RIZIN 2.24 佐賀 SAGAアリーナ(レポ):ルイス・グスタボ、堀江圭功から2度ダウン奪い判定勝ち。48歳の今成正和、摩嶋一整に腕十字で逆転一本勝ち。矢地祐介、白川陸斗に2R裸絞めで一本勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!
RIZIN LANDMARK 8 in SAGA
2024年2月24日(土)佐賀・SAGAアリーナ
レポート:井原芳徳 写真:(C)RIZIN FF
中継 ABEMA、U-NEXT、RIZIN 100 Club、RIZIN LIVE(前売5,000円/当日5,500円/アーカイブ3,300円)、スカパー (5,000円)
ルイス・グスタボ、堀江圭功から2度ダウン奪い判定勝ち
第9試合 メインイベント MMA ライト級(71kg) 5分3R
○ルイス・グスタボ(ブラジル/エヴォルサオ・タイ)
×堀江圭功[よしのり](ALLIANCE)
判定3-0 (松宮=グスタボ[D50-0 A30-0 G0-20]/豊島=グスタボ[D0-0 A30-0 G20-0]/石川=グスタボ[D0-0 A30-0 G0-20])
RIZINの2024年の開幕戦となる今大会は、試合場にケージを採用するLANDMARKシリーズの大会として行われた。九州地方でのRIZINは22年10月の福岡大会以来で、佐賀は初進出となる。会場のSAGAアリーナは22年にオープンし、バスケットボールやバレーボールのプロリーグの本拠地として使用されている。メインイベントには九州の長崎出身の堀江の試合が置かれた。
グスタボは2年ぶりに復帰となった22年4月の調布大会で矢地祐介を2R TKOし、9月の埼玉大会でも大原樹理をわずか1分23秒で粉砕。昨年4月の代々木大会では武田光司を打撃で苦しめ判定勝ちし、復帰後3連勝中だ。
堀江は21年からRIZINに参戦し、関鉄矢、佐々木憂流迦、中田大貴に3連勝。21年11月の中田戦で右拳を骨折し、昨年4月の大阪大会で約1年半ぶりに復帰したが、7月にフェザー級王者となるウガール・ケラモフに2R裸絞めで一本負けした。9月の埼玉大会でのスパイク・カーライル戦からライト級に階級を上げて判定勝ちし、今回がライト級2戦目となる。
1R、堀江がプレッシャーをかけ、グスタボが右ハイを当てると、堀江が蹴り足をつかんで押し込むが、グスタボは突き放す。グスタボは前足の左足にアンクルサポーターをつけており、痛めているか?やや踏み込みが遅く、右のフックの空振りが続く。とはいえ中盤過ぎにグスタボの右フックが少し当たると、堀江は後ろにスリップしてしまう。終盤、見合う状態が続き、堀江は時折右のカーフキックを当てるが、グスタボはひるまない。するとグスタボはワンツーでの左フックをヒット。堀江は尻もちをついてダウンし、すぐ立つ。グスタボは金網に詰めるが、堀江は対処し、最後は離れ際に右肘を当てて終える。ここまでグスタボ優勢だ。
2R、堀江が前に出て、片足タックルで倒すと、グスタボは引き込みつつギロチンを狙うが、堀江は対処し、頭を抜いてハーフで押さえる。中盤、堀江がハーフで押さえ続ける。終盤も同様で、グスタボは下からアームロックを狙ったり肘を当てるが、堀江は対処して押さえ続ける。とはいえ堀江は1Rのダウンの悪印象を拭うほどの攻めには持ち込めず終わる。
3R、グスタボはやや疲れた様子で口が開くが、プレッシャーをかけ続ける。中盤、堀江が右のカーフを当てると、タックルを仕掛けて押し込むが、グスタボは突き放し、前に出続ける。堀江は攻撃が返せず回る状況が続くと、グスタボのパンチが立て続けに当たり、堀江は口から出血し苦しそうな表情を浮かべるように。
終盤、おそらくバッティングでグスタボは右まぶたをカットし出血するが、変わらず前に出ると、堀江の右ローのタイミングで右ストレートを当てて堀江をダウンさせる。グスタボは上で押さえ、下で密着する堀江に鉄槌を当て続けて終える。記者採点はD(ダメージ)50-0/A(アグレッシブネス)30-0/G(ジェネラルシップ)20-0 = 合計100-0でグスタボ。ジャッジ3者もグスタボを支持し、グスタボの判定勝ちとなった。
