RIZIN 10.3 長崎(レポ):堀江圭功、体重超過の宇佐美正パトリックに2R TKO勝ち。コレスニック、松嶋こよみに2R逆転TKO勝ち。安井飛馬、カファロを寝技で追い詰め判定勝ち。ケイト・ロータスがNOELに辛勝
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abc presents RIZIN LANDMARK 16 in NAGASAKI
2026年10月3日(土)長崎スタジアムシティ HAPPINESS ARENA
レポート:井原芳徳 写真:(C)RIZIN FF ※本大会はABEMA PPVにて視聴できる
堀江圭功、体重超過の宇佐美正パトリックに2R TKO勝ち
第10試合 MMA 72.65kg契約 5分3R
○堀江圭功[よしのり](ALLIANCE)
×宇佐美正パトリック(Battle-Box)
2R 3’32” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※計量で72.65kgだった宇佐美陣営の希望により、ライト級(71kg)から72.65kg契約に変更。ペナルティは無し
堀江は長崎出身の31歳。パンクラスの元ランカーで、21年からRIZINに参戦し、関鉄矢、佐々木憂流迦、中田大貴に3連勝。右拳の骨折で1年半のブランクを作り、23年4月、ウガール・ケラモフに2R裸絞めで一本負け。9月のスパイク・カーライル戦からライト級に階級を上げて判定勝ち。24年2月の佐賀大会ではルイス・グスタボに判定負け。その試合で再び右拳を骨折し、昨年6月9月、ライト級王者のホベルト・サトシ・ソウザに挑戦したが1R裸絞めで一本負け。今年4月の福岡大会ではパトリッキー・ピットブルに判定勝ち。今回、故郷の長崎に凱旋する。
宇佐美は26歳。24年6月、徳留一樹に1R TKO勝ち、9月の矢地祐介戦では判定負け。大晦日、細川一颯とキックルールで対戦し2R KO勝ち。昨年5月、キム・シウォンに判定勝ち。11月、桜庭大世に3R膝十字で一本負け。今年5月、雑賀“ヤン坊”達也に1R KO勝ちしている。
試合は前日の公式計量時の宇佐美陣営の申し出により、71kg契約から72.65kgに変更となった。堀江陣営はファイトマネーの増額を要求し、RIZINは承諾している。堀江は本来のリミット内の70.95kg、宇佐美は72.65kgジャストで公式計量をクリアした。宇佐美は22年6月のROAD TO UFCライト級一回戦の際、前日計量前に脱水症状を起こしたため入院し失格となった過去がある。
今回、事実上の宇佐美の計量オーバーだが、契約体重が変わる形となったため、減点2や勝ってもノーコンテストといったペナルティは発生しない。UFCやONEといった海外の大会では、計量オーバーした選手のファイトマネーの一部が相手選手に譲渡されるペナルティが一般的で、宇佐美のファイトマネーが減額されたか不明だが、世界標準に近い形となった。RIZINの榊原信行CEOは大会後の総括で、今後もこの特例を採用する可能性について「必要だと思えばこういうカードを引くかもしれません」としつつも「基本ノーコンテストルールが大前提です」と説明している。
両者が入場し、宇佐美はコールされると場内からブーイングが飛び、両手を振り上げるふてぶてしい態度で煽り、地元出身の堀江には歓声が飛び、普段のRIZINに比べてホーム&アウェー感が強い会場の雰囲気となる。前日の公開計量で宇佐美が反省の意を示さず「こいつ殴り潰します」と堀江を挑発したことも、火に油を注ぐ形になった。
ただ、榊原CEOは大会後の総括で、試合前の宇佐美に対し「公式戦でやるということになったんだから、下を向いていたり、ふてくされたりしてほしくない。やるということになった以上は思い切り行け」「いろんなことを言われると思うけれど、もうこういう方向で堀江も受けて『やる』って言っているんだから、全力で倒しに行ってくれ。照れることはない」と、心構えについて伝えていたことを明かしている。
