日本MMA審判機構(JMOC)が採点基準やルールを学ぶオンラインセミナー開催。RIZIN斎藤裕×平本蓮を参加者が模擬ジャッジ。ユニファイドルールとの違いも解説
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日本MMA審判機構(JMOC)は6月3日、実際の試合をもとに採点基準やルールについて学ぶオンラインセミナー「ジャッジ・トレーニング 6」を開催した。JMOCはRIZIN、修斗、DEEPなどのレフェリー・ジャッジ等の競技運営に携わる組織で、これから審判員を目指す人やマスコミ・ファンが参加可能なセミナーを随時開催している。
今回のセミナーは、判定2-1が割れた4月のRIZIN LANDMARK 5での斎藤裕 vs. 平本蓮がメインテーマ。事前に参加者がこの試合の模擬ジャッジをし、講師の松宮智生氏(JMOC副会長、清和大学法学部准教授)が採点基準について解説する内容となった。模擬ジャッジでは試合全体で優劣をつけるトータルマスト方式のRIZINルールだけでなく、ラウンドごとに優劣をつけるラウンドマスト方式のユニファイドルール(UFCやベラトール等で採用されている米国統一ルール)でも採点し、この2つのルールの違いや注意点について説明された。(下写真の斎藤の右上の金網の向こうに座っているのが松宮氏で、この試合のジャッジを務めていた。)
どちらのルールも評価基準と順番は似ている。RIZINルールでは(1)ダメージ、(2)アグレッシブネス、(3)ジェネラルシップの順位で高く評価され、ユニファイドルールは(A)効果的な打撃/グラップリング、(B)アグレッシブネス、(C)ファイティング・エリア・コントロールの順番で高く評価される。ルール上の言葉が違う項目もあるが、基本的には同じような内容を指している。ユニファイドルールでは、最重要な(A)効果的な打撃/グラップリングで少しでも差があればどちらかに優劣をつける必要があり、ほとんどの試合は(B)(C)まで評価が降りることが無いという。一方、RIZINルールでは(1)ダメージ、(2)アグレッシブネスの項目が僅差なら優劣をつける必要は無く、(1)(2)に優劣が無ければ(3)ジェネラルシップのみ必ず優劣をつける方式となっていると松宮氏は説明する。RIZINとユニファイドの観点の違いを知っておけば、採点結果も理解しやすくなるだろう。
斎藤×平本では、中盤の2Rに長時間組んだのは斎藤だったが、バックを取ったのは平本だった。また、全体の打撃のヒット数の合計のデータ(スタッツ)では平本が上回っていたが、斎藤も効果的なパンチを当てる場面があった。ジャッジの評価にも、平本の優位だった要素が強く影響していた可能性がある。松宮氏は「スタッツは当たった攻撃数の差を示しますが、攻撃1つ1つのインパクトの軽重や濃淡を反映していません。判定ではインパクトの軽重と合わせて総合的に評価してほしい」と指摘した。
斎藤×平本の採点については他にも色んな要素について考察が行われた。約1時間のセミナーの大半の時間は斎藤×平本に割かれたが、同じ大会の他の試合の採点基準やレフェリングについての説明や、参加者との質疑応答の時間も設けられた。
JMOCは主にTwitterアカウント @mmaofficials_jpを通じて情報発信をしており、CAMPFIREに会員制のコミュニティを設置し、今回のセミナーのアーカイブ動画も公開している。
【JMOCコミュニティ会員限定動画】
2023.06.03
JMOCジャッジ・トレーニング6
アーカイブ動画vol.1公開中※vol.2以降は後日公開いたします。
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— JMOC | 日本MMA審判機構 (@mmaofficials_jp) June 6, 2023