マイクを持ったグスタボは「コンバンワ」と第一声を放ち「またRIZINで戦えて幸せです。日本のファンが大好きです。堀江選手無しでは素晴らしい試合ができませんでした。次はホベルト・サトシ・ソウザのライト級タイトルに挑戦したいです」とアピールした。
RIZINの榊原信行CEOも「グスタボ選手はタイトルマッチを言うだけの資格がある。3月のサトシとK太郎の王座戦次第だが、挑む展開になってもおかしくない」とコメントしている。なお、敗れた堀江は大会後のインタビューで、試合中に右拳を痛めたことを明かしている。
48歳の今成正和、摩嶋一整に腕十字で逆転一本勝ち
第8試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
×摩嶋一整[かずまさ](毛利道場/元Rebel FCフェザー級王者)
○今成正和(今成柔術/元DEEPフェザー級&バンタム級王者、元Cage Rageフェザー級王者)
2R 1’37” 腕ひしぎ十字固め
摩嶋は修斗・パンクラス・海外の試合で6連続一本勝ちの後、20年8月にRIZINに初登場したが、斎藤裕に2R TKO負け。その後もクレベル・コイケに三角絞めで一本負け、金原正徳に3R TKO負けし3連敗を喫したが、昨年5月に芦田崇宏に1R終盤ヴォンフルーチョークを極めてRIZIN初勝利をあげた。9月の埼玉大会では、横山武司の寝技を封じ判定勝ちしたが、摩嶋がフェザー級リミットの66kgを0.2kgオーバーした。
今回の佐賀大会ではヴガール・ケラモフ戦が組まれたが、ケラモフはアゼルバイジャンから出国許可が下りず欠場し、大会8日前に“足関十段”今成への変更が発表された。
今成は2月10日に48歳になったベテラン。22年11月のRIZIN LANDMARKで鈴木千裕と対戦し、再三足関を狙ったが極められず判定負けし、それ以来1年3か月ぶりのMMAの試合となる。元々その時、摩嶋と戦う予定だったが、摩嶋が左肘関節内側側副靭帯を損傷したため欠場し、大会5日前に千裕に相手が変わっていた。
1R、今成は開始間もなくタックルを仕掛け、すぐに寝転んで、摩嶋の腕をつかむが、摩嶋は対処し、上からパウンドを肘を落とす。今成は足関を仕掛け、摩嶋は膝を抜いて防御する。中盤過ぎから摩嶋が上で押さえ続け、時折パウンドと肘を当てる。終盤には摩嶋がハーフに移る。残り30秒、今成はガードに戻し、摩嶋が立ち、猪木アリ状態になって終える。ここまで採点基準上では摩嶋ペースだが、今成の危険さが存分に伝わる展開に。
2R、摩嶋は自らタックルを仕掛け、今成は引き込むが、摩嶋は金網際で押さえてパウンドを落とす。今成は内側に頭を向け、足関を狙うが、摩嶋は対処し、またも金網側に今成を向け、上からパウンドと肘を当てる。
摩嶋は上から左肘を連打し、レフェリーもストップが必要か注意深く見守る状態となり、今成はピンチに陥るが、ここからまさかの逆転劇に。今成は左肘を連打する摩嶋の右腕を抱えつつ、足を登らせ腕十字を仕掛ける。摩嶋は腰を上げて今成を抱え上げるが、今成は下に落ちながら摩嶋の腕のクラッチを切り、右腕を極めると、すぐさまレフェリーがストップした。
マイクを持った今成は「ケラモフさんとか来なかったんで、期待外れな男が来たかもしれないですけど、いいフィニッシュ見せれたかと思います。このあとメインイベントもあるんで楽しみにしてください」と話した。
矢地祐介、白川陸斗のプレッシャー跳ね返し2R一本勝ち
第7試合 MMA ライト級(71kg) 5分3R
○矢地祐介(フリー/元修斗環太平洋&PXCフェザー級王者)
×白川陸斗(JAPAN TOP TEAM)
2R 5’00” 裸絞め
