K-1 6.3 横浜武道館(レポ/トーナメント):ハッサン・トイ、松倉信太郎を決勝で1R KOし初代ミドル級(75kg)王者に。神保克哉は初戦敗退
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AZABU PRESENTS K-1 WORLD GP 2023 ~初代ミドル級王座決定トーナメント~
2023年6月3日(土)神奈川・横浜武道館
レポート&写真:井原芳徳 ※ワンマッチは別記事でお伝えします
初代ミドル級王座決定トーナメント、神保克哉は初戦敗退。ハッサン・トイと松倉信太郎は1R KO勝ちで準決勝へ
※トーナメントの一回戦・準決勝・リザーブファイトは2ノックダウン制。決勝は3ノックダウン制
第2試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級(75kg)王座決定トーナメント・一回戦(1) 3分3R(延長1R)
×神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)
○リー・ホイ[Li Hui](中国/陕西大秦騫秋ジム/CFP/IPCC中国-75kg級王者、WLF武林風スーパールーキー-75kg級王者)
4R 判定0-3 (箱崎9-10/三浦9-10/岡田9-10)
3R 判定0-0 (箱崎30-30/三浦30-30/岡田30-30)
K-1ではスーパー・ウェルター級(70kg)よりも1つ上の階級として、ミドル級(75kg)が昨年新たに作られ、今回の横浜武道館で8選手参加による初代王座決定トーナメントが行われた。
神保は元々70kgの選手だったが、近年は75kg近辺での試合が続き、階級新設を希望し続けてきた。昨年9月の松倉信太郎との死闘を制したことが評価され、正式にミドル級が新設されており、K-1におけるこの階級の第一人者といえる。だが3月のK’FESTA.6では、今回のトーナメントにも参戦するヴィニシウス・ディオニツィオに判定負けしている。今回のトーナメント初戦ではK-1初参戦のリー・ホイと対戦。中国の武林風等で活躍し戦績は23戦18勝(5KO)5敗。試合では体の丈夫さとバランスのいい技術で神保を苦しめることに。
1R、神保が左右のパンチ、左ミドルを着実に当てるが、リーは随所で右ストレート、ボディストレート、ローを的確に返す。記者採点はイーブン。
2R、神保が左フック、ボディストレートを強打するが、リーも右ロー、左右のミドル、右ローを返し、お互い一歩も引かない消耗戦に。記者採点はイーブン。
3Rもお互い激しい打ち合いが続く。終了間際、リーの手数がやや増えるが、神保もひるまず時間切れ。記者採点はイーブン。合計30-30でイーブン。ジャッジ3者も同じ採点で延長へ。
4R、序盤におそらくリーのパンチが当たったか?神保は左まぶたから出血しドクターチェックが入る。再開後、激しい打ち合いが続き、神保も左ボディ、膝を効かせたが、トータルにはリーのパンチ、ミドル、膝の手数がやや上回る形で終了。記者採点は僅差だがリー。ジャッジ3者もリーを支持し、神保は初戦敗退となってしまった。
第3試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント・一回戦(2) 3分3R(延長1R)
×ダニロ・ザノリニ(ブラジル/ブラジリアン・タイ/元RISEウェルター級王者、元ホーストカップ&HEATミドル級王者、元ISKA世界スーパーウェルター級王者)
○ハッサン・トイ(トルコ/チーム・トイ/元WLF武林風 -65kg級王者、元WFCA欧州-68kg級王者)
1R 1’35” KO (2ダウン:左ハイキック)
ザノリニはK-1 MAXで佐藤嘉洋とも対戦していた42歳のベテラン。昨年2月に神保に判定負けし、9月にははパク・ヨハンに判定勝ちしている。トイは19年12月のK-1名古屋大会で野杁正明に判定負けしている選手。
1R、体格で勝るトイが圧力をかけ、パンチ、ローをヒット。する右のストレートをもらったザノリニが少し遅れて倒れてダウンする。ザノリニはダメージが大きく、トイは左ハイキックを3連打すると、ザノリニはブロックしていたがダウンし、トイのKO勝ちとなった。
