Krush 5.21 後楽園ホール(レポ):玖村修平、新美貴士にリベンジしフェザー級王者に。神保克哉、植村真弥をKO。寺田匠、稲垣澪との無敗対決制す。永坂吏羅、璃明武の王座挑戦に名乗り
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Krush.137
2022年5月21日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
玖村修平、新美貴士にリベンジしフェザー級王者に
第10試合 メインイベント Krushフェザー級(57.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×新美貴士(名古屋JKファクトリー/王者)※4度目の防衛戦
○玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/挑戦者、元NJKFバンタム級王者)
判定0-3 (箱崎29-30/西村29-30/豊永29-30)
※玖村が第6代王者に
新美と玖村兄弟の兄・修平は、20年11月の第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント準決勝で対戦し、判定勝ちした新美がトーナメントを制しベルトを巻いた。その後、新美は斗麗、岡嶋形徒、篠塚辰樹を相手に3度の防衛に成功し、なおかつ2連続KO勝ちし、「K-1 AWARDS 2021」Krush MVPにも選出された。だがK-1のリングでは軍司泰斗、椿原龍矢に連敗中。4月のK-1で椿原に敗れたばかりだが、短い間隔で防衛戦に臨む。
対する玖村は新美に敗れた後、椿原にも敗れたが、ここ2戦で才賀紀左衛門、小澤海斗相手に2連勝し好調だ。
1R、新美がサウスポーで構えて開始すぐから前進し、コーナーに追い詰めて左フック、ミドル、ロー等を何発もヒットし先手を取る。玖村は耐え続け、右のインローをカーフキックの形で度々当てて、じわじわ勢いを削ると、終盤は右ハイ、バックハンドブロー、膝等のヒットを増やし挽回する。記者採点はイーブン。
2R、新美が変わらず玖村をコーナーに詰め、左の蹴りを当てつつ、時折パンチを連打する。玖村はパンチをブロックできているが、もらいすぎて少し印象が悪い。だがこのラウンドも終盤から玖村が挽回。右ミドル、ロー、ストレートを度々当てる。記者採点はイーブン。
すると3R、玖村は序盤から前に出て、右ミドル、フックを多く当て先手を取る。新美も左ミドルを当てるが、玖村の勢いは止まらない。最後まで玖村がパンチと蹴りを多く当て続け終了する。記者採点は玖村。合計29-30で玖村。ジャッジ3者も同様で、玖村が判定勝ちで王座奪取を果たした。
ベルトを巻いた玖村は「このベルトのために上京し、挫折もありましたが、ベルトを巻くことができました。新美選手にリベンジしたんで、ベルトを守って、K-1のベルトも取りたいです」とアピールした。最後は弟で元Krushスーパー・バンタム級王者の玖村将史と共に記念撮影した。
75kg戦線で神保克哉、植村真弥をKO
第9試合 セミファイナル 75kg契約 3分3R(延長1R)
○神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)
×植村真弥(ウィラサクレック・フェアテックス幕張/WMC日本ヘビー級王者、M-1 JAPANライトヘビー級王者)
3R 1’50” KO (左ストレート)
もともと70kgのスーパー・ウェルター級で戦っていた神保は、昨年3月のジュリオ・セザール・モリ戦から75kg契約での試合を続けており、モリ、ブハリ亜輝留、EITO、ダニロ・ザノリニ相手に4連勝中。4月のK-1からは松倉信太郎もこの75kgでの試合に参入しており、正式な新階級設立への機運が高まっている。対する植村は長年ヘビー級で戦っていたが、昨年4月のKrushではクルーザー級(90kg)で中平卓見に1R KO勝ち。今回さらに体重を大幅に落として75kgの戦いに臨んだ。
1R、植村は前に出て、右フックを強振し続け、場内をどよめかせる。神保はクリーンヒットはもらわず、膝蹴り、右ローを随所で返し続け、植村を削ろうとする。記者採点はイーブン。
2R、神保は執拗に右ローを当てるが、植村はひるまず、パンチをお返し。中盤以降、神保が植村をロープに詰め、左ボディ、膝を度々当てるが、打ち合いで植村も左右のフック、アッパーをお返し。手数では神保だが、植村も強打で印象を残す。記者採点はイーブン。
3R、神保は左ボディを何発も当てつつ、顔面への左右のパンチのヒットも増やす。するとさすがの植村も効いてきた様子で、最後は神保が左ストレートをクリーンヒット。植村は腰から崩れ落ちてロープに座り込むようにしてダウンし、すぐさま豊永レフェリーがストップした。
マイクを持った神保は「俺が75kgの主役になります。Krush、K-1で。最終的には気合だ」とアピールした。
寺田匠、稲垣澪との無敗対決制す
第8試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×稲垣 澪[れい](K-1ジム大宮チームレオン/Bigbangフェザー級王者)
○寺田 匠(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
判定0-3 (西村27-30/山根26-30/大田27-29)
稲垣はプロ5戦全勝、寺田は4戦全勝。両者は19年のABEMA「格闘代理戦争 K-1 FINAL WAR」で対戦し、稲垣が勝利している。
1R、寺田が左ボディ、左アッパー、左フックを効かせると、右フックで押し倒すような形だったが、稲垣はダメージが溜まって倒れた状態のためダウンを宣告される。その後も寺田が左ボディ、フックを効かせ圧倒する。記者採点は8-10で寺田。
2R、稲垣も左フック、ボディ、右アッパー等を返すが、寺田は左ボディ、フック、膝蹴りを随所で返し、稲垣に完全にペースを握らせない。記者採点はイーブン。最近のK-1ルールの試合らしい、頭と肩を近づけてのパンチの攻防主体に。
3R、稲垣が随所で左フックを強打し、寺田を苦しめるが、稲垣も打ち合いでパンチを返し、逆転を封じ終了する。記者採点は稲垣。合計27-29で寺田。ジャッジはやや稲垣に厳しい感もあったが、3者寺田を支持し、寺田の判定勝ちとなった。