矢地は21年大晦日にホベルト・サトシ・ソウザの持つライト級王座に挑戦し2R一本負け。22年4月にはルイス・グスタボに2R TKO負けし2連敗となる。10月の福岡大会ではボイド・アレンに判定勝ちした。12月のINOKI BOM-BA-YE×巌流島では木村“フィリップ”ミノルとキックルールで対戦しわずか66秒でKOされたが、木村のドーピングが判明し無効試合に変わっていた。昨年6月の札幌大会ではザック・ゼインに1R裸絞めで一本勝ちしRIZIN 2連勝中。大晦日大会出場の希望は通らず、8カ月ぶりの試合となる。
白川は21年に青井人、山本琢也に勝利を4連勝とした。めまい症の手術後、療養を続け、22年7月にケラモフ戦が組まれたが、左上腕二頭筋腱断裂により欠場した。昨年9月の2年ぶりの復帰戦では中原由貴に判定負けした。今回、矢地の相手のキム・ギョンピョの欠場により、1か月を切り、これまでのフェザー級よりも1階級上での矢地戦が決まった。
1R、サウスポーの矢地に対し、白川がプレッシャーをかけ、右ハイ、ストレートで積極的に攻める。矢地は真っすぐに下がりがちだったが、中盤ようやく前に出ると、組んで詰めて首相撲からの膝を連打する。離れると、さらに矢地は左ハイを当てる。終盤も白川がプレッシャーをかけ続ける構図で変わらないが、白川もヒットが伸びず、まだはっきりした差がつかない。
2R、白川が最初前に出ると、矢地も前に出返し、逆側の金網に押し込んで倒すが、すぐに白川はスタンドに戻す。すると中盤、矢地が片足タックルを仕掛けて倒す。すぐに白川は立つが、体格で勝る矢地は押し込んでボディに膝を当てる。終盤、矢地が倒し、金網際でハーフで押さえつつ、パウンドをコツコツ当て、ようやく主導権を握る。白川は立つが、矢地は背後でしがみつき、残り20秒には背後に倒れてバックマウント奪い、裸絞めを極める。矢地は口元を押さえるような形となり、白川はアゴを引いて耐えるが、終了のゴングが鳴ると、白川は落ちており、レフェリーは矢地に勝利を宣告した。
マイクを持った矢地は「急きょのオファーを受けてくれた白川選手、階級下にも関わらず受けてくれてありがとうございました。最初さ、クセが出ちゃって危なかったですけど、だんだん軌道修正して、試合って難しいですね。だけど毎日練習して強くなるために頑張っています。皆さんも何か一つでも頑張ると、きっといいことがあると思います。すみません、偉そうなこと言って。本当にうれしいです。佐賀の皆さんありがとうございます」と笑顔で語った。榊原CEOは大会後の総括で「矢地は海外の舞台での試合を積極的に交渉したい」とコメントしており、次戦はPFLやベラトール等の海外プロモーションとなりそうだ。
大島沙緒里、クレア・ロペスに2R腕十字で一本勝ち
第6試合 MMA 女子スーパーアトム級(49kg) 5分3R
○大島沙緒里(AACC/DEEP女子ミクロ級(44kg)王者、元DEEP JEWELSアトム級(47.6kg)王者)
×クレア・ロペス(フランス/グレートブリテン・トップチーム)
2R 3’19” 腕ひしぎ十字固め
ロペスは昨年4月の代々木大会でRIZINに初登場すると、RENAに変形の膝十字固めで一本勝ち。7月の超RIZIN.2では伊澤の女子スーパーアトム級王座に挑戦したが1R開始早々のギロチンで一本負けした。
2月の佐賀大会では、ロペスと元同級王者・浜崎朱加の試合が組まれたが、浜崎が左尺骨骨幹部骨折で全治5か月と診断され欠場することになった。浜崎は22年9月のパク・シウ戦で判定負けすると共に、左腕を骨折し、療養を経て約1年半の復帰戦の予定だった。
大島はRIZINで浅倉カンナ、山本美憂に勝ったことがあり、昨年6月の札幌大会でソルトに一本勝ちしRIZIN 3戦全勝。だが9月のDEEPで韓国BLACK COMBAT女子アトム級王者のパク・シユンに判定負けし、DEEP JEWELSアトム級王座から陥落した。急きょ再起戦であり今後の躍進に向けて大事な一戦が、先輩の浜崎の欠場により舞い込んできた。大島は47.5kgと軽めの体重で計量をクリアしている。