試合は1R、開始すぐから堀江がタックルを繰り返すが、宇佐美は切って離れ続ける。中盤、堀江が片足タックルを仕掛け、耐えた宇佐美は首を抱えてギロチンチョークを仕掛けて引き込むが、極まりは浅い。終盤、堀江は首を抜き、右のパウンドを当てる。宇佐美は腕十字を狙うが、堀江は対処する。
堀江は金網際でハーフで押さえ続けると、残り30秒を切ってから、体を起こし、押さえつけながら頭に膝を連打する。一瞬、宇佐美の動きが止まり、堀江がパウンドを連打して追い詰める。レフェリーストップかと思いきや、宇佐美はすぐ蘇生して立ち、タックルを仕掛け、堀江がギロチンで迎撃して終える。記者採点は堀江。
2R、宇佐美は左フックを放って前に出るが、堀江は右フックを当ててひるませて組み付く。宇佐美は突き放してパンチを振うが、堀江はかわし、タックルで倒して上になる。宇佐美は下から腕十字を狙うが、これも堀江は対処して上から押さえる。宇佐美は下から時折肘を当て、堀江もパウンドを時折落とす。
やや膠着気味になっていたが、終盤、堀江が体を起こして左肘を宇佐美の顔面にクリーンヒットする。宇佐美がひるんで顔を横に向けると、堀江はチャンスを逃さずパウンドをまとめ、レフェリーがストップ。場内は大盛り上がりとなった。堀江は金網によじ登って両手を広げて勝ち誇った後、降りて宇佐美に歩み寄り慰めると、宇佐美は「生意気なこと言ってすみません」と答えた。
マイクを持った堀江は「感謝しか思い浮かばないです。会場に来てくれた人、ありがとうございます。試合まで、格闘技だけじゃなく、ずっと天気もなんか悪いし、良くないことも多く起こったりとか、なんか日本が暗いと感じていたので、今日は何としても勝って、応援してくれる人たちの気持ちを晴らしたいと思っていました。長崎大会のことを色々言う奴らもいたけど、ここに来てくれている人が正解です。今日は思案橋あたりで飲んでいるので、もし会ったらみんなで仲良く握手とか写真とか取りましょう。まだ今日は終わりじゃないですよ」と、酒豪らしいアピールを繰り広げ、場内を和ませた。花道を退場する堀江には、多数のファンが駆け寄り、地元長崎のスター・堀江を称えた。
コレスニック、松嶋こよみに2R逆転TKO勝ち
第9試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
○ビクター[ビクトル]・コレスニック[Viktor Kolesnik](ロシア/タイガームエタイ/クズニャ/セルビアンBC&ロシア・オープンFCフェザー級王者)
×松嶋こよみ(IDEA ASAKUSA)
2R 0’20” TKO (レフェリーストップ:右サッカーボールキック)
コレスニックは30歳。13年にMMAデビューし、ロシアやセルビアの大会で5連勝後、23年5月にRIZINに初参戦し、ライト級で岸本篤史にTKO勝ち。10月の2戦目からフェザー級に階級を下げ高木凌に判定勝ち。24年4月、中原由貴に判定勝ち。昨年6月、SASUKEに1R左ボディでTKO勝ち。9月、ラジャブアリ・シェイドゥラエフの王座に挑戦したが33秒でTKO負け。今年3月、相本宗輝の欠場で急きょ1階級上のライト級で武田光司と対戦し判定負けした。今回はフェザー級に戻って戦う。
松嶋は33歳。15年に修斗でプロMMAデビューし、パンクラスで活躍後、18年~20年はONEに参戦し5戦3勝2敗。22年のRoad To UFCでは準決勝でイー・ジャーに判定負け。24年1月のTOP BRIGHTSではカルシャガ・ダウトベックに1R TKO負け。昨年はKNOCK OUTで8月、12月と、倒してからの打撃が有効なUNLIMITEDルールで試合をし、ジャン・チャオと漁鬼に判定勝ち。11月にRIZINに初参戦する予定だったが、対戦相手のヴガール・ケラモフが大会前日にドクターストップがかかり試合中止に。今年5月の神戸大会でRIZINに初参戦し、ライアン・カファロを相手に死闘を繰り広げ健闘するも、3R一本負けした。
