DEEP JEWELS 6.20 ニューピアホール:伊澤星花、3戦目で王座奪取「DEEP JEWELSが世界一と証明したい」。双子の母・大島沙緒里、パク・シウ&青野ひかる撃破し同時2階級制覇
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skyticket Presents DEEP JEWELS 33 ~アトム級GP 2021 FINAL~
2021年6月20日(日) 東京・ニューピアホール
レポート&写真:井原芳徳
DEEP JEWELSアトム級GP 準決勝~決勝。大島沙緒里が優勝し2階級同時制覇達成
新型コロナウイルス緊急事態宣言の影響で、5月5日の後楽園ホールから日付・会場を変えて開催される今大会では、DEEP JEWELSアトム級(47.6kg)GPの準決勝と決勝を行う。優勝者は同級王者として認定される。
アトム級GPは3月7日の後楽園大会で一回戦4試合が行われた。大島沙緒里は富松恵美をわずか45秒アームロックで秒殺。韓国の新鋭・パク・シウはにっせーを圧倒して判定勝ちした。青野ひかるは17年のデビュー戦で敗れた相手・佐藤絵実に判定勝ちし準決勝に駒を進めた。村上彩は対戦相手のさくらの計量オーバーにより不戦勝となるも、5月上旬に病気で入院した影響で欠場。代わって今大会のリザーブファイトに出場予定だったにっせーが準決勝に繰り上がる。
組み合わせは抽選の結果、パク・シウ vs. 大島沙緒里、青野ひかる vs. にっせーに。シウは昨年12月に大島の寝技を封じ判定勝ちし、19年12月には青野に1R TKO勝ちしている。大島は昨年9月ににっせーに1R一本勝ちしDEEP女子ミクロ級(44kg)王座を奪取。青野とにっせーは初対決だ。実績で見ればシウが本命、大島が対抗という印象だが、大会が1か月半延びた分、選手の準備も変化があるはずだ。
第1試合 DEEP JEWELSアトム級GP準決勝(5ジャッジ制) 5分2R
×パク・シウ(韓国/TEAM MAD)
○大島沙緒里(AACC/DEEP女子ミクロ級(44kg)王者)
1R 2’28” 腕ひしぎ十字固め
シウのセコンドには日本での練習拠点のKRAZY BEEの山本美憂がつく。1R、スタンドの攻防で、大島は序盤から左ストレートをヒット。大島がパンチを振ってからタックルを仕掛けるが、シウは切る。シウは左インロー、右ローを時折ヒットする。
シウが圧をかけ、少し距離が縮むと、シウの左フックが炸裂し、大島は後ろに倒れる。本人いわく「ダメージは無かったです。そのまま倒れて足関を狙うつもりでした」という。シウはそのまま上になりパウンドで追い打ちをかけ、大島はピンチかに見えた。だが大島はシウの腕をつかむと、足を登らせ腕十字を仕掛ける。しばらくシウも防御したが、大島は伸ばし切って一本。見事リベンジを果たすと共に、決勝進出を果たした。
第2試合 DEEP JEWELSアトム級GP準決勝(5ジャッジ制) 5分2R
○青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)
×にっせー(フリー)
1R 1’39” 腕ひしぎ十字固め
1R、青野は序盤から組み付き、にっせーは金網を背にしてオンブになろうとするが、青野は難なく防御し、振り落として上になる。にっせーは脱出し上になるが、青野は下から腕十字を極めてタップを奪い、無傷で決勝に駒を進めた。
第8試合 メインイベント DEEP JEWELSアトム級GP決勝(5ジャッジ制)(王者決定戦) 5分2R
○大島沙緒里(AACC/DEEP女子ミクロ級(44kg)王者)
×青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)
判定5-0 (豊永20-17/長瀬20-18/松宮20-17/植松20-18/田澤20-18)
※大島が優勝。アトム級王者に
1R、青野が開始すぐに右フックを当てて組み付き、テイクダウンを奪う。バックを狙うが、大島は下に落として袈裟固めで押さえ、アームロックを狙う。青野は対処しトップをキープする。だが大島はアームロックを狙いつつ、リバースしてそのまま腕十字も狙う。最後は足関節の取り合いとなるが、膠着し終わる。記者採点はチャンスの多かった大島。
