K-1 9.11 横浜アリーナ(レポ/ワンマッチ):大和哲也、佐々木大蔵にリベンジし初防衛。金子晃大、1R KO勝ち。玖村将史、元ルンピニー2階級王者コンペットに判定負け。70kg戦線は和島大海&ジョムトーンが1R KO勝ち
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K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~よこはまつり~
2022年9月11日(日)横浜アリーナ
レポート&写真:井原芳徳 ※スーパー・フェザー級王座決定トーナメントは別記事でお伝えします
大和哲也、佐々木大蔵にリベンジし初防衛
第18試合 K-1 WORLD GPスーパー・ライト級(65kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○大和哲也(大和ジム/王者、K-1 -63kg日本トーナメント2010優勝、WMCインターコンチネンタル・ライト級王者、元WBCムエタイ世界&Lion Fight世界スーパーライト級王者、元WBCムエタイ日本&NJKFライト級王者)
×佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者、Krush同級王者、元Krushライト級王者)
判定3-0 (岡田30-28/太田29-28/豊永30-28)
※大和が初防衛
K-1の9月恒例の横浜アリーナ大会は「よこはまつり」の愛称がつけられ、春の「K’FESTA」と並ぶK-1の2大祭りとなりつつある。
34歳のベテラン・哲也は19年12月に不可思にKO負けし、20年12月には佐々木に判定負け。21年12月に大野祐志郎にKO勝ちすると、今年4月の代々木大会では山崎秀晃のK-1スーパー・ライト級王座への挑戦者に抜擢され、わずか50秒、左フックでKOして下馬評を覆し、ベルトを奪取した。佐々木は2年前の哲也戦以降も平山迅、林健太、ヴィトー・トファネリ、寺島輝に連勝。6月に寺島をKOしてKrush同級王座3度目の防衛を果たし、連勝を10に伸ばすと、K-1王者・哲也への挑戦を表明し、早速地元神奈川での王座戦が組まれた。
佐々木のセコンドには山崎がつく。1R、佐々木が中央側に立って圧をかけ、哲也が回る構図が続き、お互い慎重だったが、終盤に佐々木の左右のミドルのヒットが増え、若干優位に。記者採点はイーブンだが佐々木につく可能性はある。
2R、佐々木が右のローを効かせつつ、右前蹴りで吹き飛ばし、右ボディ、ミドル等も当てて優位を維持する。だが終盤、哲也も右ハイ、右ストレートを当てて挽回し、スリリングな状態に持ち込む。記者採点はイーブン。
3R、佐々木は前回の寺島戦同様に3R目からの打ち合いの展開に持ち込み、序盤こそ手数で哲也を追い詰めるが、中盤から哲也も巻き上げ、左フック、左ボディを効かせて追い詰めると、右フックでダウンを奪う。その後の打ち合いで佐々木も必死に挽回を狙うが、哲也は打ち負けずやや優位を維持し終了。哲也が判定勝ちで佐々木にリベンジすると共に初防衛に成功した。
哲也は「34歳、まだまだ強くなります」とマイクアピールした。 試合後のバックステージでのインタビューでは「(3年前に敗れている)不可思選手とタイトルマッチをやりたいです」と話した。
金子晃大、1R KO勝ちし「また鈴木選手とやれる機会が与えられたら」
第17試合 56kg契約 3分3R(延長1R)
○金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1スーパー・バンタム級(55kg)王者、元Krushバンタム級(53kg)王者)
×ジョーダン・スウィントン[Jordan Swinton](英国/ルック・ボライ)
1R 0’40” KO (右ボディストレート)
金子は20年3月のK’FESTA.3で玖村将史と死闘の末に判定負けし、プロ10戦目で初黒星を喫したが、以降は勝利を重ね、今年2月のK-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメントでは決勝で将史にリベンジすると共に、ベルトも獲得した。6月のTHE MATCH 2022の第1試合ではRISEバンタム級(55kg)王者の鈴木真彦に判定2-0で惜敗したが、高いスキルを印象付けた。初来日のスウィントンは13戦10勝(4KO 3敗の21歳。イギリスではムエタイを主体に戦ってきた。
