DEEP JEWELS 2.18 新宿フェイス(レポ):中井りん、栗山葵を下し10連勝も来日中のUFC王者シェフチェンコとは会えず。プロ2戦目の万智、大島沙緒里に勝ったHIMEに1R一本勝ちし「RIZINに出たい」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
神楽坂 江戸川橋 クラミツムエタイジム
立ち技最強、ムエタイを究める!16周年、選手コース開設。ジュニア、女子クラスも。今ならスタート月会費0円!
skyticket Presents DEEP JEWELS 40
2023年2月18日(土)新宿フェイス
レポート&写真:井原芳徳
中井りん、栗山葵を下し10連勝としUFC復帰熱望。来日中のUFC王者シェフチェンコとは会えず
第9試合 メインイベント フライ級(ノンタイトル戦) 5分3R
○中井りん(修斗道場四国/DEEP JEWELSフライ級王者、元パンクラス女子バンタム級王者、元VALKYRIE無差別級王者)
×栗山 葵(SMOKER GYM)
2R 4’31” 裸絞め
中井と栗山は昨年3月のニューピアホール大会と5月の後楽園ホール大会で行われたDEEP JEWELSフライ級GP 2022(王座決定トーナメント)に出場し、中井は藤田翔子、Te-a、杉山しずかを一本またはKOで仕留め、ダントツの強さを見せつけて優勝した。栗山は一回戦は不戦勝、準決勝は自身の計量150gオーバーで不戦敗となっていた。このGP以降、中井はTwitter等を通して試合を熱望していたが、なかなか試合が決まらずにいた。栗山は3試合し、7月のパンクラスでのNΦRI戦は引き分けたが、DEEP JEWELSに戻り9月にTe-aに判定勝ちし、11月に藤田翔子に判定勝ちと、中井が下した相手に勝利してきた。
1R、栗山がサウスポーでプレッシャーをかけ、中井は回って距離を取る構図が続く。お互いなかなか攻撃が出ず、中盤には豊永レフェリーが一旦止めて両者に攻撃を促す。終盤、ようやく動きが出始め、組もうとした中井に栗山が左膝を当てるが、中井も右フック、ローを返し、巻き返して終える。
2R、変わらず圧をかける栗山のパンチとローが当たり出すと、中井のセコンドのWILD宇佐美会長から「押し込め」という指示が飛び、中井は組み付き押し込みながら、立ったままギロチンチョークを仕掛ける。中井はそのまま振り回して倒すと、立とうとする栗山にしがみつき、最後はバックマウントを奪い、裸絞めを極めて一本勝ちした。
中井は14年と16年のUFCで2連敗したが、16年7月のライカ戦以降は、パンクラス、RIZIN、DEEP、DEEP JEWELSで10連勝に。試合後のマイクで中井は、今大会を観戦予定だったUFC女子フライ級王者のワレンチナ・シェフチェンコとの対戦を希望した。シェフチェンコは現在来日中で、1月末からパラエストラ柏で合宿し、朝から行われていたDEEPフューチャーキングトーナメントのパラエストラ柏勢の応援のため新宿フェイスを訪れていたが、夜のDEEP JEWELSの時には帰っていた。
UFC参戦を目指す中井は昨年、UFCへ数多くの選手を仲介している米国のマネジメント会社のイリディウムと契約した。宇佐美会長は「今後の試合はイリディウムに任せます。今回の試合はイリディウムとの契約が決まる前に決まっていました。イリディウムからは『試合がいつ決まるかわからないから、できる試合あればやるように』と言われています」と説明している。
プロ2戦目の万智、大島沙緒里に勝ったHIMEに1R一本勝ちし「RIZINに出たい」
第8試合 セミファイナル ストロー級 5分2R
×HIME(毛利道場)
○万智(スポーツジム67’s)
1R 4’55” 裸絞め
