RIZIN 4.29 代々木第一体育館(レポ):朝倉未来、牛久絢太郎との接戦制す「男はやる時やりゃいいでしょ」。斎藤裕、平本蓮を寝かせられずも打撃封じ判定勝ち
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FEDELTA presents RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI
2023年4月29日(土/祝) 東京・国立代々木競技場 第一体育館
レポート&写真:井原芳徳
中継:ABEMA PPV ONLINE LIVE、RIZIN 100 Club、U-NEXT、スカパー
今回のRIZINはLANDMARKシリーズのため試合場はケージが採用される。これまでのLANDMARKシリーズ、前身のTRIGGERシリーズと違い、ナンバーシリーズと同等の豪華カードが並び、チケットは発売直後に完売となっていた。主催者発表での観客数は13,837人・超満員札止め(上写真は試合開始前)。熱気あふれる大会の目玉となったのがダブルメインとして置かれたフェザー級日本人対決2試合だ。
朝倉未来、牛久絢太郎との接戦制す「男はやる時やりゃいいでしょ」
第9試合 ダブルメインイベント2 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
×牛久絢太郎(K-Clann/元RIZINフェザー級王者、DEEP同級王者)
○朝倉未来(トライフォース赤坂/元THE OUTSIDER 65-70kg級・60-65kg級王者)
判定0-3 (片岡=朝倉/橋本=朝倉/松宮=朝倉)
牛久は21年10月の横浜大会でRIZINに初参戦し、斎藤裕に勝利しRIZINフェザー級王者となる。同年12月のDEEPで神田コウヤに判定勝ちしDEEP王座を防衛。昨年4月の調布大会では斎藤とベルトを懸け再戦し、2Rに左ハイでダウンを奪う等優位に進め判定勝ちした。10月の福岡大会でクレベル・コイケと2度目の防衛戦を行ったが、2R三角絞めで一本負けし王座から陥落。今回が再起戦となる。
朝倉兄弟の兄・未来は21年大晦日大会での斎藤裕との再戦で判定勝ちしリベンジに成功して以来、1年4か月ぶりのMMAの試合。昨年9月の超RIZINではフロイド・メイウェザーとボクシング形式のエキシビションマッチを行い、右フックでダウンを喫したところでエキシは終了し、その際のダメージで頭痛が続き、大晦日出場は回避していた。昨年大晦日に牛久と未来の一戦が発表され、しっかり準備しての一戦となる。
両者サウスポー。1R、未来がプレッシャーをかけ続け、牛久が回り続けていると、中盤、未来がパンチを振りながら突進し押し込む。未来はそこから倒し、金網際で上から押さえるが、その先の攻めが無く、膠着しブレイクがかかる。変わらず未来が前に出て、牛久が回る状態が続く。最後は未来が左フックから腕を巻く形で組み付くが、牛久が金網に未来を押し込んで終える。大差はないがここまで未来が主導権を握っている。
2R、未来が圧をかけ続け、左ボディフックを強打するが、連打にはつながらない。中盤、未来がパンチを振るって詰めると、牛久は組んで引き込んで中央付近で下になる。牛久は足を登らせる場面もあるが、未来は密着してその先を許さない。未来もパウンドは打てず攻めあぐね膠着する。終盤、福田レフェリーはブレイクをかける。最後は牛久が組んで押し込んで終える。変わらず大差はないものの、未来が若干好印象か。
3R、またも牛久は組み付くとすぐ引き込み、金網際で背になるが、これも膠着しブレイクがかかる。スタンドに戻ると、未来が左テンカオを放つが、牛久はタックルで合わせ押し込む。これも膠着しブレイクがかかる。終盤、またも未来が左テンカオを放つと牛久のボディに突き刺さるが、牛久がタックルを合わせ倒し上になる。だが少し押さえたまま手詰まりになると、最後はまたも引き込んで自ら下の状態を選び、膠着ブレイク。スタンドに戻るがすぐ時間切れとなる。牛久はチャンスの糸口をつかみかけるが封じられ、流れを変えられず終わる。
記者採点はダメージ、アグレッシブネスは同点で、ジェネラルシップ差で未来。ジャッジ3者も未来を支持し、未来の判定勝ちとなった。接戦を制した未来は「格闘家の朝倉未来のファンの皆様お待たせしました。1年3カ月試合しない間言われましたけど、男はやる時やりゃいいでしょ。また今年中に会いましょう」とマイクアピールした。
