Krush 3.30 後楽園ホール(レポ):璃明武、倉田永輝に1R KO勝ちしスーパー・バンタム級王座2度目の防衛。初代ミドル級王座決定トーナメントは神保克哉とブハリ亜輝留が6月の決勝進出
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Krush.159
2024年3月30日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
璃明武、倉田永輝に1R KO勝ちしスーパー・バンタム級王座2度目の防衛
第9試合 メインイベント Krushスーパー・バンタム級(55kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○璃明武[りあむ](K-1ジム総本部チームペガサス/王者)※2度目の防衛戦
×倉田永輝(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者)
1R 1’54” KO (左ハイキック)
璃明武は21年8~10月に行われたスーパー・バンタム級王者決定トーナメントで吉岡ビギン、黒田勇斗、鬼山桃太朗を下して優勝しベルトを獲得。22年2月のK-1同級王座決定トーナメント準決勝で優勝者の金子晃大にKO負けし、6月のTHE MATCHでは江幡睦に延長判定負けした。その後、拳の怪我により療養し、昨年7月の王座初防衛戦が1年ぶりの試合となり、永坂吏羅に判定勝ちした。
今回、璃明武への挑戦者として岩尾力が1月29日の会見で発表済だったが、岩尾が左足関節外側靭帯損傷により手術が必要になり、倉田が代役として抜擢された。
倉田は14戦8勝(5KO)5敗1分の22歳。19年のデビューから2年間は負けが込んでいたが、ここ2年は6戦5勝(3KO)1敗と好調で、昨年2月に内田晶に判定負けして以降、7月に“狂拳”迅に判定勝ちし、12月に龍翔にTKO勝ちと勢いに乗っていることが評価された。
試合は短時間決着に。1R、静かな立ち上がりながらも、璃明武が右ロー、左ジャブ等を随所で当て、ペースを握る。すると中盤過ぎ、璃明武はじりじり下がって倉田を誘ってから、不意打ちとなるような左ハイを当て、早くもダウンを奪う。倉田は立ち上がったもののダメージが大きい。璃明武が右のカーフ、ローを連打してから、今後は右ハイをクリーンヒットする。膝をついた倉田は即座に立ったが、さらに璃明武が左フックを当てて真後ろに倉田を倒すと、梅木レフェリーがすぐさまストップし、璃明武のKO勝ちとなった。
璃明武は「倉田選手、急きょでしたが受けてくれてありがとうございます。上の舞台に上がってきたらやりましょう。Krushのチャンピオンとして仕事できたと思うんで、相手がいれば防衛しますけど、相手がいないと思うんで、K-1に乗り込んでK-1チャンピオン目指します」とアピールした。Krushの宮田充プロデューサーは「金子君や玖村君とのマッチがあってもいい」と話し、上位戦線での起用に意欲を示した。
初代ミドル級王座決定トーナメントは神保克哉とブハリ亜輝留が6月の決勝進出
第8試合 初代Krushミドル級(75kg)王座決定トーナメント・準決勝 3分3R(延長1R)
○神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)
×YOHAN(韓国/T.K.F/元KROSS×OVERクルーザー級王者)※ZEEK GYMから所属変更
判定2-0 (箱崎30-29/梅木30-30/西村30-29)
K-1 GROUPでは先にK-1でミドル級王座が設立され、昨年6月の初代王者決定トーナメントでは決勝でハッサン・トイが松倉信太郎を1R KOし優勝したが、12月の大阪での初防衛戦では松倉がリベンジ勝利しK-1ミドル級王者となった。今回、Krushでもミドル級王座が作られ、4選手によるトーナメントが開幕する。3月大会で準決勝2試合を実施し、決勝は6月23日のKrush後楽園大会を予定している。
神保は元々70kgの選手だったが、近年は75kg近辺での試合が続き、率先して階級設立を提唱してきた選手だった。だが満を持して開催された昨年6月のK-1の王座決定トーナメントでは、一回戦でリー・ホイに延長判定負けしてしまう。試合はそれ以来9か月ぶりとなる。Krush王座決定トーナメント準決勝の相手・YOHANとは、17年2月のK-1のプレリムで戦い、神保が左ボディで1R KO勝ちしている(当時のYOHANは雄人のリングネームだった)。