試合は金子が圧倒する内容に。1R、開始すぐから金子が前に出て、右フックの2連打でダウンを奪う。その後も金子が積極的に攻め、右ボディストレートを当てて再びダウンを奪う。スウィントンはマウスピースを吐き出して苦痛の表情を浮かべ、レフェリーがストップした。
マイクを持った金子は勝って当然といった様子で、前回の鈴木戦の話のみをし「K-1ファンの皆さん、6月のTHE MATCHは不甲斐ない結果で申し訳ありませんでした。他団体の王者に負けているので、K-1 NEXTと名乗れないです。強くなって、また鈴木選手とやれる機会が与えられたらと思います」と話した。試合後のインタビューでも「鈴木選手にリベンジしたいですし、世界にも強い選手がいるので、そういう選手に勝っていきたい」と、改めて鈴木の名前を出しつつ、一つ前の試合で玖村将史に勝った元ルンピニー2階級王者コンペットについて「自分もああいう相手に勝っていきたいと思いました」とコメントし、対戦に前向きな姿勢を示した。
玖村将史、元ルンピニー2階級王者コンペットに判定負け
第16試合 56kg契約 3分3R(延長1R)
×玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/第3代K-1スーパー・バンタム級(55kg)王座決定トーナメント2022準優勝、元Krushスーパー・バンタム級王者)
○コンペット・シットサラワットスア[Komphet Sitsarawatser](タイ/シットサラワットスアジム/元ルンピニー認定バンタム級&フライ級王者、元プロムエタイ協会ライトフライ級王者、元BBTVフェザー級・フライ級・ライトフライ級王者)
判定1-2 (豊永30-29/太田29-30/岡田29-30)
玖村兄弟の弟・将史は2月のK-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメントで鬼山桃太朗、佐々木洵樹をKOし決勝に進むも、金子晃大に判定負けし、連勝が6でストップ。6月のTHE MATCHでは、RISEの2階級のトーナメントを制した志朗からダウンを奪い判定勝ちし、K-1に凱旋する。
コンペットはムエタイの2大王座の一つ・ルンピニースタジアム認定王座を2階級制覇し、テレビマッチのBBTV王座も3階級制覇した強豪。99戦80勝(12KO)16敗3分の22歳でK-1ルールは初挑戦だ。
試合はテクニシャン・志朗を攻略した将司をもってしても手こずる内容に。1R、将史が圧力をかけ続け、左ボディフック、左三日月蹴りを随所でヒットしやや優位。だが中盤からコンペットは右ミドル、ローのヒットを増やし、パンチの打ち合いでも右フックを当てて挽回する。記者採点はイーブンだが、トータルの手数差で将司につく可能性はある。
2Rも将史が圧をかけ続けるが、お互い手数が増え、右ロー、ストレート、ハイの応酬が続く。どちらも崩れず、動きも途切れず、高いレベルでの削り合いに。コンペットは蹴り足をつかんでしまうことはあるものの、概ねルールに適応できている様子だ。記者採点はイーブン。
3R、将史は変わらず圧をかける。だがムエタイで5Rの戦いで慣れているコンペットは、普段の中盤相当のこのラウンドに入ると、さらに動きが良くなり、積極的にパンチ、ローを出す。将史も同じように返すが、コンペットは攻撃をもらっても一般的なK-1初戦のタイ人のように組むことなく、離れてパンチと蹴りを返し続ける。終盤のパンチの打ち合いでは、左右のフックを手数多く当てやや優位で終える。記者採点は僅差だがコンペット。ジャッジは割れたが、2者がコンペットを支持し、コンペットの判定勝ちとなった。試合後は2人の子供をK-1アマチュアに出場させているタレントの渡辺美奈代さんがトロフィーを贈呈した。
コンペットは試合後のインタビューで「今日が初めてのK-1ルールで、足をつかむ場面もあったので、次に参戦する機会があれば修正して臨みたい」と話しつつ「3-0で勝っていた自信があったので、最初に相手にポイントが入った時は驚きました」と、完勝の自覚はあった様子。「今日、玖村選手に勝てたことでタイトルに挑戦する権利を得られたと思っています」と、改めて金子の持つベルト取りに意欲を示した。