第4試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント・一回戦(3) 3分3R(延長1R)
○松倉信太郎(team VASILEUS/WPMF世界スーパーミドル級王者、元KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王者、Krush YOUTH GP 2012 -70kg優勝、K-1甲子園2009 -70kg優勝)
×ヴィニシウス・ディオニツィオ(ブラジル/ブラジリアン・タイ/FIGHT DRAGON -80kg級王者)
1R 2’19” KO (2ダウン:パンチ連打)
松倉はKNOCK OUTでスーパーミドル級(75kg)の王座を獲得後、昨年からK-1に戻り2勝1敗。神保にはKO負けしたが、3月大会ではイゴール・シウバにKO勝ちしている。ディオニツィオは3月大会で神保に判定勝ちしている。
松倉のセコンドには武尊がつく。1R、序盤から松倉がリズムよくミドル、ローをヒットし先手を取り、パンチを連打する。打ち合いでディオニツィオのパンチをもらい、松倉は鼻血を出すものの、パンチのコンビネーションの中で右アッパーを絡めると効き目を発揮する。ディオニツィオはダメージが溜まり、パンチを振った後スリップし、すぐ立てず、レフェリーはダウンを宣告する。松倉はチャンスを逃さず、パンチの連打でディオニツィオを防戦一方にしたところで再びレフェリーがダウンを宣告し、松倉が1R KO勝ちで初戦を突破した。
第5試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント・一回戦(4) 3分3R(延長1R)
○ムスタファ・ハイダ[Mustapha Haida](イタリア/ファイトクラブ・フィレンツェ/元ONEキック・ライト級(77.1kg)2位、ISKAオリエンタルルール世界ライトミドル級(72.5kg)王者、WAKO-PROインターコンチネンタル・ミドル級王者)
×MIKE JOE(フィリピン/BATTLE FIELD/TEAM J.S.A/WPMFインターナショナル&WMCインターコンチネンタル・ミドル級王者、元Bigbangスーパーウェルター級王者)
判定2-0 (山根29-29/太田30-29/豊永30-29)
ハイダは14年のクンルンファイトでアンディ・サワーに勝ったことがあり、16年からベラトールキック、19年からONEに上がり、21年にはONEムエタイ・ライト級(77.1kg)王者のレギン・アーセルに挑戦し判定負けしている。出場選手でもっとも世界的に活躍した選手で、K-1の中村拓己プロデューサーも「実績的に優勝候補」と高く評価する。MIKE JOEはムエタイのBOMにも並行参戦している選手で、K-1 GROUPでは藤村大輔とEITOに勝利している。
1R、ハイダがプレッシャーをかけるが、まだ慎重で、パンチとローを放つがまだ強打はなく少し距離が遠い。JOEは左右のローを強打する場面もあるが、まだ攻撃数が伸びない。記者採点はイーブン。
2R、JOEは右ロー、膝を当てるが、攻撃が伸びず。ハイダはボディから顔面につなぐパンチのコンビネーションを決めるが、まだ手数が伸びない。記者採点はイーブン。
3R、お互いなかなか手数が伸びないが、ハイダが少しずつパンチと蹴りのヒットを増やすと、終盤、前に出て左ハイをクリーンヒット。JOEは腰が落ちて後ろに下がると、ロープに引っ掛かったことでダウンは免れたが印象を悪くする。記者採点はハイダ。合計30-29でハイダ。結局最後の左ハイが決め手となり、ハイダが判定勝ちで初戦を突破した。
第1試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R(延長1R)
○ブハリ亜輝留(ウィラサクレック・フェアテックス幕張)
×吉野友規(K.Y.T)※スタージス新宿ジムから所属変更
2R 2’11” KO (パンチ連打)
松倉信太郎がムスタファ・ハイダを、ハッサン・トイがリー・ホイを下し決勝進出
第10試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント準決勝(1) 3分3R(延長1R)