HIMEは21年3月にプロデビューし、ケイト・ロータスと藤田翔子に連勝後、本野美樹には敗れたものの、22年3月に49kgまで落として大島沙緒里と対戦し判定勝ち。9月には同じく49kg契約で桐生祐子をわずか37秒でKOした。試合後のマイクアピールで熱望したRIZIN参戦は年内実現しなかったものの、大晦日のスーパーアトム級(49kg)GP決勝後の2023年に台頭する上で、今回の新鋭との一戦で実力の高さを示しておきたいところ。
万智はDEEP JEWELSアマチュアで試合経験を積み、11月大会でプロデビュー。ARAMIを相手をグラウンドの展開で圧倒し判定勝ちし、高い素質を印象付けた。プロ2戦目で実力者との試合が組まれたことからも、DEEPの佐伯繁代表からの期待の高さが伺えたが、試合はその期待に十分に応えるような内容となる。
万智のセコンドには黒部三奈がつく。1R、開始すぐに万智がタックルを仕掛けて振り回し、押し込んでから足を掛けて倒し、ハーフで押さえながら肩固めを狙い続ける。すると終盤、マウントを奪うと、もがくHIMEに合わせバックマウントを奪い、裸絞めを極め、タップを奪った。
HIMEに何もさせず圧勝した万智はマイクを持ち「今日は凄い強いHIME選手に勝てて良かったです。HIME選手を倒したのでもっと強い選手と戦いたいです」とアピールした。控室でのインタビューでは「RIZINに出たいです。中学2年の時に見て出たいと思いました。RIZINとか世界の舞台で戦いたいです」と話した。
青野ひかる、ケイト・ロータスとの寝技勝負制す
第7試合 49kg契約 5分2R
○青野ひかる(FIGHT LYNX)※ストライプル新百合ヶ丘から所属変更
×ケイト・ロータス(KING GYM KOBE)
判定3-0 (福田20-18/内田○19-19/橋本20-18)
青野は21年のDEEP JEWELSアトム級王座決定トーナメントで佐藤絵美、にっせーを破り決勝まで進んだが、大島沙緒里に判定負け。22年3月大会では須田萌里に1R腕十字で一本負けし2連敗中だ。昨年渡部修斗と結婚し、1月に挙式を上げたばかりだ。
ケイトは22年、長野美香とARAMI相手に連敗したが、9月大会では竹林愛留に判定勝ち。約1年のK-Clannでの練習の積み重ねの成果の芽がようやく出てきた感があり、それから5カ月後の今回の試合でどれだけ伸びているか見ものだ。
1R、青野が2度目のタックルでテイクダウンに成功すると、ハーフ、サイド、マウントと移る。ケイトは一度脱出したが、すぐ青野は上を取り返し、またもマウントを奪うと、肩固めを仕掛けてケイトを追い詰める。最後はマウントを取り直して腕十字を仕掛ける。ケイトは脱出するが反撃に持ち込めず終わる。
2R、青野はまたも序盤からタックルで倒すと、ケイトの下からの仕掛けを潰し、中盤にはバックを取る。ケイトは振り落として上になり反撃の展開になる。ケイトは時折パウンドを当てるが、青野が下から腕十字を狙う仕掛けを続け、ケイトは思うように攻められないまま終了する。ジャッジ3者とも青野を支持し、青野が判定勝ちし、連敗を2でストップした。記者採点は20-18で青野。
注目の高3・上瀬あかりがデビュー戦勝利
第6試合 ミクロ級 5分2R
×山崎桃子(坂口道場一族)
○上瀬あかり(毛利道場)
判定0-3 (橋本18-20/植松18-20/豊永18-20)
山崎は9月大会で古瀬美月に判定負けして以来の試合。上瀬はHIMEと同じ山口の毛利道場に所属する高校3年生で今回がプロデビュー戦。ジュニア修斗や空手道禅道会の大会等で度々優勝し、現在は高校のレスリング部にも所属。8月のDEEP大阪大会のアマチュアSPルール戦で1R腕十字で一本勝ち。12月の修斗山口大会のアマ修斗トライアウトでは対戦相手を打撃で圧倒しわずか42秒でKO勝ちし、インパクトを残している。