2R、開始すぐに青野がテイクダウンを奪い、またも足関の取り合いに。大島は足関からアームロックに切り替えてサイドで押さえ続ける。大島は時折パウンドをヒットする。青野はハーフに戻すが、防戦であることは変わらない。最後は大島がサイドで押さえて終える。記者採点は大島。合計20-18で大島。ジャッジ5者も大島を支持し、大島が完勝で優勝すると共に、2階級制覇を達成した。
大島は「パク選手は日曜も練習し、3部練もすると聞き、焦って私も練習しました。AACCでは週2回しかやっていません。煽り映像にもあったように、打撃、グラップリング、ラントレ、クロスフィットトレーニングを重ね、今までで一番練習しました。ベルトを取ったからには、これからがスタートなので、このベルトを守り切れるよう頑張ります」とアピールした。
バックステージで大島は「パク選手に勝つことだけに集中していました。決勝の青野選手の映像を見ていなくて、オーソドックスかサウスポーかも知らないまま試合をしました」「(決勝前は)顔は痛かったですけど、AACCで殴られているので、怖くなかったです」「夜は子供の世話があって、なかなかAACCの女子練に参加できなくて、昼にポゴナ・クラブジムやIGLOOの女子練に参加しました。グラップリングの強い選手と練習していたので、極めたかったです」と試合を振り返った。
今後については「浜崎(朱加)さんやRENAさんやあいさんと練習していて、RIZINのレベルが高いのを痛感しているので、簡単には言えないですし、それだけの実力が無いのもわかっているので、オファーをもらったら試合をする感じです」と謙虚にコメントした。
普段は双子の母で、試合では2本のベルトを守らないといけない立場に。ミクロ級のベルトについては「44kg、落ちるかな。子育てをしていると甘いものを食べることが増えるので、減量が厳しいんですけど、防衛もしないといけないですね」と苦笑しながら話していた。
ストロー級タイトルマッチ 伊澤星花が一本勝ちで3戦目で王者に「DEEP JEWELSが世界で一番強い団体と証明したい」
第7試合 セミファイナル DEEP JEWELSストロー級タイトルマッチ 5分3R
×本野美樹(AACC/王者)※初防衛戦
○伊澤星花(高本道場/挑戦者)
1R 3’32” 腕ひしぎ十字固め
※伊澤が王者に
セミファイナルではDEEP JEWELSストロー級王者の本野美樹が伊澤星花を相手に初防衛戦を行う。本野は12月の新宿大会でのノンタイトル戦で伊澤に判定負け。3月の後楽園大会でベルトを懸けて争う予定だったが、本野の膝の靭帯の部分断裂により、今大会に延期。伊澤は3月大会で本野の先輩・杉本恵とグラップリングマッチを行い、58秒裸絞めで一本勝ちしている。本野は東海大柔道部出身。伊澤は中学時代にレスリング全国中学生選手権で優勝し、高校時代に柔道でインターハイ3位に入賞。昨年6月からMMAを始め、10月にMMAプロデビューしたばかりで3戦目だ。
1R、開始すぐに伊澤が右ミドルを当て、そのまま組み付き、テイクダウンを奪う。金網際で上になると、本野はその先の攻めは許さず、脱出して伊澤を金網に押し込む。だがしばらくして伊澤が押し返すと、再びテイクダウンに成功。サイドで押さえつつ、パウンドも絡め、じっくり動いて腕十字を狙える形に持ち込むと、最後はクラッチを切って伸ばしタップを奪い完勝した。
ベルトを巻いた伊澤は「チャンピオンになりました。私はDEEP JEWELSという団体が凄く好きです。練習を見てくれる先生たち、今指導してくださっている横田(一則)さん、試合を組んでくれる佐伯さん、大好きです。これからはDEEP JEWELSを引っ張り、世界で一番強い団体と証明したいです」とアピールした。
バックステージで伊澤は「前回は判定で、今回は一本かKOで極めきりたいと思いました。今回は(前回のリングと違ってケージで)壁が使えて、壁レスがやりやすかったです。(K-Clannに)練習環境を変え、よりMMAに近い動きができたと思います。今回は腕十字につなぐ道筋を決め、戦術的に組み立てることができました。世界を取るにはまだまだ弱い部分が多いですし、どこの団体から話が来ても戦えるよう、もっと練習します。DEEP JEWELSにはとてもお世話になって大好きなので、DEEP JEWELSより上と言われる団体でチャンピオンになって、DEEP JEWELSが一番上と証明したいです」と話した。