×リー・ホイ[Li Hui](中国/陕西大秦騫秋ジム/CFP/IPCC中国-75kg級王者、WLF武林風スーパールーキー-75kg級王者)
○ハッサン・トイ(トルコ/チーム・トイ/元WLF武林風 -65kg級王者、元WFCA欧州-68kg級王者)
判定0-3 (岡田28-30/水谷29-30/梅木27-30)
1R、一回戦ノーダメージのトイがハイキック、飛び膝でアグレッシブに攻める。だがリーもまだクリーンヒットはもらわず、右ロー、右ボディ等を随所で返して渡り合う。記者採点はイーブン。
2R、リーは序盤こそパンチ、ローを当てていたが、中盤からトイがサウスポーに切り替え、左の奥足狙いのローのヒットを増やし、ハイも絡め、攻撃数で上回って終える。記者採点はトイ。
3R、リーは今日6R目で消耗が激しく、声を上げながらパンチを放つが力が入りきらない。トイも疲れているが、スイッチを繰り返しつつ、左フックを強打し、パンチとローを随所で当て続け、主導権を維持して終了する。記者採点はトイ。合計28-30でトイ。ジャッジ3者もトイを支持し、トイの判定勝ちとなった。
第11試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント準決勝(2) 3分3R(延長1R)
○松倉信太郎(team VASILEUS/WPMF世界スーパーミドル級王者、元KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王者、Krush YOUTH GP 2012 -70kg優勝、K-1甲子園2009 -70kg優勝)
×ムスタファ・ハイダ[Mustapha Haida](イタリア/ファイトクラブ・フィレンツェ/元ONEキック・ライト級(77.1kg)2位、ISKAオリエンタルルール世界ライトミドル級(72.5kg)王者、WAKO-PROインターコンチネンタル・ミドル級王者)
判定3-0 (岡田30-27/水谷30-27/梅木30-26)
1R、両者サウスポーで構え、蹴り主体の攻防となる。終盤、松倉が右のミドルを当てつつ、左ローもコツコツ当てると、ハイダは少し足が流れるように。記者採点はイーブン。
すると2R序盤、松倉が右の三日月蹴りを当てると、ハイダはダウンする。ハイダは苦しみ10カウントギリギリで立つ状態だったが、松倉はニュートラルコーナーに行かず、青コーナーのポストに上って喜んでしまい、カウントが長引き、ハイダは救われる形に。その後も松倉がプレッシャーをかけ、右のミドル、三日月を当てるが、ハイダも耐え、左ボディを返す。記者採点は10-8で松倉。
3R、松倉は圧をかけ続け、主導権を維持し、終盤に右ミドル、パンチを効かせ、ハイダを苦しめ終了する。記者採点は松倉。合計30-27で松倉。ジャッジ3者も松倉を支持し、松倉が判定勝ちで決勝に駒を進めたが、2Rで仕留めきれず、決勝前に体力を使ってしまった。
ハッサン・トイ、松倉信太郎を決勝で1R KOし初代ミドル級王者に
第18試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント決勝 3分3R(延長1R)
○ハッサン・トイ(トルコ/チーム・トイ/元WLF武林風 -65kg級王者、元WFCA欧州-68kg級王者)
×松倉信太郎(team VASILEUS/WPMF世界スーパーミドル級王者、元KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王者、Krush YOUTH GP 2012 -70kg優勝、K-1甲子園2009 -70kg優勝)
1R 0’42” KO (左フック)
※トイが王者に
1R、松倉が右ミドルを当てるが、トイは足でブロックしてから、じりじりプレッシャーをかけると、コーナー付近まで後退した松倉に、左フックをヒットする。頭が揺れた松倉はダウンすると、立ち上がれず。トイのKO勝ちとなり、トイが初代ミドル級王者となった。
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