敗れた将史は「実力不足です。それだけです。さすがルンピニーのチャンピオンだけあるなと、やって思いました」と完敗を認めつつ「目指してるところは変わらないんで。もう1人やり返さないといけない相手ができたんで。やり返して、スーパー・バンタム級のベルトに1試合でも早く挑戦できるように」「怪我も無いんで12月(3日の大阪大会に)出られるんで、12月、もっと強くなった姿をお見せします」と、早くも前を向いていた。
70kg王者・和島大海が1R KO勝ち。K-1初登場ジョムトーン、1R KO勝ちし「70、67.5、65の王者になりたい」
第15試合 スーパー・ウェルター級(70kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○和島大海(月心会チーム侍/K-1スーパー・ウェルター級王者)
×メレティス・カコウバヴァス[Meletis Kakoubavas](ギリシャ/クリティコスキャンプ/ICO Infusion欧州・FFC・KGP70kg級王者、IFP 72kg級王者)
1R 1’34” KO (左フック)
和島は昨年7月のK-1福岡大会でアビラルをKOし、12月の地元大阪大会では木村“フィリップ”ミノルをKOし、スーパー・ウェルター級王座を獲得。6月のTHE MATCHでは元RISEウェルター級王者のベイノアに判定勝ちし、現在5連勝中だ。メレティスは初来日の33歳で49戦42勝(35KO)7敗。現Krush王者のジョーダン・ピケオーにも勝ったことがある。
1R、開始すぐからメレティスが詰めて来たが、サウスポーの和島の左ローがローブローとなり、いきなり中断する。5分ほど休んでから再開すると、メレティスはこれまで同様に詰めて来る。右フックはパワフルだが、フェイントが無いこともあってか、和島にかわされ、空を切り続ける。和島は逆に左ミドル、ハイを的確にヒット。すると中盤、メレティスの右フックをかわしてから、左フックをヒット。メレティスが再び左フックで詰めて来ると、またも左フックを今度はアゴに当ててダウンを奪う。メレティスはなんとか立ち上がるが、ダメージが大きく、レフェリーがストップ。和島がテクニシャンぶりを発揮しKO勝ちした。
第14試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
×アビラル・ヒマラヤン・チーター(ネパール/志村道場/HEATキック・ミドル級王者)
○ジョムトーン・ストライカージム(タイ/ストライカージム/元ラジャダムナン4階級王者、元WBCムエタイ世界3階級王者、クンルンファイト70kgトーナメント2016準優勝、プロボクシング元東洋太平洋スーパーフェザー級王者)※ジョムトーン・チューワッタナ改め
1R 3’02” KO (左ハイキック)
アビラルは昨年7月のK-1福岡大会で、のちにスーパー・ウェルター級王者となる和島大海のローキックの餌食となるKO負け。その後はホームリングのHEATの2試合含め、藤村大輔、松下大紀、ラーシーシン・ウィラサクレックにKO勝ちしている。タイ人との連戦となるが、ジョムトーンは格違いの大物だ。ルンピニーと並ぶムエタイの2大王座の一つ・ラジャダムナン認定王座を4階級制覇し、プロボクシングでも東洋太平洋王座を獲得。15~19年は主に中国の大会で活躍し、スーパーボンやグレゴリアンには敗れたが、ダビット・キリア、T-98、日菜太には勝利している。現在33歳で、広島のストライカージムでトレーナーを務める。
試合はジョムトーンが健在ぶりをまざまざと見せつけるファイトを展開する。1R、ジョムトーンはサウスポーで構え、左ミドルを当てる。さらに左ミドルをアビラルの右手首のガードの上から当てると、アビラルのグローブの拳の部分がアゴに当たり、アビラルはダウンする。開始数十秒で先手を取ると、左ミドル、奥ローを当て、接近戦でもボクシング仕込みのパンチを的確に当てて削る。すると終了間際、アビラルは右のバックハンドブローで奇襲を図るが、ジョムトーンは難なくかわしてから左フックをヒット。これでひるませてから、左ハイも当てて再びダウンを奪うと、アビラルのダメージが大きく、すぐさまレフェリーがストップした。マイクでジョムトーンは「70、67.5、65のチャンピオンになりたい」と話し、K-1 3階級制覇に意欲を示した。
