DEEP 6.20 ニューピアホール:東陽子、KINGレイナとの打撃戦制す。住村竜市朗、米田奈央に不完全燃焼勝利。「朝倉未来1年チャレンジ」3選手は全敗
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skyticket Presents DEEP 101 IMPACT ~20th Anniversary~
2021年6月20日(日) 東京・ニューピアホール
レポート&写真:井原芳徳
第7試合 セミファイナル DEEP JEWELS 64kg契約 5分3R
×KINGレイナ(フリー)※K-Clannから所属変更
○東 陽子(リバーサルジム新宿Me,We/パンクラス女子バンタム級1位)
判定0-3 (田澤28-29/松宮28-29/福田28-29)
- KINGレイナ
昨年9月の後楽園大会の試合前の計量をオーバーしたKINGレイナが約8カ月ぶりに出場。パンクラス女子バンタム級1位の東陽子と、前回の試合より1kg重い64kg契約で対戦した。計量は62.5kgと軽めでクリアした。レイナは所属表記ではK-Clannから離れているが、セコンドにはK-Clannの横田一則代表がつく。
1Rは終始スタンドの打撃戦。レイナは執拗に右ローを当てるが、東は左ジャブを度々合わせ優勢。右ボディストレートも絡める。レイナは時折パンチの連打をまとめ、組めば膝を連打する。中盤過ぎまで東のペースだったが、終盤、レイナがパンチの連打で東を追い詰め、場内をどよめかせる。記者採点は東としたが、レイナでも不思議ではない。
2R、序盤に東が左手を突き出した際、レイナの目に入り一時中断する。お互いパンチのヒットが減ってきたが、中盤過ぎ、レイナの右ローの効き目を発揮。するとレイナは右ローを連打するが、東は蹴り足をすくって倒して上になる。レイナは立ち、東が押し込むと、最後は離れ、お互いパンチを振るい終わる。記者採点はレイナ。
3R、序盤からまたもレイナの蹴り足をすくって東が倒すが、すぐレイナは立って金網に押し込み、膠着ブレイクがかかる。離れると、口から出血したレイナに対し、東が右ストレート、左ジャブを何発もヒット。レイナは度々頭がのけぞるが、すぐ持ち直しパンチを振るい続け、驚異的な打たれ強さを印象付け、場内を沸かせる。終了間際にレイナは残りの力を振り絞り、パンチを連打して巻き返し終える。記者採点は東。合計28-29で東。ジャッジ3者も同様で、東が激闘を制した。
一人息子を迎え入れ記念撮影した東は「パンクラス生まれ、パンクラス育ちの東陽子です。試合を組んでくれた佐伯(繁)DEEP代表、快く送り出してくれた(パンクラスのマッチメイカーの)坂本(靖)さんに感謝しています。試合前に舐めた口を叩いたんですけど、負けたらどうしようと不安で、今回こそはものにしたいと思い、リングに上がりました。シングルマザーで息子と、大きなRIZINや海外を目指して頑張っています。応援ありがとうございます。KING選手、体重落としてくれてありがとうございました。KING選手強くて、DEEPにも強い選手がいて、この大会に出られたこと誇りに思います」と、感謝と今後に向けてのアピールを繰り広げた。
バックステージで東は「気が折れそうでしたけど、今日のUFCで(Me,Weの練習仲間の)村田(夏南子)選手が手が折れてもあきらめなかったことを思い出し、息子の声も聞こえ、ここで負けたら終わりだ、このままじゃ美味しい肉を食わせられないと思って、前に出続けました。誰も思ってないけど、パンクラスを背負うと勝手に思って戦いました」とコメントした。
第8試合 メインイベント ウェルター級(ノンタイトル戦) 5分3R
○住村竜市朗(TEAM ONE/王者)
×米田奈央(フリー)
2R 0’40” 負傷判定2-0 (松宮20-19/豊永19-19/福田20-19)
住村は昨年11月のRIZINでレッツ豪太に判定2-1で勝利して以来の試合。2月のDEEP 100 IMPACT TDCホール大会で防衛戦を予定していたが怪我で出場できず、同大会での同級暫定王座決定戦で、阿部大治がレッツ豪太に1R TKO勝ちしている。
1R、米田がタックルや蹴り足をすくってから組み付き、押し込む展開を繰り返す。住村はその都度突き放し、サウスポーの米田の右のミドルとローを的確に当てる。与えたダメージはまだ小さく見えるが、有効な印象だ。記者採点は住村。
2R、序盤に住村の右ローがローブローとなり中断する。米田はダメージが大きく、回復の時間が設けられるが、リングドクターに「気持ち悪いです」と訴え、試合終了。米田は両陣営のセコンドについた青木真也と岡見勇信の持つ担架で運ばれた。試合はこの時点までの内容で判定され、住村の勝利となったが、住村は頭を下げてリングを降りた。
第6試合 フライ級 5分3R
×安谷屋智弘(フリー)
○伊藤裕樹(ネックスイチムエ)
2R 4’51” 裸絞め
1R、金網際で組んでの攻防が続き、お互い粘るが、中盤、安谷屋が倒してバックを取りチャンスをつかむ。だが極めには至らず、スタンドに戻ると金網際の立っての攻防に戻る。安谷屋がスリップして四つん這いになったところで、伊藤がサッカーボールキックを軽く当て印象を作るが。正味のダメージはさほど無い様子だ。記者採点はバックを取った安谷屋。
