玖村修平に敗れ王座陥落。昨年3月、RISEに参戦し、門口佳佑に判定負け。続く6月のKrushでは寺田匠に判定勝ちしたが、10月には稲垣澪に判定負けした。昨年末の中国で試合をし、今年3月のホーストカップ名古屋大会ではホーストカップの王者でシュートボクシングとRISEの上位ランカーでもある魁斗と延長戦の末に引き分けている。
竹内は昨年12月に佑典にKO勝ちしたが、今年2月に石田龍大にKO負け。K-1 GROUP 7戦目で元王者との試合が巡って来た。
1R、新美が開始すぐから距離を詰めて圧力をかけ続け、サウスポーからの左ミドル主体で攻める。竹内も右ミドル、テンカオを随所で返し続け、新美に完全には主導権を握らせない。記者採点はイーブン。
2R、序盤こそ竹内が右ストレートを当てて先手を取ったが、新美はひるまず前に出続けると、左ストレートでダウンを奪う。竹内はダメージが大きく、その後も新美が前に出てパンチを当て続け、左ストレートで2ダウンを重ねてKO勝ちした。
バンタム級王座決定トーナメントは黒川瑛斗と白幡裕星が決勝進出
第6試合 第9代Krushバンタム級(53kg)王座決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○黒川瑛斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
×林 佑哉(K-1ジム大宮チームレオン/ジャパンカップキックボクシング&RKSバンタム級王者)
1R 2’29” KO (3ダウン:左フック)
池田幸司が階級アップのため返上したKrushバンタム級王座を懸けたトーナメントが開幕した。4選手が参加し、7月の大会で準決勝、10月25日のKrush.166で決勝を行う。
林は山本優弥や寺戸伸近を輩出した広島の空修会館出身の24歳。25戦16勝(12KO)5敗4分。かつては大阪のDEEP☆KICKやNJKF岡山大会等の西日本の大会で活躍した。K-1ジム大宮に移籍し、今年1月のKrushでの初戦では坂本寿希を圧倒し判定勝ち。6月23日のKrush2戦目では白幡太陽を1R90秒左フックで沈めた。トーナメント後のバンタム級王座戦線浮上を予感させたが、大村修輝の欠場で急きょ代役出場し、王座戦線に早くも絡むことになった。
対する黒川は7戦5勝(1KO)1敗1分の20歳、構えはサウスポー。3月のKrushで鵜澤悠也にKO勝ちしている。
時の勢いは林だったが、黒川の完勝に。1R、サウスポーの黒川に対し、林が鋭い右ロー、ミドルを当て、ストレートにも繋げていたが、体格で勝る黒川は動じる様子もなく受けた後、中盤には左フックをクリーンヒットしてダウンを奪う。林はまだダメージは小さい様子だが、黒川はさらにガードの隙間からねじ込むような右アッパーをクリーンヒットして再びダウンを奪う。すると最後は黒川が連打の中で左フックを当てて3度目のダウンを奪いKO勝ちした。
第5試合 第9代Krushバンタム級(53kg)王座決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R(延長1R)
○白幡裕星(K-1ジム総本部チームペガサス/元KNOCK OUT-RED&ムエタイオープン・スーパーフライ級王者)
×峯 大樹(若獅子会館/元RKSバンタム級王者)
不戦勝 (峯が計量欠席で失格)
白幡は21戦15勝(1KO)5敗1分の21歳。構えはサウスポー。肘有り・首相撲制限無しのルールで2団体で王者になり、昨年からK-1 GROUPに上がる。2戦目で壬生狼一輝に判定負けしたが、それ以外3試合は勝利し、昨年12月には元プロボクシング日本王者の小浦翼に判定勝ちしている。
峯は17戦9勝(3KO)7敗1分の23歳。ここ5戦は大村修輝に延長判定勝ちしているが、それ以外は黒星で、最近2試合は壬生狼一輝、野田蒼に連敗し、22年12月に野田に敗れて以来のK-1 GROUP出場となる。
だが、計量日の26日、峯は脱水症状でドクターストップがかかり計量に参加できず失格となり、計量をクリアした白幡の不戦勝となった。そのため白幡は同門の璃明武[りあむ](K-1ジム総本部チームペガサス/Krushスーパー・バンタム級王者)と3分1Rのエキシビションマッチを行った。
次の試合で黒川が勝利した後、白幡もリングイン。黒川は「どうですか?これがバンタム級です。本当は白幡選手と峯選手の試合と見て比べてもらいたかったです。今日はメインで(大岩)龍矢さんがベルトを巻いてくれると思います」とアピール。白幡は「10月は兄(=太陽)も前座でもいいんで出してもらって、白幡兄弟の日にしたいです」と話した。
安尾瑠輝、前フライ級王者・悠斗を左ボディで沈め「大夢選手と次試合したい」
第4試合 フライ級(51kg) 3分3R(延長1R)
×悠斗(HUNGRY GYM/元Krushフライ級王者、WMC日本ライトフライ級(49kg)王者、元プロボクシング日本同級王者)
○安尾瑠輝[りゅうき](K-1ジム心斎橋チームレパード/DEEP☆KICK -51kg王者)
3R 1’39” KO (左ボディフック)
悠斗はキックボクシングでプロデビューした後、ボクシングに転向し日本ライトフライ級王座を獲得。その後、キックに戻り、22年9月のBOMでWMC日本王座を獲得。昨年7月のKrushでK-1 GROUPに初参戦すると、松葉斗哉をわずか9秒、左フック一撃でKO。10月の2戦目で王座挑戦権を得ると、王者の大鹿統毅を46秒左フックでKOしベルトを巻いた。だが1月の初防衛戦では、大夢に2R KO負けし王座陥落し、今回が再起戦となる。
安尾は7戦5勝(3KO)2敗の19歳。昨年は2月・5月とKrushで連敗したが、大阪でのDEEP☆KICKの-51kg王者決定トーナメントに参加すると、9月に龍太郎に判定勝ち、12月にKING陸斗にKO勝ちしてベルトを奪取した。今年3月のKrushでは、欠場の心直の代役で1階級上のバンタム級(53kg)で緊急出場し、矢島直弥を3R右ローでKOしたことが評価され、前フライ級王者の悠斗との試合が用意された。