1R、開始すぐから松嶋が右フックを振るってタックルを仕掛け、背後に回ってオンブになる。松嶋は裸絞めを狙い、フェイスロックの形で絞める。中盤過ぎ、コレスニックが振るい落とし、頭に膝を当てるが、すぐに松嶋はギロチンチョークを仕掛ける。終盤、スタンドに戻り、松嶋は右の回転肘を当てる。松嶋は片足タックルを仕掛け、足をつかんで引き込むが関節技には持ち込めない。コレスニックもバックを取りかけるが、すぐスタンドに戻る。
するとコレスニックが右膝蹴りを顔面とボディに当て、さらに右ハイ、ストレートを当てる。少し松嶋がひるむが、耐えて終える。記者採点は最後追い詰めたコレスニックだが、割れる可能性もある。
2R、やや疲れ気味の松嶋に対し、元気なコレスニックはプレッシャーをかけ、右カーフキックを当てる。松嶋は蹴り足をつかんでタックルを仕掛けるが、コレスニックは切って片膝立ちの状態から、右足にしがみつく松嶋の側頭部に左右の肘打ちを当て続ける。すると後頭部に当たる肘もあったため、橋本レフェリーが注意するが、ブレイクは無く続行する。引き続きコレスニックが側頭部に右肘を連打していると、松嶋は力が抜け、亀の状態で動きが止まる。
コレスニックは右足を引き抜いて立ち、右のサッカーボールキックを顔面にクリーンヒットヒット。松嶋が立って後ろにフラつき、コレスニックがさらに左のサッカーボールキックを放ったところで、レフェリーがストップした。下がった松嶋は金網から跳ね返って前に出て、まだ戦闘意欲はあった様子で、ストップに不満を示すが、動きが止まった後にクリーンヒットをもらったため、ストップは致し方ないところだろう。
マイクを持ったコレスニックは「勝ててうれしいです。連敗脱出できました。榊原さん、(マッチメイカーの柏木)信吾さん、判断お願いします」と話した。コレスニックはこの試合でRIZINとの契約満了となるため、契約の延長を求めた形だ。
安井飛馬、カファロを寝技で追い詰め判定勝ち
第8試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
×ライアン・カファロ[Ryan Kim Cafaro](米国/ニック・カトーネMMA/元CFFCフェザー級王者)
○安井飛馬[ひゅうま](JAPAN TOP TEAM)
判定0-3 (豊永27-30/植松27-30/橋本27-30)
カファロは36歳。韓国系米国人で、13年にMMAデビュー。米国北東部のArt of WarやCage Fury FCにレギュラー参戦し、昨年5月、アンソニー・ディレムに判定勝ちしCFFCフェザー級王座を獲得。12月にはジャスティン・パットンに1R TKO勝ちし初防衛。今年5月の神戸大会でRIZINに初参戦し、2Rまで松嶋こよみに苦戦したが、3R、ブルドッグチョークで一本勝ちした(公式記録はドラゴンスリーパー)。
安井は宮崎出身の25歳。兵庫の関西学院大学の柔道部在籍中に大阪のコブラ会でMMAを練習。23年の朝倉未来チャレンジ2期生となり、24年にDEEPで2連勝後、大晦日のRIZINの雷神番外地では黒薔薇くん[鈴木博昭]に判定勝ち。11月のRIZIN神戸大会では鹿志村仁之介に判定負け。今年4月のDEEPの森俊樹戦は2R反則勝ち。今回約1年ぶりにRIZINに参戦する。
1R、開始すぐから金網際での組みの展開となる。安井は首投げで倒し、袈裟固めで押さえ、右のパウンドを連打する。カファロは立つが、すぐに安井が金網に押し込むと、またも腕を絡めて足を掛けて倒す。安井は横三角絞めを仕掛ける。カファロがもがいてやや絞まりが緩むと、安井は解除してバックマウントを奪う。安井はパウンドを当てて、背後から足4の字ロックでしっかり捕獲する。安井は裸絞めを狙い、うまく行かずにいると、腕十字狙いに切り替え、最後はバックキープしてパウンドを当てて終える。記者採点は安井。
