DEEP JEWELS 5.8 後楽園ホール(レポ):中井りん、杉山しずかを1Rで仕留めフライ級王者に。大島沙緒里、アトム級王座防衛。東よう子、KINGレイナを下しフェザー級王者に
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skyticket Presents DEEP JEWELS 37 ~フライ級GP 2022 FINAL ROUND~
2022年5月8日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
DEEP JEWELSフライ級GP 2022(王座決定トーナメント)は中井りんが圧巻の優勝
第2試合 準決勝第2試合 5分2R
○杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
×栗山 葵(SMOKER GYM)
不戦勝
※栗山が56.7kgのフライ級リミットを前日計量で150gオーバーし失格
DEEP JEWELSフライ級GPは3月12日のニューピアホール大会で一回戦が行われ、優勝候補の中井は藤田翔子に2R TKO勝ちし、対抗馬の杉山はミッコ・ニルバーナに判定3-2で辛勝。栗山とTe-aは対戦相手の欠場により、不戦勝で準決勝に進んでいた。準決勝を決める抽選会では、栗山が杉山を相手に指名し組み合わせが決定。栗山は昨年2月に敗れた相手・杉山へのリベンジを目指したが、前日計量で体重オーバーし失格となってしまった。リザーブファイトは無く、杉山が不戦勝で決勝に進む。
第1試合 準決勝第1試合 5分2R
○中井りん(修斗道場四国/元パンクラス女子バンタム級王者、元VALKYRIE無差別級王者)
×Te-a(AACC)
2R 4’43” 腕ひしぎ十字固め
1R、中井が開始すぐからパンチを振りながら組み付き、Te-aの股下から抱え上げてテイクダウンを奪う。すぐにマウントを奪うと、中盤過ぎにはバックマウントへ。裸絞めを狙い続け、最後はマウントから腕十字を極めたところで時間切れとなる。
2R、中井は片足タックルで倒しサイドで押さえる。上四方に回り込んで腕十字を狙い続けると、終了間際に腕十字を極める。Te-aはタップしなかったが、しばらく伸びた状態を見た植松レフェリーがストップ。中井が完勝で決勝に進んだ。スタンドでもグラウンドでも打撃を使わない戦いで、大会後のインタビューで中井の師匠のWILD宇佐美氏は「試合1カ月前に怪我をしていた」「トーナメントでのダメージが無いようにするため、組み技で押さえ込んだ」と明かしている。
第7試合 メインイベント DEEP JEWELSフライ級GP 2022(王座決定トーナメント)決勝 5分2R
○中井りん(修斗道場四国/元パンクラス女子バンタム級王者、元VALKYRIE無差別級王者)
×杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
1R 4’53” 腕ひしぎ十字固め
※中井が王者に
※中井に賞金100万円、杉山に30万円
1R、サウスポーの杉山が左フックを当てるが、その後も左フックを振るうと、中井はそのタイミングで片足タックルを仕掛け、金網に押し込む。杉山は耐えて突き放すが、中井は前に出続け、杉山のパンチのタイミングでまたもタックルを仕掛け、今度はそのままテイクダウンを奪う。中井はハーフ、サイドと移りながら執拗に腕十字を狙い続け、終盤に杉山の腕のクラッチを切って極めると、杉山はタップした。
全7試合中3試合が中止という異例のトーナメントとなったが、中井はどこ吹く風といった様子で、自分の3試合とも相手に何もさせずフィニッシュしての完全優勝。ベルトを巻くと「このベルトを取ったということは、これからJEWELS恩返しできるか、UFCに出たいんですけど本当に出られるか、出てどこまでできるかということだと思います。このベルトはファンの皆様の物です。これからも応援お願いします」とアピールした。
中井は14年と16年に2度UFCに上がり、いずれも判定負けしたが、当時は女子フライ級が無くバンタム級での戦いだった。女子フライ級王座は17年に創設された。中井は今年10月22日で36歳になるため、UFCとの再契約が難しいことは変わりはないものの、日本国内で敵無しだと示し、現役チャンピオンとなったことは、世界再進出に向けて好材料となることは間違いないだろう。
大島沙緒里、アトム級王座防衛「49kgでも戦える姿を見せる」
第6試合 セミファイナル DEEP JEWELSアトム級(47.6kg)タイトルマッチ 5分3R
○大島沙緒里(AACC/王者、DEEP女子ミクロ級(44kg)王者)
×須田萌里[もえり](SCORPION GYM/挑戦者)
1R 2’58” アームロック
※大島が初防衛
大島は昨年3月から6月にかけて開催されたDEEP JEWELSアトム級GP(王座決定トーナメント)で富松恵美、パク・シウ、青野ひかるに勝利して優勝しベルトを獲得した。10月にRIZINに初参戦し、浅倉カンナに判定勝ちし一気に知名度を上げた。だが3月のDEEP JEWELSでの49kg契約(RIZIN女子スーパーアトム級と同体重)での試合では、ストロー級(52.2kg)から階級を下げたHIMEとのパワー差で苦戦し判定負けした。
須田は大阪出身の高校3年生。高1でのデビュー2試合では連敗したものの、高2になってからの昨年4月からは5連勝(3一本)し頭角を現す。柔術ベースの寝技を得意とし、12月大会で竹林愛留に、3月大会では青野に、いずれも1R腕十字で一本勝ちししている。なお、昨年6月のGP決勝で大島が青野に勝った際は、1日2試合目で判定勝ちだった。須田が勝てばDEEP史上最年少王者の誕生となる。