1R、安尾が序盤から圧力をかけて積極的に攻め、右ミドル、左右のロー、右ストレート等を随所で当て、手数で上回る。だが中盤から悠斗も左ボディを強打するようになり、右と左のボディの連打も絡めて対抗し、大差をつけさせない。記者採点はイーブン。
2R、安尾が右インローを当て続けていると、中盤には効き目を発揮するように。悠斗はボディブローを返すも足が踏ん張れず力が入りきらない。終盤には安尾が右ローを当て続け、悠斗をフラつかせて追い詰める。記者採点は安尾。
3R、安尾は時折右ローを当てるが、ローでは倒したくなかったか?パンチも絡めて悠斗を追い詰めると、中盤、左ボディをクリーンヒットしダウンを奪う。悠斗はうずくまったまま動けず、安尾のKO勝ちとなった。
相手のお株を奪う見事な左ボディでKO勝ちした安尾だが、マイクを持つと、たどたどしい口調で「大夢選手と次試合したいと思っています」とアピールし、観客から笑いが起こっていた。
心直が矢島直弥を1R KO
第3試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
○心直[しんた](REON Fighting Sports GYM/元KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王者)
×矢島直弥(TSKjapan/元WPMF日本&蹴拳ムエタイ・フライ級王者)
1R 2’34” KO (パンチ連打)
1R、心直が開始すぐからサウスポーからの左ストレートを度々当てて主導権を握る。すると終盤、左ハイも効かせると、パンチ連打でダウンを奪う。矢島は立ったがダメージが大きくレフェリーがストップした。
マイクを持った心直は「去年ベルト取ってからずっと勝てなかったんですけど、1年半ぶりぐらいで報われた気がします。2時間半ぐらい話させていただこうと思うんですけど、いいですか。うれしくて泣いたんですけど、満足していないんで、バンタム級トーナメントあるんですけど、僕よりいい試合できるよう頑張ってください」等と話し続ける。ブーイングも飛ぶ中、話を続けていると、宮田プロデューサーから「せっかくいい試合したので、この辺でまとめたほうがいいと思います」とアドバイスされると、「これから毎日練習します。明日は休むんですけど」等と少しだけ語ってからリングを降りた。
代役出場の天野颯大がKO勝ち
第2試合 63.5kg契約 3分3R(延長1R)
×友尊[ゆたか](TEAM K/BLUE DOG GYM/元NJKFスーパーフェザー級王者)
○天野颯大[そうた](キング・ムエ/K-1甲子園2021 -60kg優勝)
2R 1’44” KO (パンチ連打)
天野は堀井翼の練習中の負傷により欠場したのに伴い、1週間を切って出場が発表された。本来スーパー・フェザー級(60kg)の選手だが、短期間での準備となるため63.5kg契約で戦う。天野は4月の立基戦までK-1 GROUP 3連勝中で、6月30日のMuayThai Super Fight名古屋大会では初めてムエタイの試合をし、豪(GRATINESS)に2Rパンチ連打でTKO勝ちしている。
1R、友尊がサウスポーで左フックなどのパンチ主体で戦い、天野は右ミドル、ロー、ストレートと万遍なく攻める。最後に天野がパンチを連打してまとめてやや優位に。友尊は少し鼻血を出している。
すると2R、天野は開始すぐからコーナーに詰めてパンチを連打してダウンを奪う。まだ友尊はダメージはさほど大きく無い様子だが、天野は休まずパンチラッシュを続けて再びダウンを奪う。最後も天野がひたすら左右のパンチを打ち続けてマットに沈めた。
村田健悟が5連勝の1R KO勝ち「55㎏のトップ戦線の奴ら一人ずつ引きずり下ろす」
第1試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○村田健悟(ALONZA ABLAZE)
×ゆいら(健心塾)
1R 0’35” KO (左ボディフック)
村田は4戦4勝(2KO) の20歳。開始すぐから村田がプレッシャーをかけ、後ろ廻し蹴りを空振りして、ゆいらを下がらせる。ゆいらが体を入れ替えて村田をコーナーに詰め、パンチを連打したが、村田はブロックして対処すると、ゆいらの打ち終わりに左ボディをクリーンヒットする。するとこれ一発で、ゆいらはダウンし、村田のKO勝ちとなった。
マイクを持った村田は「10月K-1大阪大会、僕盛り上げるんで、おもろいう奴とやらせてください。これから55㎏のトップ戦線の奴ら一人ずつ引きずり下ろすんで期待しといてください」とアピールした。宮田プロデューサーも「完璧です。村田は大阪のファンに見せたいですね」と話している。
プレリミナリーファイト第3試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
△光佑[こうすけ](ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)
△宮本拳聖(K-1ジム総本部チームペガサス)
判定0-0 (29-29/29-29/29-29)
プレリミナリーファイト第2試合 フェザー級(kg) 3分3R
×安 晟太[やす じょうた](サクシードジム team EXCEED/K-1カレッジ2021 -60kg優勝)
○渡邉 陸(POWER OF DREAM)
判定0-3 (28-30/29-30/28-30)
プレリミナリーファイト第1試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R
○原田翔貴(拳心會館)
×上田咲也(HIGHSPEED GYM/K-1甲子園2022 -65kg優勝)
判定3-0 (30-26/30-26/30-26)