斎藤裕、平本蓮にタックル切られるも主導権維持し判定勝ち
第8試合 ダブルメインイベント1 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
○斎藤 裕(パラエストラ小岩/元RIZIN&修斗世界フェザー級王者)
×平本 蓮(剛毅會/K-1甲子園2014 -65kg優勝)
判定2-1 (片岡=平本/橋本=斎藤/松宮=斎藤)
斎藤は21年10月の横浜大会でのRIZINフェザー級王座初防衛戦で牛久にTKO負けし王座から陥落し、同年大晦日の朝倉未来戦でも判定負け。昨年4月の調布大会で牛久の王座に挑んだが2Rに左ハイをもらってダウンを喫し判定負け。3連敗となり、約1年間コンディションを整え再起戦に臨む。
元K-1ファイターの平本は7月の沖縄大会で鈴木博昭に判定勝ちしMMA 3戦目で初勝利。11月の名古屋大会では自身の左足の指の骨折により、66kgのフェザー級リミットから約1階級上の70kgに契約体重を変更し、弥益ドミネーター聡志に判定勝ちした。大晦日大会では足の怪我が完治していないため、梅野源治とボクシング形式のエキシビションマッチを行い、終了後に元王者・斎藤との一戦が発表されていた。最近は剛毅會の岩崎達也宗師の元で空手を習い、大塚隆史から組技を習っている。
1R、サウスポーの平本が左インローを当て続けるが、斉藤が平本のパンチのタイミングで胴タックルを仕掛け、金網にまで押し込む。斎藤は脇差しから抱えて倒すが、すぐ平本は立ち、引き続き斎藤が押し込む。その後も斎藤がテイクダウンを狙い、倒しかける場面もあるが、平本は耐え続けて終える。
2R、斎藤が同様にプレッシャーをかけ、序盤からタックルを仕掛けて押し込み続け、1Rと同じような構図になる。平本が突き放すと、場内は沸きあがる。平本は左ストレートを放つが、斎藤はタックルで倒す。ところが平本は脱出すると、逆にタックルを仕掛けバックを取りに行き観客を驚かせる。だが斎藤は対処しスタンドに戻すと、今度は斎藤がワンツーをヒット。お互い相手の得意なフィールドで見せ場を作り、ほぼ均衡の崩れないまま最終ラウンドへ。
3R、斎藤は変わらず序盤から金網に押し込む。だが膠着し豊永レフェリーがブレイクする。斎藤はまたもタックルを仕掛けて倒すが、これも平本はすぐ立ち、斎藤が押し込む形になる。だがこれも膠着しブレイク。終盤、斎藤がノーモーションでの左ストレートをヒット。平本もインローを返すが、その先に持ち込めず終了する。
記者採点はダメージ、アグレッシブネスは同点で、ジェネラルシップ差で斎藤。接戦のためジャッジは割れたが、2者がタックルから主導権を維持する時間の長かった斎藤を支持し、斎藤の判定勝ちとなった。
マイクを持った斎藤は「平本選手ありがとうございました 試合前には盛り上がりましたね 内容はまだまだだと思うんですけど」と話した後、声を詰まらせ「負け続いても変わらず応援してくれた人たちが凄く暖かく感じて、あきらめなくて良かったです。また次試合します」と話し、観客の拍手を浴びた。
6.24 札幌決戦、クレベル・コイケと鈴木千裕は揃って1R決着宣言
今大会は牛久絢太郎×朝倉未来、斎藤裕×平本蓮がダブルメインイベントとなったが、同じフェザー級では王者・クレベル・コイケが鈴木千裕を挑戦者に迎えRIZIN.43 6月24日(土)北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ大会で初防衛戦を行う。両選手もケージに登場すると、千裕が「宣言します。1Rで俺はKOします。3分でKOします。約束します」と宣言すれば、コイケも「6月24日、私が絶対一本勝ちします。1Rで」と言い返した。
レスラー対決は打撃決着。太田忍、離れ際の右フックで倉本一真を秒殺KO
第7試合 MMA バンタム級(61kg) 5分3R
×倉本一真(リバーサルジム新宿Me,We)
○太田 忍(パラエストラ柏/16年リオ五輪レスリング・グレコローマン59kg級銀メダリスト)
1R 0’27” KO (右フック)
倉本×太田はレスリングで活躍した選手同士の顔合わせに。倉本は昨年4月のTRIGGERで金太郎と戦う予定だったが、大会2日前に金太郎が急性腰痛で動けなくなり試合が中止に。そのため5月のLANDMARKで試合が用意されたが、試合前に膝を負傷し、魚井フルスイングに判定勝ちしたものの持ち味を発揮できずにいた。11月の名古屋大会ではバンタム級トップ集団の一人・元谷友貴に判定負けしている。