2R、安井が右ストレートを立て続けに当てるが、すぐにカファロはタックルを仕掛ける。安井は金網をつかんで対処し、レフェリーから注意を受ける。スタンドに戻ると、カファロの右ローのタイミングで安井が右ストレートを当て、カファロをひるませる。だが安井は少し疲れて来た様子で、動きが落ち、パンチの動きが粗くなる。終盤、カファロは左ボディ、ジャブのヒットを増やす。だが鼻血を出しているカファロも疲れて来ており、その先に持ち込めない。安井がタックルで倒し、バックを奪い、最後、裸絞めを極めたところでゴングが鳴る。記者採点は安井。
3R、安井がタックルで倒し、カファロは首を抱えギロチンを狙う。安井は外しかけるが、カファロはニンジャチョークを狙ってから押さえつけ、頭に膝蹴りを当てる。安井はすぐ動き、バックマウント、マウントと動く。すると安井は肩固めを仕掛けてサイドに移って絞める。カファロはもがいて外すが、安井はすぐバックマウントに移る。安井は裸絞めで絞め上げるが、カファロは間一髪のところで外す。安井は一旦パウンドを連打し、再び裸絞めを狙い続けるが極められず、最後は腕十字を狙って終わる。記者採点は安井。合計30-27で安井。ジャッジ3者も安井を支持し、安井が判定勝ちした。
マイクを持った安井は「(朝倉)未来さんやりました。マジきつ過ぎ。本当にうれしいです。今日勝利できたのは格闘技人生において大きな一歩です。宮崎から応援に来てくれたみんなありがとうございます。ここからRIZINの上位陣と戦ってどんどんトップに登っていきます」とアピールした。
“見えないトーナメント”ケイト・ロータスがNOELに勝利も、伊澤星花「これはさすがに厳しすぎる」
第7試合 MMA 女子スーパーアトム級(49kg) 5分3R
○ケイト・ロータス(フリー)
×NOEL(DELiGHTWORKS)
判定2-1 (植松28-29/橋本29-28/豊永30-27)
伊澤星花が産休のため返上し空位となっている女子スーパーアトム級王座を懸けた“見えないトーナメント1回戦”の一戦としてロータス×NOELが組まれ、8月11日のトヨタアリーナ東京大会で行われる予定だったが、ロータスが「左膝関節外側側副靱帯損傷、膝窩筋損傷のため全治2か月」と診断されたため、10月3日の長崎大会に延期となった。既に7月の広島大会で大島沙緒里がイ・イェジに1R一本勝ちし、パク・シウが須田萌里に判定勝ちし、9月の大阪大会でナターシャ・クジュティナがRENAに2R一本勝ちしている。当初、大晦日のバンテリンドームナゴヤ大会で王座決定戦が行われる予定だったが、この日程変更の影響で、大晦日は事実上の準決勝2試合が行われる可能性が高まっている。
ロータスは28歳。柔道をベースとし、20年にMMAデビューし、DEEP JEWELSで試合を重ね、24年7月の超RIZIN.3でRIZINに初出場しRENAに2R TKO負け。11月のDEEPでは月井隼南に2R裸絞めで一本勝ち。昨年5月のRIZIN韓国大会ではシン・ユリに判定勝ち。9月のDEEP JEWELSでは富松恵美に2R TKO勝ち。11月のRIZINでイ・ボミに判定勝ち。今年3月、大島沙緒里に判定負け。5月、51kg契約でMMA 7勝10敗のケイティ・ペレスに判定勝ちしている。
NOELは18歳。ムエタイをベースとし、12歳からMMAを始め、24年に修斗でプロデビューし4戦し2勝2敗。RIZIN甲子園のスポンサーでもあるDELiGHTWORKSから支援を受け、昨年7月の超RIZIN.4でRIZINに初参戦し、須田萌里に2Rアームロックで一本負け。11月のオープニングファイトでは海咲イルカに2R腕十字で一本勝ち。今年3月、イ・ボミに1Rフロントチョークで一本勝ちし、RIZIN本戦で初勝利した。