14年柔道全日本ジュニア体重別女子44kg級優勝の大島も、腕十字やアームロックを得意とする。寝技のハイレベルな攻防が期待できたが、試合は大島が圧倒する形に。
1R、開始すぐに須田の前蹴りが当たり、大島はスリップしたが、すぐにタックルを仕掛け、倒して上になる。大島はハーフガードからアームロックを仕掛け、サイドに移っても執拗に腕を極めようとする。須田は防御を続けたが、大島は須田の背中側に腕を回しこむ形で極めあげる。須田は耐え続けたが、最後は福田レフェリーがストップした。
大島は「今日は夫も柔道の試合で、3年前にその大会で優勝しているんですけど、会場入りする前に一回戦負けして。笑い話のようですけど、私が総合格闘技を始めたせいで結果が出ないのかなとか色んな思いを抱えて、泣きながら会場入りしました。前回負けてしまって、天狗とか色んなことを言われましたけど、須田選手がやりたいと言ってくれたおかげで、JKに負けるわけにはいかないという思いで、ここまで頑張ってきました。これから格闘技を続けられるかも問題になってきているのですけど、とりあえず今日は勝てて良かったです。体は小さいですけど、49kgでも戦える姿を見せて、少しでも勇気を与えたいです」とアピールした。バックステージでのインタビューで大島は、夫は実業団の選手で、今日負けたことで地方に移る可能性もあることから、「格闘技を続けられるか」と話したことを明かしている。
東よう子、KINGレイナを返り討ち「RIZINとかの重量級も盛り上げたい」
第5試合 DEEP JEWELS初代フェザー級王者決定戦 5分3R
○東よう子(リバーサルジム新宿Me,We)
×KINGレイナ(フリー)
判定5-0 (植松29-28/松宮30-26/田澤30-26/柴田30-26/福田30-27)
※東が王者に
東は柔道の元全日本強化選手。レイナとは昨年6月のDEEPで対戦。その時はバンタム級とフェザー級の中間の64kg契約で、当時パンクラスのバンタム級1位だった東が、打撃主体の攻防を制し判定勝ちしている。今回はレイナに合わせフェザー級での再戦となり、初代同級王座ベルトも懸けられる。東は前回の対戦以降は試合していない。レイナは前回の対戦から1か月後にシュートボクシングで未奈に判定負けしたが、12月のDEEP JEWELSではte-aとフェザー級で対戦し1R腕十字で一本勝ちしている。
1R、序盤から東がタックルで倒すが、すぐにレイナは立ち上がりスタンドに戻す。どちらもなかなかクリーンヒットにはつながらないが、東が終盤、左ジャブ、右フックを当て、やや好印象だ。ジャッジは植松直哉氏のみレイナにつけ、残り4者は東につける。
2Rも東が序盤からタックルで倒す。レイナは膝十字固めを狙うが、東は難なく防御し、体を起こしてパウンドを当て続ける。終盤には東が脱出すると、背後から左腕でレイナを抱えてコントロールしつつ、何発も右のパウンドを当てて圧倒する。
3R、東が前に出るレイナをかわし、右ロー、左右のフック、左ジャブ、左ボディストレート等を自在に当て続け圧倒。ボクシング技術の向上を印象付ける。最後はタックルで倒し、押さえ続けて試合終了する。記者採点は30-27で東。ジャッジ5者も東を支持し、東が判定勝ちで王者となった。
ベルトを巻いた東は「チャンピオンです」と第一声。「日本だとRIZINとかでも小さい階級しか盛り上がっていないですけど、DEEPはじめバンタム級とかでも選手が出てきているので、RIZINとかの重量級も盛り上げたいので応援お願いします」とアピールした。
長野美香、3年ぶりMMAでケイト・ロータスに快勝
第4試合 ストロー級 5分2R
○長野美香(フリー)
×ケイト・ロータス(KING GYM KOBE)
2R 0’57” フロントチョーク
長野は19年6月に本野美樹に敗れて以来約3年ぶりのMMAの試合。ロータスは昨年12月大会で栗山葵に判定勝ちして以来の試合で、今回はフライ級からストロー級に階級を下げて戦う。
1R、ロータスが長野を金網に押し込むと、長野は脇を抱えて倒しグラウンドへ。ロータスは防御すると、バックに回り込み、バックマウントをキープし裸絞めを狙う。最後は長野が返して上になるが、押さえたままで終わる。記者採点はロータス。
2R、ロータスがまたも長野を押し込むが、長野は首を抱えて引き込むと、ギロチンを極める。上になったまま極め続けると、ロータスはタップ。長野が一瞬を隙を突き、復帰戦を白星で飾った。
マイクを持った長野は「ケイト選手はこれから女子格闘技を引っ張っていく選手だと思います。私はあとどれくらいかわかりませんが、1試合1試合戦っていきます」と話した。
第3試合 ミクロ級(44kg) 5分2R
○山崎桃子(フリー)
×ちびさいKYOKA(SAI-GYM)
判定3-0 (福田20-17/橋本20-17/植松20-17)
1R、体格で勝る山崎が、タックルで倒し、立ってからも首相撲で捕まえて膝を連打しちびさいを苦しめる。
2Rも山崎がタックルで倒し、パウンドで追い詰める。ちびさいは鼻血を出し、スタンドに戻ったところでドクターチェックが入る。再開し、終盤にも山崎が倒してマウントを奪い、パウンドを当て優位を維持し判定勝ちした。
オープニングファイト アマチュアSPルール フライ級 3分2R
○奥富夕夏(リバーサルジム新宿Me,We)
×MANA(TEAM AGENT)
判定3-0 (20-18/20-18/20-17)
DEEP 5.8 後楽園ホール(レポ):神龍誠、藤田大和を3Rで極めフライ級王座統一「UFCのオファーお待ちしています」。好調K-ClannのCORO、バンタム級暫定王者に