太田はレスリングで五輪銀メダル獲得の活躍をした後、20年大晦日のRIZINでのMMAデビュー戦で所英男に一本負け。21年9月に久保優太、大晦日に祖根寿麻相手に連勝したが、昨年7月の埼玉大会では元谷に判定負けしている。
試合は短時間決着に。1R、序盤から太田がタックルを仕掛ける。大田は脇を差して組んで押し、倉本は対処できているように見えたが、太田は突き放すと、すぐさま右フックを振るう。倉本も離れ際に右フックを放ったがカウンターとなってしまい、先に出した太田の右がクリーンヒット。倉本は意識が飛んでダウンすると、太田が追撃をしかけたところでレフェリーがストップした。
勝った太田は「まだまだなんで、滅茶苦茶練習して、年末タイトルマッチできるよう頑張ります」と宣言した。
グスタボ、武田光司に判定勝ちしサトシのライト級王座挑戦希望
第6試合 MMA ライト級(71kg) 5分3R
×武田光司(BRAVE/元DEEPライト級王者)
○ルイス・グスタボ(ブラジル/エヴォルサオ・タイ)
判定1-2 (片岡=武田/石川=グスタボ/松宮=グスタボ)
武田は昨年4月の調布大会でスパイク・カーライルに2R一本負けしたが、7月の埼玉大会ではジョニー・ケースに判定勝ち、10月の福岡大会ではザック・ゼインを1R腕十字で一本勝ち。大晦日大会でのRIZIN vs. Bellator全面対抗戦に抜てきされ、ベラトール・ライト級10位のガジ・ラバダノフに判定負けしたものの、大方の予想以上に健闘し評価を高めた。
グスタボは昨年4月の調布大会で矢地祐介を2R TKO。9月の埼玉大会でも大原樹理をわずか1分23秒で粉砕し、2年ぶりに復帰後対日本人で2連勝と勢いに乗る。
1R、序盤から武田がタックルを繰り返すが、その先には持ち込めず、その都度グスタボがスタンドに戻す。グスタボは中盤からサウスポーの武田に圧をかけ、随所で右フック等のパンチを振るい脅かしやや優位に。とはいえ武田はクリーンヒットは免れ、最後はタックルで倒して終える。
2R、グスタボは右フック、武田は左インローを当てる打撃戦が続き、中盤、武田はタックルで倒しまたも上になる。だがその先に持ち込めず、スタンドに戻る。終盤、グスタボはパンチで攻め、最後は武田が金網に押し込んで終える。ここまで打撃で上回るグスタボが若干優位か。武田は倒してからその先の攻めが乏しい。
3R、グスタボが圧をかけ、随所で左右のパンチを当て優位を維持する。武田は時折タックルを仕掛けるが、力が入りきらず、グスタボに切られ続ける。グスタボは飛びついての肘や飛び蹴りも絡め、武田を倒しにかかるが、最後は武田が押し込み終了する。
記者採点はグスタボ。ジャッジは1者が意外にも武田を支持したが、2者が順当にグスタボを支持し、グスタボの判定勝ちとなった。
マイクを持ったグスタボが「今日の勝利は1か月前に亡くなった祖母に捧げます。天国の祖母にチャンピオンベルトを見せると約束しました。サトシ選手やりましょう」と話し、ホベルト・サトシ・ソウザの持つRIZINライト級王座挑戦を希望した。
浅倉カンナ ONE帰りのベテランV.V Meiを寝技で圧倒し判定勝ち
第5試合 MMA 女子スーパーアトム級(49kg) 5分3R
○浅倉カンナ(パラエストラ松戸/RIZIN女子スーパーアトム級トーナメント2017優勝)
×V.V Mei[ヴィーヴィーメイ](フリー/元DEEP JEWELSアトム級王者、元VALKYRIEフェザー級(52kg)王者)
判定3-0 (石川=浅倉/松宮=浅倉/柴田=浅倉)
浅倉は浜崎朱加、大島沙緒里戦に2連敗後、昨年4月の調布大会でSARAMIに判定勝ちしたが、7月の埼玉大会でのスーパーアトム級GP一回戦ではパク・シウに判定負けした。
V.V Meiは07年にプロデビューし、今年2月3日に40歳になったベテラン。女子大会のVALKYRIE(ヴァルキリー)、DEEP JEWELSで王者となり、16年からはONEに上がり、アンジェラ・リーと2度王座を争い敗れた。18~19年は4連勝したが、20年以降は3連敗中だった。ONEとの契約が終わりRIZINに初参戦した。