YOHANは22年6月に鈴木健太郎に判定勝ちしたが、9月にダニロ・ザノリニに判定負け。昨年3月のK-1で松倉との試合が組まれたが、YOHANは頸椎ヘルニアで全治2カ月と診断され欠場していた。
1R、神保が左右のボディブロー、左ミドル、右ローを随所で当て、やや手数多く攻めるが、まだ追い詰めるほどにはならない。YOHANも左ミドル、鋭い左右のテンカオを返すが、手数が伸びない。記者採点はイーブン。
2R、距離が詰まる展開の中で、神保がボディ狙いのパンチ、ミドル、膝を増やす。YOHANは少し苦しそうにするが、止まることはなく、右のカーフを当てると、神保も少し動きが止まる場面もあり、はっきりと差はつけさせない。記者採点はイーブンだが手数の多い神保につく可能性はある。
3Rも似た接近しての展開が続き、中盤までYOHANも攻撃を返して渡り合っていたが、終盤、神保がラストスパートをかけてパンチを増やしと、YOHANは攻撃が返せず、少しぐったりした様子で終了する。記者採点は僅差だが神保。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者は神保を支持し、神保が判定勝ちした。
第7試合 初代Krushミドル級(75kg)王座決定トーナメント・準決勝 3分3R(延長1R)
×谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○ブハリ亜輝留[アキル](ウィラサクレック・フェアテックス幕張)
判定0-3 (箱崎26-30/豊永26-30/梅木26-30)
谷川は17年のキックデビュー当初から90kgのクルーザー級以上で戦い、22年4月のK-1の無差別級トーナメントでは準優勝の好成績を残したが、今回は中学生当時以来だという75kg以下まで絞った。
亜輝留は21年5月に神保にKO負けしているが、22年6月から昨年9月まで、EITO、ジュリオ・セザール・モリ、吉野友規、大石昌輝相手に4連勝(2KO)中だ。
1R、谷川がパンチを当てつつ、右ハイ、カーフも絡め、積極的な攻めを繰り広げていたが、終盤、ブハリが左フックを効かせてから、パンチをまとめると谷川がダウンする。最後もブハリが左フックで谷川をひるませる。
2R、谷川が長時間ブハリをロープに詰め、パンチ、膝、右カーフ等を当て主導権を維持する。ブハリもブロックを解いてパンチをまとめる場面もあるが、流れは変えられない。記者採点は谷川。
3R、谷川は変わらずパンチ、蹴りを当て、時折バックスピンキックやハイにつなげて倒そうとするが、ブハリは耐え続けると、終盤、左フックを効かせて棒立ちにさせてからのパンチラッシュでダウンを奪う。谷川は右まぶたが腫れてふさがっている。結局このまま時間切れとなり、ブハリが大差とつけ判定勝ちした。
神保が次の試合で勝利後、ブハリもリングに上がり、両者が6月23日の決勝に向けての意気込みを語った。
神保は「久々の試合で相手のYOHANはチング(=韓国語で友人)なんで練習したことあって、スパーみたいな最悪な展開になったんで、次はKOします」と話し、ブハリは「僕はプロ無敗だった時に初めて負けた相手が神保選手です。これまで負けた相手が2人いて、1人にはリベンジしました。神保選手はK-1のリングでプロの厳しさ教えてくれて、憎むべき相手であり尊敬すべき相手です。僕が勝ってベルトを巻くんで決勝を見に来てください」とアピールした。
前半戦は晃貴、安尾瑠輝らKOラッシュに
第6試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○晃貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushバンタム級王者)
×健介(Jay’s Box)
1R 2’22” KO (右フック)
1R、晃貴が圧力をかけ、少しずつパンチを当てていると、中盤過ぎ、コーナーに詰めての右フックでダウンを奪う。健介は立ったが表情が虚ろで、続行したものの、晃貴が再び右フックでダウンを奪ったところで箱崎レフェリーがストップした。晃貴はセコンドの武尊と抱き合って大喜びした。マイクを持った晃貴は「よっしゃー、良かった。ベルト取ります。応援お願いします」とシンプルにアピールした。
第5試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
○安尾瑠輝[りゅうき](K-1ジム心斎橋チームレパード/DEEP☆KICK -51kg王者)
×矢島直弥(TSK japan/元WPMF日本&蹴拳ムエタイ・フライ級王者)
3R 0’44” KO (右ローキック)