大田拓真、K-1 JAPAN GROUP初戦は辛勝
第7試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×佑典[ゆうすけ](月心会チーム侍)
○大田拓真(新興ムエタイジム/WBCムエタイ日本統一フェザー級王者、元S1日本55kg級王者)
判定0-2 (山根29-30/豊永30-30/梅木29-30)
ムエタイベースの大田はK-1 JAPAN GROUP初参戦。1R、佑典がサウスポー、大田がオーソドックスで構え、お互い蹴りを狙う展開。大田は攻めにくそうだったが、終盤に右ハイ、ミドルを当てるように。とはいえまだ差は乏しい。
2R、序盤こそ佑典が左ストレートをクリーンヒットしたが、その後はお互いなかなか攻撃の出ない状態に戻る。
3R、大田のロー、ミドルが若干目立つが、変わらずどちらも攻めあぐね、攻撃が少ないまま終了する。記者採点は30-30でイーブン。ジャッジ2者は若干優位だった大田を支持し、大田の判定勝ちとなったが、K-1ルールへの適応はまだまだといった様子だった。
永坂吏羅、璃明武のスーパー・バンタム級王座挑戦に名乗り
第6試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×吉岡ビギン(team ALL-WIN/元Krushバンタム級王者)
○永坂吏羅[りら](K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
2R 1’46” KO (左フック)
1R、お互いサウスポー主体でスイッチを繰り返す中で、終盤に圧をかけた永坂が左フックでダウンを奪う。終了間際にも永坂が吉岡をコーナーに詰めて、パンチを連打し追い詰め、芹沢レフェリーはスタンディングダウンを宣告する。
すると2R中盤、永坂がサウスポーで右ジャブのフェイントをかけ続けた後、左フックをクリーンヒット。ダウンした吉岡は立とうとしたがフラつき、永坂のKO勝ちとなった。
永坂は昨年7月の紫苑戦、10月の三井大揮戦に続き3連続KO勝利。今回は元王者を圧倒。マイクを持つと「チャンピオンの璃明武選手、次タイトルマッチでお願いします」とアピールした。
第5試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○西元也史(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
×齋藤祐斗(JK TRIBE)
判定3-0 (岡田30-27/梅木30-26/西村29-27)
1R、西元が圧力をかけ、右のカーフキックを効かせ、終盤に左フックで齋藤をフラつかせる。2R、序盤に齋藤が左ストレートを効かせたが、以降は西元が右ストレート、左ボディを効かせ挽回し、最後は左ハイでふらつかせる。3R、齋藤は前に出るがスリップとバッティングが多く、最後は打ち合いの後、西元が右ストレートと左膝蹴りの連打でダウンを奪い、点差を広げ判定勝ちした。記者採点は30-26で西元。
第4試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○倉田永輝(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
×紫苑[しおん](KIZUNA田川本部道場)
1R 1’41” KO (右フック)
1R、長身の紫苑が伸びのある蹴りで積極的に攻めるが、倉田も左ミドルをお返し。すると紫苑が前に出てきたが、紫苑の左フックのカウンターで倉田が右フックを合わせると、紫苑はダウン。紫苑は立とうとするがフラつき、倉田のKO勝ちとなった。
第3試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
○板橋武留(健成會)
×中澤誠弥(PITBULL)
4R 判定2-1 (山根9-10/島村10-9/岡田10-9)
3R 判定1-1 (山根29-30/島村29-29/岡田30-29)
第2試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×遠藤信玄(MASTERPIECE KICKBOXING/元WPMF日本&J-NETWORKライト級王者)
○髙橋直輝(若獅子会館/元ACCELバンタム級王者)
2R 2’12” KO (パンチ連打)
髙橋は慎重な試合運びだったが、2Rに右ストレートを効かせてからのパンチ連打でダウンを奪うと、ベテラン遠藤は立ち上がれずKO。髙橋は「60kgに上げて、これからもっと力が発揮できると思います」と話し「今度女子のK-1に妹も出るので応援してください」と、セコンドについた髙橋萌の応援を呼び掛けた。
第1試合 スーパー・ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×蓮實 光(パラエストラ栃木)
○大野祐志郎(ALL-WIN team 華王州)
判定0-3 (豊永28-30/梅木28-30/太田28-30)
※2R左フックで蓮實に1ダウン
プレリミナリーファイト第2試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
○“狂拳”迅(WIZARDキックボクシングジム)
×坂本寿希(リーブルロア/KROSS×OVERスーパーバンタム級王者)
判定3-0 (30-27/30-28/30-26)
※1R右フックで坂本に1ダウン
プレリミナリーファイト第1試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
×神田賢吾(ウィラサクレック・フェアテックス幕張)
○寺島 想[こころ](AX GYM)K-1カレッジ2020 -60kg王者)
判定0-3 (27-30/28-30/27-30)
Krush 5.21 後楽園ホール:中村拓己プロデューサーが大会総括「玖村修平選手からベルトにかける思いを感じた。敗れた新美選手の戦う姿勢は立派なプロファイターだった」
Krush 5.21 後楽園ホール(一夜明け会見):玖村修平「次は椿原選手、軍司選手にリベンジして、僕がK-1のチャンピオンになります」。神保克哉「倒さないと全部持って行かれると思って戦った」