試合は浅倉が得意のレスリングで終始優位をキープする内容に。1R、Meiがしばらく押し込むが、浅倉が腰投げで倒して上になる。Meiが返しかけるが、浅倉は耐え、立ったMeiを金網に押し込む。終盤にも浅倉が首投げでテイクダウンを奪うと、Meiの下からの腕十字を防御し、最後はバックから裸絞めを狙い、攻勢を維持して終える。
2R、Meiが序盤に右フックを当て浅倉を下がらせる。だが中盤、Meiの右フックのタイミングで、浅倉はタックルを仕掛けまたもテイクダウンを奪う。一旦立たれても浅倉はしがみつき、背後から引き倒しサイドを奪う。終盤にはバックを奪って裸絞めを狙い、最後は上からパウンドを当てMeiを追い詰める。
3R、浅倉はタックルでテイクダウンを繰り返し、立たれてもパンチを連打し、すぐ倒しパウンドを当てる展開を続け、Meiを圧倒する。最後は腕十字を狙うが極められず終了する。浅倉が文句なしの判定勝ちを果たした。
RENA フランスのロペスの変則膝十字で逆転一本負け
第4試合 MMA 女子51kg契約 5分3R
×RENA(シーザージム/シュートボクシング女子世界フライ級(51kg)王者)
○クレア・ロペス[Claire Lopez](フランス/グレートブリテン・トップチーム)
3R 4’21” 膝十字固め
RENAは21年11月の沖縄大会で山本美憂に2R TKO勝ちし、同年大晦日大会ではパク・シウに判定負け。7月の埼玉大会でのスーパーアトム級GP一回戦ではアナスタシア・スヴェッキスカに判定勝ちしたが、試合中に左目を負傷し、左眼窩内側壁骨折全治2ヶ月と診断され、大晦日の準決勝は欠場していた。
対するロペスははRIZIN初参戦の34歳。Tapologyのデータでは17年にMMAデビューし11戦7勝4敗。ここ2年はフロリダのCombate Globalという大会に上がり4戦3勝1敗の好成績を残している。
1R、ロペスがパンチを振るいながら前に出て、タックルを仕掛け、抱え上げてテイクダウンを奪う。金網際で下になったRENAは足をクロスして防御を続ける。中盤、RENAは腕十字を狙うが、ロペスは対処する。ロペスは上からパウンド、膝、踏みつけを当て続け、主導権を維持する。
2R、ロペスがスタンドでパンチを振るってプレッシャーをかけ続け、1分過ぎにタックルで倒し、またも金網際で上になる。だがRENAは中盤、スタンドに戻すと、右のカーフキックを効かせ、終盤はボディ狙いの左フック、膝蹴りを度々当て、ロペスを追い詰める。RENAが巻き返すラウンドに。
3R、RENAがスタンドの打撃で左ミドル、ボディブローを随所で当て、主導権を維持する。だが終盤、ロペスがタックルで倒すと、ハーフガードで押さえながら、両足でRENAの左足を挟んで膝をひねると、RENAが悲鳴を上げタップ。ロペスが意表を突く技で見事逆転勝ちした。
スダリオ剛、UFC帰りのマルティネスを圧倒し判定勝ち
第3試合 MMA ヘビー級(120kg) 5分3R
○スダリオ剛(HI ROLLERS ENTERTAINMENT/PUREBRED/117.20kg)
×ロッキー・マルティネス(グアム/スパイク22/DEEPメガトン級(体重無差別)王者/115.20kg)
判定3-0 (松宮=スダリオ/橋本=スダリオ/石川=スダリオ)
スダリオは21年10月からSAINT、関根“シュレック”秀樹、ヤノス・チューカス相手に3連勝したが、昨年大晦日大会ではジュニア・タファに打撃で圧倒され1R TKO負け。タファはその後、UFCと契約した。
マルティネスは20年2月に関根シュレック秀樹に勝利して以来約3年ぶりとなるRIZIN登場。UFCに参戦するも3連敗し契約解除されたが、11月の地元グアムの試合では日本人のヨコヤ・マクレガーに勝利している。
試合はスダリオが進化を見せる内容に。1R、スダリオが距離を取って回り、スイッチを織り交ぜつつ、左ジャブ、ミドル、バックスピンキックを随所で当てる。中盤、マルティネスが右ミドルを当てるが、スダリオはすぐ詰めて倒して上になる。終盤、スダリオがハーフで押さえ続け、最後はマウントからパウンドを連打し、ストップ寸前まで追い詰める。
2R、スダリオが右フックの連打でマルティネスをひるませるが、意外にも打撃は続けず、タックルを仕掛けて倒し、金網際で押さえる。スダリオはマウントを奪い、最後は膝蹴り、踏みつけでマルティネスを追い詰める。