1R、ロータスがサウスポー、NOELがオーソドックスで構え、距離を取って見合う状態が続く。ロータスが左ストレート、NOELが右ストレート、ハイを当てるが、お互い手数が少ない。中盤過ぎ、ロータスが詰めて組み、金網に押し込むが、1分以上膠着状態が続く。内田レフェリーは残り30秒を切ってようやくブレイクするが、お互いヒットがないまま終わる。記者採点はロータスだが割れても不思議ではない。
2R、NOELからタックルを仕掛けて金網に押し込む。なかなか倒せずにいたが、中盤、NOELが倒して、中央付近でトップで押さえる。ロータスが下からしがみつき、NOELは上から押さえるだけで、お互い目立つ攻撃が出せない。最後、NOELが立ち、ロータスが蹴り上げ、NOELが踏みつけを狙うが、お互いヒットは乏しく終わる。記者採点はNOELだが割れても不思議ではない。
3R、ロータスがサウスポーからの左ミドルを当てて、組み付いて金網に押し込む。倒せず離れると、NOELがタックルで倒して上になる。だが膠着すると、残り1分のタイミングでようやくレフェリーがブレイクする。NOELはすぐにタックルを仕掛け、またも押し込むが、ここでも倒せずにいると、レフェリーは残り20秒でブレイクする。最後、ロータスが左ストレートを立て続けに当て、やや好印象で終える。記者採点はロータス。合計29-28でロータス。1・2Rは僅差のため、ジャッジは割れ、2者がロータスを支持し、ロータスが判定勝ちした。
苦戦のロータスは“見えないトーナメント1回戦”を既に突破している大島沙緒里、パク・シウ、ナターシャ・クジュティナに比べると見劣りする感は否めず、本人もそこを理解し、マイクを渡されるが拒否してケージを降りた。前王者の伊澤星花もこの試合終了直後のXで「これはさすがに厳しすぎる」と苦言を呈した。
大会後、榊原CEOは「体調の問題など色々あると思いますけれど、僕はもっと行ってほしかった」と両選手に苦言を呈しつつ「今日の結果は色々反省点が多いと思いますけれど、大晦日にコマを進める形での調整をしていけたらいいかなと思っています」と話し、ロータスの“見えないトーナメント1回戦”クリアを認めている。
第6試合 MMA ヘビー級(120kg) 5分3R
―マック・パパリイ[Mac Papalii](サモア/Battle-Box)
―赤沢幸典(HRE Gym)※フリーから所属変更
中止 (赤沢の欠場)
パパリイは27歳。12歳からボクシングを始め、18年にサモアのアマ選手権で優勝し、プロでも勝利している。レスリングやキックボクシングも並行する。MMAは23年にアマ大会のGAMMAオセアニア選手権ヘビー級で優勝。24年8月に韓国でプロデビューし14秒KO勝ち。今年4月のK-1でのMMAマッチではセネガル人のティアッカ・フェイに1R右フックでKO勝ちした。
今回初のRIZINでもセネガル人であるアルブリー・ンジャイ(ROOTS GYM)と戦う予定だったが、RIZINによると「血液検査の結果、数値に変調がありドクターストップ」となり欠場。代わって赤沢幸典(HRE Gym)が出場することが大会3日前の9月30日に発表されたが、今度は赤沢が、膝の負傷を理由に欠場することが、大会前日に発表され、試合中止となった。
島原出身の火の鳥、ベテランの上田将年を1Rで粉砕
第5試合 MMA フライ級(57kg) 5分3R
○火の鳥(BRAVE)
×上田将年[まさとし](G-face TEAM緒方道場)
1R 3’26” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
火の鳥は長崎県島原出身の32歳。島原工業高校時代にはレスリング部に在籍し、青山学院大学時代にはJOCジュニアオリンピックのフリースタイル50kg級で準優勝。24年にMMAデビューし、BLACK COMBAT、DEEP等の試合を経て、4月のRIZIN福岡大会で本田良介に1R TKO勝ち。7月5日のDEEPは猿寿健太の負傷で31秒TKO勝ち。7月18日のRIZIN広島大会に緊急出場しイ・ジェフンに3R TKO勝ちした。