奈部ゆかり、HIME、竹林エルが判定勝ち
第6試合 フライ級 5分2R
○奈部ゆかり(リバーサルジム新宿Me,We)
×ARAMI(フリー)
判定3-0 (五十嵐20-18/松宮20-18/豊永20-18)
1R、奈部が柔道仕込みの投げ技でテイクダウンを重ね、サイドを奪ったり、バックから裸絞めを狙う等して印象を作る。ARAMIもすぐスタンドに戻し、左フックを当てたり、足関を狙う場面もあるが、攻められる時間が長い。記者採点は奈部。
2Rも奈部が肩からARAMIを抱えてからテイクダウンを奪い、テイクダウンのバリエーションを見せる。立たれても奈部が押し込む等して優位を維持する。終盤にもテイクダウンを奪い、最後はまたもARAMIが足関を狙うが、ARAMIが防御して終了。記者採点は奈部。合計20-18で奈部で、ジャッジ3者も奈部を支持し奈部の勝利となった。
第5試合 ストロー級 5分2R
×藤田翔子(リバーサルジム新宿Me,We)
○HIME(毛利道場)
判定0-3 (松宮17-20/豊永17-20/五十嵐17-20)
※藤田が計量400gオーバーで減点1。HIMEが勝った場合のみ公式記録
1R、スタンドの打撃戦で、藤田も左ジャブを当てるが、HIMEが右ストレート、左ジャブを多く当てやや優位。藤田が組んでテイクダウンを奪い、サイドを取るが、HIMEが腕十字を狙う場面も。スタンドに戻っても、HIMEがオンブから裸絞めを狙い続け、主導権を奪い返す。記者採点はHIME。
2R、藤田が右ハイ、右ストレートを当てるが、HIMEは右ミドルを効かせつつ、右ストレートのヒットを次第に増やし、打撃で優位に。終盤、藤田がタックルで倒してサイドを取るが、HIMEはその先の攻めを許さず、スタンドに戻し、パンチで攻めて終了する。記者採点はHIME。合計17-20でHIME。ジャッジ3者も同じ採点で、HIMEの判定勝ちとなった。
第4試合 51kg契約 5分2R
×音波(AACC)※永尾音波 改め
○竹林エル(総斗會三村道場)
判定0-3 (橋本18-20/五十嵐19-19○/松宮18-20)
1R、スタンドの打撃戦で、竹林がボディへの膝を当てると、音波は引き込み、下から腕十字を狙う。竹林は防御し、スタンドに戻る。音波はタックルを繰り返すが、竹林は右膝、ミドルを当て、タックルを潰してからバックを取り、最後までキープして終える。記者採点は竹林。
2R、竹林が左右のハイ、左フック、組んでの膝等、打撃で優勢。おそらくバッティングで竹林は鼻血を出すが、優位を維持。中盤にはテイクダウンを奪うと、すぐにバックを取り、終盤は裸絞めを狙い続けて終了する。記者採点は8-10で竹林。合計17-20で竹林。竹林が判定勝ちした。
ライト級のひしぬまjujcyさやか、インパクト残すTKO勝ち
第3試合 ライト級 5分2R
○ひしぬまjujcyさやか(和術慧舟會GODS)
×ぽちゃんZ(ねわざワールド品川&パラエストラ東京)
2R 1’39” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、ひしぬまが背負い投げからの袈裟固めで押さえてから、終了間際にはマウントパンチを当てる。2Rも同様のパターンで袈裟で押さえ、ギロチンを狙い、最後はマウントパンチの連打でTKO勝ち。一個一個の動きのつながりが良く、素質の高さが伝わったが、ライト級だと国内での相手探しに苦労しそうだ。
オープニングファイト第2試合 アマチュアSPルール 48kg契約 3分2R
×SENA(GRABAKAジム)
○小松崎亜純(総合格闘技道場コブラ会)
2R 1’09” アームバー
オープニングファイト第1試合 アマチュアAAルール 58kg契約 3分2R
×桜子(NEX-SPORTS)
○奥富夕夏(リバーサルジム新宿Me,We)
1R 1’27” アームロック