3R、スダリオは開始すぐからタックルで倒し、またも上に。グラウンド勝負にこだわる。その先はマウントからパウンドを時折ヒット。技術がまだ乏しく攻めあぐねるものの、最後は踏みつけでも追い詰め終了。スダリオが文句なしの判定勝ちを果たした。
マイクを持ったスダリオは「先月子供が生まれ、お父さんになって初めての試合だったんですけど、勝てて良かったです」と話すと、観客から拍手を浴びた。
金原正徳、山本空良に完勝「フェザー級で一番強いと思うケラモフ、やらせてください」
第2試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
○金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA/元SRCフェザー級王者)
×山本空良(POD/PFC/元Fighting NEXUSフェザー級王者)
判定3-0 (松宮=金原/橋本=金原/石川=金原)
山本は昨年7月2日の沖縄大会でカイル・アグオンに判定勝ちし4連勝としたが、同月31日の埼玉大会に緊急出場し、ウガール・ケラモフに判定負けして以来のRIZIN出場となる。11月のFighting NEXUSで横山武司に判定0-2で惜敗し、NEXUSの王座から陥落して以来の試合となる。
金原は03年にプロMMAデビューし、09年大晦日に山本“KID”徳郁に判定勝ちしたこともある40歳のベテラン。一度引退したが21年10月のRIZIN横浜大会で1年半ぶりに復帰し、元DEEPフェザー級王者の芦田崇宏にTKO勝ち。昨年4月のRIZIN TRIGGER調布大会では摩嶋一整にTKO勝ちし、復帰後2連勝中だ。
試合は金原が試合巧者ぶりを発揮する内容に。1R、山本が右のカーフを当て続けるが、金原にカットされたか?山本が右足を少し痛そうにすると、タックルを仕掛ける。そこから引き込むようにしてギロチンを狙うが、金原は難なく対処し上から押さえ続ける。終盤、金原がマウントを奪うと、山本は脱出したが、スタンドのパンチの打ち合いで、金原の右フックがさく裂し、山本はダウンする。金原はすぐさま踏みつけに行くも、空振りとなりそのまま終わる。
2Rは終始スタンドの攻防に。金原が右フック、カーフを的確に当てて優位を維持する。山本は攻撃をほとんど返せず、最後はカーフをもらってスリップして終える。
3R、金原が右フックを当てまたも山本をダウンさせる、金原は上から押さえ続ける。山本は下から足関やギロチンを狙うが、金原は難なく対処を続ける。終盤には金原がマウントポジションを奪い、肩固めを狙い、最後はパウンドを当て終了。金原が文句なしの判定勝ちを果たした。
マイクを持った金原は「山本選手21歳、僕がデビューしたのも21歳。20年間、MMAという競技に強さだけを求めて一生懸命頑張ってきました。自分の強さの答え合わせがしたいなと思って、榊原さん、次、僕がフェザー級で一番強いと思うケラモフ、やらせてください」とアピールした。
アブドゥルカリコフ、雑賀“ヤン坊”達也を1R KO
第1試合 MMA ライト級(71kg) 5分3R
×雑賀“ヤン坊”達也(DOBUITA/パンクラス・ライト級1位)
○アリ・アブドゥルカリコフ[Ali Abdulkhalikov](ロシア/ゴールデンチーム)
1R 3’30” KO (スタンドパンチ連打)
雑賀は20年9月に林源平を1R KOしパンクラス・ライト級暫定王者となるが、21年12月の久米鷹介との王座統一戦では2R腕十字で一本負け。昨年4月のRIZIN TRIGGERでRIZINに初参戦し江藤公洋に2R TKO負けし2連敗となったが、その後はパンクラスで松岡嵩志とシュウジ・ヤマウチに1R TKO勝ちしている。12戦のうちの9勝全てが1RKO決着だ。今回はジョニー・ケースの負傷により代役出場した。
アブドゥルカリコフは19年7月に川尻達也に判定負けして以来となるRIZIN出場。現在29歳、MMA 13戦11勝2敗で、川尻に敗れた後は5戦4勝1敗。昨年は3試合し今年は初の試合となる。
1R、アブドゥルカリコフが序盤からスピードのあるパンチで雑賀を脅かす。アブドゥルカリコフが左フックを振りつつ、タックルを仕掛け倒すが、すぐ雑賀はスタンドに戻す。中盤、雑賀も右フックを当て、アブドゥルカリコフを下がらせたが、アブドゥルカリコフは持ち直すと、接近戦でアブドゥルカリコフが左と右のフックを連続でクリーンヒット。雑賀は意識が飛んでダウンし、すぐさまレフェリーがストップ。アブドゥルカリコフの完勝だった。