1R、上瀬がタックルを仕掛けると、背後からしがみつき、テイクダウンを狙い続ける。離れると山崎が右ローを的確に当て続けるが、終盤、上瀬は右ストレートからのタックルで倒す。最後は立った状態からパウンドを随所で当てて攻勢を印象付ける。
2R、上瀬がタックルからのコーナーの押し込みを繰り返すが倒せない。山崎が右ストレート、右ローを効かせ、打撃戦では途中まで優位だったが、終盤、上瀬が右ストレートと左ミドルのコンビネーションを度々決めて攻勢に転じ、右ローや右ハイも当てて終了する。上瀬が手こずりつつもしっかりポイントを取り判定勝ちし、デビュー戦を白星で飾った。
第5試合 ストロー級 5分2R
○竹林愛留(総斗會三村道場)
×谷山 瞳(パラエストラ柏)
判定3-0 (橋本20-18/内田20-18/豊永20-17)
1R、グラウンドで竹林がバックを取るが、谷山が袈裟固めに近い状態で押さえる形になり膠着する。スタンドに戻ると、竹林が右ミドルを効かせ、谷山をフラつかせ、グラウンドに持ち込んでからもバックからのパウンドで追い詰める。
2R、竹林が右ハイを当て、谷山のタックルを切って倒し、バックを奪い、コントロールを続ける。中盤に脱出されるが、終盤にはバックを取り返し、裸絞めを仕掛けて追い詰め終了。このラウンドもポイントを取り完勝した。
第4試合 バンタム級 5分2R
○Te-a[ティーエー](AACC)
×JUICY(和術慧舟會GODS)
判定3-0 (橋本20-16/内田20-16/福田20-16)
※JUICYが規定体重(61.2kg+0.5kg)を1kgオーバーし減点2。Te-aが勝った場合のみ公式記録とする。
1R、Te-aが右のカーフ、ロー、左ジャブを的確に当て続けやや優位。JUICYは右フックを振るうが距離が遠く空振りが多い。2Rも同様の構図で、Te-aがヒット数と的確さで上回り続け、減点分無しでも差をつけ判定勝ちした。
第3試合 無差別級 5分2R
×ぽちゃんZ(パラエストラ東京/レグルス池袋)
○超弁慶(ガムランナック)
判定0-3 (内田18-20/豊永18-20/福田18-20)
1R、スタンドの打撃戦で超弁慶が右フック、首相撲からの膝蹴り、右ミドルを強打し好印象を残す。終盤にはテイクダウンしマウントを奪う場面も作る。
2R、お互いスタミナが切れて攻めあぐねるが、超弁慶が終盤にパンチ、膝、ミドルを当て続け優位を維持し判定勝ちした。
第2試合 ミクロ級 5分2R
○ちびさいKYOKA(SAI-GYM)
×こゆき(京都政拳会)
2R 2’03” 裸絞め
1R、ちびさいがこゆきを押し込んで倒すと、サイド、マウントと行き来し、アームロック、パウンドで追い詰め、終盤にはノースサウスチョークも狙い圧倒する。10-8にもなりそうな攻勢だ。
2Rはちびさいが開始すぐから押し込んで倒し、すぐにバックを取ると、パウンドを連打してから裸絞めを極めタップを奪い完勝した。
第1試合 フライ級 5分2R
○MANA(blooM)
×鈴木“BOSS”遥(SAI-GYM)
2R 4’47” アームロック
1R、鈴木がタックルで倒し、バックを奪い裸絞めを狙うなど先手を取るが、MANAは上になってパウンドを落とし、最後はアームロック、腕十字を狙って挽回する。
2R、開始すぐからMANAがテイクダウンを奪うと、パウンドでダメージを与え、執拗にVクロスアームロックを仕掛ける。度々極まるも鈴木が動き緩めるため柴田レフェリーは続行したが、最後はMANAがタップしストップした。
アマチュア ストロー級 3分2R
○サラ(FIGHT BASE都立大)
×吉川桃加(トライフォース赤坂)
2R 1’54” 裸絞め