上田は福岡在住の39歳。11年に修斗でプロデビューし、パンクラスのランキング戦線で活躍するが、猿飛流、小川徹、鶴屋怜らに敗れ王座はには届かなかった。24年2月のRIZIN佐賀大会では伊藤裕樹に判定負け。その後も各団体に上がり、最近では6月の修斗で打威致に1R TKO負けしている。
1R、火の鳥が胴タックルからしがみついて押し込む展開と、離れて右フックを振う展開を繰り返す。中盤過ぎ、火の鳥は抱え上げて倒して上になる。火の鳥が上で押さえていると、上田が下から腕をつかんで腕十字を狙う。だが火の鳥は外してサイドに回り、膝を頭に当ててから、鉄槌を当て続ける。上田はパワーで押さえられ脱出できず、最後はレフェリーがストップした。
マイクを持った火の鳥は「地元で試合できてうれしいです。友達とか中学の先生とか来てくれて、ありがとうございます。今年5戦フィニッシュしたんですけど、RIZINかDEEPで今年6戦目お願いします」とアピールした。
熊本出身の井上聖矢、芦澤竜誠とのダウンの応酬制す
第4試合 MMA バンタム級(61kg) 5分3R
×芦澤竜誠(フリー/元INNOVATIONフェザー級(57.15kg)王者)
○井上聖矢(THE BLACKBELT JAPAN)
1R 4’56” TKO (レフェリーストップ:左フック→グラウンドパンチ)
芦澤は31歳。INNOVATION、K-1 GROUPでキックボクサーとしてキャリアを重ねた後、23年大晦日のRIZIINでMMAデビューしたが太田忍に1R KO負け。24年7月、皇治とMMAルールで対戦し判定勝ち。11月、昇侍に2R右膝蹴りでKO勝ち。大晦日大会では福田龍彌に54秒でTKO負け。昨年9月、梅野源治に判定負け。大晦日、ジョリーに25秒腕十字で一本負けし3連敗中だ。
井上は熊本出身の22歳。極真空手をベースとし、キックの試合を重ね、昨年5月、RIZIN韓国大会にキックルールで出場しカン・ボムジュンに判定勝ち。千葉のTHE BLACKBELT JAPANに移籍し、今年4月の福岡大会でMMAデビューし、宮川日向に寝技で攻め込まれ判定負け。6月、赤田功輝に3R左フックでKO勝ち。2戦連続でストライカーと対戦する。
1R、井上が中央側で構え、右ロー、左ジャブを当てる。中盤、井上はスイッチしつつ左ストレートを当て、さらに前に出て井上がワンツーでの左ストレートを当ててダウンを奪う。だが立った芦澤は左フックでダウンを奪い返す。お互いパンチを当て、一進一退の展開となるが、残り1分、井上が左フックを当てて、またもダウンを奪い、今度は上からパウンドで追撃する。残り30秒、芦澤はスタンドに戻すが、井上がカウンターで左フックを当てて、3度目のダウンを奪うと、井上がパウンドで追撃したところで、長瀬レフェリーがストップした。
マイクを持った井上は「試合前、芦澤選手を煽ったんですけど、昔からめっちゃ好きで、やると決まったからには、とことん行くしかなくて行きました。芦澤選手、強かったです。父が2週間前に癌で緊急出術し、今日、ギリギリで会場に来てくれました。俺と一緒に頑張ろうな。これからのバンタム級を井上聖矢が荒らします。秋元強真、首洗って待っとけ」とアピールした。
なお、RIZINの榊原CEOは、敗れはしたが芦澤の戦いぶりを評価し「もう少し戦略的にアウトボクシングに徹して戦ったらいいんじゃないかとも思うけど、芦澤竜誠ってああいう男なんだと思いますね。真っ向勝負を挑むそのケレン味のないファイトスタイルにはやっぱり胸を打たれるものがある」「もう負け続けても勝つまでやれという感じです」「芦澤にはチャンスをあげたい」とコメントした。試合後のインタビューで芦澤も「どん底にいるけど、俺は上がってやるっていうところを見せたいです。落ちてる人たちが俺を見て、希望になれたらいい。俺はこのトンネルから抜けるまで絶対やります」とコメントしている。