1R、大島はパンチを振いながら前に出て組み付いて、足を掛けてテイクダウンを奪うと、サイドで押さえながらアームロックを仕掛ける。ロペスは動いて脱出し、立って猪木アリ状態になり、ブレイクがかかる。大島は両足タックルからテイクダウンを奪う。ロペスは足を効かせて突き放し、大島が上で押さえようとすると、ロペスは返して脱出し、またも猪木アリ状態となり、スタンド戻る。ロペスは右ストレート、右ローを当てるが、またも右ローを放つと、大島は合わせてタックルで倒し上になる。大島は袈裟固めで押さえるが、ロペスはすぐ返し、上になって終える。大島優勢だが、ロペスはそれぞれの局面に対応している。
2R、ロペスは右ストレートを当て、大島がタックルを仕掛ければ切り、離れ際に膝を当て、好印象を作る。ロペスはさらに左フックを当てるが、直後に大島はタックルを仕掛け、テイクダウンに成功する。大島はハーフで押さえ、逆サイドに回ると、速攻の腕十字を仕掛けるが、ロペスは対処し脱出する。またもロペスが立っての猪木アリ状態が続き、ブレイクがかかる。すると大島は組み付き、足を掛けて倒し、またも袈裟固めで押さえると、これもロペスが返してきたが、その先を大島は考えていたか?下になると、すぐにロペスの腕をつかみ、クラッチを切って腕十字を極めてタップを奪った。
マイクを持った大島は「浜崎選手じゃなくてごめんなさい。これからも朱加さんの背中を追いかけて頑張ります。前回、負けたり、色んな思いの中で、勝ててとてもうれしいです。RIZINでは4連勝中なのでチャンスをいただけたらうれしいです。今日はRIZINで戦えて幸せです」と話した。
鈴木博昭、芦田崇宏を1Rで粉砕しYA-MANに対戦要求
第5試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
×芦田崇宏(BRAVE/元DEEPフェザー級王者)
○鈴木博昭(BELLWOOD GYM/元シュートボクシング世界スーパーライト級(65kg)王者)
1R 4’29” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
芦田は佐賀出身。22年10月の福岡大会で中田大貴に判定勝ちしたが、昨年5月の有明大会では摩嶋一整に1R終盤にヴォンフルーチョーク(変形肩固め)を極められ一本負けし、それ以来の試合となる。
シュートボクサーの鈴木は22年に平本蓮、青井人に2連敗したが、昨年6月の札幌大会では西谷大成を左フックからのパウンドで、わずか56秒で仕留めた。
1R、芦田がタックルを仕掛け、鈴木が切ると、芦田はテイクダウンにこだわらず引き込み、グラウンド勝負に持ち込む。芦田はこれが裏目に。鈴木は上で押さえ、芦田は足を登らせるが防御する。終盤、芦田が足を効かせ脱出を狙いつつ、またも三角絞めを狙うが、鈴木は外し、ハーフから顔面への膝とパウンドを当て好印象を作る。すると鈴木は立ち上がり、サッカーボールキック、踏みつけを立て続けに当てると、顔をそむけた芦田に鈴木がパウンドを連打し、レフェリーがストップした。
マイクを持った鈴木は「佐賀の皆さん、九州の皆さん、はじめまして、怪物君です。めっちゃうれしいし、お客さんも多いし、テンションバク上げさせてもらってありがとうございます。ここから元チャンピオンとか上位陣、ぶっ潰して上にのし上がりたいんですけど、一個心残りがあるんでこの場で言わせてください。YA-MAN君、何でもありで俺とタイマンしようぜ。アンチさん待ってまーす」とアピールした。
なお、第5試合後の休憩前には元谷友貴がケージに登場した。石川県出身の元谷は、1月1日に発生した能登半島地震の被災者支援でRIZINが今年1年行う募金活動への協力を呼び掛けた。
阿部大治、押忍マン洸太を95秒KO
第4試合 MMA ウェルター級(77kg) 5分3R
○阿部大治(フリー/元DEEP&パンクラス・ウェルター級王者、元J-NETWORKライトヘビー級(79.38kg)王者)
×押忍マン洸太(DESTINY JIU-JITSU/パンクラス・ウェルター級3位)
1R 1’35” KO (右フック)