なお、ジョムトーンへのトロフィーのプレゼンターは、タレントの熊田曜子さんが務めた。熊田さんは8月の福岡大会の生中継で披露した豊富なK-1知識がファンの間でも好評だった。
卜部弘嵩(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元K-1 WORLD GP&Krushスーパー・フェザー級王者、元ISKA世界スーパーライト級王者)引退セレモニー
卜部兄弟の兄・弘嵩(ひろたか)は1989年5月13日生まれの33歳。07年7月29日に全日本キックでプロデビュー。Krushには08年11月の旗揚げ大会から上がり、FEG体制下のK-1にも出場。11年には初代Krushスーパー・フェザー級王者となり、第4代王者時代含め通算5度の防衛に成功する。15年11月には卜部功也との兄弟対決を制し第2代K-1同級王者となる。だが以降は負けが込み、17年2月に大雅に敗れ初防衛に失敗。19年11月にブランドン・スぺインに判定勝ちしたが、その後は4連敗で、今年2月のK-1の島野浩太朗戦でのKO負けを最後に引退を決意した。キック通算戦績60戦37勝(18KO)20敗3分。
引退式では、KRESTの渡辺雅和代表、功也、武尊、夫人でタレントの高橋ユウさんらが花束を贈呈した。弘嵩は「今まで応援してくれた皆さん、ありがとうございました」と感謝の言葉を述べ、引退の10カウントゴングを聞いた。
第13試合 スーパー・ヘビー級(+100kg) 3分3R(延長1R)
○シナ・カリミアン(イラン/POWER OF DREAM/K-1クルーザー級(90kg)王者)
×実方宏介(真樹ジムAICHI/Bigbangヘビー級王者)
1R 1’21” KO (左ストレート)
カリミアンは昨年3月、K-Jeeとのダイレクトリマッチで逆転KO勝ちしクルーザー級王座を奪還。9月のK-1では元K-1ヘビー級王者・京太郎に延長判定勝ちし、今年6月のTHE MATCHでは山下力也に判定勝ちした。今回もクルーザー級より重い階級での試合となる。実方は4月のK-1で無差別級トーナメント一回戦で石井にKO負けし、7月のホーストカップではブラジル人のMAMUTIにKO負けしている。
試合はカリミアンがレベルの差を見せつける内容に。1R、開始すぐからカリミアンが前に出て、パンチを積極的に振るうと、コーナーに詰めて連打し、左膝とパンチの連打でダウンを奪う。実方は10カウントギリギリで立ち上がるがダメージが大きく、カリミアンが左ジャブ気味のストレートで2ダウン目を奪ったところで、豊永レフェリーがストップした。
森坂陸、復帰戦の西京春馬に勝利「気持ちで押し切った」
第10試合 tvk開局50周年記念試合 58kg契約 3分3R(延長1R)
×西京春馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushフェザー級(57.5kg)王者、K-1甲子園2015 -55kg優勝)
○森坂 陸(エスジム)
4R 判定1-2 (山根9-10/水谷9-10/太田10-9)
3R 判定1-1 (山根30-29/水谷29-30/太田29-29)
今大会の地元・神奈川県勢同士の対戦で、tvk(テレビ神奈川)の開局50周年記念試合として行われた一戦。西京兄弟の兄・春馬はジュニア時代に那須川天心とも戦い、14年に16歳でプロデビューし、17年にKrush王者となる。18年の第2代K-1フェザー級王座決定トーナメントでは決勝で足を負傷しTKO負け。19年の第3代王座決定Tでは準決勝で左足のスネを骨折しKO負け。手術とリハビリを経て約3年ぶりに復帰する。対する森坂は20年11月の新美貴士戦から、軍司泰斗、斗麗相手に3連敗したが、今年はKrushで竹内将生、亀本勇翔に連勝している。
1R、森坂がオーソドックスで圧をかけ、西京がサウスポーで回る構図で、お互いミドルを当て、西京は左右のストレートも目立つが、まだはっきりした差はつかない。記者採点は西京やや優位だがイーブン。