荒東“怪獣キラー”英貴、11年ぶりRIZINの長谷川賢に判定勝ち
第3試合 MMA ヘビー級(120kg) 5分3R
○荒東“怪獣キラー”英貴(パンクラス大阪稲垣組/元GRACHAN無差別級王者)
×長谷川賢(フリー/元DEEPメガトン(無差別)級王者)
判定3-0 (植松30-25/豊永30-25/橋本30-25)
荒東は38歳。23年10月、RIZINに初参戦し、貴賢神に2R TKO勝ち。24年7月、フランスでプリンス・アウンアラーに1R TKO負け。昨年2月のGRACHANで大場慎之助に2R TKO勝ち。昨年6月のRIZINでシナ・カリミアンのMMAデビュー戦の相手を務め判定負け。9月にはべ・ドンヒョンに3R TKO負けしGRACHANヘビー級王座から陥落。今年3月にDEEPに初参戦し酒井リョウに1R TKO負けした。
長谷川は39歳。15年大晦日にブレナン・ワードに一本負けして以来11年ぶりのRIZIN参戦。19年3月のONEでアウンランサンに敗れた後、5年半のブランクを経て、24年8月のDEEPサマーフェスティバルで復帰し、SAINTに判定勝ち。11月、酒井リョウに2R負傷判定負け。昨年5月、ベトナムでモンゴル人選手に判定負け。今年5月のDEEPでブラックタイガーに1R KO勝ちしている。
1R、長谷川がサウスポーで構えて左回りでステップしつつ、右ジャブを的確に当てる。長谷川は次第に左ストレートも絡めて確実にダメージを与える。荒東も右フックを振うが、長谷川は難なくかわす。だが残り30秒、荒東が圧を強めると、右フックで長谷川を2度ダウンさせ、最後は荒東がパウンドを連打して追い詰めて終える。記者採点は10-8で荒東。
2R、持ち直した長谷川が右肘を返して 荒東を下がらせるが、荒東が右アッパーを返すと、長谷川はひるむ。お互い打撃を当てる消耗戦となるが、中盤過ぎ、荒東が左フックを連打し、長谷川をダウンさせる。終盤、荒東がグラウンドでパウンドを当て続けるが、まとめきれず終わる。記者採点は10-8で荒東。インターバル中も長谷川は倒れたままで、自軍に戻れず、ルールによりセコンドからの回復処置を受けられず終わる。
3R、お互い消耗が激しく、攻撃が減る。残り1分を切り、荒東が首投げで倒し、マウントを奪い、パウンドを当てて追い詰めて、しっかり差をつけて終える。記者採点は荒東。合計30-25で荒東。ジャッジ3者も同じ採点で荒東を支持し、荒東が判定勝ちした。
アラン“ヒロ”ヤマニハ、計量オーバーの山本聖悟に再び一本勝ちで返り討ち
第2試合 MMA バンタム級(61kg) 5分3R
○アラン“ヒロ”ヤマニハ[Alan Hiro Yamaniha](ブラジル/ボンサイ柔術)
×山本聖悟(フリー)
1R 3’00” 膝十字固め
※山本が計量100gオーバーし減点1。ヤマニハが勝った場合のみ公式記録とする。
ヤマニハは40歳。21年のRIZINバンタム級日本GP2回戦で朝倉海に判定負け。22年は3月に手塚基伸に2R裸絞めで一本勝ちし、4月に元谷友貴に判定負けし、11月に河村泰博に判定勝ち。23年10月、所英男に判定勝ち。5月の格闘代理戦争 THE MAXでは秋元強真に2R TKO負け。昨年11月のRIZIN名古屋大会で山本聖悟と対戦し、ヤマニハが2R裸絞めで一本勝ちした。それ以降はMMAの試合をしていない。
山本は30歳。21年3月にRIZINで村元友太郎にKO負け。その試合から藤田大和、石司晃一ら相手に6連敗を喫し、24年に入ってから韓国のBLACK COMBATで韓国の選手相手に3連勝。昨年11月のRIZINでヤマニハに2R裸絞めで一本負け。その後もBLACK COMBATで2連続1R TKO負けし3連敗中だが、ヤマニハへのリベンジ戦が用意された。