阿部は22年、RIZINウェルター級でストラッサー起一、マルコス・ヨシオ・ソウザ、田村ヒビキ相手に3連勝。だが昨年2月、DEEPでの同級王座防衛戦では鈴木槙吾に2R一本負けし、7月の超RIZIN.2でのミドル級戦ではイゴール・タナベに1Rヒールフックで一本負けし2連敗中だ。
押忍マンはRIZIN初参戦、福岡在住の30歳。20年にパンクラスでプロデビューし、ウェルター級のランキングに入っており、昨年9月にはBRAVEの川中孝浩を1R右ハイでKOしている。
1R、スタンドの打撃戦で、押忍マンが左ボディと左フックを立て続けに当てるが、阿部は押し倒す。すぐスタンドに戻り、中央付近で押忍マンが左フックを放って前に出ると、阿部はかわしてから右フックをクリーヒット。押忍マンは腰から崩れ、真後ろに倒れダウンし、阿部が見事KO勝ちした。阿部は「来月でも再来月でも試合できます。榊原代表」とアピールした。
野瀬翔平、瀧澤謙太を圧倒し2R TKO勝ち
第3試合 MMA バンタム級(61kg) 5分3R
×瀧澤謙太(Fired Up Gym)
○野瀬翔平(マスタージャパン福岡/修斗世界バンタム級5位)
2R 2’48” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
瀧澤は21年大晦日のRIZINバンタム級日本GP準決勝で朝倉海に判定負け。22年大晦日大会では同じく日本GPベスト4だった井上直樹と対戦し2Rアームロックで一本負け。昨年7月の超RIZIN.2では太田忍の圧力に押され、コーナーに詰められ背後からパンチの連打を浴びレフェリーストップ負けとなっていた。
野瀬はRIZIN初参戦、福岡在住の26歳。修斗を主戦場にしつつ、2年連続でRoad To UFCに参戦したが、中村倫也とシャオ・ロンに優勝への道のりを阻まれた。
1R、野瀬が瀧澤を肩から抱えて倒して上になり、立たれてもタックルからしがみつき、組みの展開で主導権を握る。中盤過ぎからは野瀬が瀧澤を倒してバックから足4の字でガッチリ捕獲し、次第にパウンドのヒットを増やし、時折裸絞めも狙って瀧澤を圧倒する。
2R、パンチや膝を出すもバランスを崩しがちな瀧澤に対し、野瀬はまたもタックルを仕掛けて倒し、素早くバックを奪う。野瀬はパウンドと肘を何発も当て、なぜかなかなか長瀬レフェリーは止めなかったが、当て続けてようやうストップした。瀧澤は腕で防御していたが、その隙間から再三野瀬のパウンドと肘が命中しており、ダメージの累積と瀧澤が抵抗できない状態を見て、あと20~30秒ほど早く止めるのが妥当に思えた。
マイクを持った野瀬は「九州の格闘技、MMA、関西や関東にも負けていないと思います。九州の僕に注目してください。僕の組技はRIZINの上位勢、チャンピオンにも通じると思っています。機会があればよろしくお願いします」とアピールした。
伊藤裕樹、判定勝ちでRIZIN 3連勝
第2試合 MMA フライ級(57kg) 5分3R
○伊藤裕樹(ネックス)
×上田将年[まさとし](G-face/TEAM緒方道場)
判定3-0 (豊島=伊藤[D0-0 A0-0 G20-0]/石川=伊藤[D0-0 A30-0 G20-0]/松宮=伊藤[D0-0 A0-0 G20-0])
伊藤は昨年2月のDEEPフライ級GP準決勝で本田良介相手に判定負けし、5月のRIZINでは山本アーセンに判定負けしたが、7月の超RIZIN.2ではヒロヤに判定勝ちし、10月の名古屋大会ではトップノイ・キウラムに判定勝ちし2連勝中だ。
上田はRIZIN初参戦、福岡在住の36歳。13年のパンクラス・ネオブラッド・トーナメント・スーパーフライ級で優勝し、長年ランキングに入り続け、19年と21年にフライ級の暫定王座に挑戦したが敗れている。
1R、序盤から金網際での組みの展開となり、上田が桜庭スタイルのアームロックを狙うが、1分以上膠着しブレイクがかかる。伊藤はサウスポーから左ボディを時折当てる。終盤、伊藤が左ストレートも当てると、上田はタックルを仕掛けるが、伊藤は金網を背にして切り続けて終える。ここまで若干伊藤が優位か。