2R、お互い手数が上がり、西京の右ジャブ、左ストレートも増えるが、森坂はひるまず、右ロー、ミドルを返し続け、時折得意のバックハンドブローでも襲い掛かる。記者採点は西京やや優位だがイーブン。
3R、森坂が右ミドルを当て続け、ローを絡めていると、西京はパンチが減り、やや印象が悪い。終盤のパンチの打ち合いでは森坂のヒットが上回り、やや優位で終える。記者採点は僅差だが森坂。合計29-30で森坂。僅差のラウンドが続いたためもあってか、ジャッジは三者三様で延長へ。
延長R、森坂が前に出て積極的に右ロー、膝を当てやや優位。終盤には右フックもクリーンヒットする。試合慣れしていて運動量が豊富な森坂に対し、復帰戦の西京は手数が落ちる。最後は右フック、左ハイを当てるが、森坂は耐え終える。記者採点は森坂。ジャッジは割れたが2者が手数で勝った森坂を支持し、森坂が下馬評を覆して判定勝ちすると、涙を流して喜んだ。
試合後のインタビューで森坂は西京について「予想通り上手くて強かった」と語り、競り勝てた要因について「気持ちで押し切った」としつつ「見方によっては延長もドローで、まだまだ弱いなと思いますね」と謙虚にコメントした。
敗れた西京は敗因について「スタミナ切れですね。延長に行った時、マジかと思いました。その部分で気持ちでも負けていました」と語り、延長の判定については「完璧に負けだと思いました」と認めた。
大和哲也防衛のスーパー・ライト級は林健太と不可思がKO勝ち
第9試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○林 健太(FLYSKY GYM/元K-1ライト級(62.5kg)王者、元Bigbangスーパーライト級王者)
×小嶋瑠久(ARROWS GYM)※PURGE TOKYOから所属変更
1R 1’42” KO (左フック)
林はライト級王座陥落後、昨年5月のヴィトー・トファネリ戦からスーパー・ライト級に上げて2勝2敗。12月のK-1大阪大会では不可思に判定勝ちしたが、4月の代々木大会では元Krush同級王者の鈴木勇人にKO負けしている。小嶋は昨年9月の寧仁太・アリ戦、今年4月の不可思戦と2連敗中。所属は変わったが、引き続き矢口哲雄トレーナーから指導を受ける。
1R、序盤から林がじわじわプレッシャーをかけ続けると、中盤過ぎ、小嶋をコーナーに詰め、踏み込んでノーモーションの左フックをアゴにクリーンヒット。小嶋は立とうとしたが動けず、林のKO勝ちとなった。
快勝の林は「他の階級の王者と比べて林はヘタクソと言われるのが悔しくて、上手になろうとし過ぎていましたが、いいところが消えていました。ガンガンイケイケのスタイルを取り戻すんで応援お願いします」とアピールした。
第8試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○不可思(クロスポイント吉祥寺/元KNOCK OUT・WPMF日本・REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者、元RISE・Bigbangライト級王者)
×大野祐志郎(ALL-WIN team 華王州)
3R 2’47” KO (右ハイキック)
不可思は12月のK-1大阪大会で元K-1ライト級王者・林健太に判定負け。4月の代々木大会では小嶋瑠久にTKO勝ちした。大野は昨年12月のK-1で大和哲也にKO負けし、5月のKrushでは蓮實光に判定勝ちしている。
1R、不可思がやや積極的に右ロー、左ミドル主体で攻めるが、終盤には大野も右カーフを返し挽回。2R、お互い手数を上げると、不可思がじわじわ大野を追い詰め、右ハイと左フックの連打でダウンを奪う。
3Rも不可思が手数多く攻めると、パンチの連打で追い詰めてから大野を押し倒す。ダメージの大きい大野は立つのが遅く、豊永レフェリーはダウンを宣告。最後は不可思の右ハイで大野がひるんだところで、レフェリーがストップした。試合後のインタビューでは「絶対に俺が1年以内に(スーパー・ライト級のベルトを)獲ります」とコメント。この日、佐々木大蔵に判定勝ちし防衛を果たした王者・大和哲也も「(3年前に敗れている)不可思選手とタイトルマッチをやりたいです」と話している。
なお、この試合はお笑いタレントのゴリさん扮する「ゴリエ」がスペシャルラウンドガールを務め、試合後に不可思を祝福した。