1R、開始すぐからヤマニハがタックルを仕掛けて、すぐに柔術式に引き込み、足を抱えてリバースする。ヤマニハは金網際で山本を押さえる。中盤過ぎ、山本が立ち、ヤマニハは引き込みに失敗し、猪木アリ状態になる。だが山本が顔面への踏みつけを当てると、ヤマニハはすぐさま足をつかんで倒し、膝十字固めを極めてタップを奪った。
マイクを持ったヤマニハは「大晦日見たいですか。私は名古屋出身なので、本当に出たいですよ」とアピールした。
杉山廣平、対馬出身の小田魁斗に判定勝ち
第1試合 MMA フライ級(57kg) 5分3R
○杉山廣平(THE BLACKBELT JAPAN)
×小田魁斗(Carpe Diem Fukuoka/GRACHANフライ級王者)
判定2-1 (豊永29-28/橋本28-28○/長瀬29-28)
杉山は30歳。キャリア初期はパンクラスを主戦場とし、デビュー間もない後藤丈治に一本勝ちし、鈴木千裕に敗れる。21年3月にRIZINに初参戦し伊藤裕樹に1R TKO負け。最近では昨年、DEEPで濱口奏琉、中国人のラスカル、橋本ユウタに勝利し3連勝している。
小田は長崎県対馬出身・福岡在住の29歳。22年にMMAデビューし、GRACHANを主戦場とし、昨年6月、御代川敏志にTKO勝ちしGRACHANフライ級王者に。今年2月、小林大介にTKO勝ちし初防衛。5月、Road To UFCに参戦したが、ジーニウシュイエに判定負け。今回、故郷長崎でRIZINに初参戦する。
1R、序盤から小田が右ボディを当ててから、右フックにつなげてダウンを奪う。すぐ杉山は組み付いて、小田を金網に押し込む。中盤、離れると、小田が右カーフキックと左フックを連打する。金網際での組みの展開でお互い倒れず、離れての打撃戦では小田が的確にパンチを当てて主導権を維持する。残り30秒、杉山がタックルで倒し、パウンドを当て、最後は踏みつけを放つが、空振りで終わり、十分な印象が作れない。記者採点は小田。ジャッジ1者は小田に8-10とつける。
2R、序盤から小田が上から押さえるが、その先の攻めが乏しい。中盤、杉山がリバースし、首を抱えて押さえるが極まりは浅い。だが終盤、杉山ががぶった状態から首を抱え、膝を顔面に当てると、最後も鉄槌を連打し、差をしっかり示す。記者採点は杉山。
3R、パンチが交錯した後、杉山がタックルで倒して上になる。やや疲れ気味の小田に対し、杉山がパスガードしてバックを狙う。小田がタックルでリバースすると、杉山がノーアームギロチンを仕掛けるが、小田は引き抜く。中盤過ぎ、一旦スタンドに戻るが、小田はパンチに力が無く、杉山がタックルで倒し、終盤にはバックマウントを奪う。杉山はパウンドを連打してから、裸絞めを極めるが、小田は耐えて終える。記者採点は杉山。合計29-28で杉山。ジャッジは割れたが2者が杉山を支持し、杉山が判定勝ちした。
【オープニングファイト】
第4試合 MMA ライト級(71kg) 5分2R
○大木良太(KRAZY BEE/TEAM SALT)
×ハント・レンジャーズ(MMA Rangers Gym)
1R 4’47” TKO (レフェリーストップ:サッカーボールキック)
第3試合 キックボクシング 100kg契約 3分3R
○森孝太郎(NEXT STEP GYM)
×勇気(VLOS)
2R 1’49” KO (右フック)
第2試合 キックボクシング フライ級(57kg) 3分3R
○今村流星(フリー)
×上村玲音[れおん](Matahari Gym)
1R 1’39” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
第1試合 キックボクシング 65kg契約 3分3R
×KAKERU(フリー)
○歩叶[あゆと](VLOS)
判定0-3 (植松27-28/橋本26-29/長瀬27-28)
※KAKERUが計量950gオーバーし減点2。歩叶が勝った場合のみ公式記録とする。

