2R、上田のタックルを伊藤が切った際、前方にスリップすると、伊藤のアゴが上田の後頭部に当たる、珍しい形でのバッティングとなり、一時中断する。再開後、お互い金網に押し合う展開が繰り返されるが、どちらも倒せず、膠着した展開となる。
3Rも同様の展開が繰り返されるが、後半戦に差し掛かり、伊藤がパンチを当てつつ、タックルを切ってサッカーボールキックを当て、好印象を作る。上田が後ろにスリップすると、伊藤は上で押さえてパウンドを当てる。最後はスタンドに戻ってから、伊藤がテイクダウンを奪い、いい形で終了。最後はしっかり差を見せ、伊藤が判定勝ちした、記者採点はD(ダメージ)0-0/A(アグレッシブネス)30-0/G(ジェネラルシップ)20-0 = 合計50-0で伊藤。
寺田匠が豪快1R KO勝ち
第1試合 キック 58kg契約(フェザー級相当) 3分3R
○寺田 匠(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/ISKA世界スーパーフェザー級王者)
×冨永武聖[たけきよ](SBHキックボクシングジム)
1R 1’54” TKO (3ダウン:左フック)
RIZINのケージでK-1とRISEの対抗戦が組まれた。寺田は宮崎出身の23歳で8戦7勝(3KO)1敗。19~20年のABEMA「格闘代理戦争 K-1 FINAL WAR」にTEAM武尊の一員として出場し、その後、武尊のいたKRESTに加入し、20年にプロデビュー。現Krushスーパー・フェザー級王者の髙橋直輝に21年に勝った実績がある。昨年11月にはイタリアで地元の選手を4R KOし、ISKA世界スーパーフェザー級王座を獲得している。
冨永は福岡出身の22歳で7戦4勝(3KO)2敗1分。福岡で開催されているRISE WESTを主戦場とする選手。
試合は寺田がオーソドックスの構えながら、ほぼ左の攻撃だけで圧倒する内容に。1R、開始すぐから冨永がパンチラッシュで詰めるが、寺田は落ち着いてさばき、左ジャブ、左ボディを効かせて下がらせると、ガードの隙間から左フックを当てて早くもダウンを奪う。冨永はパンチを振り回し前に出るが、寺田はまたも左フックを当ててダウンを奪う。寺田はさらにバックスピンキックを強打すると、最後は下がりながら左フックを当てて3ダウン目を奪いTKO勝ちした。
マイクを持った寺田は「RIZIN MMAファンの皆さん。K-1ファイターの寺田匠です。今日はRIZINに呼んでいただき、ありがとうございます。また機会があれば呼んでください。格闘技界、盛り上げる一人として突き進みます」とアピールした。
オープニングファイトでREITO BRAVELYがRIZIN九州2連続1R KO勝ち
第5試合 MMA 60kg契約 5分2R
×RYOGA(フリー)
○堺 龍平(MMA RANGERS GYM)
判定1-2 (石川=堺/松宮=RYOGA/豊島=堺)
福岡の堺は同門の持田哲兵の欠場で代役出場し、しっかり結果を残す。
1R、RYOGAが脇を差して倒し、ハーフで押さえる。RYOGAが立って、上からパウンドを落とすが、堺は下から足関を狙いつつ、バックに回り込む。終盤、スタンドに戻り、RYOGAが前方から飛びついてギロチンを仕掛けながら引き込み、最後は下からアームロックを狙って終える。
2R、スタンドの打撃戦の後、RYOGAがタックルを仕掛けて倒し、金網際で押さえる。だが堺は脱出してバックを奪い、足4の字で捕獲しながらパウンドを連打し、好印象を作る。堺は一旦下になった後も再び上になり、背後からしがみついてコントロールし、最後は倒して押さえてパウンドを当てて終了する。2Rに差を示した堺が判定勝ちした。記者採点はD(ダメージ)0-0/A(アグレッシブネス)0-30/G(ジェネラルシップ)0-20 = 合計0-50で堺。
第4試合 MMA バンタム級(61kg) 5分2R
○八尋大輝(ニコニコファイトクラブ)