2R、序盤から安谷屋が倒して上になり、ハーフ、サイドで押さえ時折パウンドも当て攻勢に。バックを奪い、裸絞めを狙い続ける。だが伊藤は防御すると、中盤に向き直し、バックを奪い返す。安谷屋は脱出するが、足元へのタックルを伊藤が切ると、すぐさまバックに回り込み、裸絞めを終了間際に極めてタップアウト。見事逆転勝ちに成功した。伊藤は「こんな勝ち方ですけど、年内タイトルマッチやらせてください」とアピールした。
第5試合 バンタム級 5分2R
○石司晃一(フリー)
×CORO(K-Clann)
判定2-1 (田澤19-18/豊永18-19/福田19-18)
石司が19年10月の米山千隼戦でTKO負けして以来1年半ぶりに復帰。2月のTDC大会で東修平にギロチンで一本勝ちしたCOROと対戦した。
1R、スタンドでお互い右ロー主体の攻防が続く。中盤過ぎ、石司がCOROの蹴り足をつかんで倒すが、すぐスタンドに戻る。終盤、COROが右フックを強打するが、石司はひるまず。接戦のラウンドに。記者採点は打撃は五分と判断し、テイクダウンを奪った石司としたが、ジャッジは割れている可能性は高い。
2R、石司は開始すぐから両脇を差して倒し、マウントへ。バックを奪い、裸絞めを狙うが、COROは体をひねって向き直す。COROは脱出し押し込むが、石司が押し返して再びテイクダウンを奪いハーフガードをキープする。
スタンドに戻るが、COROがパンチを振るったところで石司が組み付こうとした際にバッティングとなり、COROのダメージが大きく一時中断する。石司には減点1が科される。それでも石司はしつこく組んで来るが、投げを狙った際に一回転し、COROが上になって終了する。記者採点は石司。減点分含め合計19-18で石司。ジャッジはやはり割れ、石司の勝利となった。
第4試合 59kg契約 5分2R
×ヒロヤ(トライフォース赤坂)
○関原 翔(K-PLACE)※リバーサル東京スタンドアウトから所属変更
判定0-3 (松宮19-19○/長瀬19-19○/福田18-20)
「朝倉未来1年チャレンジ」の3選手が参戦(畠山祐輔は不戦敗)。2月のTDC大会で雅駿介に敗れ2連敗中のヒロヤは、2月のDEEP初戦で力也に1R TKO勝ちした関原翔と対戦した。
1R、パンチの打ち合いの展開で、関原の左フックでヒロヤがダウンする。その後は金網際でお互い膝を打つ展開が続く。離れるとパンチ主体の攻防が続き、最後、ヒロヤがギロチンを仕掛けるが、関原は防御する。記者採点は関原。
2R、関原もパンチを当てるが、ヒロヤが左ボディ、右アッパーを上手く当て、打撃でやや優位に。中盤、タックルで倒して上になる。スタンドに戻り、お互い一歩も引かない打撃戦を展開。終盤、またもヒロヤがタックルで倒し上に。最後、脱出した関原が引き込んでバックを取り終える。記者採点はヒロヤ。合計19-19でマスト判定で1Rにダウンを奪った関原。ジャッジ3者も関原を支持し、関原の勝利となった。
第3試合 フェザー級 5分2R
×西谷大成(トライフォース赤坂)
○山本歩夢(パラエストラ柏)
1R 3’09” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
2月にダースチョークで井上雄斗に逆転一本勝ちした「朝倉未来1年チャレンジ」の西谷は、同大会で高塩竜司を圧倒しプロ2連勝の山本歩夢(あゆむ)と対戦。山本はABEMAで先週放送スタートした「格闘技DREAMERS」の第1次オーディションを突破し、その後脱落したものの、残っていても不思議ではなかった実力者だ。
1R、西谷が押し込んでテイクダウンを先に奪うが、山本が返して脱出し、両足へのタックルを仕掛けて上になる。スペースができるとパウンドを連打し、西谷がひるんだ隙を逃さずさらにパウンドを畳みかけレフェリーストップ勝ちした。
山本は「1分ぐらいで勝つかなと思ったんですけど、前々日ぐらいに怪我して、それでも勝てる自信があって臨みました」と話し、スポンサーやジム関係者に感謝の言葉を述べ「佐伯代表、次回良ければ強い人と組んでください。まだ早いと思われそうですけど、格闘技始めて1年でRIZINに出ると、やりたい人が増えると思うので、実行できるよう頑張ります」とアピールした。
第2試合 フェザー級 5分2R
×畠山祐輔(トライフォース赤坂)
○佐藤拳駿(K-Clann)※OOTA DOJOから所属変更
不戦勝 (畠山の計量失格)
第1試合 フライ級 5分2R
○鶴屋 怜(パラエストラ柏)
×岡崎鷹士郎[よしろう](フリー)
不戦勝 (岡崎の計量失格)
試合開始前、対戦相手の計量失格で試合の無くなった佐藤と鶴屋がリングイン。両者とも来場したファンに謝罪し、佐藤は「練習滅茶苦茶頑張ってるんで、フェザーで世界取る覚悟決めているんで、応援お願いします」、鶴屋は「次の試合に向けて強くなるので楽しみにしてください」と話した。
なお、この日の「朝倉未来1年チャレンジ」勢3人は、不戦敗の畠山含め全敗で終わった。