心直(しんた)が急性気管支炎と診断されたため欠場し、1階級下の安尾が代役として矢島と戦うことが大会9日前に発表された。安尾は神戸市出身の19歳で6戦4勝(2KO)2敗。昨年は2月・5月とKrushで連敗したが、大阪でのDEEP☆KICKの-51kg王者決定トーナメントに参加すると、9月に龍太郎に判定勝ち、12月にKING陸斗にKO勝ちしてベルトを奪取した。対する矢島は「NARIAGARI」に参戦中で、皇治推薦でK-1 GROUPに初参戦する33歳・32戦目のベテラン。
1R、安尾が開始すぐからラッシュを仕掛け、中盤には左ボディでダウンを奪う。だが終盤、安尾のラッシュを耐えた矢島が、右ストレートを効かせてから、前に出てパンチを返し巻き返す。
2R、矢島が左ボディ主体でパンチを度々当てて矢島を追い詰める。矢島も時折パンチを返していたが、終了間際、安尾が左ボディを効かせ、左ミドルを絡めつつのパンチ連打でダウンを奪い、点差を広げる。
すると3R、安尾は左の三日月蹴りでまたもダウンを奪い、最後はローとパンチのラッシュで矢島を倒すと、レフェリーがストップした。
マイクを持った安尾は「準備期間が2週間切ってて、追い込めるか心配だったんですけど、勝てて良かったです」と話しつつ涙を流した。宮田プロデューサーは敗れた矢島も評価し「また起用したい」と話している。
第4試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
×鵜澤悠也(RIKI GYM/DREAM KHAOSバンタム級トーナメント2020優勝)
○黒川瑛斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
2R 2’00” KO (左ストレート)
両者サウスポーで構え、1Rはまだ均衡状態だったが、2Rに黒川が左ストレートとフックのヒットを増やし、中盤過ぎにコーナーまで詰めると、左ストレートでダウンを奪う。鵜澤は立とうとしたがダメージが大きく、三浦レフェリーがストップした。黒川は「上の方が対抗戦で盛り上がっていますけど、僕に注目しておいてください」と話し、今後の上位進出を約束した。
第3試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×勝輝[まさき](K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)
○“狂拳”迅(WIZARDキックボクシングジム)
3R 1’41” KO (右カーフキック)
両者慎重な攻防が続いていたが、迅が執拗に当てていた右のカーフキックが3R、効き目を発揮する。3Rに迅が右カーフで2ダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。迅はマイクでフェザー級王座戦を希望した。
第2試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○山浦力也(北斗会館/K-1甲子園2018 -60kg優勝)
×蘭丸(team AKATSUKI)
1R 2’39” KO (左フック)
1R、蘭丸が左ミドルを強打して先手を取ったが、次第に山浦が顔面とボディへのパンチ、右ローと攻撃を散らしてヒットを増やすと、終盤、右フックを効かせてから、左フックでKOした。マイクを持った山浦は「そろそろトップの選手とやらせてください」とアピールした。
第1試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×哲志(K‐1ジム五反田チームキングス)
○大利賢佑(team ALL-WIN)
判定0-3 (28-30/28-30/28-30)
プレリミナリーファイト第2試合 フライ級(51kg) 3分3R
○菊地海斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
×加藤一虎[かずとら](POWER OF DREAM)
判定3-0 (30-26/30-26/30-26)
※2R左ハイキック、3R左ジャブで加藤に各1ダウン
プレリミナリーファイト第1試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
○内田竜斗(チーム・タイガーホーク/K-1カレッジ2021 -55kg優勝)
×太田 黎[れい](真闘会/K-1カレッジ2022 -55kg優勝)
判定3-0 (29-27/29-27/29-27)