×荒木雄登(LIBRE)
1R 2’36” 裸絞め
八尋は福岡出身でDEEPフューチャーキングトーナメント2020優勝の実績がある。1R、八尋が荒木の右ミドルをつかんで倒し、荒木が立とうとすればしがみつき、バックマウントを奪う。八尋はパウンドを連打し、裸絞めを極めてタップを奪った。
第3試合 キック 62.5kg契約(ライト級相当) 3分3R
○REITO BRAVELY(BRAVELY GYM/M-1 JAPANライト級王者、KOSスーパーフェザー級王者)
×古村匡平[きょうへい](FURUMURA-GYM/大和ムエタイ・スーパーライト級王者)
1R 1’29” KO (左ストレート)
REITOは大分、古村は佐賀在住だが、東京のKNOCK OUTでも活躍している選手同士の顔合わせに。1R、前に出る古村に対し、REITOがサウスポーで構え、右前蹴りで距離を取り、左ミドル、ストレートを当てる。REITOは蹴りのフェイントも絡めつつ、左ストレートを当てる。古村も前に出て右ミドルを出すが、REITOはグローブでブロックしてから、左ストレートを振って前に出ると、左ミドルを当ててから、左ストレートをクリーンヒット。古村がダウンすると、すぐさま長瀬レフェリーがストップした。REITOは22年10月のRIZIN福岡大会の関幸一郎戦でも1R KO勝ちしており、期待通りの仕事を今回も成し遂げた。
第2試合 キック 62.5kg契約(ライト級相当) 3分3R
×般若HASHIMOTO(クロスポイント吉祥寺/元GLADIATOR武士道キック・フェザー級王者)
○力斗(TEAM PREPARED/元大和フェザー級王者)
判定0-3 (石川27-28/松宮27-28/豊島27-28)
般若は佐賀出身で、力斗は大分の選手。1R、般若はサウスポーで前に出て、1分過ぎに金網際に詰めると、左フックでダウンを奪う。般若は変わらず前に出て、随所で左ストレート、ミドルを当て、やや優位な状態をキープする。
2Rもしばらく力斗が後手に回っていたが、中盤に般若が右ミドルを連打した直後に前に出て左フックを当てると、力斗が次第に前に出る時間が長くなる。力斗が左右のミドル等の積極性で上回り挽回する。記者採点は力斗。
すると3R、力斗が圧をかけ続けると、般若の左ストレートのカウンターで左右のフックを連打しダウンを奪う。般若は口から出血し苦しそうだ。それでも般若が前に出る場面もあり、左ハイも当てるが、力斗も攻撃を返し続け、反撃を封じて終了。力斗が逆転判定勝ちした。
第1試合 キック 53kg契約(バンタム級相当) 3分3R
×石郷慶人(K-1ジム福岡チームbeginning/KPKBフライ級王者)
○片島聡志(Kick Life/元WPMF世界&日本スーパーフライ級王者)
判定0-2 (豊島29-30/松宮29-29/石川29-30)
19歳の石郷と33歳のベテラン片島の一戦。片島は故郷の大分に近い佐賀での試合となる。1R、石郷がサウスポーで距離を取り、左ハイ、インロー、ボディ、ストレートを随所でヒットし、若干優位に試合を運ぶ。記者採点は僅差だが石郷。
2R、巻き返しを狙う片島は圧力を強め、1Rよりも積極的に右ミドルやストレートを当てるように。石郷は変わらず回るが、1Rよりもヒットが減り、最後も右ストレートをもらって少しフラつき印象を悪くする。記者採点は僅差だが片島。
3R、片島が前に出て首相撲からの左膝をボディにヒットする。一度離れ、またも片島が組むと、今度は左膝を石郷の右まぶたに当てて切り裂き、石郷は大出血し、ドクターチェックが入る。その後も片島が組みでの膝も絡めつつ、組まない状態でもパンチ、ミドルを的確に当て続け主導権を維持して終える、記者採点は片島。合計28-29で片島。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者が片島を支持し、3Rを確実に取った片島が判定勝ちした。
※RIZINのキックルールは肘無し、つかんでからの攻撃は1回有効