神保克哉、松倉信太郎とのダウンの応酬制し「75kg、新階級、これでいいでしょ」
第7試合 75kg契約 3分3R(延長1R)
×松倉信太郎(team VASILEUS/WPMF世界スーパーミドル級王者、元KNOCK OUT-BLACK同級王者)
○神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)
4R 2’10” KO (右ストレート)
3R 判定1-0 (山根28-28/豊永29-28/三浦28-28)
松倉はKNOCK OUTで活躍後、4月の代々木大会からK-1に5年ぶりに復帰し、ジュリオ・セザール・モリに判定勝ち。神保は5連勝中で、今年に入ってからはダニロ・ザノリニ、植村真弥を下している。
1R、神保は左ジャブ、ストレートを度々当て、終盤には右ストレートで松倉をのけぞらせ好印象を作る。松倉は右のカーフを随所で当てるが、まだ神保は崩れない。記者採点は僅差で神保だがイーブンでも不思議ではない。
2R、松倉は右のカーフが減り、神保がやや前に出て、左右のストレート、ジャブを度々当て優勢。松倉も打ち合いで右のパンチを返すが、手数で差がつき、鼻血も出し苦しそうだ。記者採点は神保。
3R、神保はパンチのヒットを増やし、松倉は左まぶたから出血し、右まぶたも腫らし、鼻血も出して苦しい状況に。だが中盤から打ち合いでじわじわ左右のフックのヒットを増やして巻き返すと、終了間際に左フックの連打でダウンを奪う。ジャッジ1者は松倉を支持したが、これでポイントは五分になり延長へ。
延長R、パンチ主体の攻防が続くが、中盤、出血と腫れの激しい松倉にドクターチェックが入る。再開するが、これで息を整えられた神保は、左フックを立て続けに当てると、右ストレートでダウンを奪取。松倉はなんとか立ち上がるがダメージが大きく、最後は右ストレートの連打で2ダウン目を奪ったところで太田レフェリーが死闘に終止符を打った。
神保は「中村P、これでいいでしょ。マジ頑張ったよ。75kg、新階級、これでいいでしょ、お願いします。最終的には気合だ」とマイクアピールした。
第6試合 75kg契約 3分3R(延長1R)
○ダニロ・ザノリニ(ブラジル/ブラジリアン・タイ/元RISEウェルター級王者、元ホーストカップ&HEATミドル級王者、元ISKA世界スーパーウェルター級王者)
×パク・ヨハン(韓国/ZEEK GYM/KROSS×OVERクルーザー級王者)
判定2-0 (山根29-29/太田30-29/杉村30-29)
42歳のベテラン・ザノリニは2月のK-1で神保に判定負けして以来の登場。ヨハンは以前まで雄人の名前で上がっていた選手。父親が日本人、母親が韓国人で、韓国に留学していた時に作った名前がパク・ヨハンで、リングネームに使用するようになった。KROSS×OVERやBigbangでの試合を経て、6月に2年ぶりにKrushに復帰し、鈴木健太郎に判定勝ちしている。
1R、ザノリニが時折パンチを連打し、ヨハンが膝やローを当てるが、まだ均衡状態。2R、ザノリニはパンチとローの攻撃を増やすが、ヨハンも回りつつ膝、ハイを返し、五分を維持する。3R、ザノリニが右ローを効かせヨハンをスリップさせる場面もあるが、ヨハンもパンチと膝を返し、終盤は手数がやや上で終了。接戦のまま終わったが、ジャッジは2者がザノリニを支持しザノリニの勝利となった。
プレリミナリーファイト2 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R
×宮川太陽(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○下村泰平(TOP STAR GYM)
判定0-3 (27-30/27-29/26-30)
※2R宮川にパンチ連打で1ダウン
プレリミナリーファイト1 54kg契約 3分3R
△中澤誠弥(PITBULL)
△黒川瑛斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
判定1-1 (30-29/29-30/30-30)
K-1 9.11 横浜アリーナ(レポ/トーナメント):レオナ・ペタス、大岩龍矢・朝久裕貴ら破りスーパー・フェザー級王者に。武尊に代わり「K-1最高」叫ぶ